VARの判定で失われる時間と熱の難しさ。


どうも、いしかわごうだ。

先週末は等々力取材。サンフレッチェ広島戦でした。
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試合は1-1で引き分け。

今朝に公開されたDAZNのJリーグジャッジリプレイで川崎対広島戦のVARによるオフサイドで三笘薫のゴールが取り消された判定が取り上げられていました。

54分、登里享平のクロスを逆サイドに回り込んだ三笘薫が合わせてゴールネットを揺らした場面ですね。

後半の三笘は、右サイドバックの野上結貴のマンマークを揺さぶる意味もあったと思いますが、ほとんどサイドに張ることはなく、どんどん中央に入っていきました。この形のように右サイドまで流れていくと相手も対応に苦慮し、かつ登里享平がフリーで左サイドで攻め込めるようになってました。

そんな形で揺らしたゴールネットだったのですが、VARの結果、オフサイドポジションにいたレアンドロ・ダミアンが関与したと見られて取り消しに。

通常、オフサイド判定は事実関係の確認だけなので、VARオンリーレビューで、オンフィールドレビューすることはありません。

しかしこの場面は、三笘薫はオンサイドながら、レアンドロ・ダミアンがプレーに関与したかどうかの解釈を巡って笠原寛貴主審が
オンフィールドレビューを行なっています。

長い長い中断の結果、オフサイドに。

レアンドロ・ダミアンのアクションにGK大迫敬介が反応しているのでオフサイド判定は妥当です。

判定は妥当なのですが、如何せん判定が下されるまでに時間がかかりましたね。

VARが介入してから約3分を消費。そこから笠原寛貴主審がオンフィールドレビューをすることになり再開までにさらに時間を要しています(後半のロスタイムは7分になりました)。

そしてその結果、オフサイドとなり無得点に。

これだけ時間が開くと、どうしても熱は失われます。

フロンターレはやりトーンダウンしてしまいました。逆に命拾いした格好になった広島の選手は、ペースアップしていきます。そして、そのちょっとした不安定さが、相手につけいる隙を与えてしまいました。その数分後、同点ゴールを決められています。

最近感じるのは、VARによる判定でメンタル面でのリアクションをより受けるのは、ゴールが認められなかった攻撃側よりも、ノーゴール判定でリカバーできる守備側なんじゃないかということです。

鬼木監督は「VARの結果には一喜一憂するな」と選手たちに強調していると言います。もちろん、得点が認められなかった際に頭を下げるなという意味です。

つまり、それだけ気持ち的にプラスかマイナスになる反動はあるわけで、そこのネガティブな感情を選手たちはコントロールしなくてはいけません。一方、ゴールネットを揺らされた守備側の場合は、マイナスからゼロに、もっと言えば、プラスになるぐらいの感覚でプレーを再開できます。

チームとして自然とポジティブ思考になっていくわけで、拮抗した展開であればあるほど、その判定が試合にも影響を及ぼすのではないでしょうか。

FC東京戦と広島戦とVARでノーゴールになった結果、こちらが失点している試合が続いているので、ついついそんなことを考えてしまいます。

断っておきますが、だから、VARを無くしましょうとか言う話ではないです。勝つはずの試合だったのに、トドメを刺し損ねたばっかりに逆襲されてしまうのは、サッカーでよくあることです。

VARの結果で自分たちが一喜一憂しないことは大事だけど、それとは別に相手が息を吹き返して、勢いに乗って来る可能性が高いのは厄介ですね。

もちろん、そこを受け入れた上で、隙を見せない試合運びが求められる時代だと思います。

今回のレビューではそんな話も触れつつ、試合のあれこれもたっぷり書きました。

■「怪我もありましたが、回復も早く、チームの力になるために最善を尽くしました」(チョン・ソンリョン)。サプライズだったソンリョンの先発復帰。そして福岡戦翌日に見たジョアン・シミッチの状況。

■「人を掴む中で、4-4-2で構える場面もある。そこのメリハリは共有して入りました」(城福監督)。前傾姿勢でボールを奪いにきた広島と、人に付く青山敏弘とハイネルの背中をめぐる前半の攻防戦。そして前半の脇坂泰斗に決定機が巡ってきやすかった理由。

■「相手や自分たちの状況を見ながら、行くところなのか。ここは行かないほうがいいのかを考えながらやっています」(山根視来)。湧き上がってくる攻めと判断がもたらした鮮やかな先制弾。試合前に山根視来が語っていた、判断とパワーの使い方とは?

■サッカーは隙が生まれるスポーツ。だからこそ痛感させられている、VAR後のメンタルコントロールと試合運びの難しさ。

■「相手が前から来るときに(ジュニオール)サントスと(浅野)雄也くんが1対1になるというのはスカウティングでもありました」(大迫敬介)、「あれを怖がっていたら、自分たちらしいコンパクトにチャレンジするサッカーはできないと思っています」(鬼木監督)。大事なのはリスクをリスクと承知した上でコントロールすること。

■「もともと攻撃のところでは、人にないものはあります。それはチームメートも感じていると思います」(鬼木監督)。ファーストプレーで魅せた小塚和季。意外性のあるプレーは、試合中のどういう瞬間に浮かぶのか?

「甘い苦い時間」 (リーグ第10節・サンフレッチェ広島戦:1-1)

タイトルは、そんなVARの時間にも絡めています。全部で約11000文字です。ぜひ読んでみてください!

ではでは。

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