多摩川クラシコの幻の先制点を、中村憲剛選手に聞いてみました。


 ようやくタフな5連戦が終わったばかりと思いきや、フロンターレはもう明日に試合なんですよね。連戦とは位置づけられてませんが、インターバルは中四日ですからね。
 リーグ戦初勝利の多摩川クラシコは、内容的もよかったので、何度も見直してしまいます。
4ゴールはどれも見事なゴールでしたが、個人的に一番しびれたシーンは、出し手の中村憲剛選手が抜け出した大久保嘉人選手にピタリと通して決めた幻の先制点だったりします。
 高い技術を持っている、受け手を出し手の二人だけの関係で、相手守備陣の組織を無力化しました。しかもあれは、スペースへのスルーパスではなく、動く味方に届ける足元パスの典型でしたね。風間監督が提唱してるプレーですが、いやはや、エグ過ぎです。
 パスを出した憲剛選手に聞いたら、「あれが、まさに(風間監督のサッカーの)神髄ですから」とキッパリ。しかも「コースというか、パスが軌道がハッキリと自分には見えたからね。嘉人の足に(届く)線が見えた(笑)」と冗談まじりに話してましたが、いやはや、この選手の見えている世界は凄いですなぁ。それだけに「あれをオフサイドにされるとなぁー」と悔しがってました。リプレイでスローを見ると・・・・・・うーん、出した瞬間をオフサイドと判定されたのはとても残念でした。
  ただ、あの強いパスをトラップして流し込んだ大久保選手の技術も同じぐらい素晴らしいですよね。憲剛選手も「あれをトラップするのも凄いけどね。俺はボールを出した後は、受け手のセンスに任せるんで(笑)」と笑ってましたが、あのタイミングで寸分の狂いもなくパスを通す憲剛選手しかり、そのボールを正確にコントロールしてゴールに流し込む大久保選手もしかりですな。
 それがシンクロした瞬間だけにオフサイドになったのは、つくづく悔やまれます。大久保選手もあれをあの判定にはかなり憤ってましたが、そのコメントはさすがにここには書けません・笑。
 もうひとつ。
今週の練習後、選手に話を聞いていて面白いなぁ、と思ったことがあります。
それは、5連戦の最後の多摩川クラシコが体力的にはそこまでキツくなかったと選手が話していたことです。
 言われてみると、確かにオーストラリア帰りの5連戦目とは思えないほど、選手が動けていました。それは試合を観ているサポーターも感じたのではないでしょうか。
 オーストラリア帰りの試合というのは特にキツいらしく、今年で言えば広島が浦和に負けましたし、マリノスも甲府に負けました。もちろん一概には言えませんが、国外の長距離移動というコンデションの影響やストレスは少なからずあるわけです。でもフロンターレは、この5連戦目のラストでコンディションが保てていました。
 なんでだったのか。
憲剛選手にそのへんの理由を聞いてみると、彼はこんな風に推測してくれました。
「試合中、常に自分たちがボールを持っていたからじゃないですかね。相手に走らされなかった。この5連戦で自分たちが受けに回って相手に走らされたと感じたのは、広島戦の後半ぐらい。あとはだいたい自分たちがボールを持っていた。ボールを長く持っていると気持ち的にも疲れないんですよ。自分たちの意志でサッカーをやっているから、相手には動かされない。今まで5連戦というとすごくきつかったけど、今回はそこまででもなかったですね」

 なるほど。
サッカーは言うまでもなくボールを握っている側の意志が優先されて動くスポーツです。自分たちがボールを握っているのか、言い換えれば、自分たちの意志で動くのか、それとも意志がなく動かされるのかでは、疲労度も変わってくるのは当然です。なので、一言で「走る」と言っても、自分たちがボールを持ってゴールに向かって走るのか、それともボールを支配されて相手に走らされるのかでは、仮に同じ距離を走ったとしても疲れ方も違ってくるわけで、それが連戦の最後に選手のコンディションに現れたというのは、それはそれで興味深い話でした。
さて明日は名古屋戦。
3連勝中の名古屋ですから簡単な相手ではありません。まずは勝つこと。
記念すべき1000ゴールもかかってますね。誰が決めても嬉しいですが、チームでゴールパフォーマンスをやるならば、グダグダにならないようにあらかじめ準備しておいて欲しいと思います・笑。
多摩川クラシコでの幻の1点目の解説は、風間監督のこの本を読むとわかりやすいです。
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