ワンポイント書評:戸塚啓さんの「惨敗の理由」〜「いまは違う。ザッケローニにパワープレーを選ばせた選手こそが、批判を受け入れるべきだと考える。」



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 どうも、いしかわごうです。
 
 アジアカップ2015が開幕しました。日本代表は12日から初戦・パレスチア戦ですね。小林悠選手に出番と活躍を期待して見たいと思います。

 最近読んだサッカー本。

 「惨敗の理由」
スポーツライター・戸塚啓さんによるブラジルワールドカップにおける日本代表の総括本です。年末に出たばかりです。

 ザックジャパンの総括本といえば、矢野大輔さんの「通訳日記」が売れていますね。

 「通訳日記」は、ザックジャパンの舞台裏のエピソードを明かしている本です。そのため、この本では「なぜ?」という敗因の分析などは記述していません。むしろ推理する材料をたくさん提示してくれている資料的な内容と言ってもよいかもしれません。

 「なぜ日本代表はブラジルで自分たちのサッカーができなかったのか」

 「惨敗の理由」は、そのタイトル通り、原因を読み解いている本です。仕事柄、ブラジルW杯での日本代表の総括本はたくさん目を通しましたが、この本はかなり読み応えがあって面白かったですね。

 なにせ、大会後にイタリアにいるザッケローニ監督の独占ロングインタビューを行っていますから。コンディションを含めて準備、3試合の先発選考、パワープレーを敢行した采配の意図、そして日本代表に足りなかったもの・・・彼の言葉で紡がれた振り返りは、強烈でした。そしてブラジルで日本代表と対戦した3カ国の選手からの証言も集めており、ブラジルのピッチで展開されたサッカーに感じた違和感を、いろいろな角度から検証しています。

ザックのインタビューの内容から感じたのは、ドイツW杯で指揮を執ったジーコの哲学と似ているなぁ、というところ。2人とも日本人を信頼し過ぎてしまっていた部分はあったと思います。実際、この本の中で、ザックは「勇気を持ってプレーできなかった」というメンタル面の準備不足を敗因にあげています。ワールドカップというプレッシャーが、なぜ日本人からあれほどまでに勇気を奪ってしまったのか。彼は最後までそれを理解できていなかったようでした。ジーコも大会後に「日本人はフィジカルが足りない」と総括して批判されてましたが、なんだかそう言わざるを得なかったんだろうな、と今になってわかる部分もあります。

 エピローグで戸塚さんはこうつづっています。
 
 ザッケローニがパワープレーを仕掛けたことについて、選手は被害者という立場で擁護された。指揮官自ら「自分たちのサッカー」を放棄したという批判が蔓延した。僕自身もそう考えたひとりだった。
 いまは違う。ザッケローニにパワープレーを選ばせた選手こそが、批判を受け入れるべきだと考える。ピッチ上で解決策を見出だせなかったのは、誰でもない選手だからだ。
 相手の勢いを真正面から受けるアウェイゲームでも、たったひとつのミスが試合の流れを悪化させかねない敵地でも、重圧に負けない「揺るぎない覚悟」を示す。ミスを恐れずに、自分の強みを表現する。挑戦することを諦めない。
 ザッケローニが「アウェイでテストマッチをするべきだ」としつこいぐらいに繰り返したのは、そうした経験の集積が日本代表というチームを変えていくからだ。生まれながらに備わっている才能や、練習で磨き上げた技術や連携をゲームで発揮できない歯がゆさから、早く抜け出してほしいというのが彼の希望なのだ。

 日本代表が惨敗した理由に向き合っている一冊。興味ある方は読んでみると良いかもしれません。

こちらはジーコジャパンの敗因に迫った本。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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