大島僚太選手の原稿、書きました。

 オフシャルホームページで大島僚太選手のピックアッププレーヤー「進撃の小さな巨人」を執筆させていただきました。
・・・・ふざけたタイトルですねぇー・笑。
 ACL・ウェススタンシドニー戦では対戦相手の面々を「笑っちゃうくらい大きい選手ばかりでしたね」と話していた大島選手。等々力での対戦では、ピッチ上にあれだけ多くの巨人がいた中で、試合を決めたのが、あの小柄な大島選手のミドルシュートだったというのが、実にサッカーって面白いなぁと思い、ふと「巨人」と掛けてみたいと思いました。
 今シーズン前半を象徴する選手だと思ってますし、彼の変化・成長がそのままチームの状態ともリンクしているのではないかと思います。「選択肢がたくさんあるからボランチが楽しい」というコメントは興味深かったですし、そこから彼自身の判断やプレーの選択肢がどう変わったのかに注目してみました。
 開幕時にはそれほど狙わなかった縦パスもガシガシ狙うようになったことで、最近は縦パス一辺倒になりつつあるので、今度はあえて横パスを使って相手との駆け引きを意識しろ、と風間監督から言われている・・・もう、なんだか物凄くレベルの高い話ですよねぇ。わずか3ヶ月間の話ですから。
 ボランチを組んでいる憲剛選手も大島選手には「もっとできるだろ?」と、高いレベルのことを厳しく要求しているようですが、それでも「俺が21歳のときの30倍は上手いよ」と笑ってました。「だって俺は21歳のときはただの大学生だったから」と言ってましたが、それにしても30倍って・笑。もっとも、冷静に考えたら、21歳でJ1リーグのチームで、それもACLに出ているチームで中盤のレギュラーとして出ているんだから、たいしたもんですよね。
 あとは、あまり世には出ていないであろう、チームでのエピソードなんかも書きました。シーズン序盤の低迷から巻き返しのターニングポイントになったオーストラリアで選手だけで行ったミーティングについても紹介しています。僕はこれがきっかけで、多摩川クラシコからの巻き返しが始まったと思ってますから。やはりベテランの経験値は大事ですね。そういったシーズン前半の検証として読んでも発見があるかと思います。
ではでは。
最近、FC東京の森重選手とのコラボ以来、すっかりおでんくんにハマってます。可愛いなぁ、おでんくん。でんでん!
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ファン感で発売!「とても気が重く、とっても大切なプロモーション」

 川崎フロンターレのファン感謝デーが来週に迫ってきました。
 そのファン感では、昨年に続き、今年も天野春果部長とワタクシ・いしかわごう編集によるショートエッセイ集を発売することになりました。去年は「いっしょおフロんた~れ」の舞台裏を明かした「クラブ名にフロがつくのはウチだけなんです」。

ファン感は14日ですが、天野部長から「ガンガン宣伝しちゃって!」とのお達しを受けているので、表紙画像も公開しますね。

 タイトルは、「とても気が重く、とっても大切なプロモーション」。
これまでのプロモーション企画の舞台裏を明かすというコンセプトは変わりないのですが、今回はシーズン後に訪れる選手との「別れ」を扱った企画の裏側について語った内容です。
 表紙にあるように昨年引退した伊藤宏樹選手についてはたっぷりと。もちろん、それ以前にもレジェンドたちとの別れがたくさんありました。

シーズン後だけではなく、前回の南アフリカ大会後には川島永嗣選手&チョン・テセ選手との別れもありましたね。泣ける一冊ですが、ちゃんと笑えるユーモアも随所に盛り込んであるので、そこはご心配なく。

