スラムダンクのクリアファイル。

雑誌「月刊バスケットボール」を買いました。
お目当ては、特別付録のスラムダンクのクリアファイルです。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
井上先生が最近描いた桜木花道のイラストは貴重ですよー。こんなん、欲しいじゃないですか。ものすごい欲しいじゃないですか。だから、雑誌を買いましたよ。眺めてニタニタしてます。
仕事柄、クリアファイルはよく使うんですけど、これはなんか使いにくいですね。もったいなくて。使うけどさ。左手をやさしく添えて使うけどさ。
 中身もちゃんと読みました。
スラムダンク奨学金のレポートも掲載されていました。あと長谷川誠選手は今年引退していたことも知りました。42歳ですか。最後は、地元・秋田でプレーしていたんですね。お疲れさまでした。
月刊 バスケットボール 2013年 07月号 [雑誌]/日本文化出版

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SLAM DUNK スラムダンク ポスター (集英社オフィシャルグッズ)/集英社

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最近読んだサッカー漫画「68m」。

最近読んだサッカーの漫画本を紹介します。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
「68m」
ビッグコミックスピリッツで連載されていた高校サッカーの短編集です。タイトルの「68m」はサイドバックの物語のタイトルです。68メートルは、ピッチの横幅の数値ですね。
 全部で5作品が収録されているのですが、個人的には「ベンチウォーマー」という、全国大会に出場することになった高校のゴールキーパー2人の話が好きかな、やっぱり。
 
試合に出たいベンチを温めているサブキーパー目線で物語は進んで行きます。同じゴールキーパーというポジションでも、性格もプレースタイルも全然違う2人。でも試合に出るのは一人だけ。お互いに実力を認め合っているのだけど、それを素直には認めたくない、そんな微妙なキーパー心をうまく描いています・笑。
 あとは「老牛」も面白いかな。
タイトルの「老牛」は、近鉄バッファローズ(っぽい)野球帽がトレードマークとなっている高校サッカーの顧問から。72歳。「ゾーンプレス」を信奉して、ひたすらトレーニングで走らせる一昔前の指導者といった風情で、そんな昔ながらの指導に反発する選手とのあれこれです・・・うーん、実際にありそうなシチュエーションですわ。
それぞれの物語の「テーマ選び」や出てくるエピソードを見ていれば、作者さんがどれだけサッカー好きなのかが十分過ぎるほど伝わるサッカー漫画だと思います。
68m: 手原和憲 高校サッカー短編集 (ビッグ コミックス)/小学館

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書評:Hard After Hard かつて絶望を味わったJリーガーたちの物語

