どうも、いしかわごうです。
水曜日は国立競技場でパリ・サンジェルマン戦を取材。
いやー、楽しい時間でした。メッシ、ネイマール、エムバペ、セルヒオ・ラモス、マルキーニョス・・・・やっぱりスーパースター軍団ですよ。GKのドンナルンマも去年のEuroで観たもんなぁ。
あと何度、プレーしているメッシを生で見れるんだろうか。
さて。
試合は1-2という結果でした。
川崎フロンターレの1ゴールは山村和也がヘディング弾。この日の中心にいたネイマールは、レアンドロ・ダミアンとはロンドン五輪のU-23ブラジル代表(銀メダル獲得)でしたが、山村和也はロンドン五輪のU-23日本代表主将でしたね。ちなみにいうと、チョン・ソンリョンもオーバーエージ枠でロンドン五輪に出てましたな(銅メダル獲得)。
試合後のミックスゾーン取材も色々と大変でしたね。
というのも、出場した選手の数がいつもより圧倒的に多いので、誰を取材してコメント取りをするのか。ちゃんと決めておかないと、1人の選手を捕まえて聞いている間、他の聞きたい選手が次々とミックスゾーンを通ってしまう可能性が高かったんです。だから、選択肢が多い時にどう判断するのか。迷わないように、ある程度は自分の中で準備しておく必要がありました。
当然ながら、こういう試合なので報道陣も多いのですが、誰も声をかけなかった選手を自分が呼びとめると、次の瞬間、たくさんの報道陣が駆け寄ってきて、あっという間に人だかりができることもしばしば・笑。
自分が最初に聞いたのは小林悠でした。この日は後半途中からの出場。結果的に放ったシュートもゼロでした。ただ、やはりクラブに長く在籍している彼には感想を聞きたいところです。
報道陣が遠野大弥に集中しているため、小林は誰も呼び止められることなく、こちらのエリアまで歩いてきました。「小林さん、コメントいい?」と声をかけると、「はい」と立ち止まって応じてくれた。
次の瞬間、たくさんの報道陣が駆け寄ってきて、背中で彼らを感じながら質問をすることに・笑。
まずは試合の感想から。彼自身はなかなかフィニッシュまで持ち込めず、どちらかといえば、守備に追われる時間が長かった印象だった。
「追いかける展開で、前からどんどんボールを追って、マイボールの時間を増やそうとしたかったんですけどね。パスを出してくれれば、というシーンもあったので・・・」
彼が触れた「パスを出してくれれば」という場面は、1-2の展開で迎えた88分の場面でしょう。PSGのエリア内で瀬古樹が粘り、そのボールを永長鷹虎が拾ってシュートに持ちこもうとした決定機で、小林悠は中央でラストパスを受けるポジショニングを取ってフリーの状態になっていた。ただ永長鷹虎は小林へのパスを選択せずに、自らシュートに持ち込もうとして、そして防がれたのだ。それをみた、小林は全身で「出せよ!!」と怒っていた。自分に出して欲しかった小林の気持ちはよくわかるし、あそこでチャレンジしたかった永長の気持ちもわかるよね。そういう場面だ。
「それは鷹虎くんの場面?」と聞くと、「そうですね」とうなづき、「でも、楽しかったですね」と小林は充実感を口にしていました。
ただあれだけ守備がハマらなかったのは、なぜだったのか。相手の巧さを前提として、かつ前線が守備のスイッチを入れようとしても、暑さにより後ろが連動しにくかったという側面もあったと言います。
「やはり上手さもあるし、強さもありますね。(守備が)はまらないので、自分が頑張って追いかけてという試合でした。ただ前は交代した選手がいけるけど、前半から出ている後ろがきついという感じで、後ろで余っている選手も多かった。前から行ったらそこに連動して、後ろも一緒にいったほうがよかったです。追いかける展開なのでそうするしかなかったですけど、難しかったですね」
そして「楽しかった」と述べてくれた理由も聞きました。「どういう種類の楽しかった」のでしょうか。彼は少し考えた後、こう話し始めてくれました。
「やっぱり一人一人の幅、ボールを取れる幅ですね。身体の大きい選手の足の深さとか、スライディングの深さを感じると、やはりJリーグとは違うなという楽しさはありましたね」
なるほどね。普段ならば五分になりそうな競り合いの局面や、うまく抜け出しそうな場面でもカットされてましたからね。Jリーグの選手との間合いの違いを感じているようでした。
どんな刺激を受けたのか。彼はさらに成長したい気持ちを口にしました。
「レベルの高いチームとやれることで、もっともっと努力しないとなという気持ちになる。もっと成長したいなと思う1日になりました」
こんな感じで何人かの選手には話を聞くことができました。なので、今回のレビューは、試合後のミックスゾーンの雰囲気やコメントを取った選手とのやりとりを中心にまとめたレビューになっております。
レビューは全部で約12000文字になっております。ラインナップはこちらです。
■「一人で剥がせるし、行けば通されるっていうのがあって、やっぱうまいなって感じました」(遠野大弥)。最初にミックスゾーンに出てきたダイヤ。3年前までアマチュアだった選手が、J王者のスタメンでメッシやネイマールと同じピッチに立った意味。
■「レベルの高いチームとやれることで、もっともっと努力しないとなという気持ちになる。もっと成長したいなと思う1日になりました」。シュート0本。にもかかわらず、小林悠が「楽しかった」と語った理由。
■「勇気を持ってラインを上げる。(キック)モーションになったらしっかりとラインを下げる。それをやれば、コントロールできる。そこはもっと自分たちが成長できる部分だと思います」(車屋紳太郎)。まさかのフルタイム出場。ぶっつけ本番だったという最終ラインで、MNMにどう対抗したのか。
■「ずっと見られている感覚があり、世界のレベルはそこでプレーするんだろうなと思います」(橘田健人)、「自分が取りに行こうとしても取れなかったし、悔しかったが仕方がない」(チャナティップ)。対応に後手を踏んだ中盤の選手たちが語ったこと。
■「1対1よりもグループで局面の数的優位を作るのがうまい。それはすごく感じました」(登里享平)。圧倒的な個を持ちながらも、グループで崩す時により迫力が増してきたPSG。そして思い出す、東京五輪後に田中碧の言葉。
■「世界はやっぱり広いと思いますし、彼らも真剣にやったら全然違うと思います」(家長昭博)。ミックスゾーンを最後に出てきたアキが語ったこと。
■もっと強くなるために。鬼木監督がチームで高めていきたい「基準」と、さらに求めていく「変化」。
ぜひ読んでみてください!
「今宵はありがとう」 (Paris Saint-Germain JAPAN TOUR 2022:パリ・サン=ジェルマン戦:1-2)
おフランスだったカブレラ。