広島取材雑記あれこれ。

 週末は広島に行ってきました。
キックオフが土曜の12:30だったので、金曜に移動して前泊することに。
新幹線でじっと4時間・・・読書してましたが、ケツが痛くなりますね。
そして夜は広島の重鎮ライター・中野和也さんの夫妻から、ライターの江藤さんと一緒に食事をごちそうになりました。

 連れて行ってもらったのは、広島の歓楽街・流川通り。
スラムダンクファンとしては「流川通りだーー!」と感動したいところですが、「るかわ」ではなく、「ながれかわ」と読みます。
 美味しいお刺身をごちそうになりました。
長年取材している中野さんの広島取材話も、とても面白かったなぁ。
サンフレッチェ広島の戦術を穴熊戦法で紹介しているので、中野さんに「将棋でサッカーが面白くなる本」を渡しました。中野さんは将棋は詳しくないそうですが、「この本、凄いなー!」とバカウケしてくれました。
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 当日、エディオンスタジアム広島へ。

地味にアクセスが大変。スタジアム前にゴジラみたいな怪獣がいたんですけど誰?

王者の証。

風間監督が主将だった時代、チェアマン杯を割ってしまった過去があるのは内緒です。

可愛くなり過ぎたことで、整形疑惑も流れ始めているマスコットキャラクターズ。

 試合はご存知の通り1-2での逆転負け。
前半に関して言えば、ミキッチの仕掛けにはヒヤリとさせられましたが、チーム全体をコンパクトにしながら守り、攻めも良い距離感でサッカーができていたと思います。そしてラストプレーでの小林選手の先制ボレー。レナトの左の突破も素晴らしかったですが、中央で出した憲剛選手のパスも素晴らしかったですね。
 あそこに出すのは一番難しい判断なんじゃないかと思い、本人にそのあたりを聞いてみたところ、
「シュートの選択もあったのだけど、自分の前に5人ぐらい居たので。嘉人が入って来ていて、悠が入ってくる動きも見えた。悠の『ケンゴー!』と呼ぶ声も聞こえたので。(ボールを)浮かす選択はとっさですね」とのことでした。少し滞空時間の長いパスでしたが、小林選手がきっちり叩き込みました。聞くと、試合当日にも「なんだか今日も決めそうな気がする」と話していたそうです。そういえば試合前日にも「外し出すと止まらないタイプなので。早い時期に決められて良かったです」と苦笑いしてました。なんだかその言い回しが、「俺と同じで、入り出すと止まらないタイプかな」とミッチーを評してた海南の神みたいだな、と思ったものです。その逆バージョンですが。
 問題は後半ですね。
前に出て来た相手を受けてしまい、全体的にラインを低くなりチームが間延びしてしまいました。これではボールを奪ってからの距離感も悪く、良い攻撃につながりません。プレーのクオリティも低下してしまい、前半とはまるでチームになってしまう脆さがまだあります。それでも悪いなりに勝ち切れたら良いのですが、そこでの佐藤寿人選手のスーパーゴール。
あれは記者席からも信じられない軌道での入り方でした。正直、チームの組織としては何も崩されてません。それでもゴールはゴールです。そして終盤にはジェシの退場。あのプレーがレッドカードに値するかどうかは見解が分かれるところだと思いますが、なんというか、この試合の村上主審は後半からカードのスイッチが突然、入りましたよね。J2の開幕戦・湘南対山形では両チームにそれぞれ退場者を宣告してましたし、うーん、という感じはします。
 悔しい敗戦。土壇場で勝ち点1がこぼれ落ちました。
 取材後は、わりとバタバタ。新幹線発車の9分前になんとか広島駅に着きました。それでももみじ饅頭はしっかり確保。車内にはフロンターレサポーターの方もちらほら。フットボールサミットにサインを求められたので、書かせてもらいました(楷書でサインを書く江藤さんをパシャリ)。