 どうも。
サッカー本ソムリエ・いしかわごうです。
最近読んだサッカー本。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
「Hard After Hard かつて絶望を味わったJリーガーたちの物語」
 カンゼンさんから献本していただきました。本屋で見つけて「買おう!」と思ったのですが、「カンゼンさんの本なら献本してもらえるかも・・・」と思い、購入を我慢しました、無事、いただけてよかったです・笑。
 季刊時代のサッカー批評から連載されていたものを書籍化したものですね。非常に読み応えがあるノンフィクションでした。濃いわー。
 物語は、昨年タイで引退をした財前宣之と現在ザスパクサツ群馬でコーチをしている船越優蔵を軸に進んで行きます。そう、これはJリーグが開幕した1993年に日本で開催されたU-17世界選手権(現U-17ワールドカップ)組の「その後」を取材した内容が中心です。
 ご存知の方も多いかと思いますが、このときのUー17組の顔ぶれは、中田英寿、宮本恒靖、松田直樹、戸田和幸ら、後の日本代表の歴史に名を残す蒼々たるメンツでした。しかしこのチームで日本代表の10番を背負っていたのは、中田英寿ではなく財前宣之。彼が絶対的なエースとして君臨していました。練習のお手本は財前選手が示し、中田ヒデがそれを体育座りで真剣に見ていたのは有名な話ですね。
 財前選手は、U-17世界選手権ではU-17日本代表の中心選手として、リーグ戦三試合全てでマンオブザマッチを獲得しベスト8進出に貢献。大会ベストイレブンにも選出されていました。ちなみにこのときの大会ではスローインをキックインで行うというルールがテスト採用されていたんですが、日本の攻撃は、スローインになるたびに財前宣之のキックを長身フォワード・船越優蔵選手がヘディングで合わせるという形ばかりになってしまったため(?)、このルールは封印されました・笑。
 彼らがあのときのチームメートや当時をどう振り返っているのか。それも物語の幹ではあるのですが、当時のチームメートの中には、すでにサッカー界から身を洗っている方々もいます。そんなかつての選手たちの追跡取材こそが、この物語の本質なのかもしれません。プロサッカー選手になれるのは本当に一握りですが、そのキャリアを続けていける人はさらにごくわずかです。
 読み進めて行くと、当時は、Jクラブの組織自体がまだ未成熟だったことや、シーズン後のトライアウトすらなかったことで、現役を続けたかった若手の受け皿があまりにもなかった時代も災いしています。志半ばでキャリアに終止符を打った彼らの思いも明かされています。これもサッカーの一部なんですよね。ある意味、日本サッカーの光と影、と言ってもいいのかもしれません。考えさせられます。
 この本を読んでいて思い浮かんだアイディアがひとつ。
サッカーライターって、色々なタイプがいるじゃないですか。日本代表や海外組を中心に追いかける人もいれば、特定のJクラブに特化したライターもいますし(自分はこのカテゴリーです)、育成年代の取材に力を入れているライターもいます。なでしこ専門の人もいます。そのカテゴリーで、現役のサッカー選手ではなく、引退した選手に特化して取材するサッカーライターがいてもいいと思うんですよね。毎年引退する選手は必ずいるわけですから。
 同業者はかなり少ないので、サッカーライターを目指したい人は、おすすめのカテゴリーかもしれません(?)。ただサッカーライターというよりは、ほとんどノンフィクションライターに近いかもしれませんが。
あと磯貝さんのインタビューがかなり面白いです。斬新な日本サッカー界を変えるアイディアとか、ガンガン言ってます。これだけで一読の価値があるかもしれません・笑。
Hard After Hard(ハード・アフター・ハード) かつて絶望を味わったJリーガーたちの物語/カンゼン

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財前選手や松田選手の内面については、小宮さんの本も詳しいです。
アンチ・ドロップアウト~簡単に死なない男たちの物語 (SHUEISHA PB SERIES)/集英社

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フットボール・ラブ ~俺たちはサッカーをあきらめない~ (SHUEISHA PB SERIES)/集英社

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中村憲剛選手も絶賛!サッカーの憂鬱の2巻が発売されました。

