先週末は埼スタ取材。浦和レッズ戦は1-1でした。
10人で勝ち点1を持ち帰る結果です。
あのまま11人でやっていれば勝てたのではないか・・・そんな悔しさも感じるほど、自分たちでゲームをコントロールできたと感じるような試合でもありました。
特筆すべきはやはり大島僚太でしょうか。
卓越した個人の技術で時間を作るだけではなく、そこでゲームの流れも変えてしまう。
彼の真骨頂はゲームコントロールにあると僕は思っています。この試合でも前半途中から家長昭博と近い距離で遊びのパス交換をしながら相手の足を止めて、そこから流れを変えていきました。
大島は最近「準備」という言葉をよく使うのですが、それは体ではなくむしろ頭の準備という意味で使っているようでした。この浦和戦ではどんな頭の準備をして試合に入り、そして実際にはどうだったのか。
ミックスゾーンではマンツーマンで
そんな話を少しだけ聞かせてもらいました。
思えば、試合展開に応じてゲームを進める役割のできるコンダクターが近年の中盤にはいませんでした。
元々はバンディエラである中村憲剛が得意としていた仕事です。その心得を受け継いだ大島僚太は離脱が多く、特に4-3-3システムになってからはボランチではなくインサイドハーフになって仕事と役割が変わり、何より怪我により出場時間が限られていました。
ゲームコントロールを身につけつつあった若手である田中碧や守田英正もチームを離れたことで、気づけば相手の出方を見ながら試合を進めることの出来る選手がピッチに少なくなっていたんですね。
脇坂泰斗はシャドウストライカータイプですし、橘田健人もゲームコントローラーではありません。そのため、ペースを変える役割は家長昭博がそれをやっていたのですが、彼はウイングです。
ただ今は大島僚太がいます。そして実際に、試合の流れを変えていきました。
立ち上がりは難しい時間帯が続いた中で、大島自身はどうやって流れを打開しようとしていたのか。「ゲームの流れはどうやって作ろうと考えていましたか」
とも率直に聞いています。
今回は、大島僚太に関する視点をたくさん書いたレビューなのでぜひ読んでみてください。
ラインナップはこちらです。
■「その時の準備をチームのみんなで話しておいたので」(大島僚太)。最近の大島僚太がよく口にする「準備」という言葉の意味。ゲームを掌握し始めた前半にチームで共有されていたもの。
■「試合前から『右に来てくれたら』と(家長昭博に)言われていました」(大島僚太)、「(ボランチに)食いついたら自分が顔を出して受ける。自分を気にしたら、ボランチがフリーで前進できる。思い通りのプレーが多かった。立ち位置も良かったんじゃないかなと思います」(脇坂泰斗)。これぞゲームコントローラー・大島僚太の真骨頂。あなたは読み解けましたか。
■「やっぱりセンターバックが2枚高くて強いっていう部分で、そのセンターバック二人をどう横に揺さぶるかっていうのを、チーム全体として考えていた部分ではありました」(宮代大聖)、「サイドバックとセンターバックの間では急所をつくパスだったりでいける感覚があった」(脇坂泰斗)、「クロスのところでクロスがなかなか合わない」(車屋紳太郎)。浦和守備陣の攻略のポイントだった「縦と横の揺さぶり」は効果的に繰り出せていたのか。
■「チームの練習では背後のところに落として出ていければと、いうのはありました。ただ帰陣が早いし、背後のスペースを消すのも早かった」(大島僚太)、「うまく足に当たらなかった。あそこは決め切らないといけなかった」(瀬川祐輔)。大島僚太が描いていた浦和守備陣攻略のイメージとは?
■「プレスをかけるタイミングはコミュニケーションをとりながらやっていました」(ジョアン・シミッチ)、「僕たちが比重を中に置かなくてもいいような感じでジョアンが出てくれた」(脇坂泰斗)。単なるラッキーではない。オウンゴールを誘発するために徹底されていた、この日の守備の狙いとは?
■握り締めて持ち帰った勝ち点1。10人で戦う埼スタでの浦和レッズ戦で思い出したこと。
全部で約10000文字の大ボリュームです。
「雨上がりの虹のように」(リーグ第18節・浦和レッズ戦:1-1)
よろしくどうぞ!!