昨日はNACK5スタジアムで大宮戦を取材。試合は3-2で川崎フロンターレが勝利しました。
ロスタイムのPK弾で劇的に勝ちましたけど、内容的にはどっちに転んでもおかしくない試合だったと思います。伊藤選手が「お互いのよさを消し合ってる感じだった」と表現してましたが、確かに大宮の良さはそれほど出させなかったけど、フロンターレの良さもしっかり消された試合だった印象です。さすがは首位にいるチームですね。ナビスコの対戦したときよりも、明らかに強かったです。
まず大宮は、ピッチをワイドに広く使ってくるんですよね。
そうなるとどうしてもこちらの選手間の距離も広げさせられますし、こちらがボールを奪ってからも、いつものような距離間ではパスが回せない。相手の切り替えも早く、守備が組織されていて、球際も頑張る・・・、なかなか「自分たちの距離」でサッカーをさせてもらえなかったですね。
フロンターレの自慢の攻撃陣に対しても、かなり対策を練ってきました。レナトの突破は右サイドの今井選手が密着して張り付き、さらにもう一枚がすばやくケアして、なるべく2対1で対応して破綻を防ぐ。
大久保選手や憲剛選手に入る中央のクサビは、とにかくファウル覚悟で激しく止めて、一回リズムを切る。憲剛選手は後ろから何度かキツく倒されましたが、東城主審は一度も警告を出さないんですよね。もし速い時間帯にカードが提示されていたら、クサビに対するアプローチの強さも変わっていたと思いますが、ここらへんは主審の判断ですからね・・・。あと憲剛選手を空中で後ろから厳しく倒した直後、気まずそうにしながらも、そそくさと犯行現場から離れる、元フロンターレの菊地選手はなんか面白かったです・笑。
左もダメ、中央もダメとなれば、右サイドからの崩しで打開していくしかないのですが、いつもならば田中裕介選手が斜めのクサビを打ち込みながら、中盤や前線と連係していきます。しかし怪我で欠場し、この日は實藤選手。本職はザゲイロ(CB)ですから、守備対応は安定しているものの(この日はイマイチでしたが)、高い位置で味方と連動した崩しとなると、やはり多少は見劣りします。素早いカウンターで抜け出した小林選手の得点は見事でしたが、連係という部分では物足りなさがありました。このへんの要因も重なり、フロンターレは、これまで見せていた攻撃のスムーズさがなりを潜めていたのだと思います。
攻撃が明らかに停滞していましたから、後半にシステムを[3-4-3]に変えて、前線に変化を与えたのはいい采配だったと思います。左に張り付いていたレナトが前線で流動的になり、高い位置での起点を作りやすくなりました。
・・・・とまぁ、いろいろ書きたいわけですが、朝からずっとフロンターレの原稿を書いていたので、さすがにブログでもいっぱい書くのはしんどいっす。なので、ちょいと軽めにサラサラッと書きますわ。もう残りは、お茶漬け感覚で読んでください。
後半、一度は逆転されたものの、よく追いつき、ひっくり返しました。西部選手のビッグセーブも光りましたし、ロスタイムには、伊藤選手の決定的なシュートがゴールライン上の大久保選手の足に当たってクリアとなるアクシデントもありました・笑。
これには憲剛選手も「ヒロキさんがヨシトに当てるから!あれで試合が終わってたらみんな頭を抱えてたよ。オレもヒロキさんになんて言っていいのかわからなかったし。でもその後に、ちゃんとヒロキさんが競り勝って、それがPKにつながったと自分で言ってたからね」とやたら饒舌でした。
あの場面を伊藤選手に聞くと、「あそこは頑張りましたから」とニヤリ。ただ通りがかった憲剛選手が、「あれ、なに?」といじると、「憲剛は人に文句ばっかり言うけど、最後も取られているやろ!クサビも出しにくかった!」と負けじと反撃。広報さんが苦笑いする中、実にフロンターレらしい平和なやりとりを見学させてもらいました・笑。
これでシーズン前半戦を終了。
うまくいかない試合でも勝ちに持って行けるようになりました。中断明けが楽しみですね。
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Posts in the 川崎フロンターレ category:
