コスタリカ代表に敗戦。セオリー通りの枠組みで、三笘薫のドリブル突破を生かすのはもったいない。


どうも、いしかわごうです。

コスタリカ代表戦は0-1で敗戦。

日曜夜の19時キックオフということでたくさんの人が観戦したようです。ビデオリサーチ社によれば、平均視聴率42・9%で、瞬間最高視聴率53・8%だそうです。今年のテレビ番組で最高の数字とのことでした。本田圭佑が解説を務めたABEMAの配信では1800万人とのことなので、それも含めると、日本国民の半分ぐらいが見た計算になるかもしれません。

普段、サッカーを見ない人たちにも試合を見てもらう機会ですから、「サッカーって面白いな!」と思えるような試合で勝ちたかったですね。

その中でも強烈なインパクトを残したのが三笘薫でした。試合終盤、左サイドからドリブルで突破して、鋭くえぐった折り返しで決定機を2回ほど作りました。

この突破を見せた決定機の一つで、三笘が相手2人の間と突破して侵入したものの、離れた後にインナーラップした伊藤洋輝が、三笘がドリブルで切り込んでいくコースに顔を出して塞いでしまう場面がありました。そのため、縦関係を組む伊藤洋輝が見せた動きにそのサポートに関する是非が起きました。

その議論を聞いていて面白いなと思ったのがセオリーで考えると、インナーラップする伊藤洋輝の動きというのは間違いではないんですよ、別に。

ただ三笘薫の場合は、そうじゃないから違う考えで「サポート」しないといけない。教科書通りの動きではもったいないんです。だから、議論が起きているんだと思います。

 一般的に「サポート」とはチームメイトがボールホルダーに寄っていって助けることを意味します。

 でも、三笘薫の場合は違います。
ドリブルしようとしているときにチームメイトが寄ってきたら、逆に困ってしまいます。なぜ困るかと言うと、スペースが消されてしまうからです。つまり、セオリーとして良しとされている「サポート」は、三笘薫にとってはとても迷惑なんです。三笘薫に限れば、チームメイトが近づかないこと、遠ざかる方がサポートになると言うわけです。

 セオリーを大事にした上で、もっと良い方法があることを理解できるかどうか、なんです。川崎フロンターレではその共通理解があったので、三笘薫を生かす攻撃を存分に見せていました。

サッカーでは、教科書通りにいかないことが試合でたくさん起きます。

たとえば、守備の基本として相手のドリブルに対して2人で守るときは、「一人を余らせて、チャレンジとカバーで防ぐ」というのが原則です。そうすれば、相手のドリブルは止めることができますよ、とサッカー指導の教科書に書いているわけです。

でも、実際の試合では、三笘薫のように2人で守備をしても突破してしまうような選手だっているわけです。教科書で習ったはずの「一人余らせて、チャレンジとカバーで防ぐ」という答えがまるで通じない相手と現実のピッチでは直面するわけです。

 じゃあ、どうすれば良いか。

教科書の教えが通じないならば、その中身をいったん捨てて、指導者は自分なりの解決策を考えて、現場で試行錯誤しないといけないわけです。「三笘に突破されても指導の教科書ではそう書いてあったから、チャレンジとカバーで守り続けます」にこだわって失点を重ねて負けてしまっては、何の意味もないわけです。

昔、あるJ1のコーチングスタッフがこんな風に話していたのを思い出します。

「(指導者の)S級ライセンスで受けた講義より、実際の試合でフロンターレのジュニーニョに3人ぶち抜かれたのを見て、どうやれば止められるかをここ(自分のチーム)で考えるほうが楽しかったですよ。だって、机上の講義では、1人に3人が抜かれないようにする対処法なんて教わらないですから・笑」

 確かに。
いくら教科書で「この状況のときはこう対応するのが正しい」とか何パターンかの答えを教わっても、もしその相手が全盛期のジュニーニョだったら「おいおいおい、話が違うじゃねーか」ってことになりますからね。

現在の三笘薫というのは、あの時のジュニーニョのようなスペシャルな存在に近いと言っていいでしょう。1対1ならほぼ確実に、結構な確率で1対2でもぶち抜いてしまう存在なんです。

にも関わらず、守る側ではなく、それを生かす側である日本代表の選手が、教科書通りの枠組みで三笘という存在を使うのはもったいないと思うのです。

フロンターレでは、三笘をよくわかっていたのでそれを生かすような戦い方をしました。そういう思いがあるだけに、伊藤洋輝のセオリー通りのサポートは、間違ってはないけど、もったいないなと思ったわけです。

今回のコスタリカ戦のレビューでも三笘薫と伊藤洋輝の関係性がなぜ機能しなかったのかを色々と書いております。

ラインナップはこちらです。

■大敗したコスタリカ代表が立ち返った場所と、それに対する日本代表の方針

■「真面目さこそ財産」山根視来がこの言葉を大切にしている理由。

■コスタリカによる「三笘対策の対策」を日本は準備していたのか。

■左CB・伊藤洋輝に見る左WB・相馬勇紀と三笘薫の関係性で抱いた違和感。

■パスを「出さない」のではなく「出せない」。背中にマークに付かれたらフリーだと思う三笘薫と、フリーではないと思う伊藤洋輝に起きていた認識の違い。

全部で約10000文字です。無料部分も多めなので、是非読んでみてください。

「違う、そうじゃない」 (カタールW杯GS第2戦:日本代表 0-1 コスタリカ代表)

ではでは。
次はスペイン戦です。切り替えてやるしかないです!!!

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