読み応えがあるので、まだの方はぜひ読んでくださいね。
フットボールサミット第19回 川崎フロンターレ 夢の等々力劇場 強く、楽しく、愛されるクラブで…/カンゼン

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神戸戦雑感と将棋でサッカーが面白くなる放送のお知らせ。

 いまさらですが、開幕戦の雑感などを。

 ヴィッセル神戸との開幕戦は2-2。
セットプレーから先制を許す展開も、小林選手、憲剛選手が加点してあっさりと逆転に成功。どちらのゴールも、右サイドを攻め込んだ形でした。中央の大久保選手、左のレナトを対戦相手はかなり警戒していたので、そこで手薄になりがちな右サイドを攻略しての得点、という意味でも大きかったと思います。しかしゲームをクローズすることができず、終了直前に失点。勝ち切れませんでした。
 試合後の選手達の口からは「勝てた試合でした」と反省の言葉。中でもクローザーの役割も兼ねてピッチに入った山本真希選手はとても悔しそうでした。去年は不動のスタメンでしたが、現在はパウリーニョ&大島選手がファーストチョイスのため、ベンチスタート。ACLも出番がなく、今年初出場も痛恨の失点。「自分がスライディングをした横の場所に、ボールを出されました。あの場面でもっと我慢できていれば・・・」と本当に悔しそうにしていました。思うこともありますが、これもすべて次に向かう課題とエネルギーにしてもらうしかありません。
 引き分けでこれだけ悔しい試合というのも久しぶりですね。というか、公式戦での引き分け自体が久しぶりなんですよね。調べてみたら、去年8月のセレッソ戦(0-0)以来の引き分けでした・・・って半年以上前かよ!!
 さて。
試合前、フロンパークをウロウロしていたら、イケメンダンクが新バージョンになってました。

あのセンターのお方、「Jリーグで一番ブサイク(byパウリーニョ)」だけど、大丈夫ですか・笑。
—-
 今日は日本代表戦ですね。
このニュージーランド戦の試合実況&解説を、将棋のプロ棋士が行うという企画がニコ生で行われます。野月七段によれば、「副音声的なノリだと思うので、興味のある方は気楽な気持ちで視聴いただけたら幸いです」とのことです。テレビ中継の傍らでニコ生で楽しんで一緒に楽しんでもらえうようなスタンスですね。
僕の記事です。企画の紹介と、野月七段に見所を語ってもらいました。将棋がわからないサッカーファンが見ても楽しめる放送になると思います。
待ち時間なしで大丈夫か? 5日の日本代表戦をプロ棋士がサッカー実況&解説!
こちらはサッカーキングさんの記事。
ニコニコ生放送でニュージランド戦を将棋プロ棋士が解説…将棋盤とサッカーの共通点は?

視聴者プレゼント用として、「将棋でサッカーが面白くなる本」に僕のサインを入れてきましたよ。みなさん、ぜひ応募してくださいね。
もし将棋とサッカーに興味を持ったら、ぜひ本を読んでみてください。駒を選手に例えたら、戦術を戦法に置き換えて説明しているので、面白いよ!!
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等々力取材〜ダブルボランチの収穫と課題。

 昨日は等々力取材に。

ACL出場クラブとして、フロンターレは一足早く開幕を迎えました。「ACLは独特の雰囲気がある」と選手も言ってましたが、それは観戦する側も、取材する側もしかりでしょう。

