攻めあぐねた前半。怒涛の3得点だった後半。


先週末はルヴァンカップ取材。
レモンガススタジアムで湘南ベルマーレ戦でした。

暑かったですね。そして試合も熱かった。

 3対2で勝利。
0-2から89分に同点に追いつき、アディショナルタイムに遠野大弥が決勝弾を挙げる、劇的な勝ち方でした。

ただし、試合全体を冷静に振り返ってみると反省点や課題も多く残るゲームでした。

例えば、攻めあぐねた前半の攻撃がそうです。

鬼木監督は形にこだわったビルドアップを選手にトライさせた結果の不具合でもあったと話しておりましたが、なかなかうまく打開できませんでした。

ピッチの選手たちはどうだったのか。
相手を見ながら変化をつけようとしていたのが左サイドバックの登里享平です。

20分過ぎからビルドアップではセンターバックである車屋紳太郎の隣に入り3バック化。湘南の2トップの脇でポイントを作って、中央に縦パスを配給したりとアクセントをつけていました。

20分には彼からの配給がきっかけとなり、右サイドに攻撃の幅を広げて、山根視来のクロスにレアンドロ・ダミアンが足で合わせました(惜しくも、ゴールバーに弾かれる)。

その後は味方を見ながら流動的な立ち位置で攻撃に変化をつけています。

「ジョアン(シミッチ)が(最終ラインに)落ちた時は、自分が中に入ってもいいかな。シンに前を取らせてというところで、途中で気づいてやりました」(登里享平)

29分には登里享平がスルーパス。反応したのは、何と右サイドバックの山根視来でした。惜しくもオフサイドでしたが、良いトライをしていました。

前半のピッチで感じたことは、何人かの選手に証言してもらってます。ぜひ見解を読んで擦り合わせてみてください。

さて。
後半、追加点を許して2点ビハインドとなるも、流れを変えたのは交代で入ったメンバーでした。

小塚和季、瀬古樹、瀬川祐輔がまず入り、その後に遠野大弥、最後に山田新が入りました。

瀬古、山田、そして遠野のゴールでひっくり返しました。彼ら3人の思いは
レビューでたっぷりと語っているのでここでは省略しますが、山田新は鹿島戦での初ゴール以来となる、公式戦2点目でした。

ストライカーの存在意義は、なんといってもゴール。ゴールに飢えていたわけですから、さぞかし満たされたでしょう。

試合後、「久しぶりのゴールの味は?」と尋ねると、彼はこうおどけました。

「気持ちいいですけど、3点目を取りたかったです(笑)」

Jリーグ初ゴールを決めた鹿島戦も同点弾で、逆転ゴールを決めたのは家長昭博でしたからね。次こそ決勝弾を決めてほしいところですな。

というわけで、ゲームのレビューになります。

ラインナップはこちらです。

■そのマインドを変えたものとは?

■「ああいったシーンをさせる前に、サイドを決め切って追い込む。そういうところは足りなかった」(脇坂泰斗)、「それが上手くいかなくて、ダブルボランチにしたかなと思います」(車屋紳太郎)。失点場面に凝縮されていたこの試合における守備の問題点。この試合におけるバイタルエリアをマネジメントする難しさはどこに感じていたのか。車屋紳太郎に聞いてみた。

■「幅を取りすぎず、というのは言われていました。シン(車屋紳太郎)が基本真ん中で構えて、という形でやっていた」(登里享平)、「自陣でのバックパスが多くなって、もう少しボランチを使ったりとか食いつかせたりとか、いろんなところはできたんじゃないかなと思います」(高井幸大)、「形にこだわりながらボールを動かしたい意図がありました」(鬼木監督)。攻めあぐねた前半の原因と、変化をつけていた登里享平の判断。

■「悔しさが強いので、そういうところでチームを変える。結果を残す。ギラつきは出したいと思っていました」(瀬古樹)。悔しさをゴールで示した追撃弾。味方を鼓舞し続けた中盤の存在感。

■「相手の先を取れたことがゴールにつながったと思います。大学時代にああいうシーンは多くあったので、うまく相手と駆け引きできました」(山田新)。小塚和季からパスを引き出しながら、重戦車のように突き進みニアサイドを撃ち抜く。プロ2点目。山田新が同点弾で行っていた駆け引きとは?

■「負けている状況なので、自分が入ってこの試合を決める。そういう気持ちで入りました」(遠野大弥)。チャレンジする男・ダイヤの生き方とプレーが生んだ劇的すぎた決勝弾。

■グループステージ敗退の事実には向き合わなくてはいけない

■追記)「シュートを打ってナンボだと思ってます」(遠野大弥)。たとえ強引でもシュートを打てば何が起きるかもしれない。ダイヤの劇的決勝弾から「シュート至上主義」について考えてみた。

全部で約12000文字です。よろしくどうぞ!!

「俺の名前を言ってみろ」 (ルヴァンカップ第6節・湘南ベルマーレ戦:3-2)

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