ガンバ大阪戦レビュー:サッカーを掌で転がすように。







 どうも、いしかわごうです。
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11月3日は等々力でガンバ大阪戦を取材。木曜日に試合開催だと、翌日が金曜日で、また週末なのでなんだか変な感じがしますね。

 試合は2-3で敗戦。なんとも残念な結果となりました。
試合を振り返ったときに、フォーカスされるのは後半の立て続けの2失点だと思います。ただ試合の分岐点となったのは2-0でリードした後の、前半の残り25分だと個人的には思っています。

 まず前半のガンバ大阪は、明らかに浮き足立っていました。
トップ下・大久保嘉人が中盤でゲームメークし、執拗に背後を狙っていくワントップ・長谷川竜也。サイドハーフの三好康児とエウシーニョが流動的にプレーし、さらに中村憲剛とエドゥアルド・ネットのダブルボランチが自由にボールをさばきながら、フロンターレが繰り出す攻撃に対応できず。前半18分で、長谷川竜也と三好康児のゴールで0-2にします。

 ここで長谷川健太監督が応急処置を施します。
前半21分、トップ下の遠藤保仁をアンカーの位置に下げ、今野泰幸や井手口陽介のダブルボランチを一列前にあげます。狙いはトップ下で自由にプレーしていた大久保嘉人を遠藤保仁がケアし、バイタルを守りながら前方を気にしていた今野泰幸や井手口陽介を、エドゥアルド・ネットと中村憲剛のダブルボランチに当てるためです。

「まずはボールを落ち着かせて、自分たちのリズムに少しでも持って行こうと。前半は最低限2-0で終えて、ハーフタイムに修正できれば。(自分の判断ではなく)監督の指示で落ちました。相手のボランチの自由にさばかれていたし、(自分は)ヨシトをケアする。そこの狙いだったと思います」(遠藤保仁)。

 守備では大久保嘉人、中村憲剛、エドゥアルド・ネットという中盤の三角関係のマークキングをクリアにして牽制しながら、攻撃ではビルドアップを遠藤が後ろで動かしてテンポを変えたことで、いったんチームを落ち着かせようとします。

 もっとも、それでもフロンターレの勢いは止まりませんでした。
直後には長谷川竜也がサイドに抜け出してクロス。それにフリーだった大久保嘉人が豪快にオーバーヘッド。これが、ほんのわずかにゴールマウスを逸れてしまいます。さらに36分には、相手のパスミスをエウシーニョがパスカットしてGKと1対1。超決定機でしたが、エウソンのシュートはわずかに上に。このどちらかをフロンターレが決めていたら、さすがに試合は決まっていたはずです。

 しかし現実として、前半だけで3-0、4-0にするチャンスがあったフロンターレは仕留め損ねました。一方、遠藤がアンカーの位置でボールを動かしてリズムチェンジしたことで、瀕死だったガンバ大阪は、この前半の残り25分間を耐えて、ハーフタイムでいったんリカバーすることができました。

 フロンターレでもダブルボランチがゲームのリズムを作れないときは、トップ下の中村憲剛が中盤の底に落ちてボール回しをすることで、試合を落ち着かせる光景は珍しくありません。試合展開に応じて、サッカーを掌でクルクルと転がすようにゲームコントロールしながら進めていくベテランゲームメーカーの技・・・円熟味があって、僕、すげぇ好きなんですよ。

・・・とまぁ、ちょっと長く書きすぎました。
リーグ戦最終戦にして良かったところ、良くなかったところがハッキリ出た試合となりました。詳しくは、いつものようにごうnoteでレビューしております。

1.今季最高の前半を生み出した、高さを調整していたダブルボランチと、ハイラインの日本人4バック。中、外、中を巧みに使った攻撃リズム。

2.得点シーン解説。「ゴールキーパーを見ないで、ボールだけを見ていました」。新人・長谷川竜也がゴール頭上を狙って蹴り込んだワケ。そして、剥がして、仕留めるレフティー・三好康児の躍動。

3.「前半は最低限2-0で終えて、ハーフタイムに修正できれば」(遠藤保仁)。0-2で良かった前半のG大阪と、3-0にしたかった前半の川崎F。ターニングポイントだった、前半の残り25分間をめぐる攻防とは?

4.狙われ続けた右サイド。「自分が倉田に食いついて、その裏を藤春に狙われた。あそこのスライドを、エウソンとうまくできていれば防げたシーンだった」。田坂祐介が悔やむ、1失点目の守備対応。

5.失点時に何が起こっていたのか。そしてあの時間帯をどうやって時計の針を進めていくべきだったのか。

6.最後に。

以上、6つのポイントで約7500文字です。リーグ最終戦のレビューです。1シーズン、noteを読んでくれた方々、どうもありがとうございました(ただ天皇杯&CSもあります!)。

0-2で良かった前半のG大阪と、3-0にしたかった前半の川崎F。ターニングポイントだった、前半の残り25分間をめぐる攻防とは?(リーグ2nd第17節・ガンバ大阪戦:2-3)

本来ならば、リーグラストゲーム後は、来年に向けてチームの戦いになっていきます。しかし幸いにも、この反省をいかす場がまだ残されています。それを前向きに捉えて、この11月を過ごしてもらいましょう。

ではでは。





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