日本代表対コートジボワール戦(1対2)。
1日たって気持ちもだいぶ落ち着いたので、自分なりに振り返ってみようと思います。別にたいした分析はしてません。雑感です。
一言で言うと、うまくいかない90分でしたね。
試合途中からもう少しは巻き返せると思いましたが、ここまでうまくいかないとは・・・ラムーシ監督が突いてきたチームの狙いとゲームプランは実に緻密で、正直、完敗です。
戦前のポイントとして「先制点が重要」というのは誰もが同意していたと思います。それを考えれば、エース・本田圭佑選手による最高の出だしとも言える先制弾だったわけですが、それでもうまくいかなかった。むしろ、その先制点が早過ぎたがゆえに、受け身の姿勢が強くなり過ぎてしまう・・・サッカーというのは難しいものです。
先制点というアドバンテージを得た以上、勝つチャンスがなかった試合だとは思いません。例えば先制点後、内田選手の決定機や本田選手のループ等、動揺を隠せなかったコートジボワールを畳み掛ける時間帯もありました。「あそこで追加点を取れていれば・・・」という思いは残ります。
ただ、試合全体を見れば、コートジボワールが一枚上手でした。まず日本の得意とする高い位置から奪ってのショートカウンターを封じるためのボールポゼッションとポジショニングが実に巧妙。
大迫選手と本田選手の前線二人がケアするコートジボワールの最終ラインは、ボランチがうまく降りてきたことで中央での数的優位を作ってビルドアップしてきます。ボールの取りどころがボヤかされるので、山口選手&長谷部選手のダブルボランチも、バランスを崩して、思い切って前に出てボールを取り切ってしまうこともできず。というよりも、ダブルボランチは、中央のエリアに侵入してくる司令塔・ヤヤ・トゥーレ、ジェルビーニョ&カルーの両ウィングに完全に振り回されてしまい、自分の前よりも後ろのエリアのカバーに追われていた印象です。実際、バイタルエリアで前を向いて仕掛けて来る相手に、吉田選手&森重選手のセンターバックが晒されるなど、苦しい場面が散見されました。
あとはサイドですよね。高い位置を取って牽制してくるコートジボールの両サイドバックに対して、日本の両翼の香川選手と岡崎選手は自陣に戻って対応。ただ予想以上に引っ張られました。守備に追われる時間が長過ぎたことで、結局、ボールを持ってからも攻撃に移るときの推進力を出せなくなっていました。日本の肝である両サイドがこれではチームが機能しません。
相手にこれだけ長い時間振り回されてしまっては、ボールを奪った瞬間のチームのバランスも崩れており、味方同士の距離感が悪いのも当然です。不用意ともいえるボールロストやパスミスもかなり目立ち、スタッツによれば、この試合で日本代表のパス本数は446本(コートジボワールは565本)。この数値にあまりピンとこない人もいると説明すると、Jリーグ平均は491本で、リーグ1位のパス本数である川崎フロンターレは1試合平均672本です(ちなみに、911本のパスをつないだ試合もありましたin徳島ヴォルティス戦)。
もちろん、日本代表がパスワークではなく、ロングボール中心のカウンタースタイルを志向しているならばこの数字も問題ないです。しかしそうではありません。それに、1点リードしているという大きなアドバンテージがある以上、それならそれで、とことん割り切って守り倒すという試合運びもあるのですが、現在の日本代表はそれを選択しません。それを実行した4年前からどれだけ上積みできたかを示す場でもあったのが、今大会でもあるからです。それゆえに、この試合で数値が示す意味も小さくはないはずです。
ボールを握ってパスをつないで攻めていくはずのチームが、ボールを取り上げられ、さらにそのときの脆さを露呈・・・試合後のフラッシュインタビューでの「自分たちのサッカーができなかった」という長谷部選手のコメント通りです。
完敗ですが、、まだ1敗しただけですし、スコア的にも最少得失点差での負けです。
なにより、このままじゃ終われないでしょう。もう一度、ファイテングポーズを取ってギリシャ戦に臨んで欲しいと思います。
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