リライト書評:中村憲剛の「幸せな挑戦」〜過去に満足はしていなくても、すべての過去に納得している



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 どうも、いしかわごうです。本日のリライト書評はこちら。

 2年前の2013年に出た、中村憲剛選手の本ですね。新書サイズなので、サッカー本というよりは、ビジネスマンを意識して書かれた印象です。本書の中では、中村憲剛というサッカー選手はどうやって形成されてきたのか、そして彼がずっと大事にし続けてきたものは何なのか。それを本人が詳細に語っています。日常的に取材させてもらっている憲剛選手のことをこういう感じで読むのは、なんか変な感じでもありましたが。

 フロンターレと日本代表の話題に負けじと、プロになる前のストーリーが充実していますね。サッカー人生前半のピークだったという小学生時代、身長が伸びずにまわりとの体格差からプレースタイルを変える決断をした中学時代、自分自身で考え抜いてサッカーをする重要さに気付いた高校時代、そして創立以来初の二部落ちを経験した中央大学時代などなど。 

 ここに至るまで何度かサッカーと”離れそう”になっていたというのが、ちょっと面白かったです。中学生のとき、パソコンのプログラミングをする部活に入っていたなんて、なんか想像つきません・笑。サッカーに詳しくない人が読んでも楽しめる内容になっていて、面白く読めると思います。

読んでいて「憲剛選手らしいな」と思った箇所を紹介します。

ここですね。

これまでの人生の中には「ここからやり直したい」といったポイントはどこにも見当たらない。過去に満足はしていなくても、すべての過去に納得している

 ここが彼のスタイルの本質なのではないでしょか。

 そして思い出したことがあります。

川崎フロンターレでは、毎年新シーズンになると、クラブの公式ホームページに掲載する選手アンケートなるものを行ってます。質問項目が数十項目に渡っており、「これってその筋の専門家が見たら、プロファイリングできるじゃないか?」というぐらいのボリュームがあることでも有名です。

その中のひとつに「過去の自分にひと言」という質問がありました。

何気ない質問ですが、自分に置き換えてみるとどうでしょうか・・・けっこう深いです。

憲剛選手の回答はこうでした。

「そのまま頑張れ」

これを言えるのは、ちょっとすごくないですか?

だって、もし仮にタイムマシーンに乗って、10年前に行ってタイムスリップして、10年前の自分に会ったとしますよ。そのとき憲剛選手は、「ああしておけ」とか「こうしたらいいよ」とか「あれに気をつけろ」とか忠告するわけじゃなくて、「そのまま頑張れよ」と自分に言うわけじゃないですか。

逆にいうと、常に未来の自分から、「そのまま頑張っていればいいから」と応援される生き方をしているわけですよ。なんか感銘を受けてしまったほどです。

そこである日、「この回答を書けるのってなかなか凄いよ」と伝えたことがあるのですが、本人は「そう?あれは、わりとスッと出てきた回答だったけどなぁ」とサラリと言ってました。

うーん、凄いなぁ。ただただ尊敬してしまうわけです。


「自分はどうなりたいか」

「そのためには何が足りないか」

「何をすればそこを変えていけるか」

 大事なのは、この三つなんでしょうね。
それが明確になっていれば、多少うまくいかないこと、思い通りにいかないときがあっても、それを環境や組織のせいにせず、「すべては自分次第」と受け入れることができるはずです。

「2015年は何かに挑戦したい!」と思っている人にはオススメの一冊です。


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