塀内夏子先生にインタビュー。

 今シーズン最大の決戦「闘Aまんがまつり」が近づいてきています。
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 決戦といえば、やっぱり修行するじゃないですか。
なので、昨日の深夜は「精神と時の部屋」(通称:漫画喫茶)にこもって、川崎に中原区が舞台の人バスケ漫画「あひるの空」を一気読みする修行を行いました。ただ37巻までの道はさすがに遠かった。20巻までで疲れてしまいましたが、初めて読んだ「あひるの空」、面白かったです。おかげで部屋を出たときは、パワーアップしていたと思います。知りませんけど。
 主人公の高校がわりと負けるんですよね。
武蔵小杉駅も良く出て来るだけあって、作品中にはフロンターレの話題も出てきたりするんですよ。
「たぶん競技場。サッカーやってるんだと思う」
「変だな、フロンターレの試合なら 昨日親父達が見に行ってたハズだが・・・」
・・・みたいな感じで。ちょっとうれしいですね。
 ちなみに今日の練習後、そのことを憲剛選手に伝えたら、「マジで?そうなの?」と驚いてました。
 そして「おれ、フロンターレ関連であれば、全然出るんだけど」と「あひるの空」からオファーがあれば出演する構えはできているようです・笑。さすがです。
そして夜は、某所で「オフサイド」、「Jドリーム」の作者である塀内夏子先生にインタビュー。ほとんどダメ元でお願いしたのですが、広報さんや天野部長の粋な計らいで実現することができました。本当に感謝です。フロンターレと塀内先生との結びつきのきっかけはもちろん、赤星鷹のフロンターレ移籍の真相(?)、当時の裏話なんかもたくさん聞かせていただきました。貴重なお話の数々、Jドリ世代として感無量でした。うまく原稿にしないとね。
ちなみに塀内先生のインタビューということで、フロンターレの選手にこの漫画の思い出について聞いてみたところ、意外にも矢島選手がなかなか熱心な読者でしたね。赤星鷹が飯を食べないことで感覚を研ぎすまして試合に臨んだことや、芝生で育った控えGK(上条選手)の話なんかのエピソードを語ってましたね。懐かしい。
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ユアスタ取材〜12年ぶりの勝利。

 今日から7月ですね。
 今朝、夜行バスで東京に戻ってきました。
今日は打ち合わせなどで色々予定が詰まっているので、どうしても日帰りしたかったのですが、トーナメントだと延長戦、PKになることもあるので、試合後の取材を終えてからの新幹線の時間がまるで読めないんですよね。なので、夜行バスで早朝に帰ってきました。おかげでコンフェデ決勝も観れました。
 ナビスコカップでは勝ち上がっているイメージも強かったフロンターレですが、ベスト4に進んだのは3年ぶりですか。そういえば、その3年前のナビスコカップ準々決勝鹿島戦でも、日本代表帰りの中村憲剛選手が途中交代で出てものすごいゴールを決めましたよね。懐かしいです。
 フロンターレにとっては「引き分けでもOK」という条件でしたし、スコアレスドローでも問題ない条件でした。ただし、この「引き分けでもいい」という条件が有利なはずなのに、やっかいですからね。フロンターレは引き分けを狙った試合運びがしっかりできるわけではありませんから。だからでしょうか。試合前はどの選手からも「勝って決めたい」という言葉が聞かれていましたし、チームのスタイルを考えても、後ろに重心を置いた戦い方をすることはないな、と思っていました。
とはいえ、風間監督が憲剛選手を、いざというときの切り札として取っておくのではなく、先発起用したのは少々驚きでしたが。ボランチではなくトップ下で起用。大久保選手のワントップと組ませる、試合後半に見せる攻撃型シフト布陣を頭から敷いて、「点を取って勝つ」というメッセージを前面に打ち出していきました。
 結果的には、この姿勢がよかったのだと思ってます。
もちろん開始4分でウィルソンにCB2人が交わされていきなり失点したときは頭を抱えましたが、時間がまだたっぷりあったので、選手も気持ちを切り替えて、点を取ることにギアチェンジしていました。その中での憲剛選手の2ゴールはさすがですね。
