心の中のリトルホンダ。

ACミランの移籍が決まった本田圭佑選手の入団会見をスカパー!で見ていました。

 ビッグクラブならではの豪華な会見。現地記者との質疑応答も序盤は堅いもの続いていましたが、この質問をきっかけに本田選手の口調が滑らかになっていきました。
Q.今回の移籍について、数あるクラブの中から、なぜACミランを選んだのか?
A.「心の中のリトルホンダに『どこのクラブでプレーしたいんだ?』と聞いたら、リトルホンダはACミランって答えた。だから、ミランを選んだ」

・・・・リ、リトルホンダ???
面白い表現ですね。元ネタはファン・ペルシーのマンチェスターユナイテッド入団会見らしいですが、「俺、集合!」とか言いながら、リトルホンダを呼んで問いかける本田圭佑選手の姿が目に浮かんでしまいました。なおこの回答を引き出した質問者はスポーツライターの木崎さんでした。
・・・いやはや、スターの移籍会見でしたな。
今回の移籍をなんとか将棋で例えられないものか。将棋系サッカーライターとして考えてみました。将棋では相手から取った駒を、自分の持ち駒として活用できます。今までは敵だった相手が味方になるわけで、これはチェスにはない将棋独特のルールでもあります。考え方によってはなんだかサッカーの移籍に似ているかもしれませんね。えぇ、強引ですとも。
 本田圭佑選手の性格とプレースタイル。「将棋でサッカーが面白くなる本」では、攻撃の主役である「飛車」のキャラクターに置き換えて説明しています。

前線で攻撃の起点になる本田圭佑選手のポストプレーをイメージした将棋の局面テクニックも紹介しております。飛車を動かすときは「お前は本田だ!」とつぶやきながら指してみてください。

「心の中のリトル・○○(自分の名前を入れる)に聞いたんだ」ってフレーズ、今年は流行りそうですな・笑。僕も将棋で指し手に迷ったときは、心の中のリトル・いしかわに問いかけてみることにします。
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ダブルボランチで機能した山口螢選手の意味。

 オランダ代表に2-2、ベルギー代表に3-2。
1勝1分という結果もそうですが、内容が良かったですね。10月の欧州遠征での停滞感を払拭するぐらいの見応えがありました。
 大迫選手と柿谷選手による1トップのポジション争いも興味深かったですが、個人的に収穫だと思ったのは山口螢選手がダブルボランチで機能したことですね。ザックは2試合とも長谷部選手と山口選手のダブルボランチを先発で送り出し、そしてこの組み合わせがとてもハマりました。
 正直、オランダ戦の前は、「長谷部選手と山口選手のダブルボランチの組み合わせはどうなんだろう?」と思ってました。言うまでもなく、遠藤選手を外したからです。
 ザックジャパンの心臓として、ゲームコントロール、後ろからのビルドアップ、そしてフィニッシュまでの組み立ての下ごしらえなどなど、遠藤選手がいなければスムーズには機能しないのでは?ぐらいの仕事を任されている選手ですから。ザックの任期は2014年。「あぁ、ザックは長谷部選手と遠藤選手のユニットと心中するんだろうな」ぐらいに決めつけていました。
 だから、ここで2試合続けて長谷部選手と山口選手のダブルボランチを起用したことには驚きました。そしてオランダ戦とベルギー戦を見る限り、これはこれでアリですね。
 本大会を見据えた場合、アジア予選とは違い、真っ向勝負を挑んでも中盤で主導権を握る展開にはなかなか持ち込めません。それは、このオランダやベルギー戦を見ればわかると思います。 
 そこでどうするのか。中盤の底に機動力があり、守備力の高い長谷部選手と山口選手の2枚が居れば、押し込まれる時間帯が長く続いても、それほど極端にラインを下げて守らずとも我慢できる展開に持ち込めるんですよね。
 さらに今度は高い位置から奪いにいく局面でも、前とうまく連動してボールを取り切ってしまう奪取力と、さらにそこから攻撃に出て行ける推進力があります。機を見て高い位置からのシュートカウンターも繰り出せるようになります。
 さらに遠藤選手をベンチに置いたことで、後半から中盤のパスワークを潤滑にする、という戦い方を試せたのも大きいですね。ベルギー戦で本田選手が決めた2点目のように、ボールを保持できる時間帯になると、遠藤選手は違いを生み出せますから。
 岡田武史前監督は、本大会直前で4バックの前にアンカーを配置してブロックを引いて守る[4-1-4-1]という、後ろに重心を置いた守備的な戦い方に方向転換しました。ザックがこの2試合で選択した長谷部選手と山口選手のダブルボランチのユニットだと、岡田監督時代ほど守備的にならずとも本大会で戦える術なのかもしれません。そんな印象を受けました。
 12月の組み合わせ抽選会でどのグループに入るのか、注目です。
 それにしても、この2試合で見せた5ゴールの崩し方は、どれも美しかったですね。
そしてあれだけ地上戦のパスワークにこだわる攻撃でいくならば、大久保選手と憲剛選手も十分チャンスがあると思いますね。あのリズムに順応できるサッカーをフロンターレでやってますから。
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コンフェデ杯イタリア戦雑感。

