「ボクはファミコンが欲しかったのに」を読んだ。

 本棚を整理していたら、ブログに感想を書いていない良書があったので、いくつかオススメを紹介しておきますね。
 まずはこちら。
「ボクはファミコンが欲しかったのに」

 今年2月に発売された小説です。
「ゲームセンターCX」構成作家の岐部昌幸さんによる作品。タイトルにあるように、ファミコンをめぐる物語なんですけど、この小説は良いですよー。直撃世代にはグッときます。
 団地に住む小学生・マサミチには夢のアイテムであるファミコン。
そんな欲しくてたまらなかったファミコンを、ある日、母親が内緒で手に入れてきてくれた!!
・・・・しかし箱を空けると入っていたのは、ファミコンではなく、セガのゲーム機。
 「こんな知らないゲームなんか欲しくないよ!!」
 荒ぶるマサミチ・・・そしてそこから日常の運命が変わり始める少年の物語です。
ストーリーの柱にはファミコンという存在が君臨しているのだけど、実はファミコンネタはそれほどゴリゴリとは出てきません。どちらかといえば、ファミコンにまつわる日常風景を描いている小説ですね。例えば、普段は冴えない男子でも、新作の人気ファミコンソフトを持ってると、クラスで一気にヒーローになれるとかね・・・・あるある・笑。
 あるいは、中古ファミコンソフトのチラシの価格をめっちゃチェックして、妄想を膨らませていたりね。そう、新作のファミコンソフトはまず買ってもらえないから、中古品で面白そうなのを探す癖がついてしまうんですよ!ただバンゲリング・ベイは価格が安いんだけど、別に欲しいとは思わなかったとか・・・・。
 小学生時代のいろんなエピソードやちょっと事件に「うわー、懐かしい」とニヤニヤしてしまいます。個人的にツボだったのは、「不良になるから、ゲームセンターには行くことは禁止だった。でもデパートのゲームコーナーならギリギリセーフで怒られない。なぜなら『デパートに行っている』という解釈だから」というやつ。そういう解釈、あったわー・笑。
 笑えるけど、ちょっと切ない小説でもあります。地味に心をギュッと掴まれるんだわ。
ファミコン世代の人にはぜひ読んで欲しい作品です。
ボクはファミコンが欲しかったのに/廣済堂出版

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ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック [DVD]/Happinet(SB)(D)

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超ファミコン/太田出版

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「オール・イン 実録・奨励会三段リーグ」を読んだ。

 昨日の深夜、日本テレビで関ジャニ7という番組をやっていました。
メンバー7人がそれぞれ取材するということで、取り上げたのは将棋界。近年の将棋ブームを受けてのものだったそうです。羽生名人、アイドル棋士・竹俣紅さん、将棋サロン、女流棋士、東大将棋部、駒職人、事情通と様々な角度から将棋を取材していました。将棋をいろんな切り口からテンポよく紹介していく番組で、面白かったです。
今日の深夜は、TBSの林先生の番組「痛快
!生き様大辞典」で故・村山聖さんを特集するみたいですね。3月のライオンの二階堂くんのモデルと言われている方です。こちらも楽しみ。
聖の青春 (講談社文庫)/講談社

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随分前に読んだ将棋の本を紹介します。

「オール・イン 実録・奨励会三段リーグ」
将棋のプロ棋士になる夢が叶わなかった天野貴元氏の自伝的ドキュメントです。3分の2は奨励会時代の話、3分の1は退会後の癌闘病記といったところですね。
 本書の読みどころは、「鬼の住処」とも呼ばれるその奨励会三段リーグの過酷さを当事者として語っていること、そして知られざる奨励会員の普段の実態(?)なども赤裸々に明かしていることにあります。
 奨励会とは、プロ棋士を目指す者が所属する研修機関です。将棋のプロ棋士になるには、全国トップクラスの将棋少年達が集まるこの奨励会に入会し、そこを勝ち上がらなくてはいけません。Jリーグでいえば、クラブの下部組織のようなものと思ってもらうと良いかもしれません。
 奨励会は6級から始まり三段まであり、この段位はいわばプロの段位。アマチュアの段位とは全く違います。そして三段から四段になると晴れて正式なプロ棋士となります。正式なプロではないので、奨励会で将棋を指しても報酬はありません。そしてユース所属の選手が必ずしもJリーガーになれるわけではないように、奨励会に入った奨励会員がプロ棋士になれるとは限りません。むしろ9割近くが脱落する非常に厳しい世界です。
 最大の難関は、三段リーグ。三段から昇段できるのはリーグ戦の上位2名だけ。総当たりでの過酷なしのぎ合いを行う、最後のサバイバルマッチです。上位2名に入らなくても翌年にまた挑戦できますが、厳しい年齢制限があるため、その年までに四段に昇格できなければ、奨励会を強制退会しなくてはなりません。そのため、三段リーグの対局には別の雰囲気が漂っていることがわかります。
その異様なまでに緊迫した雰囲気はちょっと言葉では表現しにくい世界だった。まるで刑務所のような、面見えない緊張感が部屋全体を支配していて、対局中に部外者が中でカメラを回すなど、とても想像できない。
 また奨励会を去った会員たちは、深い挫折感ゆえに将棋から離れようとする者も多い。時折、専門誌などで「奨励会員のその後」といった企画があったりするが、たいてい取材は難航するという。「第二の人生」を取材しようにも、ほとんどの場合、断られてしまうからだ

