レトロゲームの思い出。

 iPadでyoutubeの動画を見て時間を過ごしていたら、ふとしたきっかけでファミコン版「キャプテン翼2」にたどり着いてしまい、懐かしさのあまり、そこからレトロゲーム(昔のファミコンカセット)の攻略動画に没頭してしまいましたよ。気づいたら、数時間たってました。やっぱり危険だなー、youtubeは。
ちなみにハマったのは、昔懐かしいこのレトロゲームの動画たちでした。
・「ドラゴンボール 神龍の謎」
・「忍者じゃじゃ丸くん」
・「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境」
・「サーカスチャーリー」
・・・ねっ、懐かしいべ?せっかくなので、ファミコンについての思い入れをちょっと語ってもいいすかね?まぁ、ダメって言われても、語り出すんですだけどさ(笑)。
 まずは「ドラゴンボール 神龍の謎」

大好きなドラゴンボールのゲーム第1弾ですね。「わーい。ドラゴンボールだー」とかなりやり込んだものの、これね、まずエンディングまでたどり着けないんですよ。ピラフの面をクリアしたあたりから難しくなり、宇宙に行ってウサギ団の親分を倒すぐらいまではいけるんですけど、そのあとのステージがかなりしんどい。肉とかケーキの回復アイテムが極端に出ない上に、敵が強くなるので、悟空の体力がもたないんですわ。なかなかの激ムズゲームで、自分のまわりでもクリアした人は皆無だったなぁ。
 攻略動画でこういう突破の仕方をしていかねばならぬのかと、そしてこういうエンディングだったのかと・・・。ちなみにタイトルの「神龍の謎」は、結局明らかにされていないですね。まぁ、悟空が肉よりもケーキでめっちゃ体力回復する理由の方が、かなりの謎ですが(笑)。
・「忍者じゃじゃ丸くん」

手裏剣で敵を倒していくアクションゲーム。ジャンプして上のブロックを壊して、上の段にいきます。ブロックにはトロッコとかアメ玉とか透明ビンとかアイテムが隠されていることがあって、それが三つそろうと無敵のガマパックンが出てきます。やったことない人にはなんのこっちゃわからないと思いますが、えぇ、そう言う人は置いていきます(笑)。
あとは、今見ても何のインパクトもないんだけど、新キャラが出る面になると「おゆき登場」とか演出があって、これは当時なかなか斬新だった。じゃじゃ丸くんは、「忍者くん」の従兄弟という設定らしい。エンディングというのはなくて、昔のゲームにありがちなエンドレスで続いていくみたいですね。たぶんぬり壁みたいなボスまでたどり着いたような覚えはあるけど・・・記憶は定かではないですね。
・「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境」

 持っていたカセットなので、思い出いっぱいですね。当時アニメが放送されていて、それを意識した作りになっていたはず。フィールドを歩いてる時の音楽も、「ゲッゲッゲッ ゲゲゲのゲー」ですからね。主人公の鬼太郎を操るわけですが、目玉のおやじ、ネズミ男、子泣きじじい、砂かけばばあ、一反もめん、ぬりかべといった主要キャラはもちろん、それ以外の妖怪もステージによってはちょくちょくでてきて、楽しかった覚えがあります。それなりに難しくて、とにかく長かった記憶があるな。これもエンディングはなくて、無限ループみたい。
 そうそう。軽快なBGMでダッシュしていると、たまに地面から泥田んぼ(だったかな?)が「ぬぼっ」って出てくることがあって、これはトラウマレベルでしたわ。怖かった。
・サーカスチャーリー

懐かしいですねー。サーカスをしていくゲームなんですけど、これって有名ですかね?
姉が友達から借りてきたカセットでした。火の輪くぐり から始まり、綱渡り 、玉乗り、 曲乗り、空中ブランコとステージが用意されていて、言ってみれば、「ジャンプするタイミングがすべて」のゲームなのだけど、これがなかなか難しい。いつも4面の曲乗りで馬との呼吸が合わなくて失敗してた記憶があります。借りていたカセットだったので記憶も曖昧だったので、動画見つけた時は小学生時代の友達に再会したかのように感動したわ(笑)。
 そして「キャプテン翼2」。
ファミコンの「キャプテン翼」シリーズは名作ですね。スーファミも含めたら5まであって、僕はゲームボーイ版も含めて全部クリアしておりますが、まわりにきくと「2」が一番評価高い気がします。最大の理由は、なんといってもゲームのストーリーが面白いことに尽きると思います。
 ブラジルに渡った翼くんのサンパウロから始まり、今度は日本で岬くんのいる南葛高で冬の全国高校サッカー全国制覇に挑み、それが終わると、再び翼くんのチームでジャパンカップを戦う。ジャパンカップは、決勝の相手が全日本ですからね・・この展開だけでも燃えますよ。しかもそこから翼くんを加えた全日本でのワールドユースのアジア予選を突破して強豪国のいる本大会に・・・そしてクライマックスとなる決勝の相手は、ロベルト本郷率いるブラジル・・うわわーーって感じですよ(笑)。
 ストーリ上の演出もうまくできてるんですよね。例えば、これはアジア予選を突破した時のもの。

