どうも、いしかわごうです。
いよいよ12日に、企画&構成で協力した中村憲剛選手の新刊「サッカー脳を育む」が発売になります。
副題は「読んで身につける俯瞰的な視野でプレーする習慣の作り方」
「たぶん悠とかには、『ケンゴさん、また本を出すんですかー?』と言われるんだろうなぁ」と本人も笑ってましたが、確かに憲剛選手の書籍は、すでに何冊も出ています。
では、この「サッカー脳を育む」が、過去の書籍とどう違うのか。それは、「この本に自分の持っているものを全て伝えたつもりです」という言葉からもわかるように、中村憲剛というフットボーラーが、これまで蓄積し続けきたサッカー哲学と、試行錯誤して身につけて来たスタイルを凝縮した内容の一冊になっていることです。
目次を紹介すると、こんな感じです。
第1章:サッカーがうまくなる為の心構え。
第2章:ボール技術を高める考え方
第3章:ゲームメイクの思考法
第4章:俯瞰的視野を身につけるステップ
第5章:メンタルコントロール術
第6章:オフ・ザ・ピッチの心得
まず第1章と第2章で、サッカーに取り組むときのスタンス、頭で考えてプレーする習慣を身につけること、足元の技術を徹底的に磨き続けることなど、根本のサッカー観について語っています。「ボール技術を高める考え方」では、トラップだけでも、無駄を削ぎ落すトラップの仕方や、相手にぶつからない時間の作り方、自分の間合いの作り方などなど、かなりレベルの高いところまで触れてます。
第3章と第4章では、試合中に、どんなことを考えてプレーしているのか。あるいは、あの視野の広さは、どこを観てどんな眼の使い方をしているのか。頭の中にある世界を詳細に語っています。
例えば、第3章の「ゲームメイクの思考法」では、ビルドアップやラストパスを出す際には、相手チームとどんな駆け引きをしているのか。そこの手順も言語化して、かなり噛み砕いて語っています。この「ゲームメイクの思考法」だけで18項目あります。その5番目の「ゴール前は陣取り合戦のイメージ」という項目の触りを紹介すると、こんな感じです。
ゴール前の空いているスペースを感じ取ること。裏のスペースを見つけたら、そこに味方に走らせてボールを渡せば1点になると思って、常に探す。それは先ほど説明した通りだ。
でもスペースがないときはどうすればいいのか。そのときは、どうやったらディフェンスラインの背後にあるスペースを取れるか。あるいは、ゴール前のバイタルエリアを攻略できるか。それをゴールから逆算して考えている。そこは陣取り合戦のイメージだ。
例えば、味方のFWにクサビのボールに敵のセンターバックが食いついてくれば、その背後は空くから、そのスペースに味方を走らせればいい。ただセンターバックを食いつかせるパスを出しても、自分がパスを出せる体勢になかったり、それを感じてくれないと味方も走ってくれない。お互いのイメージを共有しておくことも必要だ。
陣取り合戦をするのはゴール前だけではない。
例えば相手の誰かが中盤の自分のところにボールを取りに来たシチュエーションを考えてみよう。
・・・と、いう具合で。
この「味方のFWにクサビのボールに敵のセンターバックが食いついてくれば、その背後は空くから、そのスペースに味方を走らせればいい」という思考は、昨日のブログで触れたマリノス戦での中澤佑二をどう動かして攻略したか、という場面を思い出してもらえるとわかりやすいかもしれません。こういう感じで、試合中のケンゴの思考回路を明かしてくれています。
第4章の「俯瞰的視野を身につけるステップ」では、ピッチを俯瞰していると言われている中村憲剛が、試合中にどのエリアを観て、どんな眼の使い方をして情報を集めているのか。そこに迫っています。
正直、この「俯瞰的視野を身につけるステップ」は、立ち読みされないよう、袋とじにしたいぐらいです・笑。中村憲剛のようにプレーしたいサッカー少年や、中村憲剛のような選手を育てたい指導者には必見だと思います。なにより読めば間違いなく観戦力やサッカー偏差値が上がると思います・笑。
終盤の第5章や第6章では、日々の過ごし方、試合に向けた準備の仕方(ルーティーン)、試合中のメンタルコントロール、ケガとの向き合い方、モチベーションの上げ方、お金に関する考え方など、ピッチ外のスタイルも幅広く語っています。みなさんの仕事の参考にもなるかと思います。
とにかく中村憲剛というフットボーラーのスタイルが、いかにして作られて来たのか。その変遷を詳細に語ってくれている一冊です。
カルピスでいえば「原液」ですからものすごく濃いですが・笑、ちゃんと読みやすい本になっているので安心してください。
中村憲剛が「自分の持っているものを全て伝えたつもりです」と語った新刊「サッカー脳を育む」。どうぞ、よろしくお願いします!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。