 コンフェデで超一流選手のプレーを間近で観た、対峙したのは相当な刺激になったようで、それを発散するかのようなピッチ上で別格のプレーを見せていました。特にネイマールのプレーは本当に刺激的だったそうです。「速くて、しなやか」と帰国後は、興奮して語ってましたから。
 森谷賢太郎選手の移籍後初ゴールもお見事でした。
今年、ピックアッププレイヤーの原稿取材で移籍間もない彼にインタビューさせてもらったとき、この移籍は川崎フロンターレサポーターからはあまりよく思われていないのではないかと気にしていましたが、この2試合でサポーターの心もガッチリ掴んだのではないでしょうか。
森谷選手のピックアッププレイヤー原稿はこちら。
そこにある覚悟。
 ちなみに、ユアテックスタジアムでベガルタ仙台に勝ったのは、2001年以来とのことです。なんと12年ぶり。
 確かに、記者席で観て勝ってなかったですからね。
一番覚えているのが、09年の天皇杯で仙台に負けた記憶かな。この年、フロンターレはACLとナビスコを勝ち抜きながら、リーグでも優勝争いを演じていて、シーズン終盤になると、“超”がつくほどの過密スケジュールでした。
 結局、リーグ戦は2位、ナビスコは準優勝、ACLベスト8と無冠のまま終えてしまい、残るタイトルは天皇杯のみだったわけですが、さすがにチームは満身創痍でした。すでにJ1昇格は決めていたとはいえ、J2の仙台に延長戦の末に敗戦。そしてこれが関塚監督の率いていた川崎フロンターレの公式戦最後の試合でもありました。
 思えば、このユアスタでの負けを最後にフロンターレはタイトル争いから少し遠ざかっているわけです。このユアスタでの勝ちが、またタイトル争いに向けた一歩になるといいですね。
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本日の麻生取材〜中村憲剛選手が合流。

 本日は麻生取材。
コンフェデから帰国した憲剛選手も、今日から練習に復帰していました。まだ疲れてはいるでしょうけど、チームでの感覚を確かめるように汗を流しておりました。
 12時間の時差がありましたからね。
今は夜は9時に寝て、朝4時に目が覚めるサイクルになっているようで、早朝に行われているコンフェデの準決勝も普通に観てしまったそうです。コンディションを整えるのは大変だと思いますが、「それは(代表選手の)宿命なので」とのことでした。
 仙台戦の結果含めた情報は、ブラジルでも自分で把握していたそうですが、意外とチームメートが連絡をくれなくてちょっと寂しかったらしいです・笑。なおブラジル帰国中のジェシがいるのはリオ。日本代表の試合会場とはかなり遠いようで直接は会えなかったものの、電話ではなくメールではやりとりをしていたそうです。なんかほっこりしますね。
 そうそう。
今日の麻生には、林健太郎さんが練習見学に来ていました。挨拶すると、僕のことをちゃんと覚えてくれていてよかったです・笑。
現役引退してから、現在は東大サッカー部の監督をされております。風間監督の練習を見学してみたかったとのことです。試合前々日なので、紅白戦を行う日なのですが、いつものように、アップもそこそこにすぐにゲームが始まったので、「えっ!もういきなり(紅白戦)やるの?」と風間流にビックリされておりました。
 ただ東大のサッカー部って、一体どんなサッカーをするのか気になりますよね。みんな東大生だから、頭がいいわけです。みんな理論的に考えながらサッカーする集団なのかなとか、いろいろ考えてしまいます・笑。
ではでは。... 記事を読む

等々力取材。もったいない話。

 いまさらだけど、等々力のナビスコ仙台戦(1stレグ)。
ホームで2-1で勝利。ただ2ndレグが残っているから、まだ何とも言えないですよね・・・うん、何も言えないっす。
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 一ヶ月ぶりの川崎フロンターレ観戦だったわけですが、大久保嘉人選手のプレーにはホレボレさせられました。ボールを受ける、止める技術が抜群にうまい。
「マークが来ていようが、プレッシャーがあろうが、相手の取れない場所にボールを置く」
 ホント、これだけで試合展開がここまで変わるのかっていうね。記者席で、思わず「うめぇ!」って漏らしちゃいましたもん。