等々力取材〜完勝の浦和戦。
昨日は等々力で浦和戦を取材。試合は4-0で勝利。
完勝だったと思います。
もともとフロンターレは、ペトロヴィッチ監督とは抜群に相性がいいです。ただそれは、(水曜日の広島戦後のブログのときも触れましたが)相手にボールを持たせてカウンターで仕留めるという形での「勝利の方程式」だったわけで、自分たちがボールを握っていくような真っ向勝負の戦い方ではありませんでした。
だからなのか、ペトロヴィッチ監督は、これまでフロンターレ戦に負けても「自分たちのサッカーはできていた」と話すことが多かったんですよね。09年に等々力で7-0で負けたときでさえ、そうでした。
しかしこの試合後の監督会見は違いました。
「私が浦和の監督に就任してから、最も悪いゲーム。我々が負けるに値する内容でした」、「私が交代して、全員の選手を交代したいくらいでした。唯一ポジティブだったのはすべてが今日は悪かったということ」と白旗をあげてました。敵将がそこまで認めるのですから、「完勝した」と言っていいと思います。
実際、試合内容もよかったですからね。
一般的な視点で見所をあげるとしたら、フロンターレがシステムを変えたことになるのでしょうか。去年もスリーバックで試合はしてますが、前節の広島戦後半に変えた[3-4-2-1]でスタートし、守備の局面で浦和のシステムとガッチリと噛み合わせるミラーゲームとなりました。
「今回は相手のフォーメーションの形に合わせることになったが、だからといって、やるサッカーを変えたわけじゃないですね。攻撃のときはボールを大事にしているし、相手がボールを持ったときにハメやすくしただけです」
そう話してくれたのは、中澤選手。
両隣のセンターバックとの距離感が良いため、マッチアップした興梠選手に入るクサビに対して積極的にチャレンジできており、起点を作らせませんでした。前に居る稲本選手のプレスバックも効果的だったため、中央が完全に崩される場面は少なかったですね。
サイドの攻防でも、登里選手と實藤選手が、それぞれの局面攻防で劣勢になることはありませんでした。そして今季リーグ戦初となる無失点。西部選手は「結果を出すのが遅過ぎだけど」と苦笑いしてましたが、今後に向けたいい材料であるのは間違いないと思います。
守備の局面こそシステム論になってしましたが、こちらがボールを持った攻撃のときは、相手のシステムを無力化するサッカーができていました。むしろこっちのほうが試合の本質だったと思います。
風間監督のサッカーにおける約束事はひとつだけです。
「ボールを失わないでゴールを目指すこと」
ボールを奪われずにゴールまで運べるなら、それがカウンターでもポゼッションでも手段はどっちでもいいわけです。その両方を自在にできるように日々のトレーニングで個人の技術、戦術眼を徹底的に鍛えているわけで、その変化は去年から試合を観ていればわかると思います。実際、出し手のパスの強度や正確性、受け手もトラップしたときのボールの置き方、身体の向きにこだわり続けてきたことで、ここ最近はチームとしても、ずいぶんボールを奪われないサッカーを体現できるようになりました。あれだけ点を取れているのに、ゴールのバリエーションが実に多彩ですよね。
浦和戦で圧巻だったのは3点目の崩しです。
自陣からのビルドアップを含めて、「パス何本つないだんだ?」っていうね。瞬間的に局面を狭くして奪おうとする相手をひょいひょいとパスで交わしながら逆サイドに展開。そうやってボールを運んでいきながら、大久保選手が中盤に下がってボールをさばくと、味方も上がっていく。そして左サイドから中に走り込んで行ったノボリがゴールエリア内でポストプレーをして、最後はボランチの山本選手がズドンと仕留める。相手は最終ライン5人で守備ブロックを固めているのに、2人だけで完全に崩しました。麻生の練習でよく見る形ですが、試合で見ているとほれぼれするようなゴールです。
「あの身のこなしはヨシトさんっぽかったですよね?あれはヨシトターンですね」
と、ミックスゾーンでドヤ顔だったノボリ。
