田中裕介選手に学ぶメンタルコントロール。

 ナビスコカップ清水戦は0-0のスコアレスドロー。
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 春っぽい服装でいいかなと思ってでかけたのですが、ナイターだとまださすがに寒かったです。
 甲府戦から始まったこの5連戦。4試合を消化して1勝3分です。ひとつも負けてはいないのですが、勝ちにはなかなか持っていけません。なかなか春がこないですね。
・・・とまぁ、ちょっといろいろ考えてしまいがちだからこそ、ここでちょっとメンタルに関する面白い話でも。
 サッカーは90分で行うスポーツですが、選手は90分間ずっと強気だったり弱気だったりするわけではなく、ちょっとしたことで強気になったり弱気になったりするわけです。選手のメンタルにもいろんな顔があるんですよね。
 例えば、この試合での田中裕介選手。
キャプテン・中村憲剛選手と副キャプテン・西部洋平選手が欠場だったので、この試合は彼がキャプテンマークを巻いていました。そして出場するのも3試合ぶり。どんなときもポジティブでチーム随一の「メンタルの強さ」を持っているかもしれない彼ですが、こういった背景もあり、この試合ではやや「気負い」があったそうです。
 すると前半開始3分。
オーバーラップしてきた清水の左サイドバック・イ・キジュ選手に、簡単に背後を取られてしまいます。

「最初は間に合うと思ったけど、相手の方が速かった。クロスをあげられたらマズイけど、身体が入れ替わったときに後ろから倒したら、イエローだった」


 イ・キジュ選手の突破を許し、エリア内に切り込まれてクロスを上げられてしまいます。これは杉山選手が必死にパンチングしますが、そのこぼれ球に中央から清水の竹内選手が走り込んできていました。
 そこで振り抜いた弾道はゴールマウスを捉えていたのですが、右からシュートブロックに飛び込んできたDFに当たってわずかに角度が変わります。「あわやオウンゴールか?」というコースでもありましたが、これはかろうじてゴールマウスをそれていきました。
 ブロックした選手は田中裕介選手でした。
自分のミスでピンチを招き、ゲームの入り方がうまくいかなかったわけですから、選手によってはこのメンタルを引きずってしまってもおかしくないかもしれません。
 しかしこの瞬間に田中裕介選手は「よしよし!俺に当たってシュートが外れた・・・・今日の俺は持ってるわー!」と、めっちゃポジティブに切り替えて、その後のパフォーマンスを安定させたそうです。
・・・・うーん、立ち直り方が凄い!!このポジティブ思考、見習いたい・笑。
明日の神奈川ダービーに向けても、ポジ夫なコメントを話していました。去年は日産で古巣相手に2得点を決めましたからね。活躍が楽しみです。
(羽生さんのメンタルコントロールの本。田坂祐介選手も読んでいました)
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BMW取材。

