今週のNumber、面白いっすね。
「Jリーグ20周年記念 歴史を動かした20人」
どれも読み応えある記事なので、むさぼるように読んでしまいましたが、特に三浦知良の「Jリーグの成功を託された男」は面白いですね。
93年Jリーグ開幕当時のカズのことを書いた記事なのかと思いきや、実はそうではないんですよ。
それ以前の、ブラジルでプロ選手として活躍し出して、さらなる高みを目指していたカズを、なぜ読売クラブは引き抜けたのか。当時の交渉経緯を明かした記事なので、読んでいてすごく新鮮でした。
考えてみれば、ブラジルで頭角を現した伸び盛りの22歳のフットボーラーが、日本に帰ってプレーする理由は見つからないですよね。実際、最初の交渉の場では「僕は日本を出てブラジルでプロになったんです。お客さんだって1000人ぐらいしか来ないアマチュアリーグには行かない。なんでいまUターンしなきゃいけないんですか」とカズに言われ、ほぼ門前払いだったそうだ。
そんな状況からどうやって日本に連れ戻し、読売クラブでプレーすることを決断させたのか。そしてJリーグ開幕前に届いた地元・清水エスパルスからの熱烈なオファーを受けての残留。これらが刺激的で面白いんだな。
あともうひとつ。
いまだJ史上最強チームと名高い、01年のジュビロ磐田が採用していたN-ボックスのメカニズムを当事者たちが振り返った「ジュビロが最強だった理由」も、抜群に読み応えありますね。僕自身もこの当時はまだ学生でしたから、今みたいに試合映像を分析しながら見てませんからね。「ジュビロ、つぇー」って思いながら見ていたあのサッカーの秘密が明かされていて、実に興味深かった。
感想としては、N-ボックスの中枢はもちろん名波さんなんだけど、バランスを取る服部選手(現役なので)と、バランスを壊す福西さんというボランチの関係がとにかく絶妙で、あそこも肝になっていたんだろうな、と。
確かにサッカーって、バランスはすごく大事なんだけど、保たれ過ぎてもよくないってのは、なんかわかりますもん。特に攻撃に関しては、約束事にしたがってオートマティックに動いたパターンも大事だけど、それ「だけ」だと意外性を失ってしまうことでもありますから。あのN-ボックスでの緻密さに、それを壊す福西選手がいたことでさらに深みが増していたんでしょうな。
なんだろうな・・・フロンターレにいた谷口選手みたいなタイプが、バランスを崩す動きをする選手でしたよね。カチっとした組織の中で、ああいうよくわからない動き(失礼)をする選手がポンとひとりいることで、ときにチームにすごい化学変化が起きて、また面白くなってしまう可能性があるのが、サッカーというものの不思議な、というか変なところだと思うんですよね。
・・・・なんか自分でも書いててよくわからなくなってきた・笑。まぁ、サッカーなんてわからないものですけどね。
そんな感じで、Numberはオススメです。
Jを支えた裏方たちの告白という記事では、フロンターレの天野部長も登場してますよ。
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