 試合後、ミックスゾーンに現れた大久保選手を取材すると、試合全体を通じてロングボールが多すぎたことの違和感を口にしていました。「もったない」と。特に試合終盤は、2-0で相手が10人。急ぐ必要はまるでなかったにもかかわらず、相手の裏にロングボールを蹴っていたことで、数的優位を生かす展開には持ち込めませんでしたから、彼が悔やむのもわかります。
ただこの試合は、前半からロングボールが多かったんですよね。思わず、「あれ、なんでだったんですか?」と大久保選手に聞き返してしまいましたが、「わからん!」と一言・笑。「相手を疲れさせる狙いがあったと思うけど、自分も疲れてしまった」と笑ってしましたが。どうやら後ろの選手に聞くと、アウェイゴールがあるので、相手の出方によっては、最初はつながずにシンプルに蹴っていこうという意図があったみたいです。
 後ろは失点したくない、前は点を取りたい。
このへんは、いつものリーグ戦以上に難しさがあったのかもしれませんね。こういう試合運びの意思統一の難しさも、H&Aのカップ戦の醍醐味ということで。
来週の鹿島アントラーズ戦で開催される「闘Aまんがまつり」の告知。
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Jドリームの赤星鷹が川崎フロンターレのユニフォーム着てる!!!!!これはサッカー漫画界を揺るがす移籍じゃないですか。移籍話をまとめた代理人(作者の塀内先生)、太っ腹ですな。
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等々力取材〜ケンゴとシルバ。中盤を制するものがゲームを制す。

 新潟戦は2-1で勝利。
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 サッカーは90分間のスポーツ、というのをあらためて感じた試合でした。
タイトな連戦を締めくくる最後のゲームということもあって、試合中のペース配分も含めて、90分をうまくやりくりをして過ごしたフロンターレが勝ち切った。そんな印象です。
 まず前半に関して言えば、新潟がペースを握った展開だったと思います。
前線からかなりのハイプレッシャーをかけて、守備で自分たちのリズムをうまく掴んでいました。フロンターレも、前がかりになっていた相手のスペースを狙い、縦に速い攻撃を繰り出せていたのですが、そこから思うようにシュートにまで持ち込めず。「マイボールのときに、カウンターを狙いすぎていた部分はあったかもしれない。そこで取られてしまい、今度は相手がゆっくりボールを回す、という展開にされてしまった」と田中裕介選手。新潟がボールを握るという時間帯が続きました。
 ボールを握った新潟は、ビルドアップから攻撃を組み立てて、サイドバックも積極的に攻撃参加していましたし、十分な圧力があったと思います。小林選手がたまらず自陣に帰って守備に追われる時間も目立ちましたから。「アンパンマンと(田中)アトムのマッチアップだな」などと思いながら見てましたけどね・笑。
 ただフロンターレは、ペースを握られた前半を無失点でしのぎました。これが大きかったと思います。逆にいうと、新潟はテンポをあげた前半にアドバンテージを奪うことができなかったわけです。「後半は、絶対に相手がバテると思っていた」とは憲剛選手の弁。その通りに、後半になると運動量が落ちた相手を、フロンターレが一気に攻め立てます。
 その急先鋒になっていたのがレナトでした。特に負傷明けのレナトは、前半は”らしい突破”が鳴りを潜めていて心配していたのですが、後半は別人でしたね。対面していたサイドバックをほとんど子供扱い(実際、まだ19歳になったばかりの若手らしいですが)。左の局面勝負で圧倒して決定機を作り続けます。そして大久保選手のゴールをお膳立て。これで先手を奪いました。
 その後もフロンターレがペースを握り、相手はほぼノーチャンスだったと思います・・・”ほぼノーチャンス”だったのですが、セットプレーのクリアボールでつなぎをミスしてしまい、さらにその対応も誤るなどのミスが重なり、非常にもったない失点で同点に。試合全体を通じても、後半は崩された場面も少なく、ピンチらしいピンチは本当にここだけだったと思います。それだけに実にもったいなかった。
 ここで風間監督は、矢島選手を下げて、パトリック投入・・・・ではなく、稲本選手を投入。最前線に大久保選手、中村憲剛選手をトップ下にあげる、湘南戦の後半にも見せたゼロトップのツーシャドーシステムに変更して勝負に出ました。