プレスパスもACL仕様です。

ヨシメーターもACL仕様なんですね。個人的にはスタジアムDJのこもりすみえさんが、試合前に英語でアナウンスしていて「おおっ」って思いました・笑。
 相手は、中国の貴州人和。
試合はレナトが決めたフリーキックを守り切り、1-0で勝利。「初戦です!!」という感じのゲームでしたね。選手も実戦での感触を確かめながらの試合運びだったと思います。
 フロンターレが1-0の勝利というと珍しい気がしますが実は昨年のリーグ戦ラスト2試合の大分戦とマリノス戦も1-0なんですよね。天皇杯の鳥栖戦は負けてますが、90分間に限れば無失点でしたからね。貴州人和戦も、終盤に与えたゴール前正面のFKはドキドキしましたが、守備組織を崩されてのピンチというのは少なかったと思います。
 攻撃面をどう見るかですが、まずまずだったのではないでしょうか。
特に前半は、予想以上に相手がボール回しに食いついて来てくれましたから、出し手はボールを出して動く、受け手は相手を外して受ける、この繰り返しを正確に続けることで、容易に敵陣にボールを運べました。それなりに前がかりで奪いに来た時間帯もありましたが、アウェイだったからなのか、球際もさほど激しくなかった印象です。中盤でうまくはがせなければ、後ろがビルドアップを何度もやり直すという作業もできていたと思います。その結果、前半は、相手をほぼ自陣に張り付かせるようなハーフコートゲームの展開になりました。
 ただ、ボールは持ててもアタッキングサードでの崩しに決定打を出せません。
右サイドからの良いリズムでの崩しが、ことごとくセンターバックに弾かれるのです。「コイツ、要所を抑えた対応してくるなー」と思って、キャプテンマークを巻いているセンターバックの名前を確認したら、ここにいたのがスンジハイでした。マンチェスター・シティでもプレーしていた選手です。もう36歳なんですね。ロングフィードも的確だし、やはりなんか別格でした。そしてサイドを突破されてカバーに入って対応し、その後は左サイドバックとボランチを呼びつけて怒鳴りつけておりました。
 初陣という意味で、個人的に注目していたのは、パウリーニョと大島選手のダブルボランチ。この二人が後ろでどれだけゲームを作って、さらに前の攻撃陣に厚みを加えることが出来るか。
 組み立てに関しては、不具合はそれほど感じませんでした。
大島選手はもとより、パウリーニョもフロンターレのテンポにだいぶフィットしてきている印象です。移籍当初は、栃木SC時代の癖なのか、ボールを持ったら、まず逆サイドにボールを振って大きい展開を狙う判断が目立ったそうです。それも状況によっては正しい判断ですが、風間監督の元で優先すべきなのはゴールに直結する選択です。どんなにサイドにスペースがあっても、ゴール正面が手薄で味方をもらえる位置ならば、中央のエリアに縦パスを通すのが正しい判断です。そこらへんのズレも少なくなっている印象です。
 ボール奪取力は定評通り。
彼は最後の一歩で、足がニョキッと伸びるんですよね。個の勝負でボールを取り切ってマイボールにできるのは、攻守両面でとても大きいかと。
 ダブルボランチの課題としては、攻撃の厚みですね。
「今日は後ろからのビルドアップに意識がいきすぎて、中盤から前に入っていくタイミングがあまり掴めなかったです」と話してくれたんは大島選手。相手が中盤で密集を作ってボールを奪いに来たときは、トップ下の憲剛選手も降りて来て、3人の関係でパスワークを機能させていましたが、「憲剛さんが下がってくれば3人でボールは回せるんですけど、そうなると嘉人さん(大久保嘉人)との距離が空いて、嘉人さんが孤立してしまうんで・・・」と、反省点を口にしていました。このバランスをどうとるのか。今後の修正点といえるかもしれません。
・・とまぁ、なんだかサッカーライターみたいに真面目に書いてしまいました。みたいっていうか、そうなんですけどね。一応、証拠(↓)。
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 幻となった今季初ゴールのこぼれ話も。
前半8分、パウリーニョのミドルのこぼれ球に反応してゴールネットを揺らすも、惜しくも(ないけど)オフサイドに判定された井川選手。オンサイドだった小林選手のボールをかっさらって決めた格好だったので、小林選手から「なんで触るんだよ!」と、その後かなりしつこく言われたのだとか・・・小林選手、すげぇ決めたかったんでしょうね。井川本人的には、オフサイドだとも感じつつも、条件反射で蹴ってしまったみたいです・笑。
週末はJリーグの開幕戦・神戸戦。ホームでの開幕戦。今年は良いスタートを切りたいものです。... 記事を読む