今では裸になるだけでは物足りず、裸体にチェーンを巻き、鉄格子をガシャガシャ揺らしながら「うおおおーっ」と吠えるまでになっています。とか書かれています・笑。
 今回、僕のクレジットは、編集だけではなく特別寄稿の肩書きも入ってます。
天野部長からの「いしかわさんも何か書いてよ」の一言で、編集に加えて原稿を執筆させてもらいました。「ここでしか読めないものを・・・」と思い、オフィシャルホームページで掲載している「ピックアッププレイヤー」の取材裏話を書いております。
 一部300円で1000部販売です。
前作の「クラブ名にフロがつくのはウチだけなんです」は300部販売で、あっという間に完売しちゃいましたから、今回は多めに販売するみたいです。僕も手元に一冊しかなかったので、当日買おうかなと思って、ブラルと販売場所に行くと、「完売」の張り紙ですごすご帰ったという・・・みなさん、どうぞよろしくお願いします。
なお前作の「ウチフロ」同様、売上から製作費を除いた金額は、Mind-1ニッポンプロジェクト基金にすべて寄付されます。
密かにフロンターレ算数ドリルも欲しかったのですけど、今年は事前抽選なんですね・・・残念。
天野部長の本は既に一冊出ています。企画のヒントたくさん詰まってます。
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 先週のトークイベント「将棋でフロンターレが面白くなる120分」を、あの週刊SPA!のWEB版で取り上げてもらいました!ありがとうございます。ワールドカップに向けて、日本代表のキーマンを将棋的な視点で語ってます。
W杯直前!! 日本代表のキープレーヤーを将棋で予想
「面白い!」と思った方、本にはもっと詳しく書いてますよ!
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等々力取材〜大久保・憲剛を交互に見て♪一度、小林も挟んで〜♪

「ザッケローニ監督!右ひじ・左ひじは交互に見なくていいから、大久保・憲剛を交互に見て♪一度、小林も挟んで~♪」

 お笑いコンビ「2700」のネタもフロンターレバージョン。面白かったですね。試合も大久保&小林が2ゴール、憲剛が2アシストで3人が活躍するというね。
 試合は4-1で勝利。
とても良い勝ち方でした。得点場面を見ても、小気味好いパス回しでの連係からの思い切りの良い小林選手のミドル、エリア内で構える小林選手の足元に憲剛選手が出すパスからの鋭い反転シュート。スペースではなく、相手を外して足元に正確にパスをつないで崩しています。そしてリードしてからはカウンターで2発。カウンターで点が取れるのもウチの強みですね。
特に先制点は、攻撃のスイッチになった大島選手の縦パスの、まぁ強くて鋭いこと・・・本人いわく「少し浮いてしまった」らしいですが、それをなんとかコントロールしてしまう大久保選手のトラップ技術も素晴らしかったですが、大島選手があれだけ強気にクサビのボールを狙うようになったのだな、と。
そしてこの試合のダブルボランチは、フロンターレが中村憲剛と大島僚太。アントラーズは小笠原満男と柴崎岳。両チームともチームの大黒柱と次世代を担う若手という組み合わせでした。彼らの中盤を巡る攻防は実に見応えがありましたね。
 
 この試合での収穫は試合運びの部分ですよね。
ACLで負けた中二日のデーゲーム。しかもこれで・・・11連戦目でしたっけ?心身ともに疲労困憊だったはずですが、それでも風間監督はスタメンを入れ替えませんでした。ソウル戦では守備陣に失点につながるミスがあったにもかかわらず、です。
 この監督の決断に関して、やっている選手たちはどう感じたのか。
大島選手に聞くと、「変えなかったこと」にメッセージを感じたと言っていました。
「自分たちのサッカーに自信があるし、監督も間違っていないからそうしたのだと思います。それが伝わるし、僕らも信じてやっています」
 田中裕介選手も同じでした。
「負けても監督がメンバーを変えなかったのは、前回の試合の出来が悪くなかったということ。出ている選手としても、同じミスをするわけにはいけないし、みんなでカバーしようという気持ちもあった。今日はそれが良い方向に出た試合になった」
 実際、後半の立ち上がりはかなり押し込まれました。ただそのギリギリの状況でも、うまくしのぐ術を選手個々が体得しつつあるのかもしれません。そして、もしかしたらこれがチームがさらにもうワンランク上にいくための通るべき道だと監督も考えているのかもしれません・・・・なんだか、ひん死の状態から這い上がることでパワーアップするサイヤ人みたいな発想みたいですが・笑。
さて昨日、5月11日は誕生日でした。
等々力でサポーターの方に「ISHIKAWA」のネームボトルをいただきました。ありがとうございます!

