ワンポイント書評:森保一監督の「プロサッカー監督の仕事 非カリスマ型マネジメントの極意」〜広島の2連覇のターニングポイントは、川崎フロンターレに負けた後だった。



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 どうも、いしかわごうです。
 
 最近、読み終わったサッカー本でも。

昨年末、カンゼンさんから献本いただいた一冊です(いつもありがとうございます)。2012年と2013年にJリーグ連覇を達成したサンフレッチェ広島の指揮官・森保一監督によるマネジメント本ですね。サッカー監督としての哲学、コーチや選手との関係や指導法、そしてチームマネジメントなどなど、監督業についてたっぷり語っています。

 硬派な作りですが、具体的なエピソードも豊富です。例えば、2012年の初優勝を決めたC大阪戦前日には、監督自身がピッチで経験した「ドーハの悲劇」を引き合いにして、「何が足りなかったのか」ということを伝えたエピソードなどはなかなか興味深かったです。

 J1クラブの話ですから、フロンターレ戦の話題もちょいちょい出てきます。
なのでワンポイント書評としては、そこを取り上げますね。例えば2年前の、等々力での川崎フロンターレ戦。この試合はよく覚えています。フロンターレ側としては、前年度チャンピオンの広島相手に、まさに完勝した一戦でした。個人的にも、風間監督になってからのベストマッチのひとつだと思っています。僕自身も、当時こんな記事を書いてます。

川崎はなぜ密集地帯を攻略できるのか? 広島戦に見る風間イズムの浸透

 一方、そのとき広島はどうだったのか。
0-2のビハインドで迎えたハーフタイムでの出来事。「選手を叱咤したからといっていい効果を生むとは限らない」という考え方の森保監督が、珍しく選手達に雷を落としたそうです。

 フロンターレ戦のハーフタイムには、僕はいつもより厳しい指摘を選手たちに投げかけました。戦い方の面でフロンターレに圧倒されていて、失点の仕方もよくなかったからです。

それでパフォーマンスを改善してくれれば—-。そんな思いでしたが、残念ながらその目論見はうまくいきませんでした。チームは僕の言葉で流れが変わるような状態ではなく、心身ともにコンディションがあがっていくような状態ではありませんでした。

 一方で、ちょうどフロンターレの調子がすごく上がっている時期でもあり、チーム同士バイオリズムもあいませんでした。そのまま試合は0-2で敗戦。完敗でした。

 本書で、重要な出来事として触れられていたのは、この試合に負けた後の出来事でした。フロンターレに完敗し3連敗、5試合勝ちなしで新潟戦を迎えることに。負け続けているときの監督の舵取りというのは難しいもので、「チームにどういうメッセージを伝えるのか」が重要になってきます。そこで森保監督はある決断をします。

 通常であれば、主力のコンディションを考慮して、シーズン中の「調整」を重視したメニューを行うはずが、このときは普段はあまりやらないというフルコートでの紅白戦、1対1などの局面勝負を盛り込んだ激しいトレーニングを実施したのです。トレーニングを通じて「競争」というメッセージを伝えるためでした。監督になって、意識的にアプローチを変えたのは、後にも先にもこの一週間だけだったそうです。

 そして新潟戦は勝利します。試合後、柳下監督から「あんなつまらないサッカーに負けた」と言われた談話が話題になりましたが、主力選手が危機感を強め、何が何でも勝たないといけない姿勢を出してくれた試合でもあり、このシーズンのターニングポイントになった出来事だと振り返っています。

 こういう感じでマネジメントについて語っているわけですけど、あのフロンターレ戦の負けでチームが蘇るきっかけとなり、もっといえば、2013年の最終節もフロンターレがマリノスに勝たなければ、広島の2連覇もなかったわけですから・・・フロンターレ絡み過ぎじゃないすか・笑。そうえいば、2010年に名古屋が初優勝したときも、等々力でフロンターレに0−4で負けた後のロッカールームの出来事がターニングポイントになっていたはずです。

 ついでにいうと、森保監督は、サッカー界でもっとも影響を受けた人物として広島時代の先輩・風間八宏監督の名前を本書のなかであげています。広島時代、選手として「プロとは何か」を教わった師匠のような存在だそうです。現在の川崎フロンターレのサッカーも「風間さんらしいチーム」と森保監督は表現してますし、森保監督のフロンターレ評に興味ある方は読んでみてはどうでしょうか。

最後まで読んでくれてありがとうございました。


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