ちなみにその日の夜のスポーツニュース、日テレのgoingも、スカパー!のマッチデーハイライトも、あの崩しは、ノボリではなく大久保選手のアシストとしてナレーションしてました・笑。背番号23が13に見えたのだと思いますが、流れの中で左サイドバックの選手がゴールエリア内でポストプレーをしているとは思わないのかもしれません。
そしてこの日はなんと言っても、J1通算100ゴールを達成した大久保嘉人選手。
でも僕はゴール以外の部分で彼に注目してました。というのも、大久保選手といえば、相手の守備ブロックの間、間に顔を出してボールを受けるプレーがとても上手いのですが、先日の広島戦ではその動きが少なかったんですよ。そこが気になっていたんです。
暑さや連戦だったこともあって、そういう動きがしんどかったのかなと思っていたのですが、本人に理由を聞いてみると、そうではなかったみたいです。守備のときに広島が[5-4-1]布陣で人数をかけて中央を締めていたので、そこでワントップにいる自分が中盤に下がると、中に人がいなくなるから、あえて下がらずに前線に張り続けていたとのことでした。
それはそれで悪くない判断だと思いますが、結果的にボールを触る回数が減ってしまい、自分自身のリズムが作れなかったことを本人は悔やんでました。前線に居続けるのではなく、状況によってもっと中盤に下がってボールを引き出したり、触ったりして、自分のリズムも掴むべきだったと。
この浦和戦では、そういうプレーを意識的にしていたと思います。もちろん、ゴール前でも仕事をしていましたが、あの3点目の場面なんかは大久保選手が中盤にいましたからね。おまけに憲剛選手もレナトも前線におらず「中に人が居ない状態」でしたが、それを見たノボリと山本選手がちゃんと前に出ていって、ゴールを決めました。こういう崩しが今後も出来るようになれば、大久保選手のフィニッシャーとしての負担も随分と減るでしょうね。
試合後、憲剛選手に「いま、サッカー楽しいでしょ?」と聞くと、「チョー楽しいよ」と返してくれました。
そりゃそうでしょうね。観ている方も楽しいですから。
序盤の低迷もなんのその、シーズン中盤の台風の目になりつつある川崎フロンターレ。水曜日、首位・大宮との一戦もとてもとても楽しみですね。
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広島戦〜あの堅い守備は、まるで穴熊囲い。
広島戦は2-4で敗戦。
残念ながら、公式戦負けなしは10でストップ。2点のビハインドを後半に追いつき、そこからひっくり返す流れに持っていけそうでしたが、この日は「佐藤寿人劇場」でしたな。1点目の嗅覚、2点目のミドル、そしてなんと言っても、3点目のドライブシュート・・・どれも素晴らしいものでした。10年連続2桁得点・・・圧巻です。
試合を観ていて印象的だったのが、広島の守備組織でしょうか。
森保監督になってから一番上乗せしているのがこの部分だと思いますが、本当に意思統一されています。フロンターレにボールを保持される時間帯になると、通常の[3-4-2-1]から佐藤寿人選手だけを前線に残し、9人でブロックを作って守る[5-4-1]になるのは想定してましたが、イーブンの状態でもあんなに自陣での守備を徹底しているとは思わなかったですね。当然ながら、スペースもほとんどないですし、夏場で運動量が落ちる中であれをこじ開けていくのは、想像以上に骨が折れるはずです。さすがのレナト、大久保選手も相当やりにくそうにしてました。
あの堅さ、まるで将棋で言う「穴熊囲い」のように見えました。そういえば、広島のマスコットキャラクターは熊でしたね。そこも関係あるんでしょうか。ありませんけど。
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・・・話がそれました・笑。
広島戦を観ていて、ああいう戦い方もしっかりできるのは、スタイルが成熟している広島というチームの強みなんでしょうな、とは感じました。フロンターレに関して言うと、風間監督がスタイルを根付かせている段階ですから、その構築段階でそこまで求めるのは酷な気がします。そういう意味で、チームとしての「差」を痛感させられた試合でもありました。
