脳と将棋。

 先日、こんな対談にお邪魔してきました。
$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
 脳科学者の茂木健一郎と将棋の羽生善治名人です。
お二人は「プロフッショナル 仕事の流儀」でも共演してますし、対談本も発売されてます。勝手知ったる間柄とのことで、ステージに現れるなり、茂木さんは「打ち合わせしていないんですよ」と切り出しながら羽生さんとのトークを開始していきました。スタイルとしては、対局中の羽生さんの思考回路について、ホスト役の茂木さんが脳科学の見地からあれこれ迫っていくのですが、いやー、刺激的な内容でしたね。
 というのもね、後半の内容がすごかったんですよ。
最初の45分が過ぎたころに突然茂木さんが話題を変えたんですが、その振り方が、
「羽生さん!AKB48についてはどう思います?」
 でしたからね。
観衆にどよめきが起きたのは言うまでもありません。でも羽生さん、AKB48ネタをムチャぶりされても、「あーーーーー、そぉーですねぇーーー」と、いつもの口調で答えようとしていましたからね。ちなみにAKB48という存在は知ってるけど、顔とかはよく知らないそうです。「実はこの会場の中に5人いるんですよ」とか茂木さんはウソを教えていました(笑)。
 それで終わりなのかと思いきや、茂木さんは時事的なニュースをガンガンに聞いていきます。
茂木:「羽生さん、ウィキリークスについてどう思いますか?」
羽生:「匿名で情報を漏らす手段がある環境など、時代性も関係していると思いますが・・・秘密を知ったら、他の誰かに言いたくなるというものが人情ですよね」
茂木「羽生さんも言いたくなりますか?」
羽生 「それはそうですよ。抱えるのはストレスじゃないですか」
茂木「じゃあハブリークスとかあるんですか」
羽生「ないです(笑)」

 みたいな感じで。
その後も坂本龍馬について、普天間問題など、羽生さんへの無茶ぶりがとまらない茂木さん。興味深かったのは尖閣諸島問題についての羽生さんの見解でした。「自分は対局で北海道から沖縄までいろいろな場所を回るのですが、そこで感じたのは『人間は山を挟むと仲が良くなり、川を挟むと仲が悪くなる』ということ。川や海では水という利権が絡むからかもしれませんね」と言っていたこと。思わず「なるほど!」と思ってしまいました。
 まだまだ手を緩めない茂木さん。
「だって羽生さんには将棋のことしか聞いちゃいけないんだ、という空気があるでしょ?今日はそうじゃないことをしたい」と言い放ちます。「羽生さんが、『この子のこと好きだな』って思う瞬間って、どんなときだったんですか?」、「羽生さんってデートのときは、どんなこと話すんですか?最初の一手は?」とか羽生さんの恋愛観にまで踏み込んでいきました。茂木ッチのこの切り込み、すごいな。なお羽生さんは一目ぼれというよりも徐々に好きになっていくタイプで、恋愛将棋の最初の一手は「話す」、詰めは「・・・普通です(笑)」だそうです。
 そんな感じですっげぇ楽しい2時間でしたね。
せっかくなので、茂木さんが書いてくれたサインを紹介・・・ハトのイラスト付きでした。
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ルービックキューブにくいつく男たち。

 今日は朝から麻生に。
ときおり小雨もぱらつきましたが、さほど影響なく見学できました。
 練習後、記者控室の机をふとみると、懐かしの「ルービックキューブ」が・・・そうです、あの色をそろえる立方体パズルのおもちゃです。オフィシャルライターのAさんに聞くと、高卒ルーキー・大島選手がかなり得意なので、その腕前をマッチディプログラムで紹介する企画とのこと。
 ふぇー。
しかしなかなかロッカーから出てこない大島選手。そうこうしていると、自販機に立ち寄った寺田周平コーチが「おーっ!」とルービックキューブを手にとって、そのまま席に座ってカチャカチャと挑戦し始めました(笑)。「ここまではできるんだけどなー」とつぶやきながら、色をそろえること5分ぐらい格闘・・・・その間、相馬監督と今野コーチも通りがかったのですが、2人ともめっちゃルービックキューブにくついて、ちょっとしたルービックトークしてましたね(笑)。あははは。人ってこういうときに、育った世代が出ますよね。なごんだ一コマでした。
 なお寺田コーチと大島選手がルービックキューブに挑戦しているこの姿は、しっかりとモバフロに動画でUPされてます。さすがフロンターレです。
 そういえば、キン肉マンで「ルービックキューブマン」って出てきたなー。超人オリンピックで見せた知恵の輪マンとの戦いは、キン肉マン史上に残る死闘です(笑)。懐かしい。... 記事を読む