 こう書くとBMWの取材をしてきたみたいですね。
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 試合は1-1のドロー。
磐田戦同様、いいゲームの入り方をして試合運びができていた前半であったり、ピッチの局面に目を向けると、左サイドの攻防であったり中盤の駆け引きなど、みるべきポイントはいろいろあったと思います。
・・・思いますが。
やはり、この日の暴風雨とピッチコンディションを抜きには語れない試合でもありました。
 風間監督になって以来、チームは「ボール一個分ズレてもダメ」というぐらいパスの精度にこだわってやっています。ただ残念ながら、この日はそこを追求することが難しい条件でのゲームとなりました。もちろん「雨が降ったから無理です。風が強かったから出来ませんでした」ではダメなのですが、「できるだけ外出を控えるように」というお達しがでるほどの暴風雨でしたから・・・ちょっと想定外の天候であったことも確かでしょう。
 特に後半のピッチは、その影響がより顕著になっていたようです。
「『ピッチが滑るので、いきなりスピードを上げないように』というのは鬼さん(鬼木コーチ)からも言われていたのですが・・・・」と悔しそうに話していたのは小林悠選手。彼のプレーエリアであった右サイドは特に水たまりが多かったようで、仕掛けようとする場面では何度も足を取られて転倒してしまっていました。
 名手・中村憲剛選手にも聞いてみました。
ラストパスに関する影響はどの程度に感じていたのか。彼は「ゴロで出すと水たまりでひっかかってしまい、浮かそうとすると今度は受け手のコントロールが難しくなるから・・」と四苦八苦しながらのプレーだったと明かしていました。放り込みに強いタイプが前線にいたわけでもないですから、いわゆる「割り切る戦い方」にもなかなか切り替えにくいジレンマがあったようです。
 さて。
この日の湘南のGKは、フロンターレから期限付き移籍中の安藤選手でした。ナビスコカップの甲府戦で巡ってきたチャンスをつかみ、そこで勝った流れのまま先発出場。
前半から足元でのキックが何度かタッチラインを割っていたのはご愛嬌としても・笑、後半、大久保選手の落としにフリーで走り込んでいた登里選手のシュートを、倒れながらも片足で弾くビッグセーブがありました。ある意味、この試合における最大のハイライトだったかもしれません。
 決め切れなかったノボリは、本当に悔しがるジェスチャーをしていました。
試合後に話を聞くと、「ボールがこぼれてきたのが(利き足ではない)右足だったので・・・もっと冷静にやりたかったですね。ただそれよりも、安藤に止められたのが悔しいです・・・アイツーー!」と、仲の良い間柄だけに、かなり好き放題に言ってました・笑。同点アシストを決めたことよりも、安藤選手にシュートを止められたことのほうが、よっぽど悔しかったようです。
 安藤選手は試合終了の笛が鳴ると、後ろを向いてフロンターレサポーターが陣取っていたゴール裏に一礼をし、フロンターレ側のミックスゾーンに顔を出して、選手やメディアにも挨拶していきました。僕らも久しぶりに安藤選手と話したのですが、ノボリからは「お前の足に当ててやったんだよ」という負け惜しみを言われたと明かしておりました・笑。
・・・しかし、平塚はやはり地味に遠いですな。
5時キックオフでしたし、久々に会った知り合いの記者と軽く飲んでから帰りたかったのですが、暴風雨で電車が止まるかもしれないので、寄り道しないで帰ったつもりでしたが、なんだかんだで家に着いたら日付が変わりそうな時間になってました。
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等々力取材〜月が変われば、ツキも変わる。

 川崎フロンターレが今季公式戦初勝利をあげました。
 思えば風間監督になってからの初勝利も等々力でのジュビロ磐田戦でしたね。ナビスコではなく、リーグ戦でしたが。4-1から4-3になり、しかも西部選手が前田選手のPKをセーブしたりと、かなりヒヤヒヤでの勝利でしたが、今年の初勝利も似てなくもない展開でしたな。
 さて。
初勝利のときぐらいは、試合内容のことも少し詳しく。
 
 まず特筆すべきは、前半の入り方がよかった点だと思います。
實藤選手が「前半はチームの推進力があった」と話してましたが、みなが積極的にボールに絡むことで、中盤で面白いようにボールが回り、グイグイと前に運ばれていきました。
 その要因は何だったのか。
サネに聞くと、「後ろにパスをして逃げてしまうところを、僚太であり真希くんが憲剛さんとワンツーをしながら、前に進んでいく場面が多かった。そこで詰まったら、自分たちサイドバックがフォローして、そこからリズムを作っていけたのがよかった」と話してくれました。つまり、まず真ん中でボールを動かせていたということです。
 実際、磐田戦の前半は、この日先発した大島選手が潤滑油となりながら、中盤で相手を外しながらボールを動かしていました。さらにそこに山本選手もタイミング良く顔を出していくなど、憲剛選手を加えた中盤3人のバランスの取り方が絶妙だったと思います。
 