ACLの戦い、始まります。

Jリーグの開幕は週末ですが、明日からACLの戦いが始まります。
 
 開幕前のこのワクワク感・・・良いものです。
フロンターレは2010年以来のACL出場です。「クラブとしては4回目の出場だけど、こっちのメンバーは入れ替わっているので、ほぼ初出場に近いかな」と話してくれたのは憲剛選手。井川選手も、今のチームはあの時代のギラギラ感があると言っていました。
 ホーム等々力で、中国の貴州人和と対戦します。
平日ですし、みんな仕事を早めに終わらせて、シーズンオフに抱えていたワクワクを持って等々力に駆けつけることでしょう。武蔵小杉駅の発車ベルもナンバーワン野郎になりますからね。そこも楽しみです。
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 そして明日は、フットボールサミットのフロンターレ特集発売日です。
タイトな日程でしたけど、頑張って原稿をたくさん書きました。ぜひ読んでやってください。時間に余裕のある方は、書店に寄って購入してから、スタジアムに。本当に一冊丸々フロンターレなので、読み応えとボリュームは抜群です。
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井川祐輔選手に聞きました。

 チームは今週から麻生グラウンドでの練習を再開しています。

 先週降った大雪の影響はまだまだありますが、スタッフの方々数十人が総出で行った雪かきのおかげで、トレーニングできるスペースはあります。ホント、雪かきって大変なんすよね。筋肉痛になるし・・・えぇ、北海道出身者なもんで。
 昨日は、とある企画で井川祐輔選手にロングインタビューをしました。
トークが面白い選手なので、毎回ついつい色々な話を聞いてしまうのですが、今回は「つなぐセンターバック」としてのこだわりを中心に、サッカーのコアなところをけっこうガッツリと聞かせてもらいました。面白かったですねぇ。
 フロンターレといえば、大久保選手、レナト選手、憲剛選手の前線3人が噛み合ったときの破壊力は誰もが認めるところだと思います。ただこの前の3人が、相手のゴール前で持ち味を出すためには、後ろでボールを動かしながら相手のマークをうまくはがし、攻撃のスイッチを入れる後ろの選手達の組み立てが欠かせません。料理で言えば、出来上がる前の”下ごしらえ”のような地味な作業かもしれませんが、風間監督も就任当初からかなりこだわっている作業でもあります。そこらへんの醍醐味をたっぷりと聞かせてもらいました。
 もちろん、それ以外の話もそれなりに。
すっかりフロンターレ在籍が長くなった井川選手ですが、ガンバ大阪、広島、名古屋といくつかのクラブを渡り歩いてきた経歴があります。名古屋時代には本田圭佑選手と一緒にプレーしてたんですね。お互いにガンバの下部組織出身者同士ということで、仲もよかったそうです。本田選手は当時から腕時計を二個つけていたとのことです・笑。当時のちょっとしたエピソードをたくさん聞かせてもらいました・・・・たぶん世に出ることはないですが、面白かったです。
なお日本代表にまた呼ばれたら、本田選手から代表の背番号4番を奪って自分がつけたいとも言ってました・笑。
 さてさて。
フットボールサミットの発売が来週に迫ってきました(※26日に変更された模様です)。
ラインナップを見てもらえばわかるように、かなり盛りだくさんです。井川選手も稲本選手との対談で登場してもらっております。アマゾンで予約するとポストカードがついてくるみたいです。よろしくどうぞ。
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風間監督のロングインタビュー〜得点王あるある?