本日5月29日「サッカーの憂鬱 裏方イレブン」の第2巻が発売されました。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
代表チームの料理人、クラブの営業マン、代理人、フィジカルコーチ、サポーターなどなど、ピッチ外で戦う人間ドラマを読み切り形式で描いている漫画です。どの作品も、能田先生ならではの味がありますし、そこにサッカー愛を感じる作品ばかりなんですよね。クライマックスでホロリとさせえて、オチで笑わせてくれるパターンもたまりません。
ご存知の方も多いかと思いますが、サッカーライターの回では、わたくし・いしかわごうが取材協力をさせてもらっております(巻末に僕のクレジットもちゃんと掲載されておりますよ)。オファーをいただいたとき、オレンジ時代から読んでいた能田先生ですから、喜んで協力させていただきました。
 漫画内に出てきた練習場所はところどころあの場所っぽいですし、シーズン途中で監督が交代するくだりとかは去年のどこかのチームのような感じです・笑。雑誌「漫画サンデー」に連載されたときは、「お店で見つからなかった」、「買えなかった」という声も多かったですし、読み逃してしまった方は、ぜひコミックスで読んでみてください。
・・・・というか、サッカーライターが主役になったサッカー漫画なんて、サッカー漫画で史上初めてじゃないですかね?すみませんね、歴史を作っていく僕で。
 さて実はコミックスの帯コメントは、中村憲剛選手にお願いしています。
去年の秋頃、「実はサッカーの憂鬱という漫画に出ることになったんだよね」と憲剛選手に何気なく話すと、「本当?能田先生の漫画?1巻持ってるよー」と興味津々に返してくれました。
憲剛選手はかなりの漫画好きですからね。サッカーの憂鬱もチェックしていたみたいです。そのことを編集者さんに伝えたら、「ぜひ、帯コメントを!」ということになり、今回お願いすることになりました。
 快諾してくれた憲剛選手、どうもありがとーーーー!!
みんな、今日の帰りは本屋に寄って「サッカーの憂鬱」の2巻を買いましょう。読む用、保存用、いしかわごうにサインをもらう用で、ひとり3冊は買いましょう。
あっ、そして今日フットボールチャンネルに憲剛選手の原稿が掲載されました。復調した自身のコンディションのこととと、フロンターレのこと、そして日本代表のことについて語ってもらってます。ちゃっかりファン感のこともさりげなく触れておきました。
中村憲剛が語る日本代表への決意「本田がいないときにやってきた自負がある」
本日放送されるテレ朝のマツコ&有吉の怒り新党。その人気コーナー「新三大〇〇」はサッカーネタ、それもサンフェレッチェ広島の特集になっています。みなさん、ぜひ見てみましょう。
サッカーの憂鬱~裏方イレブン 2 (マンサンコミックス)/実業之日本社

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サッカーの憂鬱~裏方イレブン (マンサンコミックス)/実業之日本社

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<サッカーの憂鬱2巻での参考文献リスト>
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サッカー選手の正しい売り方 移籍ビジネスで儲ける欧州のクラブ、儲けられない日本のクラブ/カンゼン

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最近読んだ漫画「ブラック・ジャック創作(秘)話」の3巻。

 最近読んで、面白かった漫画。
ブラック・ジャック創作(秘)話の3巻。
$いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
 こちらも、重版出来同様、ある意味、漫画業界物語ですね。
歴代の編集者やアシスタントに取材し、漫画の神様・手塚治虫にまつわる仕事のエピソードを紹介していくのですが、当時の手塚治虫の尋常じゃない多忙ぶりと漫画への情熱を感じることができる作品です。
 締め切りに間に合わず、編集者の独断で、背景の一部を白いまま手塚治に無断で入稿した漫画を見たとき、怒鳴り散らすのではなく、悔しさのあまり号泣したというエピソードがなんとも言えません。彼の漫画に対する異常なこだわりの数々・・・・「手塚治虫のプロフェッショナル~仕事の流儀」を見ているような感じです。
トキワ荘時代の話など、まんが道ファンには、たまらないエピソードも出てきますね。
ブラック・ジャック創作(秘)話~手塚治虫の仕事場から~ 3 (少年チャンピオン・コミックスエク…/秋田書店

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最近読んだ漫画。「重版出来!」

 最近読んで面白かった漫画でも紹介。
$いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
 重版出来!
「じゅうはんしゅったい」と読みます。
 漫画編集部を舞台にした出版業界の仕事のドラマを描いた話です。漫画業界を描いた物語というと、どうしても漫画家であったり編集者が主役になりますが、この漫画では本を売ろうとする営業や実際の書店員などのドラマにもフォーカスを当てて描いているのが特徴ですね。「本が売れない」と言われている時代、「本」そのものにいろんな立場で携わっている仕事人の情熱を垣間みれるような感じです。主人公がそれほど前に出て来る漫画ではないですが、黒沢心のキャラは好きです。
 「働きマン」が好きな人は、ハマると思います。僕はハマりました・笑。2巻も買います。
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サッカー本書評:「自分を動かす言葉/中澤佑二」

