6月4日に控えたオーストラリア代表戦。そのテストマッチとして行われたブルガリア代表との試合は0-2でした。
まず言うと、ブルガリア代表は十分に強かったですね。日本の課題を浮き彫りにさせてくれる感じの”いい手強さ”でした。欧州予選でイタリアについで2位をキープしているだけのことはあります。ビッグネームがいないにもかかわらず、ですから日本が学ぶべきものがあるチームだな、とかいろいろ考えながら見てました。
さて日本に目を向けると、前半45分は[3-4-3]にトライ。
個人的にはこのトライは悪くないと思ってます。今の日本代表は[4-2-3-1]という「自分たちの戻れる場所」をしっかり持っているチームです。ボールを保持できる展開ならば、完全に相手を押し込める戦い方ですし、そのオプションを増やしておく姿勢は評価したいと思ってます。
実際の効果としては、前線の配置がどうだったのかな、という気はしました。前半、3トップの両ウィングに入ったのは香川選手と乾選手でした。セレッソ時代よろしく、このコンビは2シャドー的な役割でサイドから中央に入っていく動きを得意としています。それはそれで前線のストロングポイントになっていたし面白かったのですが、その反面、[3-4-3]の特徴である幅を広く使った攻撃がなりを潜めてしまった印象があります。具体的には、駒野選手と内田選手という中盤の両サイドですよね。周囲と連係しながら人数をかけてサイドを崩したり、深くえぐってクロスを上げるといった、サイドを起点にした攻撃を出すことがあまり出来ませんでした。
ただ[3-4-3]はこれで、まだ5試合目。もう少し時間をかけていけば、出ているメンバーの配置による特徴や距離感を含めて整備できるんじゃないですかね。
守備に関して言えば、サイドチェンジされたときに対応の稚拙さは目につきました。ただこれは3バックを今野選手、栗原選手、吉田選手という並び方も含めて、何か試していた気がしました。テレビ観戦だけじゃ、意図はよくわからないです・笑。
あとは開始早々、川島選手が無回転FKを弾き切れずに失点してしまった場面は、どうしても印象に残ってしまいますね。対処の難しいシュートであるのは百も承知ですが、本大会での戦いを考えると、せめて前には弾いて欲しかったところ。ナビスコカップ決勝(09年)もそうですし、南アフリカのオランダ戦などなど、川崎時代からそうですが、未だにああいうブレ球を苦手にしている印象が拭えないです。
もっとも、ブレ球っていうのは、翼くんと岬くんが放ったツインシュートみたいなもんですからね。若島津くんの初失点も、今で言うブレ球でしたから、得意なGKはいないと思いますが(※キャプテン翼(小学生編)の全国大会決勝で登場した不死身のGK若島津は、それまで鉄壁のセービングを見せるも、翼くんと岬くんが放った合体シュートが揺れるボールとなり、反応できなかった)。
0-1で迎えた後半は4人の選手交代を行い、[4-2-3-1]に戻した戦い方。慣れた戦い方だけあって選手同士の距離感もよくうまくペースを握ったのですが、ブルガリアの守備陣も頑張ります。特に最終ラインはザゲイロ中心によく安定していました。さらにセットプレーから長谷部選手のオウンゴールで2失点目。
終盤には、中村憲剛選手がトップ下で投入されました。シンプルなボールさばきでゲームのリズムを作っていたと思います。
トップ下から中盤に下がって、ボランチの遠藤選手からボールを引き出す。その間に、憲剛選手がいたトップ下のスペースには香川選手が左サイドからスルスルと入っていく。前を向いた憲剛選手からのボールを受けた香川選手がドリブルを仕掛けてゴール前でFKを獲得する、などというスムーズな流れもありました。オフサイドにはなりましたが、長友選手のゴールも憲剛選手が起点になった形でしたね。短い時間でしたが、できることはやれていたのではないでしょうか。
・・・あっ、5月29日にフットボールチャンネルに掲載された憲剛選手の記事、なんとyahoo!のトップニュースになりました。ありがとうございます。
中村憲剛が語る日本代表への決意「本田がいないときにやってきた自負がある」
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