 上手くいかなかった甲府戦の前半だと、これがどうだったのか。
このときはレナト、パトリック、森谷選手の前線3人、さらにトップ下の大久保選手で4トップのような形になって前線に張りついてしまう時間帯が多く、さらに中盤では憲剛選手が相手から常にタイトなマークをつかれていたので、後ろからボールを回していこうにも、ボールを持てるのが山本選手だけのことが多かったんですよね。これでは中盤でさばき切れません。結局、サイドから打開していくしか手だてがなくなり、サイドに出したボールを狙い通りに守備対応をされてしまいました。それが甲府戦でした。
 しかしこの磐田戦では、真ん中でうまくボールを動かせたことで、サイドも効果的に使っていくことができました。だったら攻撃がうまく循環していくのも当然です。得点場面こそセットプレーでしたが、放ったシュートは前半だけで12本。サネは「やっていて楽しかった」とも話していました。今シーズン、一番の内容ともいえる前半だったと思います。
 後半、カウンタ—から矢島選手が追加点をあげて2-0。
理想的ともいえる試合運びだったのですが、磐田が前線に人数を投入して圧力をかけてきてからはそれを受けてしまい、さらになかなか前からもボールを奪いにいけず、完全に引かざるを得なくなってしまいました。
 サンドバック状態になりかけながらも、なんとか1失点にとどめて逃げ切りましたが、いやはや、我慢の展開でしたね。試合後、選手に聞いても、この状況下での意思統一を前と後ろではし切れていなかった印象です・・・ここは今後に向けた反省材料ですな。
 なんにせよ、今季の初勝利です。しかも等々力で。まだリーグ戦で白星がない状況には変わりないですが、この勝利が「いいきっかけ」になって欲しいものです。
—-
 おまけ。
 等々力に台風とか暴風雨が来るときの相手はだいたいジュビロ磐田で、そしてなんとなく矢島選手がゴールを決めることが多いような・・・なんて思っていたら、本当にヤジがゴールを決めました・笑。
 クロスバーに当たって入る、運も味方したゴールとも言えました。スロー映像で見たらちゃんとゴールラインを越えているのですが、副審が見逃してしまう場合もありますからね。月が変われば、ツキも変わるってやつかもしれませんな。
 ちなみに試合後、一通りの取材が済んでから「等々力の磐田戦って、いつも点を取ってない?」とヤジと聞いたら「去年だけっすよ」と一言。「いや、2~3年か前も台風が来たとき、ゴール決めていたはず!」と言うと、「あ!・・・あったかも」と思い出してました。たぶんツトさんのときだと思うけど、台風が来た中での試合でヤジが決めていましたよね。
 おまけ2。
この日の中盤は、山本選手と大島選手の静学先輩後輩コンビでもありました。実は試合前、山本選手は「僚太のよさを生かしてあげたい。もっと大胆にやってくれていい」と期待しつつも、「ただ、いかんせんしゃべらないのでね・笑」と大人しい後輩にダメ出しもしていました。
 試合後、「今日は後輩どうでした?声は出てましたか?」と山本選手に聞くと「・・・聞こえなかった」と苦笑いしてました。大島選手、ルーキー時代に比べるとだいぶ話すようにはなってきたと思いますが、ピッチ上でのコーチングを積極的にしていくことが課題ですな。
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試合あれこれ。

 あらためて先週末の甲府戦。
この時期の等々力、桜が好きです。
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メインスタンド改修に伴い、メディアルームも仮設で大幅に変わっていました。記者席のどこに座って試合を見るか、なかなかベストポジションが見つからず、ウロウロしてしまいました。
始球式に伴い、オフロスキーが登場。ふろん太、コムゾー、カブだけじゃなくてヴァンくんも生かぞえうたに乗って踊ってましたね。
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 試合は先制を許し、後半にはPKを好セーブされ、シュートがポストに嫌われ、「今日は入らない日か・・・」と心が折れそうになりましたが、なんとか追いつき、1-1のドロー。試合終了のホイッスルが鳴ってからの数十秒間、スタジアムを包んでいたなんとも言えない静寂・・・あれは今までにないような空気感でした。
 なかなか気持ちを切り替えるのが難しいですが、試合はやってきます(しかも明日)。
 今日の練習後は、主将の憲剛選手を中心に選手だけでミーティングもしていました。全体の守備に関する意思統一を話し合ったとのこと。
「勝ち点2だけど、ひとつのきっかけで、3-0、4-0にできそうな感じもある。ウチはそこを目指しているチーム」
 明日の磐田戦を、いいきっかけにできるかどうか。そのへんに落ちていればいいんですけどね、きっかけが(笑)。
連戦も考慮しているのか、選手の入れ替えが思った以上にありそうです。
おー、なかなか楽しみなスタメンです。
さてどうなるか。
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稲本潤一選手にインタビュー。