 本書での印象的な箇所です。
奨励会三段リーグの独特の空気感、そして退会した元奨励会員の苦しみが垣間みれるような描写です。
 著者の天野氏は16歳で奨励会三段に昇段。あと一歩まで届きながら、そこで10年の足踏みをしてしまい、年齢制限により26歳で退会を余儀なくされます。奨励会を退会する=プロ棋士の夢が断たれるというわけです。そして、その後の彼がどうなったか・・・。
 本作品は、今年度の将棋ペンクラブ大賞の文芸部門大賞を受賞したそうです。難しい将棋の図などは出てこないですし、将棋に詳しくない人でも読み物として楽しめます。
オール・イン ~実録・奨励会三段リーグ/宝島社

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 こちらもすごくオススメ。
プロ棋士になれなかった少年たちのその後を追った作品。涙なしに読めません。
将棋の子 (講談社文庫)/講談社

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観る将棋ファンにオススメのガイド本。将棋観戦ぴあ (ぴあMOOK)/ぴあ

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中江有里さんの「ホンのひととき 終わらない読書」。

 
少し前の「ワイドナショー」で、松ちゃん(松本人志)が山口百恵さんのことを話してました。
自身にとって唯一ハマッたアイドルが山口百恵さん、というぐらいものすごく好きだったそうです。ただ吉本でデビューしたときには山口百恵さんがすでに芸能界を引退した後だったので、いまだに会ったことはないとのこと。昔の憧れというのは強く残るもので、一度、「HEY!HEY!HEY!」に山口百恵さんの息子が来たとき、息子にチューしてやろうかと思ったのだとか・笑。
 「自分だったら誰かな?」と記憶の糸をフンフンたぐり寄せてみました。僕が中学、高校時代というのは、いわゆる「アイドルグループ冬の時代」ってやつで、これといった女性アイドルグループがなかった記憶があります(たぶん)。
 おニャン子クラブはもっと上の世代ですし、モーニング娘。は、もうちょっと後の時期だったので。だから、これといったアイドルグループというのがない世代だと思います。
 ただ好きだった芸能人はいました。
2人いますね。観月ありささんと中江有里さん。
・・・「うわー、世界で一番どうでもいい情報を聞いちゃったよ」みたいな顔しないで!・笑。
 中学のときに好きだった観月ありささんは以前にもブログで触れたことがあるので、ここでは省略するとして、高校のときは、中江有里さんがアイドルでした。アイドルや歌手の活動もしてましたが、自分の中では女優としてのイメージが強かったですね。
「奇麗になりたい」というエステで働くドラマ、面白かったなぁ。あと月9の「白の条件」とかね。映画「学校」とか、CMの「ポッキー四姉妹物語」ね。三女・こなみ役。抽選で当たるビデオ、めっちゃ欲しかったわ・笑。当たらなかったけど!!
 芯がしっかりしていて凛とした演技がいつも印象的でした。その中江有里さんが書いた読書エッセイ、「ホンのひととき 終わらない読書」を読みました・・・・って、本題までの入り、長すぎですな。

 ちなみにサイン本。高校生のときの俺が見たら、泣いて喜ぶわ。
 読書エッセイなわけですが、読んだ本の感想うんぬんよりも、好き嫌いせず、いろんなジャンルの本を読む方なんだなぁ、ということに驚きました。いわく、野球はあまり好きではないし、知識がないので見てもよくわからないけど、自分がわからない野球の魅力を教えてくれるなら食指が動くとのこと。なるほど。本の魅力って、言い換えると、そこに尽きるかもしれませんね。
 彼女の内面や考え方もしっかりつづっています。
中学生のとき、読書好きが高じて脚本家に憧れていたはずが、スカウトされて女優業をすることになったのが芸能界入りのきっかけだったとは知らなかったなぁ。「同じドラマを作る世界なら、ついでに脚本の勉強もできるかもしれない」と思ったそうですが、脚本の勉強にもなるから、ドラマの女優をやってみようかなって、「サッカーの監督をするときの経験に役立つから、プロサッカー選手になっておくかな」ぐらい、エクセレントな発想ですよね・笑。
 20代後半にラジオドラマの懸賞で最高賞をもらい、本格的に脚本家を目指そうと思い、学校に通って勉強しようかどうかを脚本家の友人に相談すると、「あなた何年女優やってるの?家にある台本を読み返して勉強するといい」と言われたエピソードは、ちょっとハッとさせられます。
 最近は、コメンテーターとして「とくダネ!」などでも活躍中ですね。今後の活躍も期待しております。
ホンのひととき 終わらない読書/毎日新聞社

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