 どうも。
サッカー本・ソムリエのいしかわごうです。
少し前に読んだ中から、オススメのこちらを。
中澤佑二選手の「自分を動かす言葉」です。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
 中澤佑二自身が紡いできた「自分の言葉」を紹介するのではなく、自分に影響を与え、自分を動かしてくれた「他人の言葉」を紹介していくという内容です。
構成としては、「自分を動かす言葉」を挙げて、そこにまつわるエピソードを紹介していく流れですね。その言葉が中澤選手の人生においてどんなシチュエーションのときに響いたのかを詳しく振り返っているので、ある意味、中澤佑二の自伝のようでもあります。
 高校時代はプロのスカウトの目に一切触れることもなく、卒業後にブラジルにサッカー留学。帰国後は年齢をごまかしてヴェルディユースとの練習試合に出場して活躍し、なんとか練習生からプロ入りした選手ですからね。
 そのヴェルディの練習生だった時代に、カズさんやラモスさんに怒鳴られて「プロフェッショナル」を感じたエピソード。ブラジル留学時代、「僕も絶対にプロになってブラジル代表になって見せるよ」とジウベルト・シウバに言われてお互いに将来を誓い合い、その10年後のドイツワールドカップという舞台で再会した話・・・・どれも振り幅があって興味深いです。日本代表・中村憲剛選手が「自分はエリートではない」とよく言っていますが、「非エリートぶり」で言うならば、この中澤佑二選手はそれ以上かもしれませんね。そんな彼の人生哲学がよく伝わってくる内容になっています。
 今年、横浜Fマリノスから移籍してきた森谷賢太郎選手にロングインタビューをしたとき、影響を受けた存在として中澤佑二選手を挙げて、普段の姿勢を教えてくれました。

「佑二さんは練習で絶対に手を抜かないんです。例えば、マーカーまで走り切るところの、ほんのちょっとのところなんですけど、その内側を走ったりは絶対にしない。必ず外側を走り切る。練習前も佑二さんは二時間前に必ず来て筋トレをしているんです。僕もいつも朝に筋トレをしていたのですが、一度、眠くていけないときがあった。そのときに『なんでこなかったの?』と聞いてくれたり、気にかけてくれて・・・試合に出れないときも、『チャンスが来るから腐るなよ』と言い続けてくれて。そういうプロフェッショナルの存在は大きかったです」

中澤選手のストイックさ、節制ぶりは有名ですが、同僚だった森谷選手から直接そういう話を聞くと、やはりすごい選手なのだなぁ、と思いますね。
全体的にポジティブな本なので、「プロフェッショナル」を考える意味でも、良い本だと思います。サッカーに詳しくない人やビジネスマンにもおすすめです。
 最近、サッカー本の紹介をさぼっていたので、また少しずつペースをあげていこうと思います。ペースをあげるために、あまり長い文章の書評ではなく、800字程度のこのぐらいの短めの書評に切り替えていこうかと思います。
◆サッカー本ソムリエ・いしかわごうへの献本、書評の依頼など問い合わせは
go.ishikawa55@gmail.com まで気軽にどうぞ。
自分を動かす言葉 (ベスト新書)/ベストセラーズ

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<こちらは中澤選手の自伝>
中澤佑二 不屈/文藝春秋

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<塀内先生による中澤選手の自伝漫画>
中澤佑二物語 (ヤングマガジンコミックス)/講談社

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「伸びる人のデータの読み方、強い組織のデータの使い方/渡辺啓太」

