どうも、いしかわごうです。
ACL第1節・上海上港戦は0-1の敗戦。
ゼロックスから中二日、いくつかのメンバーの入れ替えを行って臨んだ試合となりました。
ゲームのポイントはいくつかありますが、それはレビューでたっぷりと書いております。ここで取り上げたいのは、やはり登里享平選手です。
車屋紳太郎選手が、昨年のACL準々決勝浦和戦(2ndレグ)の退場により出場停止だったこともあり、ノボリに出番が巡ってきました。実はノボリは、ACL準々決勝浦和戦(1stレグ)の70分に途中交代で入ったものの、負傷により83分に途中交代する事態に見舞われています。このACLの舞台は、彼にとってもリベンジであったと思います。
マッチアップの相手は、あのフッキでした。戦前は劣勢が予想されましたが、素晴らしい対応を続けてフッキに得点を許しませんでした。
ノボリ対フッキは、左サイドのタッチライン際のエリアで行われることが多かったんですが、そのフッキを止めたノボリのプレーを目の前で見ていたバックスタンドからは、前半から何度も拍手が起きていましたね。
フロンターレは、フッキに対してノボリだけが対応するのではなく、うまく時間を作りながら、複数の選手がサポートで囲い込んで奪っていました。よく研究していたと思います。
思えば自分は、フッキがJ2の得点王に輝いた2007年の東京ヴェルディ時代を全試合取材していました。言い換えれば、当時のJ2で無敵ともいえる破壊力を誇っていたフッキを、どうやって止めようとするのかの対策もたくさん見てきました。なにせ、のちのセレソンです。当時から相手の守備組織を無視するかのように、一人で点が取れてしまう規格外のストライカーですから、対戦相手のどの監督も、あの手この手でフッキを抑えようとしていました。
当時の対戦相手が採っていたフッキ対策は、大きく分けると二つでした。
ひとつはハードマークのできる対人守備の強いセンターバックをぶつけてしまうこと。要は、個人技で打開するフッキだからこそ、「個には個」で対抗するというわけです。この作戦は一見良さそうですが、その対人自慢の選手は、フッキにほぼ蹴散らされていました。それぐらいフッキの破壊力は圧倒的でした。
むしろ効果的だったのは、「フッキ対個人」ではなく、フッキがボールを持ったら、すばやく複数の人数で囲い込む密集戦に持ち込む方でした。フッキはキープ力がありますし、ボールを持ったら仕掛けてきますから、それゆえにハマりやすかったわけです。その意味で、この試合のノボリの対応と、素早く周囲がフォローする作戦は効果的だったと思います。
オフィシャルのトップ画像は、この二人になっていたのも納得ですね。
オフィシャルのトップページ、ノボリとフッキのマッチアップだ。 pic.twitter.com/qTKFiC1Lm3
— いしかわごう (@ishikawago) February 15, 2018
それだけに結果がついてこなかったのが、もどかしい。
試合後のミックスゾーン、かつての同僚でもあるフッキについて中村憲剛選手に聞くと、「相変わらず、エゲつないけど(笑)、やれないことはない。去年、パウリーニョともやっているからね。あそこでサンドする(挟み込む)のは口酸っぱく言っていた。それだけに勝ちたかった」と、やはり悔しそうでした。
では、試合のポイントはどこだったのか。今回のレビューです。
ACL・上海上港戦のレビューです。よろしくどうぞ。➡️ 紙一重を積み重ねていく、その先に。(ACL第1節・上海上港戦:0−1)|note(ノート) https://t.co/PivVdXFdIW
— いしかわごう (@ishikawago) February 14, 2018
ラインナップはこちらです。
1.「自分が動くと(6番も)動いてくるから、そのギャップを使えというのは言われていた」(中村憲剛)、「6番のワキは狙っていましたけど、そこにボールが入るときはスピードがあがる。そこからの展開がもう少しでした」(大島僚太)。ツァイ・フイカンの両脇にできるスペースを攻略せよ。前半の攻撃の狙いを読み解く。
2.「右を狙いました。あれを決めたら勝ち点1があったと思う。そういうところだと思います」(家長昭博)、「浮かすしかなかった。ゴロだったらリョウタも決めれたと思う。そういうところも含めて、全体的にもうひとつ精度が必要だった」(阿部浩之)。なぜ後半の決定機を決めきれなかったのか。それぞれのフィニッシュワークを検証する。
3.「自分でも少し『やばい』とパニックになって、焦って飛んでしまった。言い訳はできないです。自分が甘い」(谷口彰悟)、「簡単に外に出してしまったので、そこはもったいない」(奈良竜樹)。失点はなぜ起きた?鬼木監督が指摘した、改善すべき問題点とは?
4.「フッキにボールが入ったときには、しっかりと時間を作ること」(登里享平)、「フッキとかパトリックに強いから。パトリックを練習から抑えていたから、全然安心していたよ」(大久保嘉人)。ボールを持ったら素早く囲む。そしてフッキに守備をさせる。フッキ対策を遂行したノボリによる、クレバーな駆け引きとは?
以上、4つのポイントで約6500文字です。
紙一重を積み重ねていく、その先に。(ACL第1節・上海上港戦:0−1)
来週にはJリーグも開幕です。この負けをしっかりと次につなげてもらいましょう。
ではでは。