風間監督が言葉に敏感だったワケ。


 どうも、いしかわごうです。

 週末は名古屋グランパス戦です。なので、昨日に続き風間監督の取材雑記でも。

 今日は「風間語」の回想です。

 風間監督の使う言葉というのは、「風間語」と呼ばれるように、ときに独特です。
例えば、相手がかけてくるプレッシャーのことを風間監督は「矢印」という表現を使って選手に説明します。ボールを奪おうと向かって来た圧力を矢印の方向に見立てて、その方向をいなすイメージで捉えて「相手の矢印を外せ」とプレッシャーの交わし方を指導します。その他にも「相手の背中を取れ」、「隠れるな」など基本的に横文字を使わないんですよね。

 初めて聞くと「ん?」と、どこか引っかかるような感じもありますが、横文字を使わないので、理解できればすんなりとお腹に落ちてきます。

 横文字を好まない理由については、横文字ほど抽象的なものはないからだと風間監督本人は言っていました。

 例えば「バイタルエリア」と聞くと「ゴール正面を危険なエリアと言い換えているけど、じゃあ、それ以外は本当に危険じゃないの?ウチはペナルティエリアの3辺から崩すよ?そこは危険じゃないの?」と笑うわけです。

 メディアも現場もファンも含めて、そこを正確に説明できないまま使い、言葉が一人歩きしがちな風潮について指摘しているんですね。

 例えば、近年は当たり前のように使われている「リスクマネジメント」。

サッカーというスポーツが攻守一体型の競技である以上、人数をかけて攻撃に出ようとすれば、その分、守備の人数は手薄になりがちです。バランスを崩して攻撃に出ることにはリスクが伴い、そのためには後ろはボールを失ったときの準備を怠らないことが重要になるわけです。4バックのサイドバックが攻撃参加をしたら、もう一方のサイドバックはが自陣に残ってカウンターに備えておくという位置取りは、「リスクマネジメント」の典型例ですね。でも風間監督は、そうした言葉の意味にも敏感に反応します。

「リスクマネジメントの『リスクって何?』って思うんだよな。それは、ボールを取られることが前提でやっているサッカーの話じゃない?自分の中ではボールは取られないんだから、そこはリスクでも何でもないんだよ。もちろん、100パーセント取られないなんてことはないけど、最初からそれを想定してサッカーをするんじゃなくて、ボールを取られない選手になって、その11人でサッカーをすること。最初からボールを取られたらと思ってすると、最終的には相手に合わせる戦い方しかできなくなってしまう」

 ボールは「奪われないもの」として捉えている風間監督からすれば、ボールが「奪われるもの」として成り立っている人とは、そもそもの前提から食い違うわけです。その時点でズレが生じているのだから、風間監督は受け手に対しては使わないわけです。

 こういう「言葉の使い方」は言われてみると確かにそうで、そこの正確な認識が共有されないまま横文字の用語だけが一人歩きしてしまう現象は、現場のみならず、メディア、ファンにもおいても心当たりがあるかもしれません。風間監督は、そうした横文字をより具体的に噛み砕くんですね。

 だから、当たり前のように使われているフレーズにも疑問を持つそうです。
例えば「しっかりコミュニケーションを取っていこう」って、ついサッカー現場で言いがちなフレーズが出ると、風間監督は「そのコミュニケーションって、具体的には何?どういうこと?」と指摘するわけです・笑。

現役時代には「もっと戦えよ」と指導者に言われたら、「戦うってどういうことだ?」と具体的に考えていたそうです。

 こういう指摘を「面白い人だなぁ!」と思うか、「面倒くさい人だなぁ・・・」と思うかは、分かれるところかもしれませんが、僕は「面白い!」と思えるタイプでした。なにせ、大木武、安間貴義、ラモス瑠偉のもとで番記者をしてきましたからね・笑。

自分自身も言葉を扱う仕事でもあるだけに、言葉使い一つをとってみても、そういう「気づき」を与えてくれる指導者というのは、取材している記者としても刺激的な存在でした。

風間監督の言葉に関する取材雑記でした。

詳しくはnoteのマガジンでまとめているので、興味ある方はどうぞ。
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