湘南戦レビュー:ポジショニングから読み解く、2つのゴールシーン。


どうも、いしかわごうです。

先週金曜日は等々力取材。湘南ベルマーレ戦は2-0で勝利です。

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いやはや、語りどころのたくさんある試合でした。

詳しくはレビューでたっぷり書いたのですが、前半に興味深かったのは家長昭博と阿部浩之のポジショニングだったと思います。

この試合のフロンターレは〔4-4-2〕システムでスタートし、家長昭博は右サイドハーフ、阿部浩之は左サイドハーフでそれぞれプレーしていました。

ただこれは守備でセットするときの陣形で、フロンターレがボールを保持した時、例えば家長はごく自然にボランチの位置まで降りてきています。そうやって中盤の底に顔を出し、大島僚太とのパス交換を何度もしていたんですね。前半は家長がゴール前にドリブルで侵入したり、右サイドからの崩しに絡むシーンは皆無でした。

 一方で阿部浩之は、中央に顔を出す場面が多かったですね。トップ下のような位置取りもしていました。つまりこの試合、守備では〔4-4-2〕システムでしたが、攻撃の時は田中碧、大島僚太、家長昭博の3ボランチであり、阿部浩之がトップ下になる〔4-3-1-2〕システムだったというわけです。

 もちろん、大きな狙いがあってやっていたことです。そしてそれが奏功したのは前半に生まれた先制点のシーンからも読み取れると思います。ダイレクトでのコントロールショットでループを決めたあの技術は圧巻ですが、「なぜあそこのエリアに阿部浩之がいたのか?」を考えてみると良いかもしれません。

 ゴール前に入っていく動きのなかった前半の家長昭博は、田中碧と大島僚太とともに、中盤の底で攻撃の起点となっていました。

 彼が中盤の底に落ちると、攻めの拠点は増える反面、チームとしての重心が後ろになり、攻撃が手薄になってしまう問題も抱えていたはずです。しかし、そこはダイナモ・田中碧が機動力を生かして、タイミング良く前線の攻撃に厚みを加えました。

 知念慶が決めた2点目は、奈良竜樹からの見事な裏一本のボールです。
ただ、その周辺をよく見てみると、大島僚太と家長昭博が低い位置にいることで相手を牽制しているのに対して、田中碧は前線にいまるんですね。彼が相手センターバック(小野田 将人)をうまく前に引き出したことで、知念慶が動き出すスペースを作っているです。

ゴールシーンからそういった中盤のメカニズムまで楽しめるようになると、サッカー観戦はグッと面白くなります・笑。

https://twitter.com/J_League/status/1119234282575130624

レビューでは、そういったチームの狙いや駆け引きの部分を詳しく深掘りしております。

ラインナップはこちらです。

1.「監督の指示です」(家長昭博)、「アキさんが中に入ってくるという話はミーティングでもありました」(大島僚太)。ハイプレスを仕掛けたい湘南を困らせた、中盤の底で「浮く」家長昭博の位置取り。それによって前半のピッチで起きていた現象と、真の狙いとは?

2.「練習でもやっていた形だし、自分自身ペナルティエリアに入って得点に絡んでいきたいと思っていた」(馬渡和彰)、「あそこまでわかりやすく動いてくれると見つけやすいですね」(大島僚太)。大島からの極上のキャラメルパスと、「そこに馬渡」の胸トラップから生まれた阿部の先制弾。そして、あの場面でトップ下に阿部浩之がいた理由とは?

3.「奈良くんが(ボールを)持ったときに、相手のセンターバックが食いついてくるのは見えた。(自分が)スペースを空ければ良いかなと思って走ったら、知念くんが走ってくれていた」(田中碧)。「今日は知念の動きにパスを出すというところだけで判断しました。じゃあ、そこを見ながらもリョウタくんが空く、アキさんが空く。そこまでできるようにしていきたい」(奈良竜樹)。「奈良くんと目があって良いボールをくれた。相手のセンターバックの誰かが、悠さんに食いついてくれていたので、その裏をうまく狙えたと思う」(知念慶)。湘南の5バックのギャップを生み出したダイナモ・田中碧。そこを見逃さずに、ラインを飛ばすボールを届けた奈良竜樹と決めきった知念慶。37分に生まれた追加点の深層を読み解く。

4.「もっと余裕を持って勝てる試合だったと思うので、まだまだかなと思います」(家長昭博)。「間で受けて、ターンできるのだけど、一回戻してコンパクトにというのは意識していました。とにかく流れを意識していました」(脇坂泰斗)。リスク覚悟の湘南に、後手を踏んだ後半。試合運びと今後に向けて改善すべき点に向けて、選手が語ったこととは?

5.「僕とは格が全然違うなと感じました」(田中碧)。スプリント数0でも圧巻だった大島僚太の存在感。隣でコンビを組んだ田中碧が驚嘆した、大島の凄さとは?

 以上、5つのポイントで約10000文字のボリュームです。読みやすく、噛み砕いて書いているので、ぜひ読んでみてくださいね。

ハイプレスを仕掛けたい湘南を困らせた、中盤の底で「浮く」家長昭博の位置取り。そして隣でコンビを組んだ田中碧が驚嘆した、大島僚太の凄さとは?(リーグ第8節・湘南ベルマーレ戦:2-0)

ではでは。





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