2700のダンマクも出ていました。「大久保・憲剛を交互に見て♪一度、小林も挟んで~♪」

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等々力取材甲府戦〜縦がダメならナナメからのスイッチで崩す。

甲府戦は、落語とのコラボ企画「勝点」(しょうてん)。始球式に登場した三遊亭小遊三ダンマクも。

 試合は2-0で勝利し、しっかりと勝ち点3を獲得しました。
 甲府は、憲剛選手対策を綿密に練ってきたそうですが、憲剛選手は今季初欠場。ここ二日ばかり、麻生のピッチ練習を行なっていませんでしたからね。ダブルボランチは、静岡学園サッカー部出身の大島僚太選手と、静岡学園帰宅部出身の山本真希選手によるコンビでした(※山本選手が帰宅部だったのは、清水エスパルスユース所属だからです)。
 甲府の守り方は予想通りでした。
フロンターレがボールを握る展開になると、1トップのクリスティアーノが前線に残り、[5-4]の2ラインで潔くブロックを形成。ただ最終ラインは低くなりすぎず、中盤とコンパクトな距離感を保って守っていました。ボランチのプレスバックも早く、バイタルエリアに入る縦パスも執拗に消してきました。結局、そこを崩し切れぬまま0-0でハーフタイムに。
 前半に関して言えば、縦の揺さぶりが少な過ぎましたね。
相手の2ラインのブロックの間で受ける味方とそこに出すのも大事ですが、甲府の最終ラインが高く、中盤との距離が近くコンパクトだったということは、裏を返せば、背後にスペースがあったとも言えます。そこで、裏のスペースを狙って味方を走らせる「捨てパス」を出して、縦に揺さぶってみる駆け引きがあってもよかったかな、と思います。通らなくても、背後を狙うパスを何度か出すことで、相手の守備陣形を間延びさせたり、牽制できますから。そういう意味では、前半の攻撃は素直すぎました。ただここらへんの駆け引きが少なかったのは、憲剛選手がいない影響だったのかもしれません。
 後半は、まずゲームの入り方がよかったですね。
大島選手のミドル、森谷選手のタッチライン際の独走ドリブルと、攻撃のギアをグッとあげました。
 そして生まれた森谷選手の先制点。
相手のブロックを完全に崩し切りましたね。谷口選手が左から中央の小林選手にナナメにボールをつけて、それを抜け出していた山本選手にダイレクトパス。山本選手の持ち味である前線の飛び出しが出た場面で、その折り返しを森谷選手が冷静に決めました。
 あの崩しに関しては、お見事と言うしかありません。
ただその中で特筆すべきは、起点になった谷口選手のパスです。左サイドにいた谷口選手が、前線の小林選手にナナメにパスを通し、それが攻撃のスイッチになりました。あの局面で、あそこを見逃さない目とあれだけの距離をナナメにしっかり通せる技術を持っているのは、たいしたもんです。
 実際、この試合でダブルボランチから前線に入る縦パスが警戒されていたのはご存知の通りです。でもそのラインを遮断されても、サイドバックが起点になり、ナナメから前線にパスを通し、そこで崩して点が取れる。これは大きいですよ。だって守る側の立場になってみれば、ボランチからFWヘの縦パスを通さないように切っていても、サイドバックがFWにナナメのパスをズバズバ入れてくる・・・これはたまったもんじゃないと思います。
 じゃあ、「サイドからナナメに入るパスは、サイドの選手ができるだけ中央に絞りつつ、人数をかけてケアしよう」と考えるわけですが、そうなると、今度はどうなるのか。
 それが2点目ですよね。
だったら、人数が手薄になったサイドをシンプルに使って崩してしまえばいい。なにせレナトがいますから。この2点目は谷口選手が判断良くレナトにボールをつけて、そこで松橋選手をブッチ切って勝負ありです。