 決勝点はこの采配がズバリ当たった形です。「ジュニーニョに出した感覚を思い出したよ」と憲剛選手は話してましたが、あのドンピシャのスルーパスと、GK が倒れるまで見切ってから冷静に決めた大久保選手のゴールと合わせて、見事な連係でした。これで勝負ありました。
 うまくいかない時間が続いても、無失点で耐える。リードしてからは、マイボールを大事にしながらも、ポゼッションにこだわりすぎず、相手の隙を見つけたら、縦に速い攻撃で仕留める。まだまだチームの課題はありますが、着実に前進しているのではないでしょうか。
 さて。
この試合ではもうひとつ、見所がありました。それが中村憲剛選手とレオ・シルバによる両チームのボランチによる中盤の主導権争いです。相手がアプローチに来たら、あえて勝負せずにバックパスや横パスで逃げてから中盤の攻撃を組み立てたかと思ったら、今度は相手が来た瞬間、味方とのワンツーで置き去りにするような突破を仕掛ける。そんな駆け引きを中盤で繰り広げていました。個人的にもとても見応えがありました。このへんの駆け引きって、きっと将棋のプロ棋士同士の頭脳戦に通じるものがあると思ってます。
 試合後のミックスゾーンで「相手のボランチ(レオ・シルバ)との中盤の引っぱりあいが見ていて面白かった」と憲剛選手に伝えたところ、憲剛選手本人もかなり楽しかったようで、「ワンツーで外して、前にグンと出て行ったりして、どうやって出し抜いてやろうかという感じが出ていたでしょ?久々にJリーグでああいう駆け引きが出来たよ」と笑顔で語ってました。憲剛選手がそこまで言うのはかなり珍しいと思います。
 決勝点も憲剛選手のスルーパスばかりが注目されますが、あれは中盤でレオ・シルバをいなして起点になってから、大久保選手に出したボールでしたからね。シルバとの競り合いを制して生まれたスルーパスでもあったわけです。互いに駆け引きを満喫し、お互いの実力を認めあった90分だったんでしょうね。試合後の整列では、握手だけではなくお互いに笑顔でハグをしてました。レオ・シルバ、良い選手でした。
 ちなみに失点シーンに関しては、「あれは福森でしょ。『なんで俺がカバー?なんで、いかないのフク?』と言いながら、カバーに走ってたよ・笑」と憤慨してました。ちなみに福森選手はというと「行くのは憲剛さん・・・」と言いながら走っていたと言い訳していました・笑。
 そのシーンを録画で見直すとやはり福森選手の対応に問題があったと思いますが・笑、一応、チームメートの見解を聞いておきましょう。「福森(福森晃斗)にアプローチにいかせて、憲剛さん(中村憲剛)がカバーする場面だったと思う。自分も声を出していたが、歓声で届かなかった」とはGKの杉山選手の証言・・・・福森選手は、中断期間の宿題をもらったということにしておきましょう。
 これで今季の等々力負けなしは継続。
スタジアムもいい雰囲気が戻ってきていますね。特に5月は登里選手や伊藤選手、大島選手やレナトの離脱が重なり、台所事情の苦しい時期がありながらも、公式戦負け知らずで乗り切りました。
中断明けは鹿島、浦和、広島、大宮・・とタフな相手ばかりですが、いい準備をして欲しいですね。
バルサの新刊。憲剛選手がバルサについて語っている一冊。
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平塚取材〜中盤の渋滞を解消して巻き返す。

 ナビスコカップ湘南戦の取材に行ってきました。
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 試合は1-1のドローながら、3位のジュビロ磐田が引き分けたため、決勝トーナメント進出が決定しました。もちろん、試合に勝って決めたかったところではありますが、追いついての引き分けでしたし、ミッションを無事に果たすことができました。
 試合内容についていうと・・・前半はうまくいきませんでしたね。
なかなか良い形でボランチや前線にボールを入れることができず、最終ラインの中澤選手と實藤選手に何度もボールが戻ってきていました。ビルドアップをやり直すこと自体は何も問題ないのですが、やり直しでも中盤でうまくいかず、結局、前線に目がけてロングボールを蹴るしかない状態が目立ちました。
