先週末は等々力取材。セレッソ大阪戦でした。試合は0-0のスコアレスソロー。
なかなか勝てないですね。先制点を奪われていた展開だったので無失点で終えたことは一歩前進です。
攻撃面では左サイドの攻め筋にかなりの変化が生まれていました。
まずボランチにジョアン・シミッチがいたことでマルシーニョを生かすための一役を買っていました。シミッチは左利きなので、ターンしてボールを置いた時はやはり左サイドに展開することが多くなり、その先にいるのがマルシーニョです。中盤の底から繰り出されるシミッチ -マルシーニョの裏一本のタイミングは、二人だけの呼吸ですね。このホットラインがあります。
それ以上に、これまでは推進力を生かすことが多かった左サイドが繋ぎで存在感を発揮しました。その流れを生み出していたのがノボリこと登里享平。
今季初出場。開幕直前に怪我をしてしまいましたが、ここにきて復帰。開幕前のチームの練習を見ていても、ビルドアップからのフィニッシュはかなりオートマティックに仕込んでいて、特にサイドバックがどう変化と対応を見せるかは、今季のチームスタイルの一つの鍵となっていたんですね。
開幕から右サイドバックの山根視来が、ボランチのように振る舞う偽サイドバックをやっているのはご存知だと思います。
実は開幕前の練習ではノボリの役割がとてもアクセントになっていたんですね。その重要性は山根視来以上ではないかと感じていただけに開幕戦直前に怪我をしたことが非常に悔やまれました。
このセレッソ戦では、彼がいることの変化をピッチで表現できていたのではないかと思います。
31分の崩しでは、細かいパス回しに自らがスイッチ役となりエリア内に侵入しながらラストパスを出しました。山田新が反応できなかったのが残念ですが、実にフロンターレらしい崩しでした。
課題と収穫があったスコアレスドロー。詳しい振り返りにレビューをどうぞ。ラインナップはこちらです。
■「今までとはシステムが違い、真ん中で2枚のボランチという形でした。前から行く時よりもセカンドボールを拾えると思っていたし、うまく拾えた部分もありました」(橘田健人)。先発5人の入れ替えにあった準備と狙い。
■「相手のスカウティングのところで、私たちが準備してきたものとは守備の仕方が違ったので」(小菊昭雄監督)。C大阪の意表を突いた川崎の守り方。守備の仕方はどう違ったのか。
■いつ、どこに動いて相手のギャップを作っていくのか。開幕前は右SB・山根視来以上にビルドアップの鍵を握っていた左SB・登里享平。ノボリがもたらした左サイドの攻め筋と、その真骨頂。
■「去年のルヴァンでもヘディングを止められて、今日も決めきれなかった。そこは本当に精度を上げないといけないと思ってます」(山田新)、前の選手としては非常に申し訳ない」(家長昭博)。リーグ戦2試合連続無得点。奮起を口にする攻撃陣。
■「うまい選手なので、自分を利用してくれる。自分も(チャナを)利用したら、より簡単にプレーできる。やりやすいですね」(家長昭博)、「札幌にいた時から対戦してきたが、相手にとって嫌な選手であることは間違いない」(山根視来)。天秤にかけていく必要があるチャナティップシステム。
■「2CBになっても二人ともスピードには自信がある。一人がアタックして、もう一人がカバーしてというのを徹底すれば絶対にやられることはないと話していた」(田邉秀斗)。快速CBコンビでもたらした今季初完封。
■「いいサッカーをしたけど負けたね、じゃ話にならない。勝ちたいですね」。勝てないもどかしさを吐露した山根視来。試合後に語った得点のために必要なこと。
「太陽がまた輝くとき」 (リーグ第5節・セレッソ大阪戦:0-0)
全部で約11000文字!ぜひ読んでみてください。