ちなみにこの日は、日本人っぽい名前でした・笑。ザックさん、間違えて日本代表にサプライズ招集しないでくださいね。
 攻撃の起点になるダブルボランチが警戒される。しかも憲剛選手が不在。そんな中で2点とも起点を生んだ谷口選手。これだけ起用されていると、彼の本職がサイドバックではないのをつい忘れられがちですが(苦笑)、風間監督が起用し続けているのは、攻撃時のこの判断力とプレーがあるからなのだと思います。サイドバックの位置から、勝負のパスやスイッチになるパスを通せる選手がいるのは、大きいですよ。もちろん、守備でも2試合連続無失点ですから、申し分のない活躍です(しかもイケメンで性格良くて、心に闇もない)。
 守備陣といえば、この日は井川選手の序盤の負傷により、急遽、中澤選手が出場しました。後半、中澤選手のクリアが相手の足に当たり、それがゴール前にいた盛田選手の目の前に転がり、幸いにもシュートはバーに救われましたが、あわや失点に直結しかねないピンチを招きました。
 試合後のミックスゾーンで、中澤選手にあの場面をそれとなく聞くと、「あれは危なかった。死ぬかと思いました(笑)。とりあえず、吠えておきました」と冗談まじりに話してくれました。ミスしたときは、吠えて気持ちを切り替えるタイプなのかもしれません。吠えてごまかした、のかもしれませんが。
 チームがたくましくなっているのは間違いありません。
中断まで残り4試合。幸いにもホーム等々力で3試合できます。残り全勝といきたいものです。
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「勝点」と書いて「しょうてん」と読む。

 明日のヴァンフォーレ甲府戦は、落語とのコラボイベント「勝点(しょうてん)」がありますね。
 広報さんから「宣伝してください!」とのお達しが出ているので、明日のマッチデープログラムの紹介をしたいと思います。ステマじゃないですよ。むしろダレマ(ダイレクトマーケティング)です。
 今回はマッチデープログラムも「勝点」バージョンで、表紙のデザインや帯部分も落語らしさあふれる寄席文字というこだわりです。ちなみに試合前の選手紹介VTRもこのバージョンになるみたいです。

 マッチデーでは、選手インタビューの他、登里選手と新井選手の国士舘対談(後編)も掲載されています。ノボリの「俺、もし国士舘サッカー部には入っていたらどうなってたんやろ?」に、「先輩にめっちゃゴマすってそう」と答える新井選手。そこから国士舘大学サッカー部での先輩後輩関係の話から、フロンターレで上下関係を身につけて欲しい某選手の話題まで幅広く話しております。
 ちなみにマッチデーの購入者は、選手写真が一枚もらえます。

ラインナップは、中村憲剛選手、大久保嘉人選手、谷口彰悟選手、パウリーニョ選手。勝点のポスターでお馴染みの写真です。


パッと見、どこの落語家さんのプロマイドかと思いますが、全員サッカー選手です。なくなり次第終了なので、お目当ての選手があるならば、早めに購入したほうがよさげです。
 ちなみに、新人の谷口彰悟選手。
天野部長もポスト・伊藤宏樹として期待している逸材ですが、イケメンで性格が良すぎるあまり、「本当は心に闇があるんじゃないのか?」と天野さんに疑われているのだとか・・・いや、どんな心配の仕方っすか・笑。
 そのことを谷口選手に聞いたら、「(天野部長に)そればっかり言われるんですよー。実はすごい闇を持ってるだろ?って。ないですよー」と、一点の曇りもないさわやか笑顔で否定してくれました。これからますます人気出そうですね。
以上、甲府戦MDPのダイレクトマーケティングでした・笑。
えっ、試合のほうのポイントですか?
おそらくボールは保持できる展開になると思うので、あとは、[3-4-2-1]で組織的な守りをしてくるであろう甲府の守備陣を、どうやってこじ開けるかですね。相手のブロックの間で受けて、じれずに攻め続けること。そこが焦点になると思います・・・・笑点だけに。
—-
そのうち、将棋とフロンターレのコラボもぜひやって欲しいですね。
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等々力取材〜たまにはこんな空中戦。