これは準決勝に進んだ時のもの。

 うん、少年心にワクワクしてきますよー。
そして「2」といえば、キーパーの森崎くんがやたら弱いのが泣けてきます。普通の試合で、「敵の7番がシュートだ!」、「頼む、森崎!」、「森崎くん、パンチング!・・・だが届かない」、「ゴーーーール!」とか普通にあって、コントローラをなげつけたくなります(泣)。
あと「2」は若林くんもけっこう能力低いです。「4」と「5」ではペナルティエリア外からのシュートには異常に強い能力補正がかかるようになっているのでまず決められないのですが、「2」と「3」ではボカスカ決められて、若林くんファンとしては悲しい限りです。
最近、ブログではサッカーの戦術ばっかり書いていたので、たまにはこういうネタもいいよね。同世代の方が、感想お待ちしてます(笑)。... 記事を読む

[試合研究]J2第36節岡山対富山から[3-3-3-1]システムを読み解いてみる

・2010J2第36節岡山対富山(2-1○)
いよいよ残り3試合。
早速、試合を見ていきたいのです・・・・がっ!この試合は[3-3-3-1]システムではありませんでした(苦笑)。
前節から中二日での試合ということもあり、CBをつとめていた堤、濱野のコンディションが芳しくなかったようで、さらにCB足助も左手の骨折で欠場・・ということで、3バックをするためにはCB不足だったのが理由のようです。安間監督自身、もともとシステムに固執するタイプではないですから、チームの状態を見て判断されたのでしょう。4バックで、その前に江添をアンカーに据える[4-1-4-1]のような形でした。
富山は[4-1-4-1]
      20.苔口
15.石田          7.朝日
    8.渡辺    5.長山
       22.江添
16.谷田  4.金  24.吉井  19.西野
      
       1.中川
 対する岡山は、[4-4-2]ボックス。GK真子、DF澤口、野本、近藤、野田、MFキム・テヨン、千明、川原、小林、FW岸田、白谷。
 試合自体も富山としてはやや動きの少ない戦いに感じました。岡山がボールを保持すると、富山はあまり前から奪いに行かず、自陣でブロックを構えて、奪ってカウンターという狙いですね。形としては、DFラインの背後を狙う攻撃が中心。17分には、その攻撃から石田がボールを落とし、斜めから切れ込んだ苔口がDFを振り切りシュートという場面も。惜しくもポストに嫌われましたが、苔口のいい動き出しでした。
 23分、ゴール前のセットプレーから富山が先制。苔口のキックに、金の落としを江添がボレーで決める形です。1点リードしたことで、岡山がポゼッションして、それを富山が受けるという構図はより強まりました。自陣で構える富山の配置は、4DF+4MFの2ラインでブロックを形成し、その間にアンカーが一人置くような形なので、堅い。4バックなので、もちろん[3-3-3-1]に比べると、サイドにボールを出された時のアプローチも早い。このまま1-0で前半終了。
 後半も、この構図はしばらく変わらず。ただ富山は攻守の切り替えは早いです。奪ってからのカウンターの怖さは十分。56分には、カウンターから苔口から朝日で、そのシュートがサイドネットに。
 66分、ゴール前正面のFKを小林優希が決めて、岡山が同点。しかしその5分後、苔口のCKに、競り勝った金のボールはポストも、その跳ね返りに江添がプッシュ。先制点同様、苔口、金、江添という流れで、富山が2-1とリードします。岡山の猛攻を受け、試合全体を通じても、崩される場面も目立ちましたが、富山守備陣が身を呈してのブロックで防ぎ切る。富山が2-1で勝利。
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 この試合は[3-3-3-1]システムではないですし、戦い方も中二日の連戦を考慮した「緊急処置」的なものだったと思います。チームは「生き物」ですし、選手は「生もの」ですから、こういう事態にどう対処するのかという舵取りも、指揮官には求められますよね。得点もどちらもセットプレーからでしたけど、まぁ、そういう試合をしなくてはいけないときもありますよ。
 この試合後のテレビインタビューで「今現在は、美しいサッカーはできないが、ひたむきに汗をかいて、アグレッシブにやろうと言っている」と安間監督が語っていました。勝ち慣れていないチームが、連敗をせずこういう状況で勝ち点3をしぶとく取ったことを評価したいと思います。
 残りはあと2試合です。
【J2:第36節 岡山 vs 富山】安間貴義監督(富山)記者会見コメント [ J’s GOAL ]... 記事を読む