 宮崎キャンプで行ったフットボールサミット取材。三日連続インタビューの最後は、風間監督でした。
 普段の囲み取材で聞けない深いことを、ロングインタビューでたくさん聞かせてもらいました。いやはや、面白かったです。
 ときに「非常識」とも言われる風間監督のサッカーですが、「俺がいつも言っているのは、一番確率の高い選択をしろということなんだよ。だから、ものすごく現実的かつ堅実なサッカーのはずなんだけどなぁ・・」と首をひねっていたのが印象的です・笑。
 「サッカーは発想のスポーツだから」という言葉が、すごく頭に残っています。やっぱり風間さんの肝は、ここなんでしょうね。選手の発想を引き出すために、あえてポジションをコンバートさせるのは日常茶飯事。大学時代、中盤の真ん中をやっていた選手にサイドバックを命じたら「僕は右サイドをやったことがないんです」と言ったので、「お前、試合中に右サイドに一回も移動したことないのか?」、「それはあります」、「じゃあ、その時間が長いだけだ」と一蹴したエピソードとか、風間監督らしいですな。
 あとは「得点王の生むチーム、あるある」みたいな話も。
昨年、大久保嘉人選手が得点王に輝いたのは記憶に新しいところだと思いますが、風間監督は筑波大監督時代にも関東大学リーグ得点王をチームから生み続けています。
 でもチームの中に得点王争いをしている選手が居ると、シーズン終盤の試合中は、ゴール前の決定機が来ても、みんなが無理矢理その選手に点を決めさせようとするパスを出すことが増えて、試合のリズムが微妙におかしくなることもあると苦笑いしていました。
 そういえば、去年のフロンターレも、シーズン終盤はゴール前でとにかく大久保選手に点を取らせようとボールを集めてギクシャクした試合がありましたね。アウェイのレッズ戦とか・笑。
 正直、去年、大久保選手があれだけゴールを量産したのだから、まわりは風間監督をもっとちょっとぐらいは評価しても良いと思うのですが、本人は「俺は大丈夫だよ、褒められない人間だから」と笑ってました。「ただポポヴィッチには褒められたけどね。『(大久保が点を取れているのは)お前のおかげだろ?』と」。そんなことがあったのね。
・・とまぁ、ここに書いたのはこぼれ話で、本編ではガッツリとサッカーの話を聞いております。風間監督のインタビューってまとめるのが超大変なのですが、頑張りたいと思います。
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宮崎キャンプ取材〜宮崎産業経営大学との練習試合。

 昨日は宮崎産業経営大学との練習試合。
30分×4本というやや変則的な形式でしたが、2014年シーズンになってから、これが初めての対外試合です。

 新ユニフォームでのプレーもお披露目です。
1本目(2-0)と2本目(1-0)は、いわゆるAチームが出ました。スタートの布陣は[4-2-3-1]。GK西部、DFラインは右から武岡、稲本、井川、小宮山、ボランチにパウリーニョと山本、二列目は右から小林、中村、レナト、ワントップに大久保という顔ぶれでした。

 雑感としては、「まずまず」と言ったところでしょうか。
そもそもミニゲームや紅白戦はやってましたが、フルコートでのゲームはこの試合が初めてでしたからね。その影響なのか、試合中の選手同士のボール回しの距離感にも違和感があった一本目という印象です。距離感の違いが、パス回しの強弱の付け方やその選択を慎重にさせたのか、パスミスを避けて、真ん中からではなくサイドから攻撃を組み立てようとするポジショニングや受け方をしていました。その結果、相手の圧力に簡単に掴まってしまうという場面が目立ち、なかなかいい形で前線までボールを運べませんでした。大学生相手なので、それでもゴール前まで行けてしまうのですが。
 後ろでボールを動かす際のリズムもまだまだ。
この日は田中裕介、ジェシ、ノボリという去年の主力3人が入れ替わっていたこともあり、ビルドアップときの選手同士の呼吸もスムーズではありませんでした。ボランチのパウリーニョ含めて、もっと擦り合わせが必要ですね。ただこのへんは今年最初の練習試合なので、別に問題視することもないかと。まさに「ここから」っていうところですから。
 良い部分もありました。
新加入の武岡選手は、右サイドで抜ける動きで小林選手と面白い縦関係の崩しを見せていました。田中裕介選手や實藤選手とも違った特徴が出せるチョイスになりそうな印象です。
 試合後、憲剛選手に感触を聞きましたが、「今日は(試合を)やることが大事でしょ」と話していました。内容や結果うんぬんではなく、とりあえず一試合してみて、チームの感じを掴むような位置づけでしょ、と。というか、全体が始動してまだ数日ですからね。
 
 3本目(1-0)、4本目(1-0)についても少し。
印象としては、大島選手とボランチを組んでいた谷口選手が際立っていた感じを受けました。中盤や後ろでボールの動かすときのポジショニングが良いですし(いわゆる隠れない受け方ができる)、CBがつけるボールにまず前を向き、そこから狭い場所にも縦パスを通せる技術があります。筑波大で風間監督のもとでやっていたのだから当然かもしれませんが、正直、想像以上です。ボールを正確に扱う技術に加えて、サイズがあるので、守っても最終ラインの前で防波堤にもなりますからね。なるほど。大学ナンバーワンボランチと言われるのも納得です。チームの志向するスタイルを考えると、新加入選手の中では即戦力になるかと思います。
試合後、そんな谷口選手に少し取材させてもらいました。やりとりはQ&A方式でどうぞ
—-試合の感想を。
「今年初めての実戦でしたが、そのわりにはやれたかな、と思います」