最近読んだ本。

 どうも。
はぁー、ホント困りますよね。
もう思わずため息ですよ。
何が困るって、十六茶のCMのガッキー可愛すぎじゃないですか?
横浜銀蝿のヒット曲「ツッパリ High School Rock’n Roll」にあわせて、へんちくりんな・・いやリズミカルな腰振りツイストしちゃうなんて反則ですよ。PCに向かって仕事していても、あのCMが流れたら、もれなく画面に釘付けになってしまいますから。
 そんな情報はどうでもいいとして。
最近、ブログで紹介したくなるような面白いサッカー本があまり発売されてないので、わりと小説を読んでます。まぁ、シーズンが始まれば、移動中とかはほぼサッカー関連の雑誌や書籍ばっかり読んでいるので、この時期ぐらいしかエンターティメント小説を読む機会がないというのもあるんですけどね。
 最近のオススメを二冊ほどピックアップしておきます。
$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
 今読んでいるのが「成金」。前作「拝金」に続く、ホリエモンこと堀江貴文が書いた小説第2弾です。「拝金」が面白かったので、今回のも買ってみました。1990年半ばから2000年前後のIT業界を舞台にした物語です。内容自体はフィクションですが、彼自身の実体験に基づいて書かれているのでリアリティがあるので、読んでいて引き込まれちゃいます。
 小説としての技法としては「ん?」なところもあるんですけど、そこには目をつぶれるぐらいのパワーも感じます。前作同様、とにかく物語の進行にスピード感がありますからね。続きが気になって、ページをめくる指がサクサク進みます。面白いですよ。
 もう一冊は、「盤上のアルファ」。
これは将棋の小説です。「第5回小説長編新人賞」とのことで、本屋に平積みされてました。ストーリーとしては、ものすごく将棋の強いアマチュアのおっさん(33歳だけど)が、プロ棋士の編入試験を受けるという、将棋ネタとしてはわりとありがちな設定です。ただ物語の舞台が珍しく関西棋院になっていて、関西弁でのやりとりなんかは味があって面白かった。
 将棋担当に配属された素人の新聞記者が主要人物として登場して棋界の内情をあれこれ伝えてくれるので、将棋に詳しくない人でも読みやすいと思います。これもぐいぐい読めます。なにより最後のあのどんでん返しには、完全にやられました。
成金/堀江 貴文

¥1,470
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拝金/堀江 貴文

¥1,470
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盤上のアルファ/塩田 武士

¥1,575
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エルゴラ選手名鑑が出た。

 「ワンコインで買えて、お釣りでうまい棒も買えちゃう」のキャッチコピーでお馴染み(うそ)、エルゴラ選手名鑑が発売されました。
$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
 今のご時世だと、ツイッターでダイレクトな感想をいただけるので、ありがたいですね。好評をいただいおり、フロンターレサポーターからは「電車内で読むと、噴いてしまう」との声も多数いただき、執筆者としてはうれしい限りです。エルゴラの場合、J1の選手紹介は100文字前後なのですが、プレースタイルを書きつつ、キャラクターや小ネタも盛り込もうとすると、けっこうタイトですからね。140文字書けるツイッターよりも短いですし。それでも、「去年よりもいい紹介文を書く!」と気合を入れて頑張りましたので、よろしくお願いします。
 そういえば・・・昨年の9月から始めたツイッターのフォワー数が、やっとこ1000人を超えましたー。ぱちぱちぱちぱちー。「人はなぜ戦争するのか」などなど、哲学的なことしかつぶやいてませんが、興味ある人は「 ishikawago 」のアカウントで探してみてください... 記事を読む

明日発売。

どうも。
最近、フットボールアワーの後藤の「いじられたときの返し」がツボでたまりません。かなり腕あげたよなー。
 今日、本屋さんのサッカーコーナーを通ったら、今シーズンの選手名鑑がボチボチ並び始めていました(※エルゴラの選手名鑑は明日発売です)。他媒体の出来も気になるもんで、「どりどり」とパラパラと立ち読みしようと思ったら、ヒモでピッチリと包装されてました・・・うーむ、他の本屋さんでもそうなってるのかな。
 ちなみに棚にあったサカマガを手にとって表紙を開いたら、「富山の[3-3-3-1]に注目だ!」といきなりサカマガ編集長が巻頭コラムで書いていたので、思わずガン見・・いや、ガン読みしてしまいました(笑)。去年富山が見せた[3-3-3-1]での戦い方に対する視点と解釈が僕とは少し違いましたが、なかなか興味深かったですねぇ。なんにせよ、安間監督が富山で見せるサッカーには注目ですな。
うん、いよいよシーズンが開幕するなぁって感じがしますね。
・・・・とか言いつつも、今日はこんなところにお邪魔してきました。
$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
そうです、日本将棋連盟です。
理由は・・・・・長くなるからやめとこ(笑)。
一階の売店で「竜王戦の記念扇子(渡辺 VS 羽生)」を思わず買いそうになってしまったのは内緒です。
それでは、明日発売のエルゴラの選手名鑑、よろしくお願いします。490円っす。ワンコインです。お釣りでうまい棒も買えちゃいます。
Jリーグプレーヤーズガイド 2011 2011年 04月号 [雑誌]/著者不明