試合前、「ピーカブー」コールにお辞儀で応える蕪師匠が可愛過ぎです。
 等々力劇場でした。
3年前でロスタイムのケンゴラッソで劇的な勝利をしたのもガンバ戦でしたなぁ、とかちょっと思い出しました。
 まずは得点シーンについて。
ジェシと大久保選手のヘディング弾。珍しく地上戦ではなく空中戦での2ゴールでした。
 とても良い傾向だと思います。
というのも、フロンターレが足元での細かいパスワークで中央を崩し切ろうとしてくる以上、どこの相手も縦パスを警戒してしっかりと中を固めてくるようになってきています。でも今のチームはそこで手詰まりにはなりません。中を使わずにサイドから揺さぶることもできますし(決勝弾のレナトのアシストまでのつなぎがそうです)、この試合の終盤では人数をかけて守る相手をミドルシュートで牽制するシーンも見られました。
 そしてこの試合では足元の地上戦ではなく空中戦でこじ開けあけての勝利。ACL含めてジェシが2試合連続得点してますが、チームとしてセットプレーで点が取れるようになると、今度は地上戦での仕掛けに相手が軽率なファウルをできなくなります。守る側の相手は嫌ですよね。攻撃のバリエーションが増えてきているのは良いことです。
 
 試合内容に関して言えば、こちら過密日程による連戦だったこと、そして相手がガンバ大阪なので、正直、もっとボールを握られる時間帯が長くなるんじゃないかと思ってしました。しかし予想していた以上に、ボールを握る展開に持ち込めました。
 ここらへんは、長谷川健太監督になってチームとして守備組織に軸足を置くようになった影響なのか、それともフロンターレ自身がチームとしてボールを失わないサッカーをレベルアップさせたのかはわかりません。ただ風間監督がよく言うように、「ボールを握ってしまえば、相手は関係ない」わけで、たとえ相手に日本代表の遠藤選手であっても、ボールを持たせなければ怖さはありません。
 興味深かったのは、長谷川監督が施して来たフロンターレ対策ですね。長谷川監督の狙いは、中盤で起点になる憲剛選手と大島選手のダブルボランチを厳しく監視すること。具体的にいうと、ビルドアップの時にFW登録の遠藤選手とリンスは、中澤選手とジェシのケアはせずに、ダブルボランチのプレスバックにいっていました。最終ラインも高くしてコンパクトな陣形でしたし、ダブルボランチの今野選手と内田選手もかなり積極的に前に出てボール奪取を狙いました。憲剛選手と大島選手を4人で前後から挟み込むような形です。
こちらのボランチが前を向いても、今野選手はボール奪取に詰めて来る間合いが巧いですし、プレスバックスしてくるリンスに、珍しく大島選手が身体をぶつけられてボールロストする場面があったりと、なかなか自由を与えてもらえません。ここらへんの中盤の駆け引きは見応えがありました。
 ちなみにフロンターレのダブルボランチは、いつもの配置ならば、憲剛選手は左、大島選手が右なのですが、この試合ではキックオフからしばらくは逆でした。そのへんの理由を、試合後の大島選手に聞いてみましたが、「いや、特に理由はないです」との返事でした・笑。ただ「あんまりうまくいかなかったのと、ボランチが自分たちのところに来ていたので、そこをどういなすかを考えていたら、自然とそうなりました。話し合ったわけではないです」と続けてくれたので、相手の出方によって変えたとも言えます。
 ちなみに「この状況をどう打開していったのか」ですが、ダブルボランチの今野選手と内田選手が大島選手と憲剛選手に対して、積極的に前に出てボール奪取を狙っていたということは、裏を返せば、ボランチの背後にスペースが出来るということでもあります。そこで小林選手が、そのエリアに顔を出してボールを受けるポストワークを前半からかなり意識してましたね。本人にもそのへんの狙いを聞いてみました。
「今野さんと相手のボランチ(内田選手)が、憲剛さんと僚太のところにバチバチといっていたので、一つ飛ばせば、僕のところが空くし、そこは狙って行こうとハーフタイムにも話していました。ディフェンスにも、中盤を一つ飛ばして自分に当ててくれても良いと話していた。自分のところでボールを収めて、僚太と憲剛さんの上がりを待つ、という形でやれていたと思います」
 試合中からこういう対応力がついてきたのは良いと思います。小林選手が受けたクサビのボールに対しては相手の最終ラインも厳しく食いついてきていましたが、あとはそこから得点に結びつけたら、なおよしでした。
「相手はガツンと来ていたので、そこをうまく抜けていればチャンスになるけど、味方のパスとあわないことがありました。そこで裏を取れていれば、相手もクサビに対して、あまりガツンと来れなくなりますから、パス出しの選手にも少し感じて欲しかったですね。ただ中盤も裕介もそうですけど、今日は少し疲れてました」
 4月11日の柏戦からこれで5連戦目。中国の移動も含めた連戦がこれだけ続くと、主力選手もさすがに疲労は隠せません。勝ち続けながら、なんとか乗り切っているギリギリの状態です。でもこの勝ちながら乗り切っているというのがすごくポイントです。これがこのサッカーをする上で、一番必要な自信にもなっていますから。

