どうも、最近、カブ師匠よりもコムゾーのほうが気になっているいしかわごうです。
大宮戦は2-1で勝利。
7連敗中の相手とはいえ、やはり簡単な試合になりませんでした。後半の残り15分は、實藤選手、福森選手とサイドハーフが本職ではない守備陣を投入して耐え続ける総力戦でしたからね。ロスタイムの6分含め、よく守り切りました。
前半は、新潟戦の内容の悪さを払拭するサッカーができていましたと思います。たとえ狭いエリアでも、ちょっとだけずらしてボールをトラップして相手のプレッシャーを外す。そして外してできたスペースを利用しながら、ボールを運んでいく。これを連続していくことで、自分たちのリズム、距離感でボールを回しながらゴールに向かってどんどん迫っていきました。このスタイルは完全に風間監督の指導の賜物ですよね。
得点に関して言うと、大久保選手のミドルはグレイト過ぎるのであまり掘り下げようがないので・笑、先制点を少し深く読み解きたいと思います。ご存知のように、開始早々3分、憲剛選手の矢のような飛び出しからのループで先制しました。
興味深いのが、出し手と受け手の関係ですかね。この試合はトップ下・憲剛選手、右サイドハーフに森谷選手というスタートポジションなのですが、このゴールシーンは2人のポジションが逆の関係になって生まれました。中央に下がってきた森谷選手のロングパスに、右サイドの憲剛選手がダイアゴナルランで最終ラインを抜け出して決めたものです。
まわりを“生かす選手”だった憲剛選手が、まわりに”生かされる選手”になっているのは、風間監督のもとでやっているサッカーにおける変化だと思うのですが、本人曰く、「最近、そういう映像も見てるから!視点が変わってきてるんだよね」とのことでした。持たされるだけではありません。今度は生かされる選手にもなろうとしてますね。
・・・・サッカーファンのみなさん、この32歳、あんな凄いパス出せるのに、いまからインザーギになろうとしてますよ・笑。
コンフェデから帰国後、7月と8月のリーグ戦で6得点。カップ戦も入れるとほんの2ヶ月間で8得点ですか?・・・これ、すごいと思います。
そして、この先制シーンにはもうひとつポイントが。
アシストをした森谷選手に縦パスをつけたのは、久々に先発復帰した井川選手だったことです。センターバック・井川選手からの縦パスが攻撃のスイッチになりました。
新潟戦ではボランチとセンターバックが相手のプレッシングにかかり、なかなかいい形で前にボールを預けることができませんでした。しかしこの前半は、いい形で運べなくても、ボランチとセンターバックが焦ることなく、何度もビルドアップのやり直しをするという光景がありました。「一回ボールを下げても、後ろで受けた選手が前に運んでくれたり、そういう連係ができていた」とボランチの山本選手。我慢の組み立てとドリブルでの持ち運びが出来る井川選手の復帰は、最終ラインにとって大きいと思う先制点でした。
後半の大宮は、二列目の選手が、ディフェンスラインの背後に斜めから走る動きを繰り返してきました。ラインを上げて守ることも出来ず、さらにサイドからハイタワー目がけてクロスを放り込んでくるので、どうしても引いて守らざるを得ません。
こういう展開だからこそマイボールを大事にしたいところですが、消耗してチームの運動量が落ちると、ボールを出して、動いて受ける、というプレーができなくなり・・・苦しかったですね。
風間監督も憲剛選手をボランチに落とすことでセカンドボールを拾ってからのボール保持を高めようとしますが、劇的な変化とまではいきませんでした。後半の残り15分は、守備力のある實藤選手、福森選手をサイドハーフに入れてサイドの破綻を防ぎ、最後は西部選手中心に弾き返しました。決して華麗ではないかもしれませんが、こういう泥臭い勝ち方ができたのはよかったと思います。
それにしても、見ている方は、ハラハラドキドキ、心臓に悪いヒヤヒヤの勝ち方でした。
そこでふと思ったのですが、ピッチでやっている選手達は、実際はどうだったのか。試合後、何人かの選手に聞いてみたんです。
「最後までかなり押し込まれている展開だったけど、そのなかでも余裕はあったのか。それとも、本当にギリギリだったのか」と。
するとほとんどの選手が「勝っていたので余裕はありました」と答えてくれていたんですよね。そんな中、途中で入った實藤選手だけが「もうギリギリでした」と一言・笑。慣れないポジションだったので、大変だったんでしょうな。
それでも試合後、「スタメンを外されているので、正直、悔しい気持ちもあります」と静かに口にしていたサネ。井川選手が先発して結果を出しましたから、ここは競い合いですね。次節は累積で出場停止ですが、またチャンスが巡ってくるまで、その牙を磨いておいて欲しいと思います。