とはいえ、フロンターレの成長も確認できたと思ってます。というのも、去年は広島相手に2敗。それも広島にボールを保持される展開のほうが長かったわけで、相手が割り切って自陣でガッチリ守らせるようにボールを握る時間帯すらあまり長く作れなかったわけです。広島が「フロンターレに持たせていた」という言い方もできますが、0-0の前半の時間帯から広島にあそこまで割り切って自陣で守ることに切り替えさせるぐらい、フロンターレもボールを失わずに相手のエリアで攻撃を押し込めるようになってきました。
思えば、風間監督以前のフロンターレが、(ペトロヴィッチ時代の)広島を「カモ」にしていたのは確かですが、そのときは広島にボールを持たせてカウンターで仕留めるというのが「勝利の方程式」で、自分たちがボールを保持して勝った戦い方ではありませんでした。広島相手にボールを握って攻撃的に戦って勝ち切れるようになれば、ずいぶんと面白くなりそうですね。
土曜日は、浦和戦です。広島戦の反省を生かすには、これ以上ない相手ですな。
ではでは。
今回は佐藤寿人選手リスペクトでこちらを紹介。
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Jリーグチェアマン杯のこぼれ話。
先日の闘A!まんがまつりに関するイベントレポートをフットボールチャンネルで書かせてもらいました。
難敵・鹿島を下した川崎フロンターレ。快勝の要因はまさかのマンガ!?
正直、どのイベントにフォーカスして書けばよかった悩むぐらいボリュームたっぷりの企画でした。そういう意味では、本当に「お祭り」だったと思います。ピッチ内のサッカー的なものはほとんど触れてません・笑。たまにはこんな原稿もいいですよね。
密かに買ってしまった萌え萌えクッキー。500円也。選手キャラのシール付きです。
アニソンライブ参加を促される五郎ちゃん。促しているのは14番から憲剛選手なのかな?
鹿島戦の余韻もまだ残ってますが、明日はもう広島戦です。
鹿島、広島、浦和、大宮と続く上位陣4連戦のうち、今週は広島と浦和という似たサッカースタイルの相手との対戦ですね。
Jリーグ20周年ということで、最近、スカパー!では「あの日あのとき」として、Jリーグの過去の名場面集がよく流れていて、サンフレッチェ広島が初優勝した94年の様子も流れてます。このときにチェアマン杯を掲げているのは、風間八宏キャプテンです。
アウェイでの広島戦ということもあり、昨日の監督の囲み取材で当時の思い出を聞こうとすると、「俺は過去を振り返らない男だから」と言われたのですが、結局、いろいろ教えてくれました・笑。
ちなみに、当時クリスタル製でできていたチェアマン杯を試合後に落として割ってしまったのは有名な話ですね。ニュースにもなりました。これでJリーグ杯(シャーレ)は鉄になったんですよね。
【復刻】広島ガラスのカップ割っちゃった
かなり高額なものだったそうですが、その後、Jリーグにお願いして作り直してもらい、ファンの集いでちゃんとサポーターの前でちゃんと披露しているそうです。
ただ選手は誰もチェアマン杯に触ろうとしなかったらしく、いつも風間主将の指示(?)に従う若手の森保さん(森保一監督)や高木さん(高木琢也監督)も、『持て』と言っても「絶対にイヤです!」と頑に拒否していたと聞いてウケました。
他にも面白いエピソードを話してくれたのですが、「書いちゃダメだよー」とのことなので、ここで止めておきます・笑。
去年ブログで書いた、風間監督の著作2冊の書評です。
今の風間フロンターレのサッカーを観た上で読むと、またあらたに理解が深まるかもしれません。参考にどうぞ。
書評:風間八宏の「1対21」のサッカー原論。
書評:風間八宏 日本サッカーを救う「超戦術」
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等々力取材〜闘A!まんがまつりと負けないフロンターレ。
「闘A!まんがまつり」凄かったですね。
