山本悠樹の頭脳と駆け引き。


先週末は町田GIONスタジアムでFC町田ゼルビア戦を取材。
試合は4-1で勝利しました。リーグ戦連勝です。

思わぬ形で先制されたものの、見事な逆転勝ち。

公式記録によれば、フロンターレのシュート数は18本。
もっとゴールが奪えたんじゃないかと思うほど、
相手を崩し続けて、見ていても楽しかったですね。

試合内容を振り返ってみても、
ほとんど完勝と言ってもいいぐらいの
勝ち方だったと思います。

この試合、フロンターレの布陣と顔ぶれは、
おおむね予想通りでした。
ただ意外だったこともありました。

それは、ボランチの一角に山本悠樹を起用したことです。

スタメンであること自体には何も疑問はありませんが、
彼は中三日の2連戦をフル出場していました。

2連戦目のACLエリートの光州FC戦もフルタイムで出たのは、
この町田戦をベンチスタートにするからなのだろうと
推測してましたが、まさかの3試合連続スタメン。
中盤の選手では唯一です。

試合後のミックスゾーンで山本の取材がひと段落した後、
3試合連続スタメンでびっくりしてしまいましたよ、と
本人に伝えると、「流石にきついなとは思ってましたけど」と
微笑んでいました。

そして、明るい表情で充実感を口にしています。

「連戦ですけど、状態のいい中で試合に出ているので、
自分のパフォーマンスを落とさなければいい。
きつい中でもやれることはあるので。
試合をやるごとにやれることや発見は試合を通してあります」

この試合、左サイドコンビから2得点が生まれています。

同点弾はマルシーニョ→三浦颯太ですし、
4点目は三浦颯太→マルシーニョです。
町田は、巧に入れ替わる左サイド攻撃の対応に
苦戦しており、結局、そこから崩壊しました。

なぜこれだけ左サイド攻撃がうまくいったのか。
実はその2人のうまく舵取りしていたのが
左ボランチの山本悠樹でした。

その辺の駆け引きは本人にも取材していますし、
レビューでも掘り下げております。

左サイドの2人を生かすための解決策を
山本悠樹はうまく提示しましたし、
それが逆転負けがなかったという
町田が築いてきた勝利の方程式を
打ち砕く回答にもなったわけです。

と言うわけで、たっぷりと勝ちレビューになります。
ラインナップはこちらです。

■4-4-2システム同士のミラーゲーム。そして意外だったこと。

■「僕の方からちょっとセンターバックに
『ちょっとラインを上げてくれ』と言いました」(脇坂泰斗)、
「もうちょっと前に出てきて欲しいと。
自分たちは(ラインの低さは)そんなに気にはならなかった(佐々木旭)。
失点後に選手間で施した修正。守備のジレンマをいかに解決したのか。

■「あそこで慌ててロングボールを蹴ってしまうと、
名古屋戦のようになっていたと思う」(佐々木旭)」、
「相手のサイドハーフがプレスが出てきたタイミングで、(三浦)颯太を
高い位置を取らせると、相手のサイドバックで2対1を作れるとは思っていた」(山本悠樹)。
本番で効果的に機能したビルドアップと、
町田の守備構造を見抜いた山本悠樹の左サイド活用法。

■「左のハーフラインはマルシーニョと2人で崩せる自信がある。
自分が走ったときにセンターバックがカバーに来なかったので、
おもいきって足を振りました」(三浦颯太)。既視感を覚えた三浦颯太の同点弾。
なぜこの日の左サイド攻撃はあれほど躍動できたのか。

■「ミスはミスだけど、ミスが起きる要因は守備の配置が良かったこと」(脇坂泰斗)。
GK谷晃生からのパスカットを誘った、脇坂泰斗によるポジショニングの妙とは?

■「後ろの選手が相手の矢印を折りながらうまくボールを運んでくれた。
それが3点目にもつながった」(山田新)、「練習でやっているような、
ボールをしっかりとつなぐという部分と、
攻撃に行く部分は変わらずにやってました」(丸山祐市)。
ゲームをコントロールし続けた圧巻の後半。
ボールポゼッションを下支えしたベテラン・丸山祐市のワザ。

■「焦れることなく、慌てることなく、自分たちがしっかりと
主導権を握りながら終始戦ってくれました」(鬼木監督)、
「それがうまくいかないので、今年は。継続しなければいけない」(佐々木旭)。
強い時のフロンターレを示したからこそ、次もやらなくてはいけないこと。

全部で約11000文字です。よろしくどうぞ!!

「勝利の方程式をいかに打ち砕いたのか」 (リーグ第33節・FC町田ゼルビア:4-1)

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