 本日は麻生取材に。
 午後の練習前にインタビューを1本。
雑誌の企画で稲本潤一選手にお話をうかがいました。
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「ボランチ」というポジションに関することをテーマに、稲本潤一というフットボーラーのサッカー観、頭の中をじっくりと聞かせてもらいました。
一言で「ボランチ」と言ってもいろんなタイプがいますし、イングランドではボランチではなく、セントラルMFと言いますよね。そういった国によって求められるボランチ像との違いの話なんかは、実際にプレーしてきているだけに実に興味深かったですね。
いつも間近で取材させてもらってますが、やはり得難い経験をたくさんしてきている方なんだな、と改めて実感しました。
そのぐらい、ガッチガチのサッカー談義でした。
ガッチガチというか、むしろ「カッチカチやぞ!」というか。
むしろ、ヒザもガックガクやぞ、みたいな。
いや、知らないですけど。
インタビューの掲載時期などは発売が近くなったら紹介しますね。
お楽しみにー。
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国立取材。

ホーム開幕戦は、国立開催。
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メンバー表を見たら、前日練習でスタメン組に入っていて、移動バスにも乗り込んでいった矢島選手がベンチにもいません。発熱による欠場とのことでした。代役に小林選手がセンターフォワードで起用されました。
 キックオフ直後、相手チームの配置を眺めながら、「えーっと、3バックの右が阪田(サカタ)で、左が若狭(ワカサ)で・・・しかも監督が田坂(タサカ)・・・・紛らわしいわっ」とか思いながら、いつものようにノートに布陣をメモしようと、ほんの数秒だけ、ピッチから目を離したら、どよめきが。
 顔を上げると、視線の先には、相手FWの足元に飛び込む西部選手の姿が。この1対1はなんとかセーブ。正直、何が起きたのかわからなかったのですが、録画映像を確認したら、井川選手から中澤選手へのバックパスを狙われていたのですね。あぶなっ。
 さて。
この試合は大分が採用している[3-5-2]システムとの噛み合わせが多少なりとも試合展開に影響していました。ここにフォーカスして書いてみようかと思います。
 まず前半、フロンターレは實藤選手を3バックに加えた[3-4-3]でスタートしています。憲剛選手と稲本選手のダブルボランチで構成しており、この後ろにいる中央の5枚を起点にしっかりビルドアップしていくのが、攻撃の第一歩なわけです。
 ただ、前半はそこが機能しませんでした。
その理由のひとつが、大分が採用している[3-5-2]というシステムとの齟齬でした。フロンターレの3バックは相手の2トップにケアされ、さらに憲剛選手と稲本選手のダブルボランチは2シャドーからがっちり対峙される配置になっていたのです。大分は、前線からタイトにボール狩りしてくるチームですし、そこでうまく外せないと、後ろがいわゆる”渋滞”を起こしてしまいます。体調不良で開幕戦を欠場した憲剛選手もまだ万全の動きとは言い難く、思うようにビルドアップにテンポが出ませんでした。
この点に関しては、3バックの一角に入っていた實藤選手が「自分が少し中途半端なポジションだから、相手にプレッシャーをかけられてしまった部分がある」と反省点を挙げてました。
3バックに対して2トップがケアしてきたのですから、数的優位なのはこちらです。ならば、3バックの両端のどちらかがもっと大胆にサイドに開いてしまえば、それほどプレッシャーを受けずに組み立てを展開できたというわけです。実際、後半に4バックにシステム変更してからは、案の定、サイドバックはほぼノープレッシャーで攻撃を展開できるようになりましたからね。
 前半に気になったことがもうひとつ。
[3-4-3]の布陣では、中盤の空いている真ん中(ポジションで言えば、トップ下あたりの位置です)のエリアをどう使うかがひとつポイントになります。
 いい時間帯では、憲剛選手がその位置に出て行ったり、小林選手や大久保選手が下がってきてボールを受けてさばいたり、田中裕介選手が中に絞ってきて、うまく中央を使って攻撃にアクセントをつけていけます。
 しかし後ろでビルドアップが渋滞してしまうと、ここがぽっかり空き、3枚の前線と中盤の距離がずいぶんと離れてしまう現象が出てきてしまいます。事実、前半は憲剛選手からの一発のロングパスで前線を走らせざるを得ない攻撃が目立ってました。
 守備の局面でもしかり。
大分のワンボランチとして中盤の底で起点になる宮沢選手がそこでぽっかりと浮くミスマッチができがちでした。この点についても、後半から[4-2-3-1]に変更し、憲剛選手をトップ下に配置して宮沢選手に当てることで解消できたわけです。
 試合二日前に変更を決断した3バックの整理がし切れていなかった上に、大分の[3-5-2]との噛み合わせが悪く、それにはまってしまった前半45分の苦戦だったと思います。
 ハーフタイムに監督から「システム変更」という解決策を受けて修正できましたが、「監督の指示待ちではいけない」とは、試合後の憲剛選手の言葉。本来であれば、例えば3バックの實藤選手がサイドバックのような位置取りをすることであったり、距離感、ポジショニングを調整したり、ピッチ上の選手たちで打開策を見つけていける大人のチームになっていかねばなりません。眠ってる場合じゃないですよ。
 長々と書いて疲れたから、後半の分析は省きます・笑。
前半の問題点が面白いぐらい改善されて、相手を圧倒し続けた後半でした。たぶん後半に限れば、ボールポゼッションは80パーセントを越えていたんじゃないでしょうか。ただ面白いようにシュートが入りませんでした・苦笑。それだけに、大久保選手のゴール前のあの落ち着きは際立ってましたが。
 守備面では、開幕戦で課題として噴出したカウンターに対するリスク管理が後半はしっかりできていました。特に井川選手の負傷で入った伊藤選手の対応が頼もしかったですね。試合後、伊藤選手は「ホームで勝てるチームになっていかないといけない」と悔しそうに話してました。同じように引き分けという結果に納得している選手は誰もいなかったように思います。
次のホームゲームは等々力です。
ナビスコ決勝か天皇杯の勝ち進みで、また国立に戻ってきたいですね。
-----—
2011年、3月11日の震災から2年が過ぎました。
テレビの特集番組を見ていると、復興にはまだまだ時間がかかることを感じます。
14時46分、黙祷を捧げました。
一人一人ができることは小さくても、これからもできることを続けていきたいと思います。
支援はブームではないのですから。... 記事を読む

