どうも、いしかわごうです。
明日はリーグ甲府戦ですが、ナビスコカップ第4戦ヴィッセル神戸戦の振り返りを・・・0-0でした。終わってみれば、ナビスコカップはこれで2試合連続無失点です。
試合自体は、前半勝負の神戸と、後半勝負のフロンターレという構図だったと思います。
たまにはデータ的な話をすると、フロンターレのシュート数は前半2本、後半10本。一方、神戸が放ったシュート数は前半10本、後半3本。本数的にはあまり変わりませんが、枠内決定機に限ればフロンターレはほとんどなかったと思います。逆に神戸の枠内決定機は3〜4本あったはずです。「やられてもおかしくない試合だった。洋平さんのおかげ」とは武岡優斗の言葉。2点差、3点差がついてもおかしくなかった試合を、西部洋平の奮闘でなんとか無失点でしのいで勝ち点1を持ち帰りました。
神戸は主力数人をベンチに温存していたフロンターレとは違い、ほぼベストメンバーを組んで来ました。ゲームプランとしで前線に人数を割いて圧力をかけていく狙いは明確で、前線の4人がまるで4トップのように横一列のラインを作ってフロンターレのビルドアップに網をかけてくる局面もありました。最終ラインの3人+ダブルボランチ+ウィングバックのどちらかが加わってはがそうとするも、思うようにかいくぐれません。
後ろでいい形で持てないと、前線の杉本健勇と船山貴之の2トップ、そしてトップ下・三好康児にもなかなか良い形でボールが入らず、ゴール前のチャンスが作れません。逆に、中盤でのボールロストや低い位置でひっかけられてショートカウンターを浴び、あわやの場面が連続。本当によく無失点で済んだものです。
この日のダブルボランチは大島僚太と橋本晃司の組み合わせでしたが、ちょっとお互いに距離が近過ぎたかもしれません。
このチームのパスワークの生命線に選手同士の適切な距離感があります。このサッカーにおける距離感は難しいもので、お互いに離れすぎると距離が分断されてしまいスムーズにいきませんが、だからといって2人の距離が近すぎれば良いというわけでもありません。ボランチ同士が近過ぎると、今度はプレスをかけてくる相手の網に捕まりやすくなってしまう側面があるからです。適切な距離感を心がけるのが大事・・・恋愛と同じかもしれませんね。いや、知らないですけど。
そのへんを大島僚太に聞きましたが(恋愛のことじゃないですよ)、「なるべく近い距離は心がけてましたが、そこを意識し過ぎた部分はあったかもしれないですね」と言っていました。このサッカーにおける選手同士の適度な距離感というのは、何メートルと数値で設定できるものではなくて、状況に応じて選手同士の感覚と判断で調整していかなくてはいけません。このへんはできるだけ長い間一緒にピッチに立って、お互いを理解していくしかないんですかねぇ。夫婦と同じかもしれません。いや、知らないですけど。
パスワークで思うように相手のプレスをうまくいなせないときの打開策となるのが、ドリブルでの持ち運びです。ただこの日は、エウシーニョやレナトといったドリブラーがベンチでした。そこで奮闘していたのが3バックの一角・武岡優斗。ドリブルでスルスルと運んでビルドアップにうまくアクセントをつけてました。聞くと、前線が渋滞していてパスを出すところがあまりなかったので、意識的にやっていたと話していました。パスワーク主体だからこそ、こういう違いを生み出せる判断を下せる選手は評価したいところです。
前半の狙いがうまくハマった神戸ですが、その代償として案の定、後半になると前線の運動量が落ちてきます。一方のフロンターレは、後半に温存していたエウシーニョ、中村憲剛、レナトを投入。これで徐々にリズムを掴み、形勢を引っくりかえせるかと思いきや、そこはネルシーニョ采配。すかさず奥井諒を入れて、中村憲剛のマンマークを命じます。マンマークする際に、韓国では「トイレの中までついていけ」と指示されるらしいですが、なんかそんな感じのマンマークでした。この采配には中村憲剛も「あっという間に塞いで来た。もうちょっとやらせて欲しかったですね」と苦笑いしてましたが、本当にイヤらしいです。あくまでフロンターレの持ち味を消すことにこだわる手堅さは徹底してますね。
なんにせよ、これで公式戦5試合負けなし。4月に入ってから負けなしですから、このまま乗り切りたいところです。甲府戦の見どころは明日更新(予定)で。
<お知らせ>
サッカーマガジンZONEの6月号、本日発売です。
谷口彰悟のロングインタビュー、漫画「フットボールネーション」の作者・大武ユキ先生に関する特集を執筆しています。フットボールネーション記事は、この漫画の愛読者である中村憲剛&武岡優斗の両選手コメント付きですよ。よろしくどうぞ。
ではでは。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。