どうも、いしかわごうです。
いまさらですが、すごい試合でしたね。天皇杯4回戦レッズ戦。
120分を戦い抜いて3-3。最後はPK戦を制しました。年間1位と年間2位のチームのカードにふさわしい、大熱戦だったと思います。翌日、BSで試合を観ていた母親からも「勝ってよかったね」とメールがきたくらいでした・笑。
PK戦といえば、過去に川崎フロンターレは何度も悔しい思いをしています。
記憶に新しいのは、2007年のACLの決勝トーナメントでセパハン相手に競り負けた試合でしょうか。このときは谷口博之(現・サガン鳥栖)が外して敗退となりました。
公式戦で直近のPK戦となると、2010年の高畠勉監督時代の天皇杯4回戦・モンテディオ山形戦にまで遡らなくてはいけません。ケガがちだった寺田周平さんが出場していて、奇しくも現役のラストゴールを決めた試合でもあります。
試合は延長戦で3-2とリードするも、終了直前に追いつかれて3-3でPK戦。このときも谷口博之が失敗・・・奇しくも、この時期はナビスコカップは準決勝でジュビロ磐田に逆転負けでベスト4で敗退。リーグ戦は優勝争いから脱落していたため、唯一残されていたタイトルだったこの天皇杯でもやぶれたことで、2010年も無冠が決定してしまったPK戦負けでもありました。
しかし、目標がなくなった中でもチームは意地を見せてくれて、わずか中二日での味スタでの多摩川クラシコでは井川祐輔の呼びかけもあり、選手たちが一致団結(中村憲剛は出場停止でした)。ジュニーニョのJ1リーグ通算100ゴールも決まり、見事に勝利をおさめたのを覚えています。
・・・とまぁ、フロンターレのPK戦にはまるで良い思い出がなかったのですが、今回はそんな苦い記憶を振り払う見事なPK戦でした。
なんといってもGKチョン・ソンリョン。
試合後、「PK戦になる想定はしていましたし、予習もしていました」と明かしています。浦和のキッカーは阿部勇樹、ズラタン、興梠慎三でしたが、これはルヴァンカップ決勝ガンバ大阪とのPK戦のときと同じキッカーと順番でした(なおルヴァンカップでは4人目が李忠成、5人目は遠藤航でしたから、おそらく今回も4番手、5番手は彼らだった可能性は高いです)。ソンリョンの言う「予習」は、たぶんこの映像をスカウティングしていたのではないかと思っています。
一方、フロンターレは、試合中のPKを蹴るのは大久保嘉人。それ以外のキッカーをつとめた選手のPKに関する情報や映像はなかったはずで、それはアドバンテージになっていたかもしれませんね。
とはいえ、「わかっていてもストップできないのがPK」です。やはりチョン・ソンリョンの駆け引きとセーブ技術、そして成功した4人のPK技術を褒めたいと思います。もちろん120分戦い抜いたチームも。
ちなみに中村憲剛は、プロになって一度も公式戦でPKを蹴ったことがありません。それには理由があるのですが、意外な「中村憲剛トリビア」かもしれませんね。
さて、長々と書きましたが、試合のピッチ上の分析にまつわるレビューはもっと長いです・笑。いつものように、ごうnoteで公開しています。
約1万字のレビューです➡️「それは、フロンターレというチームがそういう力を持っているということ」(チョン・ソンリョン)。諦めの悪さで3度追いつき、クラブ史上初のPK戦勝利でベスト8へ。 / 天皇杯浦和レッズ戦:3-3(PK4-1) https://t.co/UjnaJuEkTe
— いしかわごう (@ishikawago) November 14, 2016
今回のラインナップはこちらです。
1.「相手に(ボールを)出させない守備はできていた」(車屋紳太郎)、「相手にボールを回させている感覚でやれていた」(谷口彰悟)。狙い通りだった守備組織と、浦和のリズムを狂わせていた長谷川竜也の献身的なチェイシング。
2.絶対的な両ウィングバックを交代させた風間監督と、交代できなかったペトロヴィッチ監督。終盤に「違い」を生んだ両サイドの攻防とは?
3.「コウがあそこにいることで、高さも任せられるし、足元も落ち着いていた。頼もしかった」。川崎のブスケス・板倉滉の存在感をレビュー。
4.いかに強みを出して、いかに弱みを隠すか。田坂祐介と宇賀神友弥に見る、コンバートされたCBの対処術に迫る。
5「自分が入ることでそういうことができる。空中戦では負けたくないと思っていた」(板倉滉)。浦和戦前日練習で試していた「板倉シフト」とは?
6.「PK戦になる想定はしていましたし、予習もしていました」(チョン・ソンリョン)。「監督から『じゃあ5番手な』と言われて、『きたー!俺の見せ場!』と思いましたね」(谷口彰悟)。クラブ史上初のPK戦勝利にまつわる舞台裏のあれこれ。
以上、6つのポイントです。延長120分+PK戦だったので、今回のボリューム10000文字を超えてます・笑。過去最大ボリュームということもあり、好評いただいております。有料ですが、ぜひお楽しみください。
よろしくどうぞ!!ではでは。