[試合研究]J2第35節富山対栃木から[3-3-3-1]システムを読み解いてみる

安間監督の採用する[3-3-3-1]システムの試合分析シリーズ。4試合目になりました。残りも4試合となりましたが、ボヤボヤしていると11年シーズン開幕してしまいますから、巻きでいきましょう。今回の相手は、松田監督率いる栃木SCです。
富山[3-3-3-1]
              20.苔口
       28.関原   8.渡辺   7.朝日
       16.谷田   29.森   27.船津
       3.堤    6.濱野   24.吉井
             21.内藤
富山は[3-3-3-1]システム。右CBとして定着していた足助が負傷欠場。左手骨折だそうです。ファビオともつれた際、痛がっていましたからね。アンカーに富山出身の新人・森を初先発させました。長短のパスを出せる選手とのこと。GKが橋田→内藤、中盤に渡辺が入りました。対する栃木は[4-4-2]システム。GK武田、DF宇佐美、ヨ・ヒョジン、大久保、那須川、DFパウリーニョ、本橋、杉本、高木、FWリカルド・ロボ、チェ・クンシク。
 立ち上がりの攻撃は、富山の積極性が目立つ。苔口が左右のスペースに飛び出しサイドで起点を作り、ゴール前に二列目の3人が飛び込んでくる。関原のボレーシュートがわずかに逸れるなど惜しい場面もあった。ただ15分ぐらいに、苔口が相手との接触で足を痛めたのか、その後、裏への動き出しがめっきりなくなってしまい、次第に富山の攻撃が手詰まりに・・・前線4人は、まずトップの苔口がスタートを切らないと、二列目も連動して出ていきにくいですからね。トップ下に黒部がいたら、縦のポジションチェンジもあるのでしょうけど。とにかく、15分の接触プレーを機に富山の攻撃は機能しなくなりました。
 一方、栃木の攻撃の狙いは、あせらずじっくりと、といったところ。思ったよりもロボやチェの2トップにボールを入れてこない。最終ラインでじっくりボールを動かして、前線の4枚をチェイシングでくいつかせてから、中盤の浮いたスペースにボールを入れていくという感じです。富山の守備が集中して隙を見せず。栃木の最大のチャンスは、34分の場面。富山の左サイドに縦しかけて深い位置で起点を作ると、そこから逆サイドのスペースに展開。タイミングよくあがってきた那須川が、正確なクロスをゴール前に入れて、決定機を演出しました。栃木が一番やりたかった攻撃は、間違いなくこの形だったと思います。
 解説が指摘したように、両チームともボールを奪ってからのパスが、相手の守備に引っ掛かる展開の連続。それだけ両チームが守備にハードワークしたということなのでしょう。特に15分~30分までは、本当に我慢大会のようなお互いに守り合う時間になっていました。0-0で前半終了。
 後半は、前節指摘した「後半の課題」が噴出した展開に。前半、プレーエリアの狭かった栃木の2トップがかなり動くようになり、攻撃にアクセントがついてくる。58分の先制点は栃木に。ロングスローからの競り合いでこぼれたボールを、ロボが相手DFを背負いながらも足を出してゴールを揺らす。栃木が先制して0-1に。
 言ってみれば、ロボの個人技ですが、この1点をきっかけに栃木の攻撃に動きが出てきます。逆に富山は失点のショックからか、守備組織に簡単に綻びが出てくる。わずか5分後、クリアボールの処理からロボにミドルシュートを決められさらに失点。直後の66分には、前がかりになったところでカウンターを浴び、反則覚悟で船津が止めて2枚目のイエローで退場。0-2で10人ではさすがに厳しいです。平野、西野、桜井と投入しますが、キッチリ守られチャンスは作れず。85分には、3点目を決められて万事休す。0-3での敗戦となりました。
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 スコアは0-3。思わぬ大敗となってしまいました。ただ戦術的な問題点が噴出した敗戦だったかというと、そうではなかったとみています。戦術的な原因うんぬんよりも、この試合に関しては、後半に見せたメンタル的な部分ですよね。栃木のような守備でリズムを掴んでくる相手と組み合うときは、こういう我慢比べになるのは容易に想像できたはずです。しかし富山は、後半に1失点しただけで簡単にメンタルが折れてしまった。さほど崩された形ではなく、ロボの個人技を食らったような失点なのに、です。
そうなった要因は、前半にハードしていた反動なのか、下位に低迷していたメンタルなのか、はわかりませんが、終盤まで持つ応える粘り強さがなく、わずか1点であえなく白旗をあげてしまったような自滅っぷりでした。負け続けたこの年の富山は、それだけメンタル面における負のサイクルにはまりやすいのかもしれません。「システムに命を吹き込むのはお前らだ!」とは安間監督の言葉ですが、この試合の後半は戦術の是非を語る以前の負けだったと思ってます。
 もちろん戦術的な部分をじっくり。対戦相手が崩し方を研究してきている傾向は感じられています。栃木は、最終ライン4枚とボランチ2枚でボールをじらすように回すことで、ワントップだけではなく前線を4枚(1トップ+2列目の3枚)を前にひっぱり出す。こうすると、3枚のボランチと二列目の3枚の間(中盤)にスペースができやすくなる。ここにうまくボールを入れて、さらにサイドに展開して・・・という流れで相手のスライドをいなしながら、ボールを運んでいく崩しの狙いが感じられました。
あとは34分の場面ですね。一方のサイドに偏らせて、逆サイドから上がってきた那須川が、相手の守備がスライドする前にアーリークロスを入れてくる。狙ったタイミングでサイドチェンジされ、さらにそこからアーリークロスを入れられると、富山の守備が横にスライドしている最中なので、クロス対応が難しいです。実際、前節熊本の失点はこの形に近いですからね。今後もこの形は狙われると思います。このデメリットをどう隠すか。
 攻撃陣にも冴えがない90分でした。原因は、前半の接触後、苔口が動きに精彩を欠いていた点にあると思ってます。縦にボールが出ても、苔口の飛び出しがないため、起点が作れず、後ろから追い越していく攻撃もなりをひそめることに。中盤からの展開にもミスが目立ちました。奪ってから出した縦パスが、相手の守備網にひっかかり、前線につながっていかない。あとは足助がいないことで、前線へのフィードも少なかった気がします。こういう状況での「次の一手」が求められるところです。
【J2:第35節 富山 vs 栃木】安間貴義監督(富山)記者会見コメント [ J’s GOAL ]... 記事を読む