 今さらながらコンフェデ杯イタリア戦。
 試合は3-4。
まさかイタリア代表と殴り合いを演じるとは思わなかったですね。負けたのはめちゃくちゃ悔しいです。ただ試合後、心に熱の残る試合でした。敗戦したとはいえ、語るべきことの多い試合だったと思います。
 ブラジルに完敗した後の試合でどんな姿勢を打ち出すのか。僕はそこのザックのマネージメントに注目していました。相手は、世界屈指の強豪・イタリア代表ですから、チームとしての自信を回復するために、守備に軸足を置いて戦う選択もあったと思います。しかし勇気を持って向かって行く戦い方をさせました。立ち上がりからエンジン全開。攻守とも日本の選手は実に積極的でした。
 一方、猛攻を仕掛けてきたブラジルとは違い、イタリアはこちらの出方をうかがってきたような立ち上がりでした。日本がボールを握ったことで主導権を持って試合を進められます。イタリアのシステム[4-3-2-1]との齟齬もうまく突きながら、押し込むことが出来ていました。
 具体的には、最終ラインと中盤もがイタリアの前線の3枚の守備を外しながらボールを運ぶことで、中盤でフリーになる選手を使いながら、高い位置でうまく押し込む。守備ではこちらのマッチアップがうまくハマり、高い位置から奪い返すこともできていました。特に本調子ではなかったように見えたピルロからボールを奪ってシュートカウンターなどの形で攻め立て続けました。2点目のCKにつながったプレーもこの流れでしたね。
正直、「前半から飛ばし過ぎだろ」と心配するほどの飛ばしぶりでした。それであのイタリアから、あのブッフォンから2点のリードを奪えたのですから上出来です。それだけに、無失点でハーフタイムを迎えたかったですね。CKから失点。マーキングを確認しようとしていた、ほんのちょっとの隙をつかれてピルロに蹴られてしまいました。残念。
 後半は・・・書きたいことは沢山ありますね・笑。
飛ばしに飛ばした前半の代償で、ある程度は自陣で構えて省エネサッカーで我慢する時間も必要なのかな、と思ってましたが、あっという間に逆転を許し、ザックがハーフタイムに指示したであろう後半のゲームプランは、開始7分でほぼ白紙に。3点目の長谷部選手のPKは不運としか言いようがないジャッジでしたが、その中でもセットプレーとはいえ、よく追いつきましたゲームをクーロズしようとしていたイタリアの守備陣をこじあけるのは決して簡単ではないですから。
 ただ勝ちに行かなければならない状況でのザックの采配は、相変わらず「?」です。このまま終わると敗退決定という状況下で、ですから。酒井選手含め、ハーフナーを生かすシンプルなクロスを上げる選手が皆無でした。放り込んだのは、最後の交代枠としてロスタイムに入った憲剛選手だけで(しかも監督の指示ではなかった模様)・・・と、まぁ、色々言いたくなりますな。
 これで2敗。突破の可能性はなくなりました。メキシコ戦で集大成を見せてもらいたいものです。... 記事を読む

