武岡優斗が、あそこでパスを選択した理由。



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 どうも、いしかわごうです。
今日も横浜F・マリノス戦の試合のことを少しだけ。

 開幕戦を迎えるにあたっての、個人的なちょっとした驚きを言うと、3バックの一角に武岡優斗を加えた[3-4-3]システムにしてきたことでした。去年の終盤にも武岡優斗を3バックの一角で先発させましたが、今年は開幕前の週までは[4-4-2]システムを中心にやっていましたからね。言うなれば、まさかの「そこにタケ」(「そこにタニ」風に)でした。風間監督の頭の中が、たまにわからなくなる瞬間です・笑。

 開幕戦のマリノス戦を見る限り、まるで問題ありませんでした。実にそつなくプレーしており、攻守両面でも良いアクセントになっていました。

 中でも、「風間サッカーに馴染んでいるな」と強く感じたのが2−1でリードしていた58分の場面。

 パス交換からフリーで抜け出した武岡優斗が決定機を迎えた局面です。結果的には、シュートではなく大久保嘉人へのパスを選択して相手にカットされてしまい、「打てよー!!」と頭を抱えた方も多かったかもしれません。でもね、この崩しは実に鮮やかでした。思わず、スカパー!オンデマンドで何度も見直してしまったほどです・笑。

 この試合でマリノス守備ブロックを崩す際に、ポイントになっていた人物が左センターバックの中澤佑二の存在でした。彼はバイタルエリアで起点になろうとする大久保嘉人や小林悠に対しては、自分のエリアを捨てて対応に来ます。ボールが足元に入る瞬間を狙って背後からチェックにいき、狭いエリアでうまくボランチと連動して前後から挟み込むことで前を向いたプレーをさせないためでしょう。

 この試合ではかなり高い位置まで出て行って潰しにいく局面も多く、大久保嘉人や小林悠が中盤まで下がってポストプレーをしようとする場面でも食い付いて対処してました。彼のキャリア、経験値による周囲の信頼感もあってだと思いますが、彼個人の自由な判断で動いている印象です。ただこれだけ自分の持ち場を捨てて出て行くということは、裏を返せば、あの背後を取ってしまえば、大チャンスになります。

 その穴を突いたのが58分の場面だったんです。
この一連の流れの場面、大久保嘉人や小林悠が中盤まで下がってボールを受けようとするとやはり中澤が鋭く食い付いて、一度はボールを吐き出させてます。しかしフロンターレは、そこで無理に攻めません。一回戻して、中村憲剛が組み立てを作り直します。

 そして右サイドでじっくりとボールを保持しているとき、スルスルと上がって来たのが右センターバックの一角である武岡優斗でした(正確にいえば、この時間帯では右サイドバックですが)。

 ボールを受けた彼が小林悠に角度を付けてパス&ゴー。下がって受けに来る小林悠には中澤佑二が食い付いてきます。しかしうまくキープした小林がエウシーニョに出すと、この瞬間、前に出ていた中澤の背後には広大なスペースが出来ていました。そこをしっかり狙っていたのは武岡優斗。フリーで抜け出してエリア内に侵入。しっかり同じ絵を描けていていたからこその突破でした。

 それだけに、あの決定機は決めて欲しかったですが。試合後のミックスゾーンでは、あそこでシュートではなくパスを選択した判断についても武岡本人に聞きましたが、原因は大久保嘉人の「声」だったそうです。

 「あれは、打とうと思った瞬間、ヨシトさんの声が聞こえたんすよ。それでチラッとみたら、ヨシトさんのコースが空いていたので、思わずパスを出しました。後で『呼ばなきゃよかった』と言われましたが、自分が点を取るよりもヨシトさんが点を取ったほうがチームも乗るので・笑。あのシーンに関しては自分で打ってもよかったかなと思いますけど、最後まで判断ができていたことは悪くなかったと思います」

 なるほどね。記者席で「なぜ打たない?」と頭を抱えてしまいましたが、声で呼ばれたんですね。試合中の声なんて、基本中のド基本ですけど、こういうちょっとした部分で選手の思考が瞬間的に変わってしまうのがサッカーの面白いところというか、変なところだったりします。

 60分では守備で見せます。
カウンターを浴びた大ピンチの場面で、伊藤翔の背後から全力で追いついて、シュートを打たれる直前のタイミングで足を出して阻止。そもそも「なんで2-1でリードしているのに、あんなカウンターを喰らうんだよ」というツッコミはさておき・笑、チームを救ったビッグセーブだったと思います。あれが決まって2-2になっていたら試合はどうなっていたかもわかりませんから。こういう執念が、ときに勝ち点3を取れるかどうかを分けるのだと思います。

去年はなかなか出番がなかったですが、サイドバック、サイドハーフに加えて、センターバックも出来ますから、今年は出番が多そうですね。

 ここからは先は、こぼれ話。
試合翌日の麻生で軽く取材していたら、「これ、読みたかったんすよ!」と「川崎フロンターレあるある」のことを言っていたので、その場でプレゼント。「うれしい!」と、今まで渡した選手の中で、たぶん一番喜んでくれてました・笑。

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・・・見よ、この笑顔を!!本の中でもちゃんとイラストで出てきますよ・・・バナナ姿ですけどね。

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 元ネタはこちら。

 ちなみに武岡優斗による「川崎フロンターレあるある」を教えてもらったら、「(年下の選手が)年上を平気でいじる!」と言ってくれました・笑。

Jリーグ開幕に伴い、また売れ始めてきました!

※本書の売上の一部は、クラブの明るい未来のために活用させて頂きます。

12日には中村憲剛の「サッカー脳を育む」が発売されます!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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