天皇杯・ソニー仙台戦レビュー:サッカーに3ポイントシュートはない。


どうも、いしかわごうです。

水曜日は、等々力で天皇杯・ソニー仙台戦を取材。

 ゲームを支配し、シュート数でも大きく上回っているチームが敗れ、数少ない決定機をモノにしたチームが勝ってしまうのは、サッカーのゲームではよくあることです。

 この仙台戦、フロンターレは前半に招いた数少ないピンチを決められて2点のリードを許してしまい、まさにそういう展開になりかけました。想像以上に、苦しい試合となりました。

 残り時間はあったとはいえ、後半だけで2点差を追いつき、そしてひっくり返すという作業には、相当なエネルギーと気力が必要です。サッカーには、野球のような一発逆転の満塁ホームランもなければ、バスケットボールのように3ポイントシュートありません。1点ずつ、地道に返していくしかありません。だからこそ、その逆転の一手となる最初の追撃弾がポイントになります。

 サッカーで「2点差は危険なスコア」と言われるのは、1点差となる追撃弾が流れを変えるからでもあります。そういう意味で、後半の早い時間帯で長谷川竜也選手が決めたダイビングヘッドは、価値が大きかったと思います。その後の展開を見ても、後半は左サイドの彼にところんボールを集めて勝負させる「戦術・タツヤ」にようにもなっていましたね。

 ごうnoteのレビューでは、うまくいかなかった前半の原因や、巻き返しに成功した後半の要因にフォーカスした視点で掘り下げています。

ラインナップはこちらです。

1.「いくつかチャンスがあった中で決めきれなかったことも含めて、これぐらいで行けるんじゃないかという雰囲気が漂ってしまったのかなと」(鬼木監督)、「そこで隙が生まれたかもしれない」(谷口彰悟)。3度の決定機を仕留め損ねてしまった立ち上がりと、その代償がチーム全体に与えた影響とは?

2.「自分が上がった後を狙っているのは感じていた。あそこはセンターバックと話さないといけない」(車屋紳太郎)。2失点はなぜ起きたのか?執拗に狙われ続けていた左サイド・車屋紳太郎の背中と、エドゥアルドとの連携。

3.「1失点目のシーンも僕のパスミスから始まっている。そこも自分が通せるようにしないといけない。そうすれば失点はしなかった」(脇坂泰斗)。初先発も、持ち味を出せずにわずか38分の出場。新人・脇坂泰斗が語った反省点と、彼が見据えているもの。

4.「怒ってましたが、感情を表に出すのではなかったですね」(長谷川竜也)、「監督は相当怒っていましたけど、怒鳴りはしなかった」(谷口彰悟)。2点のビハインドで迎えたハーフタイム。ロッカールームで指揮官が選手たちに示したのは、去年のアウェイ・サガン鳥栖戦(3-2)とは違うアジテーション(扇動)だった。

5.「それがチームのためになったのはよかったです」(長谷川竜也)。反撃の狼煙をあげた追撃弾。後半の左サイドを制圧した「戦術・タツヤ」と、抜群のサポートを続けた「援軍・ノボリ」。


6.「良い形でシュートまで持ち込めたので、冷静に打つことができた」(家長昭博)。貫禄の1得点1アシスト。田中龍志郎を翻弄し続けた局面勝負の駆け引きと、決勝弾が「家長ゾーン」から生まれた理由とは?

以上、6つのポイントで全部で約9500文字です。ボリュームたっぷりですから、中断期間にフロンターレ不足を埋める意味でも、ぜひ読んでみてください。

20年越しに果たしたリベンジ。後半の左サイドを制圧した「戦術・タツヤ」と「援軍・ノボリ」。そして最後は「家長ゾーン」。 (天皇杯2回戦・ソニー仙台戦:3-2)





コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です