どうも、いしかわごうです。
今日も風間監督の取材回想記を残しておきますね。
今回は「頭の中」の話です。風間監督の「伝わる技術」の中にこんな記述がありました。
・変えなければならないのはただ一つ。それは選手たちの「頭の中」です。さらに言えば、チームに関わる人間すべての「頭の中」です。頭の中が変われば、すべてが変わっていきます。ですが、特にJリーガーともなると、彼らもプロとして今まで自分がやってきたやり方があり、成功体験があるわけです。その「頭の中」を変えるのは、「伝え方」を相当工夫しなければいけません。
「頭の中を変える」という視点でいろいろ振り返ってみると、強烈に思い出すのは、やはり最初のことでしょうか。
覚えているでしょうか。
2012年4月28日のサンフレッチェ広島戦。
就任して、ほんの三日間で臨むことになった初戦でした。このファーストマッチで風間監督は何を表現しようと思って臨んでいたのか。あるときに行ったインタビューで、こんな風に明かしてくれたことがあります。
「チームとしても、何かやらされているというか、形ばかりを気にして、良いところがあまり見えなかった。実際にチームの中に入ってみると、何かの責任を感じているというか、何かをしないといけないと感じている。これは力を出していないな、と。そこで頭の中を外さないといけないと思った。そこで、まずイナ(稲本潤一)をセンターバックにしたでしょ?」
チームの何かを変えようと思った。そこでボランチ・稲本潤一をセンターバックで起用するという「刺激」をチーム全体に与えたわけです。選手の「頭の中」を変えるためです。
もちろん、刺激を与えるだけが理由ではありません。この試合で風間監督には勝敗よりも大事なものがありました。それは、このチームで選手が成長していくための「確信」だったと言います。それが伊藤宏樹が決めたゴールでした。
「あのとき、うまくいかないのはわかっていたんだよ。就任して試合まで三日しかなかったし、初戦は負けていいと思っていたから。それよりも試合の中で1本だけでいいからこちらが確信を持てるものを作りたかった。それが17本のパスで決めたゴールにつながった。その意味で、あの宏樹のゴールは大きかったよ。自分はあの1本を作る為に、練習に3日間をかけていたのだから。あの1点で十分。俺たちはいまからこうやっていくんだよ、というのを選手はわかってくれた。もしあの試合を何も収穫もなく負けていたら大変だったけどね。あの1点はどんな1勝よりも大きかったと思っている」
スコアは1対4という惨敗でした。
しかし風間監督は目の前の1試合に負けてでも掴みたかったものがあったわけで、それが伊藤宏樹が決めてくれた1点だったというわけです。しかし、そのあとも苦難は続きます。というのも、ゴールデンウィークを挟むため、中断期間となる5月26日のベガルタ仙台戦まで、一ヶ月で(ナビスコカップ浦和レッズ戦を含む)公式戦7試合が組まれているというハードスケジュールだったんです。中三日で続いていく連戦では、なかなか腰を据えて選手たちへのトレーニングもできません。実はこのときの風間監督は7連敗もあるかもな、と思っていたそうです。
「でも8連敗を許すクラブだから7連敗しても大丈夫だろ、ぐらいはね。でも5連敗したら辞めようと思っていたよ。結局、あの7試合を5勝2敗ぐらいで乗り切った。今考えると無謀だよ。だから、もう2度とシーズンの途中から監督はやりたくない(苦笑)」
そんな風に冗談めかしてわらってましたが、あの言葉通り、名古屋グランパスではシーズン最初から指揮をとっていましたね・笑。
そして名古屋グランパス戦は、いよいよ明日になりました。試合の見どころは、ごうnoteでたっぷりと書いております。
明日の見どころ、書きました。約8500文字のボリューム。楽しみな一戦ですね。よろしくどうぞ。➡️ 試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第4節・名古屋グランパス戦)|note(ノート) https://t.co/Gw3PAN18zs
— いしかわごう (@ishikawago) March 17, 2018
ラインナップはこちらです。
1.「単純に楽しみではあります」と語る鬼木監督。指揮官対決にも注目が集まる一戦の、気になる予想スタメンは?
2.「スペースが空いていたら運んで、マークをずらせばいい。あとはテンポよく動かすことで相手も付いてこれないのではないかと思います」(車屋紳太郎)。ボールを握る相手だからこそ施した、鬼木流の風間グランパス対策。選手の配置と、練習で徹底させた意識付けから読み解く。
3.ジョーとシャビエルという「スペシャルツー」をどう封じるのか。「そこのマインドを持ってやりたい。向こうもまったく同じ考えでやってくると思いますけどね(笑)」と微笑む、中村憲剛の狙いとは?
4.キーワードは変幻自在!?名古屋守備陣の狙いどころと、組織が整備し切れていない彼らを困らせるシチュエーションを、いかに作り出していくのか。
5.「ボールをたくさん持つほうが勝つわけじゃない。しっかりと点を取って勝つことに集中したい」(小林悠)、「そういうところで差をつけられたらと思っている。90分。最後までやって勝ち切る。それだけだと思います」(中村憲剛)。勝つために身につけた鬼木フロンターレとしての進化を、ピッチで表現する。
以上、5つのポイントで冒頭部分も含めて約8500文字です。頑張りすぎて、だいぶボリュームあります・笑。ぜひ読んでみてくださいね。
試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第4節・名古屋グランパス戦)
よろしくどうぞ。