神戸戦レビュー:「トレーニングでやってきたことが組み合わさって出たシーン。そこは根気よくやって来てよかったと思います」(鬼木監督)。麻生でやっていることを表現した、美しい逆転弾。


 どうも、いしかわごうです。
先週末は等々力取材。ヴィッセル神戸戦は5-3で勝利となりました。

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 試合開始90分ぐらい前から突然降り出した豪雨にはびっくりしましたね。自分はすでに等々力にいたので濡れることはなかったのですが、すぐに止むかと思いきや、結局、試合後半途中まで降り続けました。帰る頃にはすっかり雨の気配はなくなっていましたが。

・・・直近の暑すぎる鹿島戦といい、台風が接近していた長崎戦といい、強風と豪雨の湘南戦といい、先月からは天候に悩まされることがやたら増えてますが、もはや「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」の精神ですな。

 このゲームでフロンターレの決めた5得点は、どれも印象的でした。
固唾を飲んで見守っていた小林悠のPK弾、家長昭博の追撃弾、等々力を爆発させた齋藤学の同点弾、3人目の動きで抜け出した大島僚太が決めた逆転弾、そして仕上げのエウソン。

 中でも素晴らしかったのは、大島僚太が決めた4点目でしょうか。34本のボールをつないだパスワークで決めて、「異次元」とも評された得点です。

 https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1053613662768848897

 見ている側からすれば、「すげぇーーーーーー!!!」なんですけど、やっている川崎の選手達から言わせれば、「トレーニングは裏切らないなと思う」(中村憲剛)、「練習でやっている形で、それを試合でやっただけです」(家長昭博)と、麻生グラウンドでいつものやっている崩しを表現しただけで、意外と冷静でした。確かに、麻生でいつもやっている攻撃練習の形ですね。ただ、それを試合で本当に表現してしまうのは、すごいと思いますよ。

 ちなみにオフ明けの21日の練習後、鬼木監督にもあのゴールの見解を聞いてみたのですが、選手と同じでした。

「ずっとやってきていることで、トレーニングでやってきたことが組み合わさって出たシーン。そこは根気よくやって来てよかったと思います。あれが普通になるように、もっともっとやっていきたい。あの1点も、泥臭く取る1点も、価値は変わらない。あれはフロンターレらしさではあるけれど、まだまだ(点が)取れるシーンもあったので」

 今年のリーグは残り4試合ですが、あんな崩しをたくさん見たいですね。

では、神戸戦のゲームレビューはこちらでたっぷりと。

ラインナップはこちらです。

1.「攻めの時も、攻めにくい感覚があった」(小林悠)。「ボールを取り上げる」でも「ボールを持たせる」でもなく、パスルートを「隠す」。リージョ監督が施した巧妙なフロンターレ対策。

2.「(プレスで)寄せ切っても、ウェリントンの強さがあった。そこで起点を作られたし、そこで広げられた。前半の失点や悪いときは、そういう幅を使われた」(登里享平)、「戦術・ウェリントン。あれでひっくり返ってしまう」(中村憲剛)。20分で3失点はなぜ起きた?イニエスタのポジショニングとポドルスキのサイドチェンジ。そして戦術ウェリントン。前線からのプレスがハマらなかった3つの問題点を読み解く。

3.「だからといって引くことは選ばなかった。人数を合わせたことがよかったと思う」(中村憲剛)」。奏功した〔4-2-3-1〕へのシステム変更。守備では何が改善されたのか?

4.「〔4-2-3-1〕に変えてからは、アキさんが落ちるので、自分が落ちなくてもいい。役割がはっきりした分、仕事もやりやすくなった」(知念慶)、「あのタイミングでシステムを変えていたので、あそこにアキさんが走り込んでくれた」(大島僚太)。前半の残り10分で見せた両指揮官による攻防戦と、試合の流れを変えた川崎の2点目が生まれた背景とは?

5.「アキがトップ下に入ったことでリョウタとトライアングルを作れた。そこでユウや知念、学が絡む。そこに外にエウソンとノボリが絡む。いつも通りの形になった」(中村憲剛)、「まだまだもっとできる。もっとできる姿を見せたいと思ってる」(齋藤学)。いつも通りのサッカーで圧倒し続けた後半。そして、等々力を爆発させたマナブの一閃。

6.「自分はその前で、チャンスになるところで潰してしまった。チャンスを潰した分、どこかで貢献しないといけなかった」(大島僚太)、「練習でやっているし、それを試合でやっただけですね」(家長昭博)。34本のパスをつないで決めた、美し過ぎる逆転弾。ミックスゾーンで饒舌には語らない二人が、プレーで語ってくれたもの。

7.「本当にチームとしてしっかりしていて、良いサッカーをしている。個人としても非常に良い選手がそろっているチームだなと思いました」(イニエスタ)、「判断の上に技術があって、その技術におごることなく、基本的なことを忠実にやれる判断力はすごい」(大島僚太)、「いかなくても、イニエスタが(ボールを)出す先を潰すようにした」(中村憲剛)。イニエスタにまつわるあれこれ。

 以上、7つのポイントで約12000文字です。読み応えたっぷりですので、ぜひ読んでみてください。

前半残り10分で繰り広げられた、システム変更による両指揮官の攻防戦。34本のパスをつないで決めた、美し過ぎる逆転弾。そしてイニエスタ。(リーグ第30節・ヴィッセル神戸戦:5-3)

よろしくどうぞ。

おまけ。試合前の記念撮影でいた。スーパーゼウス。ロッテの後藤さんでしょうか。
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