情熱大陸・香川真司。

今さらですが、先週の「情熱大陸」は、サッカー選手・香川真司選手でした。
$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
 アジアカップ優勝直後の放送ということもあり、本来ならば、「ドイツでの大活躍→アジアカップ優勝」という番組構成にしたかったと思います・・がっ、ご存知のように残念ながら準決勝韓国戦の骨折で決勝直前に離脱。カタールとは違う場所で日本代表の優勝を見守ることに・・・ということもあり、ドイツでの生活を密着した内容が中心でしたね。
 彼らしい自然体の様子が感じられる映像でした。プレーで解説されていたのが、ブンデスリーガで見せた「直角フェイント」のようなドリブルで決めたシーン。あれは本当に香川選手らしいプレーだと思います。DFの立場になってみればよくわかるのですが、エリア付近でドリブルを仕掛けてくる相手に対する準備としては、「縦方向」に切れ込んでくるのか、あるいは「斜め」にドリブルしてくるかを想定するところ。しかし香川選手の選択は、「横のドリブル」ですからね。
 この「横」っていう動きの変化が意外にも盲点で・・・・ 例えば野球でフォークボールを打ちにくいのは、カーブやシュートなどの変化球が「横」の回転であるのに対して、フォークボールが「縦」に落ちるボールだからというのがあるじゃないですか。動きに落差があるので、視覚的にも瞬間的な反応がしにくいわけです。
 香川選手のあの横切るドリブルも似たようなもので、ゴール前でボールホルダーに突然(←これが大事)目の前を横切られる動きをされたら、縦か斜めの突破を準備していたDFは体勢的に準備ができていないですし、そのうえでスペースを捨ててその動きにくらいついていくか、それとも隣にいる味方にマークを受け渡すか、瞬間的な判断も求められるわけです。何度も対戦していれば、その対策もできるでしょうけど、所見では後手になりますよね、あの仕掛けは。
 彼はセレッソ時代から日本代表ではプレーしていましたが、J2リーグでのプレーが中心だったため、彼自身の一般的な知名度はさほど高くなかったと思います。ただ、08年&09年シーズンのJ2リーグを見ていた人ならわかると思います。セレッソ大阪での香川選手には乾選手という相棒がいて、あのコンビによる破壊力というのは、本当に脅威でした。
 ドリブルをしながら、お互いを見てワンツーを仕掛けてくる距離感とタイミングが絶妙で、対戦相手もわかっていながらやられてしまうというのが、正直なところでした。とにかく彼の周りのスペースをコンパクトにして、ドリブルに入る前のファーストタッチで身体をぶつけて、スピードに乗せない、プレーをさせないというのが精いっぱいの防止策だったように思えます(それでも、一瞬の隙であっという間に置き去りにされ、失点してしまう)。だったら、そのパス供給源を押えればいいのですが、ボランチのマルチネスの緩急の付け方、球出しもうまいだな、これが。1+1が2ではなく、3や4になるというのは、あのコンビの崩しのことをいうのでしょう。まさにキャプテン翼に出てくる翼くんと岬くんの黄金コンビのような突破でした。あれは恐ろしかった。
 そんなことも思いつつ・・・それにしても、情熱大陸にサッカー選手が出る放送では、ケツを見せたり(遠藤保仁)、勝負パンツを見せたり(香川真司)、やたらとサービスショット満載ですなぁ(笑)。... 記事を読む