「あれだけ攻めていたので、少しじれったい試合でしたけど、最後まで攻め続けて勝ち切ることができた。あれだけ攻めても勝てなかったら『なんでだろう?』となるかもしれない。点が入ったのは大きいですね。勝つということが自分たちのサッカーが間違ってないと思うことにつながると思います」(小林選手)
「自分たちのサッカーを信じてやれているから、あの時間帯に点を取れている」(大島選手)
次は中二日でアウェイの仙台戦です。選手はもちろんですが、サポーターもタフな連戦です。みなさんも体調管理をしっかりと。
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風間監督のインタビューでは、フロンターレでのチーム作りの狙いをたっぷり語っていますよ。ぜひ読んでみてください。
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等々力取材〜タフガイ・田中裕介選手が見せた決死のシュートブロックに「あっぱれ!」


 ACLグループステージ第6節・蔚山現代戦は3-1。
グループステージ突破、日本勢一番乗り、小林悠選手のゆりかごゴール、大久保嘉人選手のACL初ゴール、ジェシのバースデーゴール、中澤聡太選手の日本人ACL出場最多記録更新・・・と、話題盛りだくさんでしたな。
 フロンターレのサッカースタイルからすると、組みやすい相手だったと思います。たぶんウルサンはそこまでフロンターレ対策を練って来ていなかったのでしょう。守備陣形はコンパクトでしたが、こちらのパスワークには簡単に食いついてきてました。プレッシャーもそれほど強くなかった上に、DFラインが高かったので、そこのギャップも狙いやすく、序盤から縦に速い攻撃で決定機を作り出していきます。レナトがことごとくゴールに嫌われるという日ではありましたが、小林選手がしっかり決めて先制に成功。
 その小林選手に狙い澄ましたパスを出したのは憲剛選手でした。スペースに流し込むスルーパスではなく、相手のブロックの間でフリーになった味方の足元に届けるボールです。風間流の強くて速いパスの典型ですね。そしてあの強いパスをしっかりとコントロールしてシュートを決めた小林選手の一連の技術も素晴らしかったと思います。この形は、出し手は強いパスを出す、受け手は相手を外してトラップして決めるという、麻生で毎回しつこいほどやっているシュート練習がそのまま出たゴールでした。
 試合後、憲剛選手に聞くと、「あれは完璧でしょ?ダッ!(←パスを出すしぐさ)ビシッ!(←ボールを止めるしぐさ)気持ちよかったよ」とご満悦でした「あいつ、外したら・・・(以下自粛)だったよ」と冗談で言ってましたので、小林選手は決めておいてよかったですね・笑。
 前日練習を体調不良で休んでいた大久保選手は、さすがに動きが悪かったですね。それでもここぞという場面でしっかりパワーを出してゴールを決めたのはさすがでした。斜めに動くことでできるギャップを狙ってラスパスを出した森谷選手の技術も素晴らしかったと思います。