コンフェデ杯ブラジル戦雑感〜ピッコロの気分。

 コンフェデ杯ブラジル戦。
 完敗ですね。
昨年の親善試合では真っ向勝負を挑んで撃沈。今回はそれなりに組み合えるような戦い方を選択したとは思うのですが、それでも軽くひねられてしまった印象です。
 立ち上がり、日本は集中していたと思います。
しかし開始3分、ネイマールに被弾。矢のようなライナークロスをフレッジが落として、それを一閃。あのコースは川島選手もノーチャンスでしょう。最終ラインの対応にも批判されるようなミスはなかったとも思います。でも、それでもこのレベルではやられてしまうのが現実です。
 あえて指摘するならば、左からマルセロがクロスを入れるときに棒立ちだった本田選手の対応でしょうか。まだ立ち上がりということもあり、相手との距離感や間合いが掴めていなかったのかもしれませんが、あそこは彼がアプローチすべきだったかもしれません。
 この試合のスタメン、ザッケローニ監督は前田選手ではなく清武選手を起用してきました。守備のときなどは本田選手と岡崎選手を2トップにした[4-4-2]のブロックを作って対応しているように見えましたが、厳密には岡崎選手のワントップにした[4-2-3-1]だったそうです。
 早々に失点してしまったものの、コンパクトに守りながら、防戦一方にならずによく攻めに転じていたと思います。ただ奪った後のプレッシャーが速いですし、ボックス付近まで持たせてもらっても、エリア内にはまるで入らせてもらえません。
 川島選手の好セーブもあり0-1で前半をしのいで終えたのですが、後半開始直後の3分にまた失点。またライナー性のクロスからやられてしまいましたが、左サイドで起点を作ってクロスを入る前に、少しでも最終ラインを上げておけば、ボールが足元に収まっていたスペースも消せていたかもしれません。もちろん、非常に難しいところではありますが。
 これで0-2。ネジをしめ直したはずが、そこでいきなりやられてしまいました。ここらへんはさすがですね。こちらの心を折る技術に実に長けてますわ。
 このブラジル相手に後半だけで0-2からひっくり返す力は、残念ながら、今の日本代表にはありません。選手のコンディションを見ても、ワールドカップ予選を終えてドーハからの長距離移動もあった影響か、日本の選手、後半はかなりキツそうでしたね。特に遠藤選手は珍しく身体が重そうでした。この大会の為に、万全の準備していたブラジルとはコンディション面での差も響いたと思います。それにこういう展開で巻き返したくても、格上相手にパワーを出せるスーパーサブのようなカードや戦い方を含めたオプションが見当たらないことにも感じましたね。
 そういう意味でも決定的な2点目でしたし、残り2戦を考えたら、0-2で終わらせておくべき試合でした。しかしロスタイムに裏を突かれて失点し、0-3。スコアこそ昨年0-4から縮まりましたが、やっている選手としては、もしかしたら前回以上に力の差を感じたかもしれません。
ワールドカップで優勝したいなら、あと1年でこのブラジルと少なくとも対等に渡り合わないといけないわけです。なんすかね。あと1年の修行で地球に来るナッパとベジータを迎え撃たないといけないときのピッコロみたいな心境ですね・苦笑。
 その前に・・・まずは第2戦ですな。相手はイタリア。
さきほど終わったイタリア対メキシコは、2対1でイタリア。当たり前ですが、イタリアも強いです・笑。全体を通じて終始イタリアペースでしたし、メキシコもPKで追いつく意地を見せ、劣勢ながらもかなり粘り強く守ってましたが、最後はバロテッリが個人技で強引にこじ開けました。いやはや、強いっす。
楽しみです。
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イラク戦雑感〜機能しなかった攻撃陣。