—-ボールを受ける技術が高いですね。
「まだまだボールを受けられるし、動きの質を高めていかないと思っています」

—-大島選手とのボランチ、やりやすそうでした。
「僚太は技術がある選手ですし、ボールを受けるのも上手いです。良い関係を築けていきたいです」

-----風間監督のこのスタイルのなかで追求していきたいことは?
「受けてつなぐことをもっと意識していきたいですね。今日はミスも多かったので」

-----森谷選手が去年移籍してきた時、風間監督から「思い出せよ」と言われたそうです。谷口選手は監督から何か言われましたか?
「思い出せとは言われてないですね(笑)。ちょっと前までは、もっと『前を見ろ』とは言われていました。横や後ろでつなぐことばかり考えていたので、前を向いてやれというのは言われていました。それは今も意識しています」
—-個人の目標設定。今年はどのあたりに?
「多く試合に絡むこと。簡単にスタメンで出れるチームではないですが、そういう思いは持ち続けたいですね」
—-ボランチとCB、試合に出る為にはどっちのポジションで勝負したいなどのこだわりはあるほう?
「こだわりはないです。『出たとこ勝負』でしっかりやりたいですね」

—-出たとこ勝負ですか。なかなか面白い言い方しますね、
「出たとこ勝負・・・いや、『出されたところ勝負』ですね(笑)」

—-ボールを触るのが好きなら、ボランチじゃないですか?
「ボールを触るのは好きではないんですよ。いや、好きなのかな・・・?できれば、あんまりボールは受けたくないかも(笑)」
—ボールを受けることを嫌がったら、風間監督に怒られますよ。
「あはは。ボールを受けてリズム作れるように頑張ります」

 とまぁ、こんな感じで雑談みたいに聞かせてもらいました。出たとこ勝負ならぬ出されたところ勝負とは面白い表現ですね。確かに選手は、監督に出された場所で勝負しなくてはなりませんから。
シーズンはまだまだ始まったばかり。ここからどんなチームになっていくのか。楽しみです。
現在鋭意取材中です。
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僕の本もよろしく。
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中村憲剛選手と渡辺明二冠の対談も収録していますよ!例えばこんな感じで。
(渡辺二冠が先日サッカー大会で審判デビューをしたと聞いて)
中村;・・・えっ?(笑)主審で?ラインズマン(副審)すか!
渡辺:はい、子供の大会で。小学生のチームのコーチって何人もいるわけではないから、お父さんが審判の資格を取って協力するということは多いんですよ。オフサイドラインを見ながらスローインに備えてボールの行方を把握しなくてはいけないので、頭を使って大変でした。
中:将棋のほうが頭を使っているじゃないですか(笑)。
渡:いや、将棋の場合は一手交代ですし、相手の手番のときはこちらの時間は減らないですから、そこまで頭を使って考えてはいないんですよ。けっこうボーっとしてます。
中:えぇっ、ボーっとしてるんすか?
渡:朝10時からの長丁場なんで、一日中、ずっと真剣に考えていたらしんどいんですよ。
中:確かに。途中でケーキを食べてたりしてますもんね。
渡:小学生の大会なので15分ハーフだったんですけど、将棋は15分間ずっと集中していることはないんです。一手に1時間ぐらいをかけることはあるのですが、10分だけ考えて、また少し休むというリズムなんです。サッカーの場合は、ボーっとした間に何か起きたら大変ですから、気が抜けないじゃないですか。15分間の1秒も無駄にできないので、使っている脳みそが別でしたね。
中:その話、すごく面白いなぁ。
こんな感じで、お互いの深い話をしています。サッカーとの比較で色々話しているので、将棋がわからなくても面白いと思いますよ。
こちらも好評発売中。僕の本と同じ朝日新聞出版から出てます!大島選手の「実はひげが濃い」にウケました。
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