どうも、いしかわごうです。
清水エスパルス戦は3-0で勝利。
「ほぼ前半で決まった試合だったと思う」とは、試合後の家長昭博選手の言葉。
ひたすらボールを保持し続けて、ハーフコートマッチで押し込み続ける一方的な展開で、得点も2つのアドバンテージを得ていましたからね。試合を見ている側だけではなく、プレーしていた選手からも「パーフェクトな前半だった」のコメントが出るほど圧巻の前半でした。
後半は清水の反撃に合う時間帯もありましたが、中村憲剛選手の抜け目ない追加点により勝負あり。その後はのらりくらりとゲームを転がしながら時計の針を進めました。強者の戦い方での勝利だったと思います。
プレビューで挙げたように、この試合は阿部浩之選手が最前線にいるワントップでした。去年の夏頃にも機能した「ゼロトップ」のシステムですね。
前半、あれだけ攻撃がスムーズだったのは、このゼロトップが機能して渋滞にならずにボールを保持して攻め続けたこともそうですが、この日は守備の局面になったときの対応も見事でした。
具体的に言えば、ワントップの阿部選手とトップ下の中村憲剛選手による「守備のスイッチ」ですね。この前線二人は、相手ボールになったとき、がむしゃらにボールを追いかけるのではなく、メリハリをつけた奪い方や、コース取りを仕掛けて、後方のボールカットを助けました。
「行けるときは行くし、行かないときは無理せずに引く」
守備のスイッチを入れるのは前線の仕事ですが、常に守備のスイッチを入れればいいわけでもありません。
例えば、前の選手が自分の判断でボールを追いかけても、後ろが連動して付いてこなければ、うまく空振りさせられて体力が消耗するだけです。あるいは、後ろの準備が整っていないのに、自分の判断だけでなんとなく奪いに行ってプレスを剥がされてしまっては、そのしわ寄せを後ろの守備陣が受けるわけです。阿部浩之選手はそのへんの判断がとてもうまいんですね。
味方が疲れているときはいったん引いて、守備のスイッチは入れず、ブロックを作ってから構える態勢を整える・・・・阿部選手に連動していく憲剛選手の牽制もうまかったですし、この連動性は、両者の得点と同じぐらい評価されても良かったと僕は思ってます・・・・ただ、プレーとしての派手さはないし、ものすごく地味ですけどね・笑。
・・・ゲームレビューでは、そのへんもたっぷりと掘り下げおります。
ゲームレビュー公開してます。約10000文字。よろしくどうぞ➡️ 得点を決めた阿部浩之と中村憲剛が意識し続けた「守備のスイッチ」。ボール支配率とボール回収率の両輪が生んだ圧勝劇と、その背景にあったものとは?(リーグ第15節・清水エスパルス戦:3-0)|note(ノート) https://t.co/wPt0db5FjU
— いしかわごう (@ishikawago) May 21, 2018
ラインナップはこちらです。
1.「自分は(ボールを)収めるとかフィジカルとかじゃない。スペースをみんなに空けたりとか、味方がやりやすいようにとか、うまい具合にやれるように考えていた」(阿部浩之)、「全体的に流動性を持ってやれたと思う。去年もやっていたし、違和感なくやることができた」(家長昭博)。阿部浩之のゼロトップは、なぜ渋滞が起きずに機能したのか。そこにあった、ある確信。
2.「ウチがよくないときは幅が足りなかったり、深さがなくて、足元ばかりになってスペースがなくなってしまう」(長谷川竜也)。幅と深さを取って、絶妙なアクセントを攻撃に加えていたタツヤ。彼が齋藤学よりも起用されるのには理由がある。
3.「あんまり縦に急ぎ過ぎないようにはしていました。1点取ってからは、追加点とリスク管理のバランスを見ながらやっていた」(大島僚太)。ほぼパーフェクトだった前半。ボールを動かしながらも、あえて縦に急がないことでクリスランのカウンター発動を封じた、中盤のゲームコントロールを読み解く。
4.「ケンゴさんとは、もともと(守備の)イメージが一緒だし、守備のスイッチを入れることができた」(阿部浩之)。「スイッチの入れどころがうまい。言わなくても、(プレッシングを)かけてくれる。むやみやたらに行くんじゃなくて、相手が嫌がるようなプレスをかけてくれる」(奈良竜樹)。得点を決めた阿部浩之と中村憲剛が意識し続けたのは、「守備のスイッチ」。ボール支配率とボール回収率の両輪が生んだ圧勝劇と、その背景にあったものとは?
5.「前も前で、『もっとラインを上げろ』という声も(後ろに)あった。ただ後ろとしてもプレスがかかってない状態で上げるのはリスクが高い。じゃあ、どうするか」(奈良竜樹)。相手のパワーに後手を踏んだ後半の立ち上がり。3点目を取るまでの時間帯に、チーム内で起きていた齟齬と、改善すべき修正案とは?
以上、5つのポイントで約10000文字です。なぜあれだけチームとしてうまくいった試合だったのか。それを読み解きたい方は、ぜひ読んでみてください。ボリュームたっぷりの読み応えです。
得点を決めた阿部浩之と中村憲剛が意識し続けた「守備のスイッチ」。ボール支配率とボール回収率の両輪が生んだ圧勝劇と、その背景にあったもの。(リーグ第15節・清水エスパルス戦:3-0)
よろしくどうぞ。