¥490
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プロフェッショナル仕事の流儀:石岡瑛子

 昨夜のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」観ましたか?
登場したのは、ニューヨークを拠点に活動している、世界的デザイナー・石岡瑛子。
ブロードウェイの超大作ミュージカル「スパイダーマン」の衣装製作現場に密着したドキュメンタリーだったのですが、いやはや、ひさびさにテレビの前でしびれました。
original 誰にもまねできない
revolutionary 革命的な
timeless 時代を超える
 それを妥協せずに追求する姿は、まさに超一流の仕事人。世界の第一線で戦う方の凄味のようなものが伝わってきました。そして何より見習いたいのが、仕事に打ち込み続けるあのエネルギー。
「ずっといつまでも 無我夢中で 目隠しした馬が走るように 走っているようなものですよ」
「寝ていたいと思う人にとっては 物好きな生き方だと思うけれども まだ途中だからね 旅の」
 番組の終盤にそう語っていましたが、一体何が彼女をそこまで掻き立て続けるのだろうか。彼女は現在71歳だそうですが、そんな年齢の数字などまるで眼中にないかのように、自分を燃やし尽くし続けている。すごいという言葉しか浮かびません。
 とにかく、実に刺激的な放送でした。俺も頑張ろう。... 記事を読む

エルゴラ選手名鑑。

 最近、「エルゴラ」、「選手名鑑」の検索ワードでこのブログにたどり着いてくる方が多いようですね。
今年のエルゴラ選手名鑑はまだ発売されておらず、2月18日発売となっております。今週の金曜日なので、も~う、いーくつ寝ぇーるぅーとーですね。今年バージョンの特徴としては、これまではJ1のみがカラーでJ2は白黒だったんですが、J2もカラー版、さらにJに準加盟・準加盟申請クラブの情報も掲載されているそうです。パワーアップ感、満々なのでお楽しみに。
 ちなみに昨年はヨーロッパ版のエルゴラ選手名鑑なるものもiPhone用のアプリとして発売されていて、。家で海外サッカーを見ている時にちょこちょこチェックしているんですが、これは便利っすねー。前もちらっと紹介しましたが、アプリ版だとシーズン途中での入れ替わりにも対応しているので、更新データもちゃんと反映されてるんですよ。インテルの項目には、ちゃんと「長友佑都」が追加されてますからね。
$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
はぁー、名だたる選手をスクロールしていると、長友が出てくるのはちょっと感動します。
$いしかわごうの「サッカーのしわざなのだ。」
シュツットガルトの項目には岡崎選手も追加されているのですが・・・移籍問題が早く解決して試合に出られるといいですね。
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[試合研究]J2第38節富山対愛媛から[3-3-3-1]システムを読み解いてみる