 2得点後、ウルサンはプレーのスピードを一段上げてきました。直後にあっさり失点してしまい、2-1。その後の前半残り10分、そして後半の立ち上がり15分は、相手の圧力を受けて、かなり我慢の時間が続きました。ここが勝負所でしたし、そこを耐えたのがフロンターレとしては大きかったと思います。
 中でも後半8分の田中裕介選手のスライディングシュートブロックにはしびれました。左サイドを完全に崩されてしまい、折り返しがキム・シヌクの足元に。完全なるフリーでシュートを打たれます。しかし田中裕介選手がシュートコースに飛び込み、決死のスライディングでブロックに成功。
 試合後、本人にあの場面について聞くと、「あれは1点でしょ!流れを変えたと自分でも思っている」と自画自賛・笑。
「マイナスのボールに9番が待っていたので、自分のマークを捨てて、空いているコースにスライディングに行った。イチかバチではあったけど、止めることができた。止めた瞬間は、気持ちよかったね。今日はついていたと思う」と会心のシュートブロックを振り返ってくれました。
 今季の公式戦に現在全試合出場しているのは、実は中村憲剛選手、大久保嘉人選手、田中裕介選手の3人だけ。その中でも出場時間が一番長いのが田中裕介選手だったはずです。海外の移動も含めた過密日程でこれだけ試合に出続けているだけに、さすがに疲れているなー、と思うパフォーマンスの試合も正直、あります。でもやるべきことは絶対にやる。フロンターレのタフガイが見せた、あのシュートブロックには「あっぱれ!」をあげたいですね。
 そして試合を決定づけたのは、CKからジェシのヘディングゴール。この試合、彼は196センチの大型FWキム・シヌクとのマッチマップをしていたんですよね。そのことについて聞いてみたところ、「彼より高く飛べれば良いな、と思いながらプレーしていました。身長差は10センチ以上あったので、その分、高く飛ばないと勝てないと思っていましたから」と冗談を交えながら話してくれました。
 そしてヘディングゴールは、キム・シヌクの上から叩きつけて決めるというね・・・本当に相手より高く飛んでるし!人間、願い続ければ夢は叶いますねぇ・笑。
 この日はジェシの34歳の誕生日でした。
「ゲーム前にケンゴ(中村憲剛)から、『今日は誕生日だからゴールを決めてくれ』と言われていたし、自分からも良いパスをお願いしていた。あれはケンゴからの誕生日プレゼントだと思っているよ」
 言うコメントがイチイチかっこ良いです。ちなみに誕生日前日にゴールを決めたことはあったけど、誕生日当日に決めたのは、自身のキャリアで初めてだったそうです。
 このままゲームをクローズさせて3-1で勝利。
ウェスタンシドニーが大勝したため2位通過になりましたが、日本勢としてグループステージ突破一番乗りを果たしました。
 ACLでJリーグ勢が苦戦を強いられていた中、突破できた事実ももちろん嬉しいですが、チームとして前に進んでいる手応えをしっかり感じられるのがすごく嬉しいですよね。
風間監督の下で磨いたスタイルで川崎フロンターレというクラブが新しい歴史を刻み始めていますし、それを目の当たりにできているんですから。楽しまないと損ですよ・笑。

