「伸びる人のデータの読み方、強い組織のデータの使い方/渡辺啓太」


 どうも、サッカー本ソムリエ・いしかわごうです。
 今回紹介するのは、サッカーではなく、バレーボールの本です。
いしかわごうオフィシャルブログ「サッカーのしわざなのだ。」
「伸びる人のデータの読み方、強い組織のデータの使い方」
 ロンドン五輪で、28年ぶりのメダルを獲得した全日本女子バレーチーム。眞鍋監督がipadを片手に持ちながら指示を出す姿は、すっかりおなじみですよね。そこに試合のデータをリアルタイムで送信しているのが、アナリストの渡辺さんです。
1作目の「なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか」は、渡辺さんがアナリストになるまでのいきさつやアナリストという仕事に対する説明などを盛り込んだ内容でしたが、今回は、昨年のロンドン五輪に向けてどんな準備をしてきたのか、そして実際の試合に向けて、具体的にどういうアプローチで試合に準備をしているのか、映像や試合のデータをどう活用したのか、などなどかなり掘り下げた内容になっていた印象です。
 現代スポーツは「情報戦」と言われますが、本書のなかで渡辺さんは情報を「インフォメーション」と「インテリジェンス」という2種類で表現していました。
 
 そしてアナリストの仕事というのは、勝つ為に必要な「インフォメーション」を正確に集めて、それを「インテリジェンス」に加工し、戦略的に意思決定者に提供することにある、と。
 例えば企業が業績を上げる為には、自社のデータ、ライバル会社の動き、時代の流れなど、さまざまなデータを集める必要がある。その情報のことは「インフォメーション」。そこから「では、ウチの会社の業績を伸ばすにはどうすればいいか」という視点に立って「インテリジェンス」に加工していく。そういうイメージですね。
 長期的な目標達成のためにも、データによる裏付けが大事だと渡辺さんが説きます。
「何か大きな目標に向かって進もうというとき、大切なのはその目標に至るために段階的に達成すべき具体的な目標を、マイルストーンのように設定することだろう。大きな目標だけを掲げていても、そこに至る手順が検討されていなければ達成は難しい。そしてその段階ごとの目標が、データで裏付けられているものであれば、その努力の方向性はより確かなものになるに違いない」
 眞鍋監督が指揮する全日本女子バレーチームが始動したのは2009年。2012年の「ロンドン五輪で一番輝いているメダルを獲る」を最大の目標に設定。そのために、
2011年の目標:ワールドカップで3位以内に入る
2010年の目標:世界選手権で3位以内に入る
 と段階的に設定。そこで始動した2009年は「世界を知る」ことを目標に、ヨーロッパを回りながら、夏までに海外のチームと20試合の練習試合を組み実戦経験を重ねたそうです。
 あと面白いと思ったのが、データ分析にもお国柄で特長がでるという話ですね。
各国のアナリスト同士では、お互いに情報交換もよくするらしいのですが、例えば、欧米のチームがアジア大会のデータを欲しいときになどは、韓国や中国からよりも日本が分析した大会の情報を欲しがるそうです。というのも、同じ分析でも、日本の場合は、より正確さと丁寧さがあり、他国から見てもクオリティが高いそうです。
 言われてみると、確かに日本人の気質として、そういう分析作業はじっくりと緻密にやる作業は得意かもしれませんね。ラテンの国のアナリストに比べるとね・笑。
 サッカーでも、スカウティングの重要性は言うまでもありません。モウリーニョ監督が優れている事は有名ですよね。
 ただサッカーの場合は、バレーボールとは違い、監督がタイムアウトを取って、そのたびに作戦を指示できる競技ではないので、リアルタイムの情報を試合に活用することはできませんが、徐々にこういう流れには近づいていくんだろうな・・・なんて思いながらも読んでいました。
なんか数字とかデータとか情報というと、難しい本のように思えますが、「この試合ではこういったデータを活用した」、「その試合に向けた練習ではこの映像を選手に見せた」などなど、勝負をわけたであろうエピソードが豊富なので、読んでいて面白いですよ。
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