 ワールドカップ予選イラク戦。
最終節がお休みのため、日本はこれが最終戦です。試合は後半44分にカウンターで岡崎選手が決めた1点で逃げ切り、1-0で勝利。まさに辛勝でした。
 「うーん・・・」という試合内容でしたね。
まずメンバーについては、最終ラインにCBに伊野波選手、右SBに酒井宏樹選手。中盤は、ボランチに細貝選手、トップ下に香川選手、左に清武選手、そしてワントップにハーフナー選手と言った具合が変更点です。先発が期待された憲剛選手は、残念ながらベンチスタートとなりました。
 おそらくザックの頭の中には、コンフェデの連戦を想定して試しておきたいものがあったのでしょう。そんな顔ぶれではありましたが、これが機能したかというと”否”でしょうな。
 試合内容うんぬんよりも、まず選手達の動きが、かなりしんどそうな感じを受けました。
テレ朝の中継によれば、風が強く、空気が乾燥していて眼が痛いほどだと言っていました。それでいて給水タイムが設けられるほどの30度越えの暑さですから、気候としては相当に過酷だったのだと思います。サッカーは体力を使いますが、それ以上に選手の思考力が鈍るような環境だったのではないでしょうか。日本は勝ちが絶対に必要な状況ではなかったですが、内容をテストにも不向きな条件で、なんか難しかったですね。
 一方、日本に勝たないといけないイラクは、結果最優先であり、やるべきことをシンプルにして徹底してきた印象です。地上戦ではテクニックのある選手よりも、スピードのあるアタッカーをサイドに走らせて勝負。そしてシンプルなロングボールで日本の最終ラインに圧力をかけてきました。
 これに手を焼いていたのは事実ですが、伊野波選手と酒井宏樹選手の入った守備陣は、全体的にそつなくやっていたと思います。チーム全体が間延びしてしまったことで、カウンターを受けた場面も何度かありましたが、局面勝負に晒されながらも冷静に対応。ロングボールの処理を含め、劣勢の時間帯でも粘り強く守り、及第点での出来だったのではないでしょうか。
 攻撃陣は機能しませんでしたね。
暑さで動き出しが少なかったというのもあると思いますが、ワントップのハーフナー選手、トップ下の香川選手の持ち味が活きる場面が少なく、完全なる消化不良に終わりました。特に香川選手は、やはり活かされるプレイヤーだとあらためて感じました。自身の良さである、相手を外してフリーになった瞬間に走りながらボールを受けてスピードに乗る動きも、そのタイミングで足元にボールをつけてくれる味方がいなければ、マンUのようには輝けません。本田選手のようにバイタルエリアでも身体でキープできるタイプではないのですから。
 攻撃陣であえて評価するならば、清武選手でしょうか。
前半31分の場面。香川選手が中盤の底まで下がって相手のマークを引きつけた瞬間、清武選手が左から中央に寄っていき、わざとサイドバックがつきにくい間の位置でボールを受ける。そこで生まれた左サイドのスペースに長友選手がオーバーラップ。高い地位で起点を作って清武選手が絡み、クロスにハーフナー選手がヘディング。完全なる決定機でしたし、いい連係でした。こういう崩しをもっと観たかったですね。
 憲剛選手は後半の残り25分という場面で清武選手に代わって登場。トップ下に入り、香川選手が左サイドにスライドする形になりました。
 ただ捨て身の攻撃に出てきていたイラクに押され続ける展開でしたし、中盤も間延びしていて、なかなか憲剛選手のところにまでボールが運ばれてこず、ボールタッチ自体が少なかったですね。ボールを持ったときは持ちすぎず、シンプルにさばいてテンポをあげていたのはさすがでしたが、ボールに触る回数自体が少なかったので、「これぞ中村憲剛!」という見せ場を作れませんでした。やはり試合の始めから観たかったですね。
 それでも岡崎選手のゴールで勝ち切ったので、深夜まで起きて観ていた日本のサッカーファンも報われましたが。ただ収穫という点では物足りなかったと思います。これを受けてザックがコンフェデのグループリーグ3試合をどうやりくりするのか。
 それにしても、この試合が行われたのはカタールのドーハでした。あのドーハの悲劇が1993年ですから、あれからちょうど20年ですか。いろいろ考えさせられますね。そりゃあ、僕も年を取るはずだわ・笑。
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オーストラリア戦雑感。

 無事、ワールドカップ出場が決まりました。5大会連続出場決定です。よかった、よかった。
 しかし劇的でしたな。
なんだろうな・・・ワールドカップ出場切符がかかったPKを、ロスタイムに蹴る。なんか漫画じゃないとありえないようなシチュエーションですよね。ゾクゾクしますわ。フットボーラーとしてどんな感覚に襲われるのでしょうか。
 そしてそのPKをド真ん中に蹴り込んで成功させた本田圭佑選手のメンタリティーには、ただただ脱帽です。強心臓だわー。ちなみにこのPKをベンチで見守る中村憲剛選手は、「マジで決めろよ、マジで」とつぶやいていました。日本全国民の思いを代弁していましたね。
 試合は自宅でテレビ観戦してました。
試合直前には、FM NACK5の「スポファイ」に電話出演して、試合の見所などモロモロのポイントを話させてもらいました。キーマンとしては岡崎慎司選手と中村憲剛選手を挙げさせてもらったのですが、岡崎選手の話題で次の質問に移ってしまい、憲剛選手のことを話せず・・・あんな話や、こんな話をしたかったのにー・笑。
 