天気にも恵まれてなによりでした。というか、天気良過ぎです。イベントレポートはフットボールチャンネルに近日中に掲載されると思いますので、お楽しみに。
いつもはキックオフ2時間前ぐらいに等々力に着くわけですが、この日はもうちょっと早く行きました。しかも少し急いでいたので武蔵小杉駅からタクシーに乗ったんですよ。すると運転手のおじさんが「試合は夜7時からですよね?なんでそんなに早くから行くんですか?」とビックリしてました。
「実はかくかくしかじかで・・・・今日は試合前にスタジアム周辺でまんがのイベントがあるんですよ」と話すと、前日のファイフロを見ていたようで、「なんかフロンターレはサッカーと関係ないことをよくやってますよね」と笑ってました。「それが面白いんですよ」とフォローしちゃいましたが・・・地元の運転手さんとこういう会話になるところが、なんかいいですよね。
ふろん太とのPK戦に挑む、きただにひろしさん。
始球式でPKに失敗する人(しかも2回連続で)、初めて見たよ・笑。
試合は鹿島に4-2で勝利。
1点目は大久保選手とレナトによるカウンターでしたが、2点目と4点目は相手の守備を完全に崩してのゴール。3点目は憲剛選手の見事なフリーキックでした。いろんな形で崩せるようになってきましたね。
特に2点目の宏矢選手の折り返しに大久保選手、4点目のレナトの折り返しに大久保選手のパターンは、どちらも高い位置で起点となった憲剛選手が、絶妙なパスを通したものでした。この受け手と出し手のイメージが高いところでリンクし始めたのが、ゴールが奪い出せるようになってきた理由かと思います。
憲剛選手自身に聞くと、そこを「今のフロンターレのサッカーのポイント」として、「走っている選手の足元に出すこと。そのスピードのままで抜ければ相手は捉まえられない。それはあのシーンだけではなく、試合の随所に出ていたと思う。間で抜けて行く動きが多かったし、チャンスになるのはそういうシーンが多かった。みんなが自然とそういうことができるようになってきている」と手応えを感じているようでした。
よく「足元パス」という言葉は「スペースに出すパス」との対比で、ネガティブなニュアンスで語られますが、「走っている選手への足元パス」が通るならば、最高ですよね。
あと個人的には、杉山力裕選手の頑張りも評価したい。
実は彼のリーグ戦デビューは3年前の等々力での鹿島戦でした。相澤選手が脳しんとうを起こして途中交代で巡ってきた出番だったのですが、グラウンダーのクロスの対応で森選手と交錯しトンネル。それで失点して敗戦を喫する、苦いものとなってしまいましたから。この試合の後半は、冴え渡ってましたね。特にジュニーニョのシュートのビッグセーブはしびれました。頼もしくなってきています。
これで公式戦10試合負けなしですか。
これだけ負けなくなると、風間サッカーの何が変わったのかと世間では騒がれ始めるかもしれませんが、ひとつ言っておくと、別に風間監督の考えやスタンスは何も変わっていないです。
むしろ変化が出てきたのは選手のほうでしょう。
風間監督が一貫して言い続けていたこと、トレーニングを通じて植え付け続けていたことを、選手が徐々に試合で体現できるようになってきました。相手を外してボールを受ける、走り出す味方の足元に出す・・・という細かい局面のテクニックもそうですが、ボールを大事にする場面や、逆に一番速い攻撃を選択するという場面など、状況に応じた適切な判断も味方同士で共有できるようになってきました。
こういうのがうまく発揮出来なかった時期は、結果も出ていなかったこともあり、その原因は監督の「理想論」として叩かれてましたし、それはそれで仕方がないかとも思いますが、選手がうまく表現し始めると、ダイナミックで気持ちよいサッカーになってきました。もちろん、一朝一夕に出来るようになったわけではなくて、これまでの積み重ねがあって開花したわけです。そんなのは、日頃から練習を見ていればわかります。
それでもあえて違いを言うならば、守備のハードワーク意識が高まったのは変化と言えるかもしれませんね。レギュラーに定着した山本選手がその代表格だと思いますが、身体を張って戦える選手が少しずつ増えてきたことでチーム全体にもいい影響を及ぼしている気がします。