 どうも、サッカー本ソムリエ・いしかわごうです。
 今回紹介するのは、サッカーではなく、バレーボールの本です。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
「伸びる人のデータの読み方、強い組織のデータの使い方」
 ロンドン五輪で、28年ぶりのメダルを獲得した全日本女子バレーチーム。眞鍋監督がipadを片手に持ちながら指示を出す姿は、すっかりおなじみですよね。そこに試合のデータをリアルタイムで送信しているのが、アナリストの渡辺さんです。
1作目の「なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか」は、渡辺さんがアナリストになるまでのいきさつやアナリストという仕事に対する説明などを盛り込んだ内容でしたが、今回は、昨年のロンドン五輪に向けてどんな準備をしてきたのか、そして実際の試合に向けて、具体的にどういうアプローチで試合に準備をしているのか、映像や試合のデータをどう活用したのか、などなどかなり掘り下げた内容になっていた印象です。
 現代スポーツは「情報戦」と言われますが、本書のなかで渡辺さんは情報を「インフォメーション」と「インテリジェンス」という2種類で表現していました。
 
 そしてアナリストの仕事というのは、勝つ為に必要な「インフォメーション」を正確に集めて、それを「インテリジェンス」に加工し、戦略的に意思決定者に提供することにある、と。
 例えば企業が業績を上げる為には、自社のデータ、ライバル会社の動き、時代の流れなど、さまざまなデータを集める必要がある。その情報のことは「インフォメーション」。そこから「では、ウチの会社の業績を伸ばすにはどうすればいいか」という視点に立って「インテリジェンス」に加工していく。そういうイメージですね。
 長期的な目標達成のためにも、データによる裏付けが大事だと渡辺さんが説きます。
「何か大きな目標に向かって進もうというとき、大切なのはその目標に至るために段階的に達成すべき具体的な目標を、マイルストーンのように設定することだろう。大きな目標だけを掲げていても、そこに至る手順が検討されていなければ達成は難しい。そしてその段階ごとの目標が、データで裏付けられているものであれば、その努力の方向性はより確かなものになるに違いない」
 眞鍋監督が指揮する全日本女子バレーチームが始動したのは2009年。2012年の「ロンドン五輪で一番輝いているメダルを獲る」を最大の目標に設定。そのために、
2011年の目標:ワールドカップで3位以内に入る
2010年の目標:世界選手権で3位以内に入る
 と段階的に設定。そこで始動した2009年は「世界を知る」ことを目標に、ヨーロッパを回りながら、夏までに海外のチームと20試合の練習試合を組み実戦経験を重ねたそうです。
 あと面白いと思ったのが、データ分析にもお国柄で特長がでるという話ですね。
各国のアナリスト同士では、お互いに情報交換もよくするらしいのですが、例えば、欧米のチームがアジア大会のデータを欲しいときになどは、韓国や中国からよりも日本が分析した大会の情報を欲しがるそうです。というのも、同じ分析でも、日本の場合は、より正確さと丁寧さがあり、他国から見てもクオリティが高いそうです。
 言われてみると、確かに日本人の気質として、そういう分析作業はじっくりと緻密にやる作業は得意かもしれませんね。ラテンの国のアナリストに比べるとね・笑。
 サッカーでも、スカウティングの重要性は言うまでもありません。モウリーニョ監督が優れている事は有名ですよね。
 ただサッカーの場合は、バレーボールとは違い、監督がタイムアウトを取って、そのたびに作戦を指示できる競技ではないので、リアルタイムの情報を試合に活用することはできませんが、徐々にこういう流れには近づいていくんだろうな・・・なんて思いながらも読んでいました。
なんか数字とかデータとか情報というと、難しい本のように思えますが、「この試合ではこういったデータを活用した」、「その試合に向けた練習ではこの映像を選手に見せた」などなど、勝負をわけたであろうエピソードが豊富なので、読んでいて面白いですよ。
伸びる人のデータの読み方、強い組織のデータの使い方―全日本女子バレーボールチーム・アナリストが…/日本文芸社

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なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか―勝利をつかむデータ分析術 バレーボール「観戦力」…/東邦出版

¥1,500
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「精密力」~日本再生のヒント~―全日本女子バレー32年ぶりメダル獲得の秘密 (主婦の友新書)/主婦の友社

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チームのスイッチを入れる。 カリスマじゃなくてもできる組織を変える55の戦略/朝日新聞出版

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