[試合研究]J2第34節熊本対富山から[3-3-3-1]システムを読み解いてみる

安間監督の採用する[3-3-3-1]システムでの試合分析も3試合目になりました。今回の相手は、高木監督率いるロアッソ熊本です。
富山は[3-3-3-1]
       11.永冨
 28.関原  7.朝日  23.平野
  16.谷田  5.長山  27.船津
  3.堤    6.濱野  2.足助
        31.橋田
 前節からスタメン5人を入れ替え。九州での一戦だからかどうかはわかりませんが、九州出身の選手を多く起用。特に前線4人は朝日以外、総入れ替え。ワントップの永冨は長身FW。懸念の左CBには吉井ではなく堤が入った。熊本は[4-4-2]ボックス。GK南、DF築城、矢野、福王、堤、MF吉井、原田、宇留野、片山、FW松橋、カレン。
開始3分に富山がいきなり先制。
左サイドタッチライン際で谷田が素早くアーリークロス。中央での平野の落としを、関原が落ち着いてボレーシュート。これが南の逆をつきあっという間にゴールネットを揺らす。関原はフリーでボレーシュートを放ったのですが、中への仕掛けを見せる谷田の姿勢に、ゴール前に3人が飛び込んでいたことが、この状況を呼び込んだのだと思います。関原は、地元熊本でJ初ゴールを記録するおまけつき。観戦にきていたご両親も感無量といった表情。
 前半、リードを奪った富山がゲームをコントロール。前からのチェイスが献身的で、ボールの奪われてからの切り替えも早い。sそしてボールを持ってからの富山は、しっかりシュートで攻撃をフィニッシュ。一方の熊本は、富山の分厚い守備に打開策を見いだせず。中央ではアンカーの長山がしっかりつぶし役となる。懸念していた左サイドも、谷田の守備意識が高く、ボールホルダーへのアプローチが早く、素早いケアで相手の右MF宇留野に仕事をさせない。ここはCB堤選手との連係を含め、前節から改善で来ていると思います。そんなこともあって、高木監督とコーチ陣が戦術ボードとにらめっこする場面が何度も抜かれていましたね。解説の方が「サイドチェンジすれば・・・・」としきりに言ってましたが、実は富山は相手にサイドチェンジさせない戦い方をしているんですよね。1-0で前半終了。
 後半の立ち上がり、GKからのビルドアップを高い位置から関原と船津で猛プレス。右サイドでボールを奪取。縦に素早く展開して、走り込んだ永冨が押し込む・・・がっ、惜しくもオフサイド(リプレーで見ても、かなり微妙なタイミングでしたが)。熊本は57分に、松橋を下げてファビオを投入。起点となるファビオの対応で富山が少し後手になります。61分、左からのアーリークロスに宇留野が頭で合わせて同点。これは崩された形ではなく、中に人数も揃ってましたからね。宇留野のヘディングがうまかった。
 熊本はファビオにボールを集めて、カレンも広いエリアで動きまわり、富山はそこを捕まえ切れずにピンチを招いていく。70分には、中央のカレンから右サイドへ。橋田が足一本でセーブ。苔口、黒部、石田の投入を行いましたが、逆転にまでは至らず。1-1でドロー。
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 この日の前線4人は、永冨、関原、朝日、平野といつものとは違う組み合わせ。そのため攻撃は、ワントップ長身FW永冨を生かそうと、スペースに走らせるよりも、ロングボールを多用していく形が多かったですね。ただハイボールの競り合いでファウルを取られることが多く、彼自身はあまり機能していなかった印象。それ以外では、DFラインの背後に飛び出す朝日の動き出し、サイドからの仕掛けはしっかりできていたように思います。得点シーンも、縦からの仕掛けに中央へ3人が飛び込んでいた。このへんの迷いなくエリア内に飛び出していく意識も評価できると思います。あとはアンカーに長山が入ったことで、守備のつぶしはできる反面、真ん中からのパスに展開には、ややバリエーションが少なくなった印象もある。
 守備に関しては、前半はパーフェクトに近い出来だったのでは。単純に中盤にボールを入れられれば、3枚が3段重ねで並んでいるのだから、人数は相手より多く、挟み込みやすい。あるいは中央を堅くして、サイドにボールを出させて、そこを奪いどころにしてしっかり奪い取る。改善が求められた左サイドも、谷田の守備意識が高まっており、熊本の攻撃を手詰まりにさせていました。前半はさぞかしやりにくかったことでしょう。
 しかし後半、運動量が落ちた上に、高さを使いながらサイドでキープをするファビオが入ってから、そこにCBが引っ張られて横にゆさぶられて熊本ペースになってしまった感はありました。失点場面に関しても、アーリークロスでサイドを揺さぶられた形です。この試合のように、後半になるにつれて選手の運動量が落ちると、どうしてもサイドのスライドが遅れたり、プレスバックもかかりにくくなりますからね。ゆえにサイドにスペースもできやすくなりますから、その問題をどうごまかしていくか。このへんは、机上ではなく、実戦を経験して現実的な改善策を見つけていくしかないのかな、という感じです(ただこの日に関しては、富山が通常7~8℃だったのに対して、熊本は22℃~23℃だったとのこと。気候的な影響もあったかもしれません)。
 いずれにせよ、この時期まで昇格の可能性を残していた熊本に善戦しての引き分け。チームとしても安定した力を発揮できるようになってきていると思います。残り4試合、この[3-3-3-1]システムの成熟度が楽しみです。
J2:第34節 熊本 vs 富山】安間貴義監督(富山)記者会見コメント [ J’s GOAL ]... 記事を読む

