9月からミドルシュートが増えたワケ。







どうも、いしかわごうです。

 もう週末は名古屋戦ですね。

 今さらですが、前節甲府戦についても少し。

 杉本健勇のダメ押しとなるミドルシュート。実に鮮やかでした。
よく考えたら、天皇杯2回戦の松江シティ戦でも大島僚太が先制ミドルを決めています。チームとしては、2試合連続ミドルシュートが決まってます。大島僚太に関して言えば、甲府戦の後半にも、際どいミドルシュートを打って試合の流れを変えていますよね。

 そこでふと思い出したのが、ヴァンフォーレ甲府戦を控えたある日、新井章太が言っていたこんな話です。

「天皇杯のときに、自分はサブに入ったじゃないですか。その週の練習で感じたのが、シュートの意識ですね。練習中のミニゲームで自分が主力組を相手に守っているとき、最後の最後まで崩そうとするから、怖くないなって思った。その前でシュートを打ってこられたほうが意表を突かれるし、キーパーとしては怖いこともある。だから、『もっとシュートを打った方が良いよ』というのは、キーパーの意見として伝えました。慎重になるのはわかるけど、そこで決めてしまえばヒーローになるし、それはナイスシュートになる。シュートもあるというのを見せるのが大事だったりしますから」

 練習とはいえ、主力組と対峙した新井章太が「最後の最後まで崩そうとするから、怖くない」と感じていた話していたのは、やはり印象に残りました。よく誤解されがちですが、風間監督はミドルシュートやロングシュートを打つのを禁止しているわけではありません。むしろ「入るんならば、OK」というスタンスです。でも打っても入らないと思ったら、「より確実なほうを選べ」と言っているわけです。だから確率が低いと思ったら、シュートは打たずに、よりよい状況でシュートを打てそうな味方にパスするというわけです。

 ただそれでゴールが決まらないと、その選択は観ている方にストレスになってしまうのも事実です。「なんでシュートを打てるのに、そこでパスするんだよっ!」っていうやつですね。結果は紙一重なこともあるので難しいのですが、観ている方のモヤモヤする気持ちはわかります。

 新井選手のかけた言葉が味方に響いたかどうかはわかりませんが、冒頭に挙げたゴールシーンのように、天皇杯以来、選手の中でその意識と判断が少しだけ変わって来たようにも感じました。特に大島僚太ですよね。明らかに変わったようにも見えます。そこで今日の練習後、自身のミドルシュートシーンを振り返ってもらいながら、打つ際の判断が変わって来たのかどうかを本人に聞いてみました。

「(甲府戦は)打った瞬間に、枠はいくけどちょっとコースは甘いかな、と思いました。(松江戦は)ずっと得点を狙っていたので、打てるときには打とうと思いました。より確実なほうを選ぶのは同じですね。でもそのとき最初にイメージしたプレーがシュートだったら、今はそうするようにしています」

 明言はしてませんが、少しだけミドルシュートを打つ選択肢が高く占めてきたようになった印象です。

 GK新井章太にも聞いてみました。チームのシュート意識の変化について何か感じたのかどうか。

「前よりは増えたかな。良くないとき・・・特に8月は本当にシュートがなかった。打つべきタイミングで、打たなかったですから。それでボールを取られて、リズムが悪くなっていましたよね」

 さらに彼はこんな分析もしてくれました。
「ユウ(小林悠)が入ってきたことで、ずっとパスをつなぐだけじゃなくて、裏にも出すようになった。特にリョウタ(大島僚太)が、それをやってますよね。甲府戦では、あそこでリョウタがユウに出したから1点目も生まれた。それに裏に出すから相手も下がるし、それでスペースが出来る。だから、ミドルも打てるようになったのだと思いますよ」

 なるほど。
別に「意識や判断を変えたから、選手がミドルを打つようになった」なんていう単純な話ではなくて、裏に抜けるプレーをする小林悠が相手の最終ラインを後ろに引っ張ることでスペースが出来、それによって中盤の選手が前を向いてミドルシュートを打てるだけの時間と空間も生まれているとも言えるわけです。

 ちゃんと考えてみたら当たり前なのですが、ライターをやっていると、選手の言葉や意識にひっぱられるがあまり、それで記事を組み立ててしまい、ついつい戦術的な側面からの検証を軽視しがちだったりします。良い勉強になりました。久々に、取材しながら「なるほど!」と膝をポンと叩きそうになりましたよ(叩いてないです)。

 ちなみに中村憲剛は、ミドルシュートに関する駆け引きについて、さらに一段つっこんだ話をしてくれたのですが、それはまたの機会に・・・。

ではでは。
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