天皇杯千葉戦レビュー:「失点ゼロにこだわっていたので、それができて初めてスタートだと思っています」。久しぶりの奈良語録。







 どうも、いしかわごうです。

木曜日は等々力競技場で天皇杯3回戦ジェフ千葉戦を取材。

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 試合は延長戦までもつれましたが、結果的に4-1で勝利。

 リーグ戦を二日後に控えたカップ戦ということもあり、普段、先発で出る機会に恵まれてない選手が多くピッチでプレーしました。

 リーグ戦出場停止となる二人はともかく、長期離脱のケガから復帰したばかりの奈良竜樹選手や小宮山尊信選手、復帰して間もない森本貴幸選手。リオオリンピックを終えて帰国後、フロンターレでは出場がなかった原川力選手を筆頭に、長谷川竜也選手、板倉滉選手など久しぶりの先発という選手も少なくありません。

 それぞれの選手が、この試合に向けては「チームの勝利」+「自分の中でのテーマ」を持って臨んだはずです。

 その中でとりわけ目を引いたパフォーマンスを見せてくれたのが、奈良竜樹選手と板倉滉選手のセンターバックコンビです。詳しくはレビューに書きましたが、特に奈良選手は、怪我を乗り越えて、4ヶ月ぶりの実戦復帰となりました。

 彼が最後尾にいることでチームの何が変わるのかというと、やはりラインコントロールですね。この試合でも相棒の板倉に指示を出しながら、こまめな上下動で守備陣をうまく先導していました。

 そしてもうひとつは、危機察知能力。
ピンチのときに泥臭く体を張れます。例えば1-0でリードしていた前半41分、原川力選手の軽率とも言えるバックパスが、千葉のFW船山貴之選手への大決定機になるピンチを招く場面がありました。GK新井章太選手が冷静にビッグセーブして防いだのですが、このときの駆け引きではカバーに入った奈良選手の存在が大きかったことを新井選手は証言します。

「去年(船山貴之とは)やっていたので、我慢していれば、そしてボールに食らい付けば止められるかなと。あと奈良が遅らせてくれた。あそこで簡単にフリーでいかれたら難しかった」(新井章太)

 思わぬ形で抜け出した船山に対して、逆サイドから素早くカバーに入った奈良選手がしっかりとシュートコースを限定し、さらに体を張ったことで新井のビッグセーブをうまく助けていたというわけです。後半にカウンターを浴びた場面でも、終始落ち着いて対処していました。

 ただ試合後の本人の表情は決して明るくありませんでした。この試合におけるテーマは失点ゼロで試合を終えることだったからです。

「今日は失点ゼロにこだわって、試合に臨んでいました。最近は、チームの失点が続いていて、その流れを断ち切りたい思いもありました。その中で失点をしてしまった。失点で試合を難しくしたのもそうですけど、チームの流れを考えても悔しいという思いがある。失点ゼロにこだわっていたので、それができて初めてスタートだと思っています」

 勝つだけじゃなくて、無失点勝利で終えて初めてスタート地点に立てる・・・・試合後の奈良語録も聞けて、うれしく思います。

帰ってきた奈良竜樹と本番に強いタイプ・板倉滉。高い安定感に驚かされた、ザゲイロコンビのプレーぶりを読み解く。/ 天皇杯3回戦:ジェフ千葉戦:4-1

レビューのラインアップはこちらです。

1.なぜ追加点が奪えなかったのか。アタッキングサードでの決定打を欠いた前半の攻撃力。その原因は?

2.帰ってきた奈良竜樹と本番に強いタイプ・板倉滉。高い安定感に驚かされたザゲイロコンビのプレーぶりを読み解く。

3.これぞミヨッシ。「FWとボランチの間で顔を出せば、ボールが回りやすくなると思っていたので、そこは意識していました」(三好康児)。試合の流れを変えた、三好が披露した推進力。

4.「つなぎを意識していたし、ミドルレンジのパスをずっと練習していたので、それを試合で出せてよかった」。決勝弾の起点になったGK新井章太の、ビルドアップのこだわりとは?

 今回は4つのポイントで約6000文字です。映像で視聴できない試合でしたから、このレビューで試合を反芻してもらえると幸いです。


よろしくどうぞ。

ではでは。明日はもうリーグ戦。横浜F・マリノス戦です。チケットは既に完売。





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