[試合研究]J2第33節富山対東京Vから[3-3-3-1]システムを読み解いてみる

はい、もうガッツリいきますよ。
・2010J2第33節富山対東京V(●2-3)
富山[3-3-3-1]
             20.苔口
       15.石田   9.黒部   7.朝日
       16.谷田   22.江添  27.船津
       24.吉井   6.濱野   2.足助
             31.橋田
[3-3-3-1]で臨む2試合目。前節との違いは、左CBに堤→吉井、GKに内藤→橋田にしたこと。東京Vは[4-2-3-1]。GK土肥、DF福田、土屋、富澤、高橋、MF柴崎晃、佐伯、高木善、菊岡、河野、FW飯尾。平本がベンチスタート。
 立ち上がりから20分前後までは完ぺきなヴェルディペース。
富山の布陣は3バック+3ボランチなので、中央は固い。そのため相手はサイドのスペースを狙うのだけど、東京Vの崩し方には工夫があった。富山がボールを取りに行っても、ヴェルディは中盤でワンタッチでパスを回したり、後ろにボールを下げていなしたり、ボールの奪いどころを簡単に絞らせない。そうやって緩急を作ってから中央の飯尾と河野に縦パスが入れるんですよね。中央が固いはずの富山がバイタルで簡単に飯尾にポストプレーをされるし、河野には前を向いてドリブルでつっかけられてしまう富山としては、堅いはずの真ん中でプレスバックが効かず、いいパンチをくらいました。そのうえで、左から崩すと見せて、高橋祥平が中央へ切れ込んでいく。富山の守備は完全に後手となり、非常に苦しい序盤だったと思います。
 ただエリア内に入られても、フリーでシュートは打たせず、我慢強く対応。すると20分過ぎからセットプレーで徐々に反撃していく。23分には、流れの中でから左サイドからのクロスに、右CBの足助が飛び込んでボレーを放つ場面も。なんでこの時間帯に右CBの選手がそこに(笑)??足助、ヴェルディ戦ということもあってか、気合入ってましたね。
 富山の先制点はカウンターから。自陣でボールを持った朝日が攻め上がり、中央の苔口に縦パス。バウル(土屋)とカンペー(富澤)がしっかりケア。しかし苔口のトラップミスにより、ボールが流れたとこにいたのは黒部。フリーで豪快に蹴り込んで先制。苔口のトラップミスが黒部のゴールにつながった「災い転じて福になる」みたいな形ではありますが、黒部の隣には石田も前線に上がっていて、人数的には3対2になっているんですよね。このカウンターの切れ味には、思い切りの良さを感じます。
 追加点も右サイドから。縦に出たボールを石田が仕掛け、エリア内に走り込む苔口へ。キープしながら逆サイドにクロスし、それを朝日が蹴り込んでゴールイン。前線の4人が絡んだ2得点だと思いますが、左右のMFが上下に見せる機動力が、この戦い方では肝になっていることがこの2得点でよくわかる。
 前半終了間際の失点場面は、東京Vの右SB福田のクロスを濱野がオウンゴールしたもの。
柴崎晃からのパスを受けた福田はほぼフリーでクロスをあげており、富山からすれば、懸念されていたサイドのスペースを使われた形なわけです。左ボランチの谷田は柴崎のケアをしていて福田への対応が遅れていたのだから、ここは左CBの吉井が真ん中を捨てて、福田の対応に出ていく判断をするべき場面だったのかな、というところ。
 ただ一連の流れを巻き戻して見てみると、センターサークル付近での河野のドリブルがそもそもの起点になっているんですよね。対応していたアンカー江添が河野から奪い切れず、ズルズルと自陣まで下がってきて、最終的には左ボランチの谷田、左CBの吉井までも河野のドリブルに引き付けられていて、そのキープから柴崎晃→福田のクロスにつながっている。吉井も河野にくいついた分、結局、中途半端な位置取りになってしまい、中でクロスを跳ね返そうとエリア内で構えているしかなくなっている。ただ形としては濱野選手の頭に当たったオウンゴールですからね・・・悔やまれる失点でした。
 後半開始から、東京Vは高木善を下げて、平本を投入して巻き返し。高さとキープ力、そして突進力のある平本を止められず、富山はファウルがかさんでいく苦しい展開。そして同点ゴールは、またも左サイドを使われた形から。ワンツーで抜け出した福田のクロスに、逆サイドから飛び込んできた飯尾のボレーが突きささる。飯尾のマークは足助。よくついていってましたが、あの動き出しで一瞬であそこに飛びこまれると捕まえにくいですね。決めた技術といい、飯尾がすばらしかった。
 とはいえ、この局面もポイントは福田の抜け出しにあったと思います。ここでは、まず左の二列目にいた黒部が福田についていこうとしたが振り切られています。相手のSBが攻撃参加してサイドを崩すときに誰がついていくのか、あるいは間に合わないときは誰が出ていくのか。右エリアの守備ではCBと足助とボランチの船津がスムーズに連係しているのですが、左エリアになると、ボランチ谷田とCB吉井でうまくスライドし切れていない印象です。ここは改善の余地ありですね。
 その後、富山は前線に、平野、西野、中田とフレッシュな選手を投入し、攻撃に推進力が復活。77分にはCKからのカウンターで平野が独走。朝日へのラストパスを通し、決定的なシュートチャンスを得たが、土肥がこの1対1を弾きだす。ここからは一進一退でした。攻撃で前ががかりになり、守備で負担がかかる時間帯に土屋、富澤、土肥の3人が見せた守りで踏ん張る。その気迫が、柴崎のロスタイム決勝点を生んだのかもしれません。3-2で東京Vの勝利。
----------—
(ベースとなる部分については、ここに書いてます)
攻撃に関しては、狙い通りの形が構築されている印象です。サイドから起点を作れているし、2得点もカウンターから味方が迷いなく駆け上がって奪った形でした。先制点は、黒部のフィニッシュ精度の高さが生きたもの。両サイドMFの石田、朝日の機動力はすばらしいですね。リードを守り切れなかったことは反省点ですが、その後、下を向かずに3点目を狙った姿勢も評価できると思います。土肥のビッグセーブがなければ、富山に勝ちが転がっていたとしてもおかしくはなかった。
 守備組織に関しては、この4試合で一番崩された試合だったように思います。このシステムと戦術は、構造上の弱点を隠すために、ボールホルダーに対して逆サイドを使わせないようにうまくポジショニングを取って守っているのですが、東京Vのようにドリブルとパスワーク主体で時間を作られ、中央から守備をはがされるとそれも機能しなくなってしまいます。ただこれは東京Vのボールキープのうまさ、テクニックを褒めるべきでしょう。他のJ2チームも簡単にそれができるかというと違う気もしますし。
 あとは左サイドの守備の連係ですね。あえてサイドのスペースにボールを出すように誘い込むのが、このシステムの狙いの一つだと思うのですが、相手の右サイドバックがいいタイミングで抜け出した時、左の守備のスライドがうまくいかずに失点につながるなど、ウィークポイントになっています。なんだろう、相手に落とし穴を仕掛けて誘い込んだはずなのに、そこに自ら落ちそうになってるみたいです(苦笑)。
次節の注目は、ここらへんをどう改善するかでしょうか。
【J2:第33節 富山 vs 東京V】安間貴義監督(富山)記者会見コメント [ J’s GOAL ]... 記事を読む

