中村憲剛選手は、なぜ「止める」と「蹴る」を徹底的に突き詰めるのか。


どうも、いしかわごうです。

明日29日、中村憲剛選手の新刊「サッカー上達のためのマインドとメソッド」が発売となります。

僕は本の構成を担当させてもらいました。

 内容は、中村憲剛選手による「サッカーの教科書」です。
彼がサッカーをする上でもっとも大事にしている「止める」と「蹴る」といった技術のポイントを懇切丁寧に解説。さらに「駆け引き」と「ゲームメーク術」といった局面や試合中のポイント、そしてサッカーをする上で心がけて欲しい「マインドセット」と、5つの項目に渡って完全レクチャーしている内容になっています。

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 一年ぐらいかけて出来上がった書籍ですが、この本の中で、憲剛選手が特に身につけて欲しいと強調していた技術は、なんといっても「止める」と「蹴る」でした。

 自身のプレースタイルの生命線でもありますし、「止める」と「蹴る」の技術を徹底的に高め、突き詰めることで、フィジカル的に優れていないタイプでも生きていける道があると伝えたいからです。

 昨年の話になりますが、2017年シーズン開幕前に「Get Sports」という番組で、36歳でJリーグMVPを獲得した中村憲剛選手の進化を様々なデータから分析するという特集がありました(ご覧になった方も多いかもしれません)。

 その番組によると、2016年はボール受けてからパス出すまでの平均時間が1.179秒だったそうです。この数字はリーグ1位の速さです。0秒台でボールを動かしていた回数も多く、感覚的にはほとんどダイレクトでプレーしているに近いかもしれません。

 これが何を示しているかというと、中村憲剛選手というプレーヤーは、ボール離れのスピードが異常に速いというわけです。

 ただ、ボール離れが速いだけではありません。それでいて「正確さ」もあるので、シュートやゴールに直結するラストパスの多さなど、チャンスメークの数も上位にランクイン。つまり、「いかに彼が相手チームにとって怖い存在か」という裏付けがされている、興味深い特集でした。

 あの当時、番組の感想について話していたら、憲剛選手はこんな風に笑っていました。

「自分は囲まれたら(ボールを)取られる人間だと思っていたから、とにかく当たらないポジションを見つけて、トラップしてパス。止めて蹴るの最短スピードを追求してきた。そういう発想だから。相手からすれば、嫌なところに入ってきて、1秒単位でプレーする。そしてそれがシュートに直結する。そりゃ、『コイツあぶねぇ』と思うよね(笑)」

 これはある選手が明かしていたのですが、川崎フロンターレの対戦相手の中盤やディフェンスの選手は、憲剛選手に対してはガツンと当たる(削る)ぐらいのハードな指示を試合前に受けていることが多いそうです。にもかかわらず、試合後は「(中村憲剛を)削れなかった」と反省することがほとんどです。

 なぜ削れないかというと、それは、憲剛選手が相手に削られる前にボールを動かしてしまうからです。つまり、(削りに)行こうと持ったらもうボールがない状態なのだそうです。

 そりゃ、そうですよね。
試合中の憲剛選手は、ボールを1秒持っているかどうかなんですから。「止める」と「蹴る」を「速く」そして「正確に」やり続けることで、この領域になったわけです。

サッカー上達のためのマインドとメソッドの第1章と第2章では、この「止める」と「蹴る」のこだわりを、徹底的にレクチャーしています。本屋で見かけた際は、ぜひ手にとってみてくださいね。

ではでは。





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