どうも、いしかわごうです。
最近、ブログの記事タイトルがわりと長めになってます。僕が中学生のとき、「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」、「愛を語るより口づけをかわそう」、「別れましょう私から 消えましょうあなたから」とか、やたらと長いタイトルのJ-POPが流行ったんですけど、なんかそれを思い出しますね。
さて・・・記事タイトルを語るより、試合を語りましょう。
昨日の第7節ヴァンフォーレ甲府戦は3-0で勝利。今季リーグ戦初の無失点で快勝しました。
円陣を組んでからキックオフに散らばった甲府イレブンの配置を見ると、最終ラインに5枚が並んでいました。その前にボランチが3枚。そしてトップを2枚残す[5-3-2]システムでした。そしてフロンターレのキックオフで始まると、ほぼ自陣に張り付きます。
前から奪いに行くか。後ろで構えるか。
甲府はかなり極端な形で後ろに構えてきました。その守り方に対して、フロンターレも3ボランチの両脇を起点に崩そうとしたり、ミドルを放ったり、サイドに揺さぶったりしますが、前半は相手もフレッシュですから横の揺さぶりに対するスライドも早かったですね。崩すのに手こずったというよりも、あれだけペナルティエリア付近で人数を割かれて全力で守られたら、そんなに簡単には崩せません。
転機になったのが、システム変更です。
前半20分台に西部洋平の負傷でインターバルがあった時間帯に、風間監督がシステム変更をしました。[4-4-2]から森谷賢太郎をトップ下に配置した[4-3-3]or[4-2-3-1]のような布陣に。そしてこれが攻撃にアクセントが生みます。
先制点の場面を見ると、中央から裏に抜けようとナナメにランニングしてボールを引き出す森谷賢太郎に、甲府の最終ラインのセンターである津田琢磨が、サイドに流れてピッタリとついていきました。これによって相手の最終ラインを敵陣の深い位置までいったん下げさせて、右サイドで攻撃のポイントを作ることに成功。いわゆる”深み”が出来ました。となれば、あとはボックス内の崩しです。中村憲剛からのパスを受けた小林悠が倒されたのはノーファルでしたが、再び中村憲剛から大久保嘉人に。難なく決めて先制。
よく巻き戻して分析すると、この先制点の場面は効果的なランニングで相手の最終ラインを引きつけて、うまく深みを作り出した森谷賢太郎から始まっているとわかります。こういうランニングで味方のために汗をかけるのが、彼の良さでもあります。
試合はこれで動くのかと思いきや、甲府はそれでもあまり攻撃には出てきません。その姿勢は、後半が始まっても変わりませんでした。監督会見から察するに、樋口監督は後半15分(60分)までは0-1のままで我慢するゲームプランで、そこからギアチェンジして勝負をかける狙いがあったようです。
しかし樋口監督のこのプランは、皮肉にもフロンターレ側のアクシデントによって打ち砕かれることに。55分、森谷賢太郎が腰か脇腹のあたりを痛めたようで、船山貴之と交代。そしてこの船山の投入がフロンターレにまた違うアクセント生みました。
それは守備です。大島僚太が、船山が入ったことで守備面では「どんどん、もっと行こうというスイッチになった」と話していましたが、船山は攻守が切り替わった瞬間、前線から果敢にフォアチェックにいくことで相手の攻撃を遅らせる仕事をします。献身的な守備ができる選手です。
59分には右サイドで船山が相手を二度追い、3度追いしたことで、甲府の選手のパスミスを誘発。それをパスカットしたのは大島僚太。鮮やか過ぎる切り返しで山本英臣をかわして、大久保嘉人→中村憲剛→レナトの奇麗な連係で追加点。崩しばかりに目がいく得点でしたが、船山の見せた守備のハードワークが呼び込んだ追加点だったと思います。
あと恐ろしいのが、あの2点目の崩しで、山本英臣を抜き去ったときに見せた大島僚太のボールタッチですね。本人は「ワンタッチでヨシトさん(大久保嘉人)に出そうと思ったけど、少しタイミングが合わなかったので・・・」と言ってましたが、あの技術、かなりハイレベルですよ・・・なんて恐ろしい子。笑顔はキュートなのに。
さて試合は、ロスタイムにカウンターに抜け出したレナトが、相手を鮮やかにかわして右足で3点目。あの場面、サクッと抜かれた甲府のDFは津田琢磨でしたが、レナト相手に一番飛び込んだらいけないの間合いでボールを取りにいってました・・・そら、やられますよ。
最下位相手に3−0で勝ち切りました。
試合後、今季リーグ戦初のクリーンシートを達成した西部洋平に勝因をきくと、「じれなかったこと」を挙げていました。「これまではあの展開でじれてしまい、後ろがバランスを崩してカウンターを喰らってやられていた。今日はカウンターに対してもみんなで落ち着いて対応できていた」と。
では、じれずに試合運びができるようになったのは、なぜなのか。
5試合負けていないという”結果”からきているものなのかどうかと聞いてみると、彼は「今までの結果というよりは、意識の問題だと思います。今は無理に突っ込んだりせず、じれないでやることができていたし、良い意味で、スローなテンポで相手を動かしながら攻めることができている」と、あくまで選手の意識が変わって来ていると話してました。なるほど。
この日はJ1ホーム100勝達成、大久保嘉人が三浦知良のJ1通算得点に並ぶ139得点目とメモリアルなゲームでもありました。
写真はヒーローインタビューを終えて、仲良くサポーターに挨拶に向かう大黒柱の13番と14番のコンビ。良い背中ですねぇ。ベテランと言われてますが、まだまだ歴史を積み上げていって欲しいと思います。
ちなみに、なぜ中村憲剛は後ろに目がついているかのようにプレーできるのか・・・その理由がこの本には書いてますよ。
ではでは。
次はすぐに柏レイソル戦。ネルシーニョが率いていた昨年とは違い、ボールポゼッションを掲げるスタイルに変貌していますから、楽しみな相手ですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。