長友、インテル。

 朝、ニュース番組をみていると、もうすごいですね。
何がって、日本ハムの斎藤佑樹投手がキャンプ地入りした話題で、ですよ。
 もう隙あらば、キャンプ地から中継でしたからね。
まだプロになって一球も投げていないルーキーの一挙手一投足にそこまで注目するのはいかがなものかと思うと同時に、まわりが過剰に持ちあげている環境に置かれている斎藤投手が、ちょっぴり気の毒に思えてきます。去年は、菊地雄星選手でしたっけ?すごい注目のされ方でしたよね。
まぁ、サッカーファン的には、長友選手のインテル移籍ですよ。正式に決まりました。
・・・インテルって、凄過ぎるでしょ。もはや事件でしょ。
そして長友選手の話題で思いだすのが、某ヴェルディサポーターのこの貴重な写真・・・ひさびさに見たら、更新はやっ!はやくもインテル版になってました(笑)。
インテルミラノDF長友選手とヴェルディサポーターの熱い夏。
・・・長友さん、本当に太鼓叩いてたんすね。
 この写真には、林陵平選手(現・柏レイソル)も写っています。彼がヴェルディにいた09年によく話を聞いたのですが、明治大学で同期の長友選手とは家族ぐるみで仲が良くて、家に遊びに来るそうです。林選手はイブラヒモビッチが大好きで、彼のインテルユニのキーホルダーつけていたんだよな・・・大学時代の親友がそのインテルの一員になるなんて、想像できないだろうな。... 記事を読む

[試合研究]J2第32節北九州対富山から[3-3-3-1]システムを読み解いてみる

はい、アジアカップ優勝ムードがまだ冷めやらぬ時期に、去年J2で18位だったチームのサッカーに熱視線を送るこの企画。ようやく[3-3-3-1]での試合となりました。
・2010J2第32節北九州(2-1○)
実は最下位(19位)北九州と18位・富山の裏天王山でした。両者ともに「ここで勝たずにどこで勝つ」ぐらいの気合が入っていた試合だったのは、見ているだけでもわかりました。熱戦でしたね。
富山[3-3-3-1]
         苔口
    石田   黒部    朝日
 