まぁ、風間監督の考え方やスタンスを知りたいなら、著作が出ているわけで、それを読めば、今のフロンターレがやろうとしていることも理解しやすいかと思います。この本に書かれていることを徐々に体現し始めてますからね・・・今さらですが・笑。
ただ、次の広島はかなりやっかいな相手ですね・・・一番の天敵な気がします。
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塀内夏子先生にインタビュー。
今シーズン最大の決戦「闘Aまんがまつり」が近づいてきています。
決戦といえば、やっぱり修行するじゃないですか。
なので、昨日の深夜は「精神と時の部屋」(通称:漫画喫茶)にこもって、川崎に中原区が舞台の人バスケ漫画「あひるの空」を一気読みする修行を行いました。ただ37巻までの道はさすがに遠かった。20巻までで疲れてしまいましたが、初めて読んだ「あひるの空」、面白かったです。おかげで部屋を出たときは、パワーアップしていたと思います。知りませんけど。
主人公の高校がわりと負けるんですよね。
武蔵小杉駅も良く出て来るだけあって、作品中にはフロンターレの話題も出てきたりするんですよ。
「たぶん競技場。サッカーやってるんだと思う」
「変だな、フロンターレの試合なら 昨日親父達が見に行ってたハズだが・・・」
・・・みたいな感じで。ちょっとうれしいですね。
ちなみに今日の練習後、そのことを憲剛選手に伝えたら、「マジで?そうなの?」と驚いてました。
そして「おれ、フロンターレ関連であれば、全然出るんだけど」と「あひるの空」からオファーがあれば出演する構えはできているようです・笑。さすがです。
そして夜は、某所で「オフサイド」、「Jドリーム」の作者である塀内夏子先生にインタビュー。ほとんどダメ元でお願いしたのですが、広報さんや天野部長の粋な計らいで実現することができました。本当に感謝です。フロンターレと塀内先生との結びつきのきっかけはもちろん、赤星鷹のフロンターレ移籍の真相(?)、当時の裏話なんかもたくさん聞かせていただきました。貴重なお話の数々、Jドリ世代として感無量でした。うまく原稿にしないとね。
ちなみに塀内先生のインタビューということで、フロンターレの選手にこの漫画の思い出について聞いてみたところ、意外にも矢島選手がなかなか熱心な読者でしたね。赤星鷹が飯を食べないことで感覚を研ぎすまして試合に臨んだことや、芝生で育った控えGK(上条選手)の話なんかのエピソードを語ってましたね。懐かしい。
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ユアスタ取材〜12年ぶりの勝利。
今日から7月ですね。
今朝、夜行バスで東京に戻ってきました。
今日は打ち合わせなどで色々予定が詰まっているので、どうしても日帰りしたかったのですが、トーナメントだと延長戦、PKになることもあるので、試合後の取材を終えてからの新幹線の時間がまるで読めないんですよね。なので、夜行バスで早朝に帰ってきました。おかげでコンフェデ決勝も観れました。
ナビスコカップでは勝ち上がっているイメージも強かったフロンターレですが、ベスト4に進んだのは3年ぶりですか。そういえば、その3年前のナビスコカップ準々決勝鹿島戦でも、日本代表帰りの中村憲剛選手が途中交代で出てものすごいゴールを決めましたよね。懐かしいです。
フロンターレにとっては「引き分けでもOK」という条件でしたし、スコアレスドローでも問題ない条件でした。ただし、この「引き分けでもいい」という条件が有利なはずなのに、やっかいですからね。フロンターレは引き分けを狙った試合運びがしっかりできるわけではありませんから。だからでしょうか。試合前はどの選手からも「勝って決めたい」という言葉が聞かれていましたし、チームのスタイルを考えても、後ろに重心を置いた戦い方をすることはないな、と思っていました。
