どうも、いしかわごうです。
日本代表対イラク代表戦は4-0で完勝。
そして谷口彰悟が日本代表デビューを果たしました。
後半残り約15分から、ボランチのポジションでの出場でした。プレーをじっくり観察しましたが、それほど見せ場はなかったですねぇ。「相変わらずイケメンだな・・・」以外の感想はないです。まぁ、この試合に限れば、代表のピッチに立ったことが何よりの収穫ですから。
さて。
試合に関していえば、内容が良かったのは間違いないと思います。チームとして目指している「縦に速いサッカー」がよく表現できていると思います。
ただ勘違いしてはいけないのは、これが目指すサッカーの完成形ではないということ。やたらと評価の高いこの「縦に速いサッカー」ですが、これはハリルホジッチ監督の中で、3年後を見据えたチーム作りのプロセスにおいて、初期段階に植え付けておくべき要素なのだと思います。いわば、チームはまだファーストステップの段階です。
加えて、過剰な評価を避けたい理由として、対戦相手の問題があります。ハリルホジッチ監督が就任して対戦した3試合、全て親善試合だから仕方がないですが、対戦相手はこちらのサッカーに対して、全くと言って良いほど事前の対策を練ってきていません。だから、こちらがトレーニングで植え付けてきた狙いである「攻撃のスイッチを入れる縦パス」にも、ほぼ無警戒です。そんな相手だったら、選手達がトライした縦パスも面白いように入っておかしくありません。しかも、前半のイラクの最終ラインの守りはなかなか酷かったですからね。日本の縦パスに食い付くとき、それで空いたスペースを他の誰もカバーしないもんだから、ギャップが簡単にできていました。
あとは新善試合だと交代枠が6人〜7人なので、日本代表の前線の運動量が落ちて、攻撃がやや停滞したら、前線の3枚替えをして、再びネジをしめ直して、縦に速いサッカーを展開しました。公式戦で11人+交代枠3人だと、また選手の中での試合運びやペース配分も変わって来ると思います。そういう条件を踏まえて、「縦に速いサッカーが出来ている」という過剰評価は、逆に危険な気もしています。
なので、個人的に注目したいのは、チームとして次の段階に入ったときですね。今は対戦相手が無対策なので、縦パスもズバズバと入りますが、試合を重ねるにつれて、ハリルの縦に速いサッカーも研究され始めると思います。具体的に言えば、縦パスで攻撃のスイッチが入るならば、その縦パスを入る瞬間を相手に狙われる守りをされたり、縦パスが入るコース自体を巧妙に消されるような守り方をしてくる相手も出て来て、縦に速いサッカーが簡単には出来なくなるはずです。その問題が起きたときに、チームとしてどういう改善策を準備しているのか。選手達がどう判断するのか。そこを観察したいですね。
ちなみにこういう現象は、フロンターレでもありました。例えば、去年の大島僚太は、縦パスで攻撃のスイッチを入れ続けてきたことで、今度はその縦パスの狙いを対戦相手に読まれる場面が増えてきました。そこで彼は、風間監督からのアドバイスで、あえて横パスをたくさん入れるようにしたそうです。具体的には、大久保嘉人に通す縦パスを入れる前にキックフェイントを入れると、相手守備陣が中を締める動きをするので、そこで横にパスを出す。遠回りである横パスをフェイントとして繰り出すことで、勝負の縦パスがより効果的に通るようになっていったわけです。
傍目には縦パスの回数が減るので、以前よりも消極的なサッカーになったと見えるかもしれませんが、そういう駆け引きを知っておくと、「なんで横パス、バックパスばっかりしてるんだよ!」ではなく、「勝負の縦パスを入れる為に探っているのだな」と楽しめるようになったりします。
なので、次の段階に進むハリルジャパンを早く見せて欲しいと思います。来週のシンガポール代表戦はワールドカップ二次予選ですし、相手も本気です。チームがどういう顔を見せるか、楽しみです。
ではでは。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。