    谷田   江添    船津
     堤   濱野    足助    
 
         内藤
 [3-3-3-1]システムを初お披露目。右SB西野が出場停止。前節、機能していなかったワントップ・黒部を二列目に、そして苔口をワントップにしています。相手の北九州は[4-4-2]のボックス。GK水原、DF佐藤、河端、長野、関、MF小森田、佐野、ウェリントン、池元、FWレオナルド、中嶋。
 立ち上がりは、積極的に攻め合う展開だった。北九州・レオナルドの仕掛けが目立つ。25分。セットプレーで試合が動く。ゴール前中央で得たFKを、関が直接決めて北九州が先制。見事な無回転シュート。Gk内藤は見送るしかない。0-1。
 だが富山はここで下を向かず、よりアグレッシブに。
得点には結びつかなかったが、31分の仕掛けが実に鮮やか。ロングボールの競り合いで、センターサークル付近で黒部とポジョンチェンジした苔口がボールを保持。目の前にいた前線3人が一気にゴールに向かって走りだすので、北九州の最終ライン4枚はズルズルとラインを下げて対応。これで苔口がノープレッシャーでゴール前までボールを運んでいく。さらに右にいた朝日が左へとダイアゴナルラン。その朝日を左ボランチの谷田が後ろから追い越していき、最後はあがってきたボランチの江添が中央からフリーでミドルシュート。大きく枠をはずしたが、富山はエリア内に5人飛び込んでいたのがすごい(解説の人も絶賛)。
 その直後にもサイドからチャンス。クロスに飛び込んでいったのは、3列目の船津。3枚のボランチがどんどん前に飛び出していく富山に、北九州は対処できず受け身になっていた。35分ごろから北九州も反撃。サイドの深い位置にロングボールを入れてそこから起点を作ろうとするが、うまくいかず。富山に決定機。右サイドで船津と朝日のワンツーでクロス。黒部が反転シュートも水原がセーブ。この前半、水原は大忙し。
 後半も富山のペース。特に苔口の裏を狙う動きに、北九州のラインコントロールに苦戦。中でも足助のフィードと江添の展開力が目立つ。59分、攻撃がついに実る。自陣のロングボールを左に流れた苔口が流れて起点に。石田が中央で受け、右に抜け出した石田に絶妙なパスを通す。これをしっかり流し込んで富山が同点。リズムの悪い北九州としては、FW長谷川太郎を入れて盛り返そうとした矢先の失点でした。
 その後は、サイドに人数をかけて攻めていく富山のハーフコートマッチ。67分、富山は苔口と石田を下げて、平野と関原を投入。前線にフレッシュなコマを入れて勝ちに行く。一進一退の攻防が続く。74分、左サイドから崩され、クリアミスを拾われ17番中嶋が反転シュート。しかしこれは内藤が超至近距離でビックセーブ。その後、富山は黒部を下げて、長身の永冨を投入。決勝点は83分。平野の蹴ったCKに主将・濱野が打点の高いヘディングでゴールネットを揺らす。ベンチはもみくちゃで大騒ぎ。4分のロスタイムも耐えて、富山が逆転で勝ち点3を獲得。前監督から続いていた連敗も7で止め、安間体制の初勝利を飾った。
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 スカパー!の中継での情報によれば、右SB西野が出場停止だったこと、さらにCB陣の調子がよかったため、この布陣を試してみたとのことです。参考にしているのは、チリ代表のビエルサ監督(当時)の戦い方。そうか。安間監督は南米サッカーマニアなのですが、なかでもポジションを崩して選手が後ろから飛び出していくチリ代表のサッカーが好きで、ミーティングで映像を見せていると、甲府監督時代におっしゃってました(普通ならば入手困難であろうチリ代表の試合映像は、日本代表の大木コーチ(当時)経由で確保していたはずです)。
 ちなみにビエルサが南アフリカW杯で採用していたのは、[3-3-3-1]ではなく[3-3-1-3]ですが、3枚のCBとその前に3枚のボランチを並べるのは同じですね。守備面で言えば、3バック+3ボランチなので、真ん中は堅い。当然相手はサイドから崩そうとする。3バックの外のスペースを突かれた時は、基本的には左右のボランチが流れて守る。間に合わない場合はCBが出ていく(その際は、逆サイドにいるボランチが中央に絞って最終ラインに入ってカバー)。2トップがサイドに流れて起点を作ろうとするときは、マッチアップするCBがついていく。
 攻撃面では、1トップの苔口が常に背後を狙い続ける。1.5列目でプレッシャーをやや受けにくい黒部がポストプレー。トップ下・黒部は札幌戦でのトップ起用よりもはるかに機能しており、守備の負担も少ないし、起点にもなりやすい。苔口と縦のポジションチェンジも頻繁に行う。そこに機動力のある二列目の石田と朝日がどんどん飛び出していく。この4人がカウンターの担い手になる。そこにボランチ、CBもリスクを恐れずにゴール前に飛び出して厚みを加えていく。こういう勇気ある攻撃が、チリっぽさを漂わせております。
 そしてこの[3-3-3-1]システムの生命線は、実は両サイドにあると見ています。もちろん[3-3-3-1]という羅列だけを見てたら、サイドのエリアに人は配置されてませんよ。でも3バック、3ボランチなので手薄になると思いがちなサイドのエリアをCBとボランチの選手がサイドに広がって起点を作るところから仕掛けが始まっているんですよね。例えば攻撃を組み立てる際に右サイドのエリアを見てみると、二列目の右MF朝日、右ボランチ・船津、右CB足助の3人が縦の関係で並んで打開しようとしていることに気づきます。一見、サイドには人がいないと思わせておいて、実はそこに人数をかけて数的優位を作り、縦に制圧していく戦い方なのではないかと、にらんでいます。
 このへんの発想は、安間監督ならではかもしれません。普通、ピッチに配置されたエリアを区切るとき、いわゆるフォーメーション表記のように、前線、中盤、DFラインという3等分して捉えますが、安間監督は、左エリア、中央エリアと右エリアとピッチを縦切りにした3等分で捉えてサッカーを組み立てる人なので。その縦に区切ったエリア、特にサイドでどう主導権を握るかを考えて、作戦を立てています。
 なので、サイドに配置されている選手も、数的優位を確保するためにアップダウンできる運動量を重視してる気がします。圧倒的に攻撃が多かった右サイドを見てみると、二列目の右の選手は前線からの守備で汗をかき、カウンターではゴール前に飛び込んでフィニッシュに絡めるウィング的な能力(朝日)、3ボランチの右は、低い位置で守備をしてから前線に出ていくけるサイドバック的なタフな機動力(船津)という印象です。CBに関しては、高い守備力とサイドで前線へのフィード技術(足助)を求めているのかなという感じです。
 北九州戦での対応で見えてきたのは、こんなところでしょうか。
新システムで幸先良く勝利しました。とはいえ、まだまだ整備する余地はありそうです。これをベースにどう戦っていくのか、でしょうね。
 次回からはこんなに長く書きません(時間かかり過ぎ・笑)。この戦い方からどう変化したかなどに触れる感じにしていきますね。... 記事を読む