明日は国立開催。

先日、フロンターレで取材していたらクラブスタッフさんから「天野からです」とプレゼントをいただきました。
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 おおっ!
いっしょにおフロんた~れのキャンペーンで製作した、オフロスキーとオフロンスキーによるコラボタオルセットです。天野部長のエッセイ「クラブ名にフロとつくのはウチだけなんです」の編集に協力したお礼とのことでした。こういう心使いがうれしいですね。ありがとうございます。
・・・・もったいなくて使えないぜ。
 明日は国立競技場開催の大分戦ですが、フロンターレにとってはホーム開幕戦になります。柏との開幕戦を体調不良で欠場した中村憲剛選手も元気なプレーを見せてくれそうですね。
ちなみに大分の宮沢正史選手は、憲剛選手にとって中央大時代の2つ先輩。一緒にボランチを組んでいた時期もあり、特別な先輩だったみたいです。
そのことを本人に聞いたら、「・・・そうなんですよ!」と目を輝かせて、「自分の目標だったし、憧れの先輩でした。彼のおかげで自分はプロに入れたぐらい」と、その存在をすごくうれしそうに語っていました。プロ入り(FC東京)した身近な先輩ということもあってかなり慕っていたみたいです。本当に尊敬していたという雰囲気がヒシヒシと感じました。
「お互い、32歳と34歳になりましたけどね」と笑ってもいましたが。
 キャプテン同士ですから、まずは試合前のコイントスで一緒に並びますね。そしてもし2人が同じピッチに立つと、「2006年の多摩川クラシコで、川崎フロンターレが4対1から大逆転負けを喫した味スタ以来になる模様です(※出典:ツチペディア・笑)。
憲剛選手の新刊「幸せな挑戦」は明日9日発売ですね。
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僕は献本をいただき、一足先に読みました。
発売前なので、詳しい感想は控えますが、サッカーを通じて確立した自分のスタンス、成長のプロセスをたっぷり語っています。個人的には、中学生のとき、パソコンのプログラミングをする部活に入っていたというのがツボでした・笑。
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日立台取材。

