どうも、いしかわごうです。
日曜日は日産スタジアムで横浜F・マリノス対川崎フロンターレ戦を取材。
試合は2-2のドロー。新戦力のレアンドロ・ダミアンが2ゴールを挙げる活躍を見せたものの、後半のラストプレーで追いつかれて勝ち点3が溢れ落ちました。残念。
試合後のミックスゾーン。
決勝ゴールになるかと思われた2点目のゴールをレアンドロ・ダミアンが、こう振り返ります。
「タツヤ(長谷川竜也)のクロスを上げた時に、悠がヘディングができると思ったので、自分はあのポジションにいた。あとは押し込むだけだった」
これまでリーグ戦では2試合無得点でした。移籍してきたチームで、ようやく初得点が生まれ嬉しかったと思いますが、1点目のゴールもアシストした田中碧に感謝の言葉を述べていましたし、2点目も自分だけの手柄にはしませんでした。自分自身についてこう言います。
「性格的に一喜一憂するタイプではないですし、やるべきことをやれば、結果が出ると考えるタイプです。リーグ戦では得点を挙げられなかったですが、慌てることもなくやるべきことをやれば、ゴールは必然的についてくると思っていました」(レアンドロ・ダミアン)
興奮しているであろう試合直後に語るコメントで、こういう冷静なことはなかなか言えません。そして「やるべきことをやれば、結果が出ると考えるタイプ」、「ゴールは必然的についてくる」というフレーズを聞いていて重なったのは、大久保嘉人のゴール哲学でした。
「自分のゴールが欲しいときほど、そこで『自分が、自分が』となるんじゃなくて、みんながうまく回るように意識してやる。人のために動くと、良いところで自分にボールが転がってくるんだよね」
ある時、大久保嘉人はそう言っていました。彼が言うには、自分のゴールが欲しいときほど、そこで焦らず、欲を出さずに周囲を見渡して、チームが循環するようなプレーに徹していたそうです。そうすることで、不思議とチャンスが巡ってきて、最終的には自分がゴールを決めることもできる。そんな人のために動くことがゴールにつながるという哲学が、自身に3年連続の得点王をもたらしたと言っても過言ではありません。
周りに感謝の言葉を惜しまないダミアンも、大久保嘉人に近い哲学を持っているストライカーなのかもしれませんね。
さて。
試合展開や詳しいゲーム分析はごうnoteで公開しています。
ゲームレビュー書きました。まさかの約12000文字です・笑。よろしくどうぞ。➡️ 答えは自分たちの中にある。(リーグ第3節・横浜F・マリノス戦:2-2)|note(ノート) https://t.co/03IkG9E13y
— いしかわごう (@ishikawago) March 11, 2019
ラインナップはこちらです。
1.「鬼さんからは『自分の特徴を出して楽しんでこい!』と言われました。それで自分の中で、良い気持ちで(試合に)入れました」(田中碧)。まさに電光石火。緊急先発となったアオがお膳立てした開始4分の先制弾と、その背景にあったもの。
2.「自分とダミアンで迫力を持って前から行くと、ボールを奪えるんじゃないかと思っていた」(知念慶)。「前からのプレスでいうと、知念を含めてうまくできたと思います」(レアンドロ・ダミアン)。ボールは簡単に握らせない。2連勝中のマリノスに「いつもとは違う」と思わせた、2トップによる守備のスイッチとそれに連動した局面圧力。
3.「ツートップで縦関係になれば、(相手のセンターバックの)どっちかが食いついたら裏というイメージもあった」(知念慶)。ハイラインの攻略は、「裏狙い」にあらず。コンパクトな守備陣形の弱点を突いたのは、2トップを追い越す味方の動き出しにあり。
4.「相手が特殊な配置なので、両サイドバックの背後は狙い目。始まっても、空いている感覚はあった」(谷口彰悟)。「サイドバックが絞る分、背後のランニングだったり、ボールを奪った後の裏への動きはできていた。ただ逆にそれをやり過ぎたのかなという気もする」(車屋紳太郎)。前半に狙い撃ちしたサイドのオープンスペースと、その代償を払うことになった我慢の後半を検証する。
5.「1対1なら抜ける自信はあった。あのクロスの判断にしたのは良かったかなと思います」(長谷川竜也)。82分に知念慶が見せた、試合の流れを引き戻した泥臭さと献身性。長谷川竜也が行い続けた、相手に後手を踏ませるための駆け引き。
6.「慌てることもなくやるべきことをやれば、ゴールは必然的についてくると思っていました」(レアンドロ・ダミアン)。周囲に感謝の言葉を惜しまないダミアンから感じる、大久保嘉人のゴール哲学との共通点。
7.「何か一つでも直していれば、失点はしなかった」(小林悠)、「どれだけ余裕を持って試合巧者ぶりを出せるのか。時間を稼げるのか。そういうプレーができる余裕を持たないと簡単には勝たせてもらえない」(谷口彰悟)、「相手のあのランニングは、タイミングも含めてうまいというもありますし、あそこに誰がついていくのは、はっきりしないといけなかった」(田中碧)。ラストプレーでの水漏れはなぜ起きた?フロンターレらしいゲームの終わらせ方ができなかった要因を探る。
以上、7つのポイントでなんとまさかの12000文字です。1200文字じゃないですよ・笑。
読み応えはたっぷりあります。あまりに劇的なドローだったので、このゲームをどう受け止めればいいのか・・・なかなか気持ちの整理をつけられなかった人にもぜひ読んでもらえると幸いです。
答えは自分たちの中にある。(リーグ第3節・横浜F・マリノス戦:2-2)
ではでは。
明日はもうACLのシドニー戦ですね。