 メンバーは戦前の予想通り。ザックジャパンにおけるベストメンバーでの[4-2-3-1]システム。さすがにこの一戦でギャンブル的な布陣やメンバーは送り出しません。
 試合は思いのほか、立ち上がりからオープンな展開になった印象でした。もっとお互いに慎重になるかと思いきや、オーストラリアも積極的に仕掛けてきましたね。懸念されていたケーヒルへのハイボールは、今野選手と吉田選手がうまく対応。むしろ空中戦よりも、前半はスピードを生かした地上戦にヒヤリとさせられましたが、川島選手のビッグセーブで救われました。
 攻撃に関しては、やり慣れたシステム、気心わかったメンバーということもあって、実に連動がスムーズでした。そしてやはり本田選手がいると、攻撃が格段に循環します。特に左サイドの崩しですよね。本田選手が高い位置でボールをキープして起点を作る。そのタメを使って長友選手が左サイドからオーバーラップして来る。そこに香川選手が絡み、3人で相手のゴールに圧力をかけていき、さらに遠藤選手も中盤の底から顔を出して厚みを加える。やはりここが日本の生命線ですね。
 それだけではなく、本田選手はゴールが見えれば、強引にでもミドルシュートを打っていきますから。相手に十分な脅威となります。結果的には彼のミドルがCKになり、彼のクロスがPKを呼び込みました。
 もちろん冷静に見ると、ザックの采配しかり、課題も残った試合でした。ただそこからへんを細かく分析し出すと文章がかなり長くなりそうなので、ここで止めておきます・・・というか、他にまだ原稿が残ってるんだよーーー!!・笑。
ワールドカップ出場は決めましたが、最終戦のイラク戦、そしてコンフェデと6月は日本代表月間ですね。憲剛選手も無事コンフェデのメンバーに選出されましたし、楽しみにしたいと思います。
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ブルガリア戦雑感。