J2第38節富山対愛媛(3-3△)
・富山[4-1-4-1]
             20.苔口
       7.石田           7.朝日
          8.渡辺    5.長山
             22.江添
      23.中田  3.堤   6.濱野  19.西野 
             31.橋田
 対する愛媛は、[4-4-2]。GK川北、DF関根、アライール、小原、三上、MF越智、田森、赤井、杉浦、FWジョジマール、石井。
 最終戦、いい試合でした。すごく。
最終ラインの4枚のビルドアップに対して、富山は苔口、朝日、石田の3枚がいき、ダブルボランチに入った時は、渡辺と長山が連動していく。つまり5枚のプレスがかかっていくわけですが、うまくはまれば、ショートカウンターで一気にゴール前までいけます。この試合では石田と朝日が二列目で起用されていたため、ワントップの苔口にボールが入った時のサポートが早く、追い越す動きもしていくので、高い位置で奪ってからの攻撃に躍動感がでますね。
 ただし、しっかりとビルドアップしてくる愛媛の姿勢にも好感が持てました。前からのプレスにも安直なロングボールは蹴らず、しっかりと組みたてて来る。チームとしても意図を持ったボール回しをしていて、そのテンポ、リズムがいい。ボランチの田森もつなぐにいいアクセントをつけていました。かといって徹底的にパスをつなぐかというと、アライールはロングフィードも前線に随所に盛り込んでくる。うまいですね。
 富山はときには5枚(5人の選手)が前から連動して奪いにいくものの、それで奪いきれないときはどうしてもアンカー江添のまわりが手薄になってしまい、愛媛はそのスペースを中盤に降りてきた2トップに、いいタイミングでボールが収まるんですよね。そうなると、前を向いて仕掛けられてしまう。愛媛の先制点は、その形から生まCKでした。16分、サイドを起点にされ、中盤で江添が下がってきたジョジマールをつぶしきれず、バイタルエリアを使われる。サポートに入ったMFの杉浦がミドルシュート。それで得たCKを石井がヘディングで合わせて0-1。20分の追加点もCKで、競り合いのこぼれ球をアライールがボレーで詰めて、0-2。
 
 今季の富山にとって2点のビハインドは絶望的な状況ですが、ここで選手は慌てなかった。基本に充実に、サイドを起点に組み立てていく。29分の得点シーンは、その流れから。左サイドでパスをつなぎながら局面を突破。クロスに渡辺が飛び込み、その相手のクリアが朝日に当たり、そのボールがゴール前にいた石田の目の前に。豪快に蹴り込んで追撃の1点を挙げる。
 後半は、富山が前線の3人の配置を変更。石田と苔口の2トップにし、朝日をトップ下にしていました。これは攻撃面でいいアクセントになりました。これまではワントップの苔口が左右に流れてボールを引き出していたのですが、トップ下に朝日がいることで縦にボールが入りやすくなり、さらにボランチ、サイドバックが飛び出していく動きも目に見えて増えていく。[3-3-3-1]のときというか、富山らしい攻撃姿勢が出てきましたね。
 71分、中盤の奪い合いから西野が右からゴール前にクロス。ボランチの渡辺が頭で合わせて同点。相手GKも見送るのみのファインゴールで、この位置にいたサイドバックのクロスをあがっていたボランチが決めたという事実がすばらしいですよね。こうなると、もう富山の押せ押せ。78分、2トップになったことで相手CBの苔口へのマークがややルーズになっていました。江添のパスに抜け出してシュート。こぼれを2トップで起用されていた石田が詰めて3-2。安間采配ズバリですね。富山がついに逆転。
 その後富山は、江添→カン、渡辺→野嶋、苔口→長谷川と交代。決して逃げ切りをはかるわけではなく、さらにリスクを負って攻撃に出ていき、85分には、石田のクロスに長谷川がダイビングヘッドで飛び込み、そのこぼれ球をカンが狙い、あわや追加点の場面もありました。しかし88分、右サイドを突破され、グラウンダーのボールを途中から入った福田中央で合わせてネットを揺らす。福田健二は「さすが」といえる仕事ぶり。愛媛が同点においつきこのまま終了。3-3で終えました。
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  安間監督が指揮を執った第29節千葉戦からの全9試合を分析しましたが、[3-3-3-1]システムを起用したのは4試合でした。とはいえ、[3-3-3-1]システムとそれ以外のシステムで大きく戦い方が違うかというとそういうわけではなく、核となるチームのプレー原則は同じでしたから。全9試合、いい教材として研究させていただきました。
 この最終戦に関しては、戦術面で特筆すべき発見はなかったのですが・・・なんというか、富山の選手たちはみな気合が入りまくっていましたね。JFL時代からプレーする13人を含む14人の引退と契約満了が決まっていたそうで、試合の出ている選手たちの「彼らのために」という思いがひしひしと伝わってくる試合でした。「システムに命を吹き込むのはお前らだ!」とは安間監督の言葉ですが、何かを込めて戦う選手の姿には、システム論うんぬんを越えて、見ている人に何かが伝わるのものだと思います。サッカーにおいては、なにより大事なものを示した最終戦だった気がします。本当にいい試合でした。
[3-3-3-1]システムを読み解いてみるということで始まった富山の試合研究、いかがだったでしょうか。富山のサポーターにもチェックしてくれた方がいたようで恐縮ですね。また何か機会があれば、ということで・・・新シーズンにも期待で。
【J2:第38節 富山 vs 愛媛】安間貴義監督(富山)記者会見コメント [ J’s GOAL ]
全9試合の安間富山の「試合研究」はこちらにまとめております。... 記事を読む