この試合のMOMは小林悠選手。
パパになっての初ゴールです。すっかりたくましくなりましたね。彼の公式戦初ゴールは、天皇杯での大学生相手に決めたヘディングゴールでしたが、ゴールパフォーマンスでKARAのダンスを踊っていたのが懐かしいです・笑。
今年の風間フロンターレについて、どこよりも詳しく書いてます。理解するにはもってこいの一冊です。
フットボールサミット第19回 川崎フロンターレ 夢の等々力劇場 強く、楽しく、愛されるクラブで…/カンゼン

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明日発売のサッカーマガジンZONEで原稿を書きました。川島永嗣選手のフロンターレ時代について書いてます。もちろん、フロンターレの選手にもたくさん取材しましたよ。
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埼スタ取材〜またひとつ宿題をもらった敗戦。

明日はもうACL蔚山現代戦ですね。過密日程ですなぁ。
 週末の浦和戦については軽く。

 0-1での敗戦でした。
勝つチャンスは十分ありましたし、どっちに転んでもおかしくなかったと思いますが、終盤の追いかける展開になったとき、最後のパワーをちょっと出せなかったな、という印象です。
 前半は相手が出て来たことで思いのほかオープンな展開になっていましたし、ビッグチャンスもあったので、そこで先制点を取れていたら、試合運びもだいぶ変わったと思います。前半はレナトと小林選手による決定機の2本ですよね。あれを西川周作選手にうまくセーブされました。やはり西川周作選手の補強は効いてますね。
 気になったのは後半ですね。
相手が「ブロックを作って引いて守る」ならば、こちらもどう崩すかに専念できますが、ここ最近、個人につく守りを徹底的にされると、ちょっとやっかいですね。
具体的にいうと、この試合の浦和は、チームの生命線であるダブルボランチには、憲剛選手に阿部選手、大島選手に柏木選手がほぼマンツーマンでつくという対応をしてきました(後半途中からは、青木選手が憲剛選手に、阿部選手が大島選手に)。さらに下がってボールを受けに来る大久保選手にも、深い位置までセンターバックが付いていました。もちろん、そのマークをかいくぐればチャンスが生まれるのですが、浦和は抜かれたら個人が責任を持ってプロフェッショナルファウルで止める徹底ぶりでしたからね(浦和には5枚の警告が出ていました)。
 あとははがす動きは常に意識していると思いますが、これだけ過酷な連戦が続き、キーマンが徹底してマンツーマンで張り付かれる中で「外して受ける」という作業の回数が増えていくと、後半の時間帯はさすがにしんどそうでした。浦和戦の終盤では、憲剛選手が珍しく足をつったのか、伸ばす場面もありました。パスの出し手の消耗が激しかったこと、さらにケガ明けの選手の動き出しも少なかったことで、相手のブロックの間で受けようと顔を出す回数が少なかったですね。
 この状態で、あれだけの守備網を崩すのは容易ではありません。こちらのセンターバックにはボールを持たせる守り方を含め、浦和の守り勝ちと言えるかもしれません。またひとつ宿題をもらったと思いましょう。
 試合後のミックゾーンを通る選手達に、悲観した様子がありませんでした。ジェシは、胸を張ってこう話してくれました。
「ゴールチャンスは作れているし、DFもよく機能している。結果として負けてはしまったが、今日の試合のようなチャンスを決めれば、結果はついてくると思っている。今日に関しては浦和さんにおめでとうと伝えるしかない」
僕も「おめでとう」と伝えたいと思いますね・・・こじはるさんに。

(浦和のMDPに掲載されている、本日誕生日を迎えたファン・サポーターの名前に、小嶋陽菜さんの名前がありました)。
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