フロンターレは、一日遅れの開幕戦でした。
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 結果は1-3で敗戦。
たぶん柏からすれば、狙い通りの試合運びだったのではないでしょうか。そのぐらい「してやられた感じ」を受けました。そして記者席の後ろで見ていたおやじの野次がうるさかったです・笑。
 まず柏の守備は、フロンターレが安直にロングボールを蹴ってこないことを見越していたのでしょう。最終ラインから中盤に入る瞬間に目を光らせて、ボールを刈り取ることを狙っていました。
 それが開始5分の失点シーン。
中盤で森谷選手が相手をかわせずにボールロスト。そのショートカウンターに対してはこちらの人数は揃っていたのですが、レアンドロとクレオのコンビに交わされて決められます。
 前半は、足元パスが多く、リズムも出ませんでしたね。
柏は中盤をコンパクトにしてきているので、その中盤をすっ飛ばしてロングボールを相手の背後に入れるなど、少し相手の陣形を間延びさせてからまたショートパスを入れていくなどの組み立ての工夫も欲しかったところです。ただロングボールの競り合いだと、小林選手では鈴木選手に対して分が悪かったですし、開幕戦という、ある意味で“お披露目“の立ち上がりだったこともあってか、みなチームのスタイルを忠実にやろうとし過ぎていたのかもしれません。
 それでも憲剛選手がいたら、中盤で起点となってアクセントをつけていたのでしょうが、体調不良で欠場。迫力不足は否めません。となると、サイドから崩すしかないのですが、打開策の急先鋒であるレナトには新戦力の右SB・キム・チャンスが自陣ではマンマーク気味にガッチリと対応。まわりのサポート意識も徹底しており、ボランチの茨田選手、CB鈴木選手のキム・チャンスのカバーリングも徹底していました。
 とにかくレナトを縦に突破させないように素早く数的優位を作って囲んでいました。中に切り込まれる分には、真ん中を分厚く密集させてそこで食い止めればいい、という算段だったように見えました。ここはネルシーニョの狙いでしょうな。前半のレナト、自分の仕事ができませんでした。
 後半は矢島選手が中央に入ったことで変化が生まれ、多少の揺さぶりもできていたのですが、その矢先に、もったいない失点。レナトのボールロストから、素早いショートカウンター。ここでの中澤選手とクレオの交錯シーンを巡る判定は、いろいろ言いたいところだけど、どっちの立場で見るかで評価が変わってしまうとしか言いようがありません。
 それよりも気になったのが、今年は最終ラインを去年より高めに設定している点。現在の中澤&井川のCBコンビは、スピード自慢のタイプではありません。前半にも西部選手がゴールマウスを飛び出してヘディングでクリアする場面がありましたが、去年より高めに設定している最終ラインの背後を狙われたときのケアをどうするのか。まだ対応がちょっとクリアになっていない印象を受けました。練習試合では露呈しなかった部分が、公式戦になってわかることもあります。この2失点目を今後の授業料として欲しいところです。
 3失点目は、直接的には稲本選手のパスミスから招いたもの。ですが、2点を追いかけるという状況にみな気持ちが前がかりになっていて、後ろでボールを持った稲本選手が出し所に困っていたようにも見えました。
 スコアほどの差はない試合に見えましたが、負けは負けですし、たぶん柏としても割り切っていた戦い方だったことでしょう。後ろの最終ラインと菅野選手が構えるゴールマウスは堅かった。特に新潟から移籍してきたCB鈴木選手はいい補強ですね。
 取材を終えた後、「最近、日立台からの帰り道はいつもつらいな・・・」と思いながら、柏駅までとぼとぼと歩いて帰りましたが、まだ開幕戦が終わったばかりです。
 20周年のJリーグ、楽しんでいきましょう。
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