どうも、いしかわごうです。
昨日と今日は、麻生取材に。
天皇杯・ガンバ大阪戦は日曜日開催。丸々一週間空いているということもあってチームはいろいろな形と顔ぶれを試していました。中でも気になったのは中野嘉大。2トップ、ウィング、トップ下と複数のポジションでプレーしてました。
これまでは左ウィングの役割が多く、サイドからドリブルで中に切れ込んでいく仕事が中心でした。前回のリーグ戦ガンバ大阪戦で見せた大久保嘉人の先制弾のアシスト、自身の初ゴールなどがまさにその形でした。
ただ、彼が一番脅威を与えられるプレーは、中央で前を向いてゴールに向かっていく場面です。前節の浦和戦の後半にも、自陣からドリブルで中央から突き進み、ゴール前まで持ち込んだ場面がありました。惜しくも、ベテラン・阿部勇樹のタックルに阻まれてしまいましたが、もし決まっていれば、相当な衝撃を与えるゴールになっていたはずです。
<1分45秒ぐらいからの場面です>
あのドリブルからシュートまでの場面、阿部勇樹選手とはどんな駆け引きがあったのかをあらためて聞いてみました。
まず、左側を並走していた中村憲剛選手にパスを出す選択肢があったのかどうか。
「2対1の状態になっていたら、出すつもりでした。自分の真正面に(阿部勇樹選手に)入られていたら、ケンゴさんにパスを出してましたね」
自分のところに阿部選手を引きつけることができたら、憲剛選手を使う考えはあった。ただ阿部選手の対応は、中野選手の正面の(ドリブルの)コースに飛び込むのではなく、あくまで憲剛選手をケアしつつのディフェンスでした。一方の中野選手は、その対応を視野にいれて、今度は一気にドリブルで加速してゴールに向かおうとします。
「あとワンタッチしたら(阿部選手が)来ると思ったし、自分としては、来てるかわせる自信があったんです。振り切れると思ったし、そこで打つつもりだった。でも思ったより詰まってしまって、対応されてしまった」
どうやら、ここに誤算があったみたいですね。
あの距離は、中野選手からしたら、たとえあの瞬間に阿部選手につめられてもドリブルで振り切れるはずの間合いだったということです。しかし阿部選手のアプローチが予想以上に鋭く、追いつかれてしまったこと、さらに振り切ろうして逃げたエリアが窮屈だったことで詰まってしまったようです。
「あのときは、僕の方が先にいけると思っていたし、ゴールキーパーも倒して、もっと完璧なゴールにしようと思っていて・・・得意な場面だったので、欲を出しすぎましたね」
さらに、阿部選手を振り切って、ゴールキーパーの西川周作選手もドリブルでかわして決めるイメージまで描いていた場面だったとのことでした。なるほど。当たり前ですけど、実際に当事者の話を聞いてみると、そんな狙いを考えていたんですね。
ちなみに彼は大学時代に天皇杯で柏レイソル相手に鮮やかなドリブルゴールを決めています。胸トラップからのコントロールで1人外し、相手3人が構える中をスルスルと突破してゴール。浦和戦のこの場面は、このときのゴールのイメージが頭にあったとも言ってました。
(以前にこの得点を聞いたとき、「トラップしようと胸で落として、取られない位置にボールを置きました。前を向いたときに行けると思ったんです。パスを出すつもりだったけど、相手がレイソルだったので、自分を出そうと思ってそのまま行きました。プロの人たちが気を抜いていたと思います。まぐれっす・笑」とのことでした。ただレイソル戦のこのゴールがプロを目指す上の自信になったそうです)。
週末のガンバ大阪戦、再び中野嘉大のヌルヌルドリブルが炸裂するのか。注目したいと思います。
ではでは。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。