6月4日に控えたオーストラリア代表戦。そのテストマッチとして行われたブルガリア代表との試合は0-2でした。
 まず言うと、ブルガリア代表は十分に強かったですね。日本の課題を浮き彫りにさせてくれる感じの”いい手強さ”でした。欧州予選でイタリアについで2位をキープしているだけのことはあります。ビッグネームがいないにもかかわらず、ですから日本が学ぶべきものがあるチームだな、とかいろいろ考えながら見てました。
 さて日本に目を向けると、前半45分は[3-4-3]にトライ。
個人的にはこのトライは悪くないと思ってます。今の日本代表は[4-2-3-1]という「自分たちの戻れる場所」をしっかり持っているチームです。ボールを保持できる展開ならば、完全に相手を押し込める戦い方ですし、そのオプションを増やしておく姿勢は評価したいと思ってます。
 実際の効果としては、前線の配置がどうだったのかな、という気はしました。前半、3トップの両ウィングに入ったのは香川選手と乾選手でした。セレッソ時代よろしく、このコンビは2シャドー的な役割でサイドから中央に入っていく動きを得意としています。それはそれで前線のストロングポイントになっていたし面白かったのですが、その反面、[3-4-3]の特徴である幅を広く使った攻撃がなりを潜めてしまった印象があります。具体的には、駒野選手と内田選手という中盤の両サイドですよね。周囲と連係しながら人数をかけてサイドを崩したり、深くえぐってクロスを上げるといった、サイドを起点にした攻撃を出すことがあまり出来ませんでした。
 ただ[3-4-3]はこれで、まだ5試合目。もう少し時間をかけていけば、出ているメンバーの配置による特徴や距離感を含めて整備できるんじゃないですかね。
 守備に関して言えば、サイドチェンジされたときに対応の稚拙さは目につきました。ただこれは3バックを今野選手、栗原選手、吉田選手という並び方も含めて、何か試していた気がしました。テレビ観戦だけじゃ、意図はよくわからないです・笑。
あとは開始早々、川島選手が無回転FKを弾き切れずに失点してしまった場面は、どうしても印象に残ってしまいますね。対処の難しいシュートであるのは百も承知ですが、本大会での戦いを考えると、せめて前には弾いて欲しかったところ。ナビスコカップ決勝(09年)もそうですし、南アフリカのオランダ戦などなど、川崎時代からそうですが、未だにああいうブレ球を苦手にしている印象が拭えないです。
 もっとも、ブレ球っていうのは、翼くんと岬くんが放ったツインシュートみたいなもんですからね。若島津くんの初失点も、今で言うブレ球でしたから、得意なGKはいないと思いますが(※キャプテン翼(小学生編)の全国大会決勝で登場した不死身のGK若島津は、それまで鉄壁のセービングを見せるも、翼くんと岬くんが放った合体シュートが揺れるボールとなり、反応できなかった)。
 0-1で迎えた後半は4人の選手交代を行い、[4-2-3-1]に戻した戦い方。慣れた戦い方だけあって選手同士の距離感もよくうまくペースを握ったのですが、ブルガリアの守備陣も頑張ります。特に最終ラインはザゲイロ中心によく安定していました。さらにセットプレーから長谷部選手のオウンゴールで2失点目。
 終盤には、中村憲剛選手がトップ下で投入されました。シンプルなボールさばきでゲームのリズムを作っていたと思います。
トップ下から中盤に下がって、ボランチの遠藤選手からボールを引き出す。その間に、憲剛選手がいたトップ下のスペースには香川選手が左サイドからスルスルと入っていく。前を向いた憲剛選手からのボールを受けた香川選手がドリブルを仕掛けてゴール前でFKを獲得する、などというスムーズな流れもありました。オフサイドにはなりましたが、長友選手のゴールも憲剛選手が起点になった形でしたね。短い時間でしたが、できることはやれていたのではないでしょうか。
・・・あっ、5月29日にフットボールチャンネルに掲載された憲剛選手の記事、なんとyahoo!のトップニュースになりました。ありがとうございます。
中村憲剛が語る日本代表への決意「本田がいないときにやってきた自負がある」
 ここでネジを締め直して、ホームでのオーストラリア戦に臨んでもらいましょう。
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現役サッカー選手による言語学習本。体験談が豊富です。
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吉田選手のブログ本。面白いです。... 記事を読む

オマーン戦、勝利。

 オマーン戦は2-1で勝利。
 よく勝ちました。
なんだかんだ言っても、ワールドカップ予選で最優先されるのは結果だと思っています。中東でのアウェイで、しかもあの灼熱のコンディションの試合で、終盤に競り勝ってきたことは最大限評価したいと思います。
 試合としては、うまく先制して、まったく危なげない試合運びができていたと思うのですが、ゲームのクローズに失敗してしまいましたね。
 攻めたときのリスク管理の甘さからカウンターを浴び、そこで与えたフリーキックから同点に追いつかれましたわけですが、あの場面をよく見てみました。日本としては人数をかけて追加点を狙う勝負どころでもありましたから、長友選手からの仕掛けとゴール前に人数をかけて飛び込んで行った姿勢自体は悪くありません。そしてボールを取られた後に受けたカウンターにも、相手の攻撃を遅らせて、後ろに人数はそろっていました。リスクマネジメントもできていたと思うんですよ。
 それだけに、吉田選手のあのファウルが少し不用意だったとも言わざるを得ません。非常にもったいなかった。
ただ、追いつかれた後、あの雰囲気に飲まれず、よく我慢して再び突き放したな、と。あの大声援とスタジアムの盛り上がりと見たら、オマーンがホームで負けない理由もうなずけるところです。正直、1-1でも十分だろ、と思いましたから。
 あとはザックも、さすが百戦錬磨ですな。
スタメンは無難な顔ぶれでしたが、うならされたのはその采配。スペースに飛び出せる選手が欲しいがベンチにいない。ならばと、長友選手をサイドハーフにあげたり、追いつかれた状況で、前線の駒を増やすのではなく、中盤底に守備的な細貝選手を入れて、遠藤選手を一列上げるなど、やりにくりが上手い。このへんの柔軟性は、評価したいですね。
これでほぼワールドカップ予選突破は間違いないでしょう。いい感じです。
憲剛選手は出番がありませんでしたが、そのエネルギーは週末の新潟戦でお願いしますってことで。
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