どうも、いしかわごうです。
仕事柄、本はかなりたくさん読みますし、献本もよくしてもらうんですけど、全部紹介していたらキリがないので、最近は面白かった本だけ取り上げるようにしています。
最近読んで面白かったサッカー本は、こちら。
編集者の津野さん、献本ありがとうございます。
著者・西部さんは、僕が尊敬している書き手の先輩です。
なぜかというと、いろいろあるんですけど、一番は「わかりやすく伝えてくれる」からですね。小難しそうな戦術話もわかりやすく伝えてくれますし、初心者に向けたこういうサッカーの話であっても、こねくり回すことなくシンプルに伝えてくれます。わかりやすく書けるというのは、僕にとっては、すごく偉大なんですよ。
さて。
どのジャンルでも「初心者向けの本」というのは、一定の需要があると思います。多くの本は「懇切丁寧に」をモットーとしているし、初心者向けとしてはそれである程度は正しいと思うんですよ。ある程度は、ね。
でも、懇切丁寧であるこは最初の理解には役立っても、その次のステップで大事なのは、結局、「自分」なんですよ。
例えば、「馬を水辺に連れていけても、水を飲ませることはできない」ということわざがありますよね。
西部さんのこの本をなぜオススメするのかというと、このことわざでいえば、「でも、自分で水を飲まないと楽しめないよ?」と、はっきりと伝えているからなんです。
例えば本書の最初の質問は「サッカーは点が入らないのに、どこが面白いのか?」というものです。
それに対して、西部さんは「ゴールシーンだけしか楽しめない人はサッカー観戦に向いていないです」と、あっさりとぶった切ります・笑。
ある意味、初心者に対して冷たいといえば冷たいのかもしれませんけど、実際、サッカーはなかなか点が入らないゲームですから。西部さんは、ここをごまかしません。
そして、この事実を、どう捉えるかで道がサッカーファンか否かで、分かれていくわけです。
サッカーが好きになれなかった人は「なかなか点が入らないから・・・つまらない」でしょうし、逆にサッカーが好きな人は「なかなか点が入らないから・・・面白い!」になったわけです。
つまり、両者の間には、ものすごーーーく大きな河が流れているわけで、サッカーが好きになれるかどうかは、この思想に馴染めるかどうかなんですよね。だから西部さんは、「ここを飛び越える必要がありますよ?」とハッキリと伝えるわけです。そして「たくさんゴールするのが見たいのなら、バスケットボール観戦をどうぞ」とまで言っています。
もちろん、なかなかゴールが入らないから面白いかについての西部さんなりの解説もあります。「ゴールシーンは、サスペンスドラマで例えると、犯人逮捕のクライマックスシーンだということ。時間から逮捕までの過程を楽しむということ」だと表現されていますが、こういう解説や例えがとてもわかりやすい本でもあります。
んベースは初心者向けにわかりやすく解説してるんですけど、たまに適度に突き放す感じが良いですね。
こういう回答とかね・笑。 pic.twitter.com/nxiGv2VGXs
— いしかわごう (@ishikawago) February 11, 2017
なお表紙&挿絵イラストは高田桂先生。僕は高田先生のイラストが好きで、去年出した電子書籍の表紙をお願いしました。
最近はサポーター漫画「サポルト」も人気ですね。オススメ度は高いです。
ではでは。