神戸戦レビュー:「ノエスタの芝」と「フリーの定義」と「空間を作るターン」。


どうも、いしかわごうです。

 ノエスタでのヴィッセル神戸戦は2-1で勝利。

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 今年からハイブリッド芝になったノエスタ、選手はプレーしやすそうでしたね。
試合後、何人かの選手にピッチの感想を聞きましたが、やはり「良かった」とのことでした。ここ3年間は、このスタジアムで1得点も奪えなかったほどでしたから、いかにあのピッチに苦戦していたかがわかります。

 そしてこの試合を決めた小林悠選手が生んだ決勝点は、絶妙なワンタッチコントロールからの、素早いターンで持ち込んで打ち抜いた一撃でした。大島僚太選手からの強いパスも含めて、去年までのピッチ状態ならば、あの狭いエリアで繊細にボールコントロールができなかった可能性もあります。

https://twitter.com/J_League/status/990208760445517824

 あらためて感じましたが、この決勝弾の出し手と受け手の関係は、まさに「フリーの定義」ですよね。

 例えば、中村憲剛選手は「ウチはフリーの定義が違うんです」と言っています。他のチームであれば、スペースのある「場所」に走って、マークを振り切ってボールを受ける状態である味方を「フリーな状態」と定義していることが多いですが、フロンターレでは、たとえ相手を背負っていたり狭いエリアでも、ボールをキープできる位置にさえパスをつけてくれるならば、「フリーな状態」だというわけです。

 パスの受け手が相手のマークを背負っていても、一瞬だけ相手を外して、利き足にさえちゃんとしたボールを出してくれれば、相手に取られない位置にボールをコントロールできると思っているならば、それは受け手(神戸戦の決勝点で言えば小林悠選手)にとっては「フリー」の状態なわけです。

 ただこの「フリーの状態」を成立させるには、パスの出し手の感覚も求められます。相手を背負っている受け手がいくら「フリーなんだ」と思っていても、そこでパスの出し手が「いや、それはフリーじゃないよ。だって、マークされているから、カットされるかもしれない。パスが出せない」と躊躇してしまうと、そこにパスは出てきませんよね。
 
 だから、出し手にも技術が求められます。受け手が「フリー」になったら、そのタイミングを逃さず、なおかつビビらずにボールをつけることが求められます。

 このときに求められる要素は何か。

 そこは「正確性」ですね。
タイミングを逃さず、かつ味方の足元に対して、正確に届ける技術が必要なんです。それは「ここらへんでいいや」というアバウトなものではなく、受け手がトラップできるのは右足か左足か、その求める正しい位置に寸分の狂いもなくパスを出すということです。

 しかも速くて、強いボールで届けなくてはいけません。正確に出しても、遅くて、弱いパスだと、相手に追いつかれてカットされてしまうからです。その意味で、小林悠選手の足元に、ズバッと強いパスをつけた大島選手の技術も見事でした。

 出し手と受け手の二人の関係で崩した形でしたが、小林悠選手のあのターンにも注目が集まりました。

 あれは今年の彼が取り組んでいた「空間を作るターン」なのですが、そこらへんの詳しい話はレビューで公開しています。

今回のラインナップはこちらです。

1.「(前半は)カウンター合戦のようになってしまった。(ゴール前まで)行けてしまうので、スピードを上げすぎてミスってしまった。行くんなら、2点目を仕留めないといけなかった」(小林悠)。先制点というアドバンテージを得たものの、追加点を奪えなかった前半。後手を踏むことになる後半に向けて、起きていた誤算とは?

2.「行けるけど、あえて時間を作ってもいい。相手を一回自陣に帰らすというか、走らせること」(阿部浩之)。シュート9本の前半の展開で必要だった「時間を作ること」とは何か。試合後の阿部浩之が口にした言葉の意図を読み解く。

3.「パワーのある選手が入ってきて、少し難しい展開になった」(大島僚太)、「1点のリードだと、明らかにサッカーを変えてくるチームには簡単ではなかった」(中村憲剛)。悔やむべきは、三田啓貴のゴラッソではない。システム変更と采配で攻め手を変えてきた神戸の攻撃に、なぜ対応しきれなかったのか。

4.「選手が退場すると、相手はああいう守り方になる。チャンスになる限り、プレスをかけて、ボールを奪って、また攻める」(エドゥアルド・ネット)、「途中で入ってきたタツヤ(長谷川竜也)だったり、広くサイドから攻めていこうと思っていました」(大島僚太)。鮮やかだった、神戸守備陣のブロック崩し。なぜダブルボランチは左右を使いながら、焦らずに中央の門を打ち抜けたのか。

5.「オニさん(鬼木監督)がなぜ自分をピッチに残したのか。最後のために残しておいたと思ったし、その期待に応えないといけないと思った」。あの決勝弾をディープに読み解く。小林悠が取り組んでいた「空間を作るターン」にあった、その試行錯誤とは?

 以上5つのポイントで、全部で約10000文字ぐらいあります・笑。

神戸守備陣を中央から打ち抜いた大島僚太の冷静な崩しと、小林悠が取り組み続けていた「空間を作るターン」。(リーグ第11節・ヴィッセル神戸戦:2-1)

読み応えたっぷりですので、どうぞよろしく。





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