等々力取材〜ボールを握ってゲームをクローズさせる術。


 今日はもうACLウェスタンシドニー戦ですけど、先日の名古屋グランパス戦のことも少し。

 「美しくて、強ぇなぁ」
率直に言わせてもらえば、そんな感想です。「ライターならもうちょっと言葉選べよ」とか自分で思いますが、いやはや、これが試合直後の正直な感想でしたから。
 実際、Jリーグでもかなりクオリティの高いサッカーをしていると思いますよ。週末のサッカーハイライト番組でも、Jリーグタイムの小島伸幸さん、マッチデーハイライトの平野孝さん、やべっちFCでの中山雅史さん・・・・解説者がこぞってフロンターレのサッカーを賞賛してましたからね。
 憲剛選手は、「ボールを握り倒すサッカー」と表現してました。
本当にそうで、相手がボールを奪いにきても、今のフロンターレはパススピードがめっぽう速いですし、さらにその間合いを外した瞬間に、正確に足元にズバズバとパスを通してつないでいきますからね。相手はたまったもんじゃありません。「最終的にはスタミナを奪われて、スイッチを入れられる回数がかなり多くなってしまった」、「失点はやむを得ないかなと。あれだけボールを動かされれば」と敵将の西野朗監督もお手上げの様子でした。
 決勝点のシーンはお見事、としか言いようがありません。
GK西部選手以外の全員が顔を出してボールを受けながら、守備組織の穴を探すようにボールをじっくりと動かして・・・・そして大島選手にボールが入った瞬間、攻撃のスイッチをカチッ。最後は憲剛選手のラストパスで大久保選手がフィニッシュ。なんだかその崩し方が、将棋で長手数で解く詰め将棋を観ているような感覚でした。手筋で相手の守備陣形を動かしながら、最後は頭金で詰み、みたいな・笑。
 ちなみに、崩しまでパスワークは、ほとんど相手に触れさせてないんですよね。「ほとんど」と書いたのは、大久保選手に出した憲剛選手のラストパスだけが相手DFに触られていたからなのですが、そのことについて練習後のロッカーで「牟田に触られていたから、まだまだでしょ」と小宮山選手が憲剛選手にダメ出ししたそうで、「なぜ小宮山に言われないといけないんだ・・・」と憲剛選手は笑っていました。
 あとこの試合で感心したのはリードしてからの試合運びですね。
追加点を狙いつつも、相手に出て来る相手をいなすようにじっくりとしたボール回しをしていました。攻守一体とはよく言ったもので、あれだけ長い時間ボールを保持できるようになると、守備にも良い影響があるんですよね。ハーフコートゲームでずっと押し込まれていると、攻め残りをしてカウンター要員になっている相手の前線も、自陣に戻ってしぶしぶ守備をしなくてはいけなくなり、こちらがカウンターを受けるリスクが減るわけです。
 打ち合い上等のカウンター合戦で勝つスタイルもフロンターレの持ち味でしたが、リードしている状況でオープンな展開には持ち込まず、しっかりとボールをつないで時間を進めてしまう。ボールを握るサッカーができると、こういうゲームのクローズの仕方ができるわけですねぇ。
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 さて本日はACLです。
小野伸二選手がいるウェスタンシドニーということもあり、注目度は高そうですね。楽しみです。

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