どうも、いしかわごうです。
今日の練習後、大久保嘉人の取材をしていたら、とあるきっかけで自分の若手時代の経験談を話してくれました。
それは、練習や試合のときに先輩から言われていた言葉や要求についてです。例えば、現在の彼は大島僚太に「前を向け。パスを出せ」、「早く自分にボールをつけろ」などの厳しい要求をしています。ときには、試合後のミックスゾーンで「パスを出せないなら、試合に出るなよ」ぐらいの言葉を記者に漏らすほどです。
ただ、それも自身の経験から必要だと思っているからこそだと話していました。
「俺はリョウタ(大島僚太)以上に言われていたからね。まわりは韓国代表と日本代表ばっかりで、ボロクソやったよ。韓国代表が3人で・・・ノ・ジュユンさん、ユン・ジョンファンさん、キム・ドフンさん。日本代表は、ニシさん(西澤明訓)、モリシさん(森島寛晃)。すごいメンバーがいたから。めちゃくちゃに言われまくったから。今は俺が言ってるけど、全然だよ。あんなのはやさしいよ」
おそらく彼がセレッソ大阪に入団した2001年頃の話だと思います。韓国代表と日本代表選手がいた環境の中で、高卒新人の大久保嘉人は、かなり厳しい指摘と要求を受け続けながらプレーしていたそうです。
「ノさんとユンさんはやばかったよ。試合中に胸ぐらを掴まれたこともあるもん。そのぐらいヤバかった。一個、一個を言われるから、『もう、いいって・・・』って思ったもん。練習にも行きたくないと思ったから。 『そこも言われるの?』と言われるぐらい言われたから。例えば「アウトサイドで蹴ったら、『何でアウトサイドを使っているんだ!インサイドでやれよ!』、『・・・はい』。それからあんまりアウトサイドを使わなくなったもん」
指摘は、技術面だけではなく「顔を上げろ」、「スピードを上げるな」といった側面についても、厳しく言われたそうです。「スピードを上げるな」というのは、ちょっと意外な気がします。速ければ速いほどよさそうですが、そうではないそうで、「全部をトップスピードでやると、まわりが見えなくなるんよ。歩きながらでもプレーはできるから」と言いながら、しみじみとこう振り返ってました。
「めちゃくちゃに言われまくったけど、今思うと、ありがたいよ。そうじゃないと自分で気づかないもん。大事だから、わかって欲しいね」
大久保嘉人が大島僚太に厳しく要求し続けているのは、彼ができるからなのでしょう。そう思うと、なんだか大久保嘉人の”やさしさ”を感じた取材でした。
ではでは。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。