鹿島戦レビュー:いかにしてボランチの背後を取るか。


どうも、いしかわごうです。

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日曜日は等々力で鹿島戦を取材。

 試合は3-1で勝利となりました。
この試合のポイントの一つとして、「いかにしてボランチの背後を取るか」がありました。

鹿島のダブルボランチは、ボール奪取力の高い三竿健斗選手とレオ・シルバ。基本的には、レオ・シルバが前に出て、三竿健斗選手がバイタルエリアでしっかりと構えるという関係性です。

 中でもレオ・シルバですよね。
アルビレックス新潟の心臓とも言えるボール狩人でしたが、今シーズンから鹿島に移籍。新潟時代、ボールを握るフロンターレの中盤から、あの手この手でボールを絡め取るレオ・シルバとの攻防戦は、見どころの一つでした。

 前半戦の鹿島戦で彼は欠場していましたが、この試合は出場。中村憲剛選手はレオ・シルバとの駆け引きを楽しみにしていて、試合前にはこんなことを話していました。

「レオとやるのはいつも楽しみ。レオは対人が強いし、だましあいになる。俺が抜けるかどうか。新潟とやっていたときはね。ナイスガイだし、気持ちのいいやつ。勝っても負けてもリスペクトしてくれる」

 ちなみに2014年7月の対戦では、ボランチだった中村憲剛選手が途中からトップ下にポジションをあげて、守備の場面では相手のボランチであるレオ・シルバ「を」マンマークしていたなんてこともありました。中村憲剛選手が相手のキーマンをマンマークするなんて、珍しいですよね。

レオ・シルバ:「(マンマークに来なくて)いいって」
中村憲剛:「いや、お前が一番危ないから」

みたいなやりとりを試合中にしていたそうです。会話が何語だったのかは不明ですが・笑。

 大島僚太選手もレオ・シルバとの攻防を楽しみにしていました。
「アウェイの時は出ていなかったですよね?鹿島のレオ・シルバと対戦するのは初めて。どっちかというと、鹿島のボランチはボランチ同士で前にかけてくる。どこから攻めていくというのはやりながら考えていきたいですね」

過去の新潟戦では、レオ・シルバが奪いにきた瞬間に、ワンツーで背後を取って展開して決定機を作ったり、逆に絶妙な読みとリーチを持つレオ・シルバがうまく懐に飛び込んで大島選手のボールロストを誘ったりと・・・彼ら二人のボールをめぐる読み合い、騙し合いはとても面白いのです。

 そしてこの試合は、大島僚太選手がレオ・シルバとマッチアップすることが多かったのですが、前半からそのプレッシャーをまるで苦にせずに剥がします。これにより、中盤の主導権争いで先手を取り、試合を優位に進めることができたと言っても過言ではないと思います。

特に後半、頭でトラップするふりをしてスルーしてレオ・シルバをいなすプレーがあったりと、ちょっとため息が出るぐらいの出来でした。いやはや、すごかったですね。

ちなみにエドゥアルド・ネットは、2009年にポタフォゴでレオ・シルバとチームメートだったります。豆知識な。

 さて。
中盤の攻防を含めた詳しいゲームレビューは、いつものようにごうnoteで公開しております。

今回のラインナップはこちら。


1.「自分が走ればスペースが空くし、それでレオ・シルバはリョウタには出ずらくなる。そのへんは良い形だったし、ひさしぶりに中盤がスムーズにできた」(登里享平)。相手に的を絞らせなかった中盤のボール回しと、流動的な崩しを見せ続けた攻撃陣。そしてその中心にいた大島僚太の、別格だった存在感。

2.食いつく鹿島守備陣は、やはり「意外性」で攻略できる。「ランニングをかけるとついてくる。そういうデータはあった。あれは狙い通り」(中村憲剛)、「そこでリョウタ(大島僚太)が空くと思った」(阿部浩之)、「自分は全然ボールに触っていないです(笑)」(大島僚太)。先制点の場面で中村憲剛と阿部浩之が持っていた、二つの狙いとは?

3.「前半から、バトルではほとんど勝っていた。ここで負けたら厳しいという場面でも、体を張ってやれていた」(奈良竜樹)。ボールを持って攻め続けた影に、切り替えの早さと球際の強さアリ。等々力のピッチにみなぎってた選手たちの強気。

4.「やばいなと思ったから。(人数が)足りてないし、戻った」。ゴールだけではない。あえて強調しておく、鹿島が嗅ぎつけたチャンスの匂いを消した、阿部浩之による危機察知能力。

5.「ユウ(小林悠)が良いボールをくれて、運良くコースに飛んでくれた」。輝き始めた天才・家長昭博の一撃。天皇杯では左サイドで起用したレフティを、指揮官が右サイドに配置した狙いを読み解く。

6.「相手に食いついたら裏、食いつかなかったら足元に入れてアーリークロスとかで、やりにくかったですね」(車屋紳太郎)。後手を踏んだ後半の左サイドと、課題の残ったクロス問題。勝ったからこそ克服していきたい守備対応。

以上、6つのポイントです。冒頭の長いくだりも入れると、書きたいことがありすぎて、全部で10000文字になりました。1000文字じゃないよ?10000文字だよ・笑。

今回は特盛りつゆだくですから、ぜひ読んでみてくださいね。

鹿島に的を絞らせなかった中盤のボール回しと、流動的な崩しを見せ続けた攻撃陣。そして等々力のピッチにみなぎってた選手たちの強気。(リーグ第22節・鹿島アントラーズ戦:3-1)

ではでは。





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