 原因は色々あると思うのですが、そのひとつとしては中盤で「渋滞」が起こっていたことでしょう。まず湘南が採用している[3-4-2-1]は、前線の1トップ&2シャドーが守備でのプレスバックも頑張りますし、中盤はかなり分厚いです。前線からの守備を頑張る相手を、フロンターレの後ろがなかなか外せませんでした。
 パスの受け手となる前線も然り。
この日フロンターレで先発したサイドハーフの森谷選手と宏矢選手は、サイドに張ってスペースに出て行くというよりは、中盤に顔を出して足元でボールを受けたいタイプです。湘南が中盤で人数をかけていましたし、中盤ではいわゆる「渋滞」が起こっており、フロンターレは、ボールを持ったボランチが中盤で前を向いて組み立てたり、2トップが縦のクサビを受けに来るスペースやタイミングをなかなか作ることができませんでした。
 もちろん、打開策はあったと思います。
例えば、サイドハーフが大きくワイドに開いたり起点になることで、3バックの陣形を横に広げたり、ピッチの幅を使った組み立てをすることで、中央のエリアを薄くするような「交通整備」がそうです。ただ試合中は、ピッチ上の選手の中でそこまで工夫ができず、ペースが掴めないまま。そんな前半でした。
 ハーフタイム、風間監督はここをテコ入れしました。
後半から、大久保選手をワントップに、トップ下に憲剛選手を入れて、両サイドには左に矢島選手、右に小林選手が張る[4-2-3-1]のような形に変更。この采配で巻き返します。
 特に2トップだった矢島選手を左サイドにウィングのような形で張らせ続けている狙いがよかったと思います。矢島選手本人も「自分は左サイドに張ってもいいので、真ん中のスペースを空けることを意識するように言われていた」と明かしていましたが、中央で起きていた前半の「渋滞」を解消するために、風間監督は矢島選手を左に配置転換させました。さらに相手の右サイドの守備の連係に難があったことも見越したとも思います。後半の矢島選手は持ち前の強さとスピードで何度も左サイドで起点を作り始めます。
こうして相手の3バックを横に広げていき、さらに右サイドに移った小林選手が抜群の動き出しで、サイドからゴール前へと飛び込んでいく。それでいて真ん中は真ん中で、大久保選手と憲剛選手が縦関係で構えており、ややプレッシャーの緩くなった真ん中で起点を作りながら、2人だけでの連係でもゴールに向かっていく攻撃を繰り出していましたからね。左右中央、どのエリアからの攻撃も迫力が出ていました。
 試合のハイライトは、後半の左サイドの矢島選手からのクロスに小林選手が中央で合わせる形で生まれていた決定機ですね。ここで立ちはだかったのが、フロンターレからの期限付き移籍中の安藤選手。後半だけで2、3度はビッグセーブしたでしょうか。思わず「アンドゥー、気合いは入りすぎだろ」と僕も記者席で頭を抱えてしまいましたが、それでも最後は小林選手がヘディングこじあけて同点ゴールを決めました。そして、これが決勝トーナメント進出を決めるゴールとなりました。
 面白かったのが、試合後のミックスゾーンです。
小林悠選手を取材していたら、フロンターレ側のミックスゾーンに安藤選手が挨拶しに来ました。安藤選手が視界に入った瞬間、すかさずたまたま身体に当たってただけだろ?『俺が止めた!』みたいな顔すんなよ。キャッチすんな!」と安藤選手をいじる小林選手。先日のリーグ戦と同様、終盤で追いつかれる形でのドローだったこともあり、安藤選手も「勝たせてよー」と小林選手に懇願してましたが、フロンターレは負けていたらグループ敗退でしたから、そうはいきません。
 ちなみに安藤選手にビッグセーブを連発されたあの局面。
小林選手によると、ピッチが少しスリッピーだったこともあり、左からのクロスに対して、ボールが流れないようにしっかり右足に当てようと思っていた結果、少し慎重になりすぎたとのことでした。つまり、安藤選手が凄かったのではなく、自分の問題だったということを再三強調してました・笑。クロスを入れていた矢島選手にも「相手GKがよかったんですかね?」とわざとらしく聞いてみましたが、「それはないっすねー」と安藤選手の活躍を全否定してました・笑。
 なんていうか、この試合の後半は、湘南ベルマーレ対川崎フロンターレではなく、ほとんど小林悠対安藤駿介の構図になってましたから・笑、試合後のこういうやりとりも微笑ましかったです。
 中断まであと1試合。
選手は連戦続きでかなりキツいと思いますが、負けなしで踏ん張ってもらいましょう。... 記事を読む