とはいえ、風間監督が憲剛選手を、いざというときの切り札として取っておくのではなく、先発起用したのは少々驚きでしたが。ボランチではなくトップ下で起用。大久保選手のワントップと組ませる、試合後半に見せる攻撃型シフト布陣を頭から敷いて、「点を取って勝つ」というメッセージを前面に打ち出していきました。
結果的には、この姿勢がよかったのだと思ってます。
もちろん開始4分でウィルソンにCB2人が交わされていきなり失点したときは頭を抱えましたが、時間がまだたっぷりあったので、選手も気持ちを切り替えて、点を取ることにギアチェンジしていました。その中での憲剛選手の2ゴールはさすがですね。
コンフェデで超一流選手のプレーを間近で観た、対峙したのは相当な刺激になったようで、それを発散するかのようなピッチ上で別格のプレーを見せていました。特にネイマールのプレーは本当に刺激的だったそうです。「速くて、しなやか」と帰国後は、興奮して語ってましたから。
森谷賢太郎選手の移籍後初ゴールもお見事でした。
今年、ピックアッププレイヤーの原稿取材で移籍間もない彼にインタビューさせてもらったとき、この移籍は川崎フロンターレサポーターからはあまりよく思われていないのではないかと気にしていましたが、この2試合でサポーターの心もガッチリ掴んだのではないでしょうか。
森谷選手のピックアッププレイヤー原稿はこちら。
そこにある覚悟。
ちなみに、ユアテックスタジアムでベガルタ仙台に勝ったのは、2001年以来とのことです。なんと12年ぶり。
確かに、記者席で観て勝ってなかったですからね。
一番覚えているのが、09年の天皇杯で仙台に負けた記憶かな。この年、フロンターレはACLとナビスコを勝ち抜きながら、リーグでも優勝争いを演じていて、シーズン終盤になると、“超”がつくほどの過密スケジュールでした。
結局、リーグ戦は2位、ナビスコは準優勝、ACLベスト8と無冠のまま終えてしまい、残るタイトルは天皇杯のみだったわけですが、さすがにチームは満身創痍でした。すでにJ1昇格は決めていたとはいえ、J2の仙台に延長戦の末に敗戦。そしてこれが関塚監督の率いていた川崎フロンターレの公式戦最後の試合でもありました。
思えば、このユアスタでの負けを最後にフロンターレはタイトル争いから少し遠ざかっているわけです。このユアスタでの勝ちが、またタイトル争いに向けた一歩になるといいですね。
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本日の麻生取材〜中村憲剛選手が合流。
本日は麻生取材。
コンフェデから帰国した憲剛選手も、今日から練習に復帰していました。まだ疲れてはいるでしょうけど、チームでの感覚を確かめるように汗を流しておりました。
12時間の時差がありましたからね。
今は夜は9時に寝て、朝4時に目が覚めるサイクルになっているようで、早朝に行われているコンフェデの準決勝も普通に観てしまったそうです。コンディションを整えるのは大変だと思いますが、「それは(代表選手の)宿命なので」とのことでした。
仙台戦の結果含めた情報は、ブラジルでも自分で把握していたそうですが、意外とチームメートが連絡をくれなくてちょっと寂しかったらしいです・笑。なおブラジル帰国中のジェシがいるのはリオ。日本代表の試合会場とはかなり遠いようで直接は会えなかったものの、電話ではなくメールではやりとりをしていたそうです。なんかほっこりしますね。
そうそう。
今日の麻生には、林健太郎さんが練習見学に来ていました。挨拶すると、僕のことをちゃんと覚えてくれていてよかったです・笑。
現役引退してから、現在は東大サッカー部の監督をされております。風間監督の練習を見学してみたかったとのことです。試合前々日なので、紅白戦を行う日なのですが、いつものように、アップもそこそこにすぐにゲームが始まったので、「えっ!もういきなり(紅白戦)やるの?」と風間流にビックリされておりました。
ただ東大のサッカー部って、一体どんなサッカーをするのか気になりますよね。みんな東大生だから、頭がいいわけです。みんな理論的に考えながらサッカーする集団なのかなとか、いろいろ考えてしまいます・笑。
ではでは。... 記事を読む